いや~大満開の章…お 風 呂 シ ー ン 全 カ ッ ト
…いや、尺の都合仕方ないとはいえチョット悲しいです
はい、気を取り直して「弓有香織は勇者をやめた」第3話、楽しんでくれると幸いです!
Side香織
無我夢中、藁にもすがる思いで〈鎧〉に触れたら、昔見た変身物のテレビのように不思議な光の粒に変わってから私が少し雰囲気が変わった〈鎧〉を身に纏っていた─欲を言うなら魔法の国から来た妖精が話しかけてくれたり、スタイリッシュな変身音が流れて欲しかった─
なぜ触っただけで光の粒に変わったのか、なぜあのとき〈鎧〉が語りかけてきた言葉を信じたのか、なぜ怪物が出るのを直感的に感じ取れたのか、そもそもあの怪物は一体何なのか。
色々と分からない事はあるが一つだけ言える事は、今の私はあの怪物達に負ける気が全くしないという事だ。
〈鎧〉を身に付けたその瞬間から全身にパワーが巡り、怪物の攻撃も絶対に耐えられるという自信が湧いてくる。
ひとまず両親と住職さんに迫る怪物を倒すべく元来た道を辿り、
「うおりゃあぁぁ!」
3人を食べようとしている個体に近ずいて思いっきりパンチする。
攻撃が直撃した怪物は耐えられる訳もなく爆発四散
「ポスっ」
「…へ?」
せず、私の渾身の一撃は浮き輪から空気が抜けるようなマヌケな音をたてる。
その後も何度も何度も拳を打ち付けるが、やはり効いているようには思えない。
繰り返すうちに怪物もうざったらしいと思ったのか、おとうさんの手を喰らったその口を広げて私に迫る。
咄嗟に両手をクロスさせて防御すると、
「カンっ」
「…ん?」
まるでガードレールに蹴っていた小石をぶつけた様な甲高い金属音が響く。
これには怪物も戸惑ったのか、何度も攻撃を仕掛けて来るが、カンっ、カンっと同じ音がなり続ける。
…これなら、ちーちゃんがみんなからされている事の方が…
などと考えていると、怪物も私に攻撃する事が時間の無駄だと悟ったのか、3人を食べに行こうとする。
そうはさせまいとパンチを連続で繰り出すが、やはりダメージをくらったようには見えない。
何回も攻撃されたことに腹を立てたのか反撃と言わんばかりに噛み付いて来るが鎧を貫く事は叶わない。
攻撃をくらううちに、何故異様にダメージをくらわないのか察する。
おそらくだがこの〈鎧〉は装備者の思いに応えて力を解放するのだ。
私は〈鎧〉に触れた時、ただただ「しにたくない」と思っていた。
だから〈鎧〉は力をくれたのだ。「怪物を倒せる力」では無く「怪物の攻撃で死なない力」を。
だけどそれでは意味が無い。
たとえ1人だけ生き残っても両親がいなければ…「ひとりぼっち」になってしまっては意味が無い。
だから…だから…だから!
「もう一度力を貸してくれぇぇ!」
Side香織Out
怪物…星屑は目の前のニンゲンに苛立っていた。
最初は何の力も無い、取るに足らない存在だと思っていた。
ただ命令どうりに、己の顎で噛み砕いてやればいいと。
だが、途中で別行動をとった時から様子が変わった。
その時は急に単独で動いた事を不思議に思ったものの、恐怖から1人逃げ出したと考え、無駄なことをするものだと嘲笑った。
そしてその他のニンゲンを喰らおうとした時、あのニンゲンが再び現れた…しかも、自らの創造主の力が混じった鎧を身に付けて、だ。
それには流石に驚いたが、その後の攻撃がまるで効かなかった為、逆に喰らおうとしたが文字通り『歯』が立たずに弾かれた。
相手にするだけ面倒だと思ったが、無視しようとしても攻撃を続けてきて、鬱陶しい。
再び噛み付くが、ダメージを与える事が出来ない。
この現状に苛立ちがピークを迎えた時、
「もう一度力を貸してくれぇぇ!」
ニンゲンが叫ぶと同時に辺りが光に包まれる。
光が消えるとそこには、意匠が変わった〈鎧〉を身に纏った少女がいた。
全身を覆っていた鎧は動きやすいように装甲が減り、新たにふちが赤く、内部は真っ白な陣羽織が追加される。
両手は鉤爪が装備され、鎧の真ん中、胸の辺りに四葉のクローバーのような若葉色の結晶が現れる。
その姿を見た星屑は、なにかとんでもない過ちを犯したと思った。が、そこは異形の存在、装甲が減った事で今度は攻撃が通ると考え、大きく口を開けて接近し、
一瞬で切り裂かれた
しかし一撃では絶命せず、全速力で逃亡を図り
即座に追いつかれ、続く2撃目であっさりと物言わぬ骸に変わった
Side香織
やはり予想は当たっていたのか、〈鎧〉の力が今まで防御にのみ回されていた力がが攻撃や移動する力にも変化する。
鉤爪での一撃では倒せない様なので、追撃してトドメをさす。
この形態?に変化してから、どう戦えば良いのかが分かる。これも予想だが、〈鎧〉の今までの持ち主の経験を〈鎧〉をとうして私に流れ込んでいるんだと思う。
などと考えていると、怪物が2、3体程近づいて来たので意識を武器に集中させる
この〈鎧〉には今までの持ち主の経験が記録されているのはさっきも言ったが、この〈鎧〉の持ち主全員が鉤爪を使っていた訳では無い。
つまりどういう事かと言うとこの〈鎧〉、
私は鉤爪を消して大槌、いわゆるハンマーを取り出す。
そしてやって来た怪物にフルスイング!
怪物は粉々になりながら勢いのままに寺の壁に衝突、破壊して
私もハンマーの想定以上の重さに振り回されて寺の床を破壊した。
…だってしょうがないじゃん!まさか自分でもコントロール出来ない重さの武器が出てくるとは思って無かったし!私は悪くない!
なんて心の中で言い訳をしながら、3人を連れて安全な場所を探しに行くのだった。
SideOut
Side??
あの神社で皆の仇をとってから数日。
私達は島根の人々を連れて『神樹様』に守られているという四国へと向かっており、今日ようやく県境を越え広島県に入った。
「や、やっと広島まで来れたのか!」
「あ、あぁ。四国まであと少しだ」
やはりあの怪物を警戒しながらの移動で共にここまで来た人々も疲れたのか、感極まったような声がちらほら聞こえる。
「皆さん!今日はここで体を休めましょう!」
私は全体に聞こえるように大きな声で伝える。
「おーい、勇者様からここで休憩するようお達しだ!」
「ゆうしゃさま、きょうもありがとう!」
人々の話し声で今日も誰も死んでないことに安堵し、私の親友であり巫女でもある彼女に話しかける。
「おーいひなた!このペースだと神樹様のところまであとどのくらいかかりそうだ?」
「はい、若葉ちゃん!皆さんの調子も良さそうですし、あと1週間かからず着きそうです!」
「そうか…なら、もうひとふんばりだな」
私は勇者として、乃木家の者として、皆を無事に四国に送り届けてみせる!
Side若葉Out
…はい、武器の切り替え可能にしました!ま、まぁちゃんとパワーバランスおかしくないように調整しますので…
後、最後に少しだけ若葉とひなたを登場させました!
いや、次こそちゃんと登場させますから!
何気にただの星屑視点がある小説ってウチだけでは…?
まぁ何はともあれ読んでいただきありがとうございました!
評価、感想等いただくと幸いです