僕のヒーローアカデミア with EX-AID 作:ムジョー555
実践訓練で激突した出久と爆豪。
爆豪の猛攻を仮面ライダーと個性の力でなんとかしのぐも力尽き倒れ込む出久。
しかし、すべては出久の読み通り。
作戦が見事決まり、訓練は出久たちヒーローチームの勝利となった。
出久に敗北した事実に落ち込む爆豪であったが、その悔しさを乗り越え、先に進む決意を新たにしたのだった。
一方、その頃。
闇に蠢く敵たちの魔の手が、雄英高校に迫ろうとしていた……
『オールマイトの授業はどんな感じです?』
校門前、出久を始めとする生徒たちはオールマイトについて、マスコミからインタビューを受けていた。
オールマイトが雄英の教師に就任したというニュースは全国を驚かせ、連日マスコミが押し寄せる騒ぎになっていた。
「ちょっと、もう少し話を聞かせて!」
マスコミの女性が校門に近づくと……
ブーブー
警報が鳴り響き、突如シャッターが閉まる。
「どぅわぁ!危ない!?何よこれ!?」
シャッターに挟まれそうになった女性が声を上げる。
「雄英バリアーだよ、俺らはそう呼んでる。学生証とかさ、通行許可IDを身につけてない者が門をくぐるとセキュリティが働くんだ。校内のいたるところにセンサーがあるらしいぜ」
女性のそばにいたマスコミの男性が説明した。
〜ホームルーム〜
「昨日の戦闘訓練お疲れ、Vと成績見させてもらった」
相澤が生徒たちに話しかける。
「爆豪、おまえもうガキみてえなマネするな、能力あるんだから」
「……うっす」
「で、緑谷はまた体力使い果たして一件落着か。個性の制御、いつまでもアイテム頼りの『結果オーライ』じゃ通させねえぞ。俺は同じ事いうのが嫌いだ」
「……はい」
ふたりが反省したのを確認し、相澤は話を続ける。
「さて、ホームルームの本題だ。急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいのきたー!!」
沸き立つクラス一同。
唐突な話にも関わらず、ほぼ全員が委員長になりたいと手を上げた。
普通の学校なら他の誰かに押し付ける役割だが、ヒーロー科では集団を纏めるトップヒーローの基礎を鍛えられる重要な役職となる。
「委員長!!やりたいです、それ俺!」
「オイラのマニフェストはスカート膝上30cm!!」
「僕のためにあるヤツ☆」
「リーダー!やるやる!!」
皆、我こそはと、こぞって手を挙げる。
「静粛にしたまえ!!」
そんな教室に飯田の声が響く。
「多を牽引する責任重大な仕事だぞ。『やりたい者』がやれるモノではないだろう!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務。民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案!!」
飯田は皆に熱く問いかける。
だがしかし……
「なら、その手はなんだ?」
「お前がそびえ立ってんじゃねーか!!」
「説得力ねぇぞ!!」
まっすぐと伸びた飯田の腕が、誰よりも学級委員長を志願していることを表していた。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」
「だからこそ、ここで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間という事にならないか!?どうでしょうか、先生」
「時間内に決めりゃ何でも良いよ」
飯田の問いに面倒臭そうに返す相澤。
そして、投票の結果……
「僕に3票!?」
驚く出久。
「俺に1票!?一体誰が入れたんだ!?」
「……他に入れたのね」
「お前もやりたがってたのに、何がしたいんだ」
まさかの他者に投票した飯田に皆が呆れた。
こうして、委員長は出久、副委員長は八百万に決まった。
〜昼休み〜
お茶子と飯田に誘われ、食堂へ行こうとした出久。
そこにポッピーから通信が入った。
いつものような唐突なワープではなく、テキストメッセージであったことにホッと胸を撫で下ろし、内容を確認する。
「デクくん、どうしたん?」
「麗日さん、ごめん。知り合いから呼び出しがかかったから、ちょっと話をしてくる。先に行ってて」
そう告げると、出久はサポート科の工房へと向かった。
〜サポート科 工房〜
普段はサポート科の生徒たちが創意工夫に取り組む場であるが、昼休みということもあり人影は疎ら。
出久はポッピーに指定された個室に入った。
「出久、突然ごめんね!」
「ポッピーさん、どうしたんですか急に……」
「私が呼んだんだよ」
そう言うと、個室の奥からひとりの青年が現れた。
「はじめまして、緑谷出久くん」
「あ、あなたは……!?」
姿を現した青年のことを出久はよく知っている。
「幻夢の、檀黎斗社長!?」
出久は驚きの声を上げながら、黎斗に駆け寄る。
「あ、あの、いつも御社のゲームをプレイさせていただいております!どれも、とても、最っ高ぅに素晴らしいです!!」
「天才ゲーマーに褒めてもらえるとは、ひとりのクリエイターとして光栄だな。こちらこそ、いつもプレイしてくれてありがとう!」
黎斗の爽やかな笑顔に心奪われる出久。
しかし、ふと我にかえる。
「……ところで、檀社長がなんでここに?」
「私はここのサポート科のOBでね。校長に頼んで、通してもらったんだ。いやぁ懐かしいなぁ……」
そう言いながら辺りを見渡す黎斗。
「……と、そういう意味ではないね。すまない、本題に入ろう。ポッピーピポパポ、例の物を」
指示を受けたポッピーは出久にゴーグルを手渡す。
「率直に言おう。緑谷出久くん、君の『仮面ライダーエグゼイド』としての戦闘データを採らせてほしい」
「僕のデータを?」
状況が飲み込めない出久に黎斗は話を続ける。
「ゲーマドライバーは、幻夢コーポレーションと衛生省が共同で開発したサポートアイテムなんだ。だが、適合者がなかなか現れず、実運用データが不足しているのが現状……」
説明の途中に割り込むように、ポッピーが飛び出してくる。
「そこで使うのが、そのゴーグル。仮面ライダー戦闘シミュレーションゲーム『ヴァーチャルオペレーション』だよ!」
そう言うと、ポッピーは出久へゴーグルを装着する。
「それじゃあ早速、ゲームスタート!!」
「え!?ちょっと待っ……」
―GAME START―
気がつくと、出久は一瞬にして別の場所に移動し、ひとり立っていた。
よくよく見るとそこは、初めて仮面ライダーに変身したイベント会場であった。
「これがシミュレーション……?スゴイ……こんなリアルなの、初めてだ!」
目に映る光景。
身体を動かす感覚。
いずれも普段の生活となんら遜色ないレベルの再現度に驚く出久。
突然のことで驚きこそしたものの、ゲーマーの血が騒ぎ出す。
『緑谷くん、今からその仮想ゲームエリアに敵キャラを出す。ポッピーピポパポの指示に従って闘ってくれ』
「分かりました!」
黎斗の通信に出久が答えると、目の前に緑色の流動体が現れた。
かつての敵―ヘドロヴィラン―を模したその敵キャラは、再現度の高い瞳でギョロリと出久を見つめている。
『出久ぅ〜、じゃあまずはガシャットのスイッチを押して!』
出久は手にしたガシャットのスイッチを押す。
『マイティアクションX!』
『次に、ゲーマドライバーを腰に巻く!』
出久がゲーマドライバーを腰に翳すと、ベルトが伸び、自然と巻かれていく。
『そして、ガシャットを刺して、変身!!』
「変身!」
『ガッシャット!』
出久はマイティアクションXのガシャットをゲーマドライバーに差し込む。
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?』
出久の周囲を囲むように、キャラクター選択パネルが表示される。
出久は自分の正面のパネルにまっすぐと手を伸ばした。
『アイム ア カメンライダー!』
―仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマーレベル1―
ハンマー状の武器『ガシャコンブレイカー』を取り出した出久は、それをヘドロヴィランの頭に叩きつける。
『よし!じゃあ、ゲーマドライバーのレバーを開放して、レベルアップ行ってみよ〜!!』
ガシャコンブレイカーを放り投げ、出久はゲーマドライバーの正面にあるレバーを開放する。
「大変身!!」
『ガッチャーン!レベルアーップ!』
出久が跳び上がると、それに合わせて音声が続く。
『マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!!』
―仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマーレベル2―
『それじゃあ、キメワザでFINISHだよ!ガシャットを抜いて、ホルダーへ装填!』
出久はゲーマドライバーからガシャットを抜き、ベルトの左腰部分に装着されたホルダーへ挿し直す。
『ボタンを押して!』
出久はホルダーのボタンを押す。
『緑谷くん、君の個性の反動も把握したい。仮想空間だから人体への影響もない。遠慮なく全力を出してくれ!』
『というわけで、もう1回押して!』
黎斗とポッピーの言葉を受け、出久はワン・フォー・オールを発動しつつ、ホルダーのボタンを押す。
『キメワザ!』
鳴り響く音声とともに、出久の脚にエネルギーが満ちていく。
そして、その脚のエネルギーを威力に変えて、ヘドロヴィランへと跳び蹴りを放つ。
『マイティクリティカル「スマッシュ」!!』
ヘドロヴィランの身体に必殺のキックが突き刺さる。
『PERFECT』
初めて闘ったときには無かった『個性』ワン・フォー・オールの力が上乗せされた必殺の一撃。
ヘドロヴィランの身体は文字通り、跡形もなく爆散した。
―GAME CLEAR!―
「お疲れ様〜!」
ポッピーの声とともにゴーグルを外され、出久の視界に広がるのは元の工房の光景。
出久は手をグーパーグーパーと動かし、現実に戻ってきたことを実感する。
「緑谷くん、お疲れ様。実に素晴らしい。ゲーマドライバーをここまで使いこなせるとは流石、天才ゲーマーだな!」
黎斗は記録したデータをパソコンで確認し、カタカタとキーボードを叩きながら出久へ語りかける。
「……よし、できた!」
そして、黎斗はパソコンに繋げられた機械から、ガシャットを取り外す。
「緑谷くん。これは君の個性反動を考慮した新しいガシャットだ」
そう言うと、黎斗はメタリックレッドの輝くガシャットを出久に手渡す。
―ゲキトツロボッツ―
それが新しいガシャットの名前。
ガシャットのラベルにはゲーム内の主人公機である赤いロボットが、端子部にはロボットやネジや配線といった機械を連想させる絵柄が描かれている。
「ゲキトツロボッツは、ロボット同士が殴り合うSF・ガチンコ・ロボットアクションバトルゲーム!エグゼイドにも超絶ロボットパワーがやってくるよー!!」
ポッピーが派手な身振り手振りでゲームの内容を説明する。
「スゴイ……これが新しいガシャット!?」
光輝く新しいガシャットを出久は興味深く眺める。
「まだ完璧ではないが、これでエグゼイドをレベルアップさせれば君の個性の反動を少しは抑制できるはずだ。ぜひ使ってみてくれ、緑谷くん」
「はい、ありがとうございます!!」
出久が黎斗に返事をしたその瞬間。
ウーウー
校内に警報が鳴り響く。
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい』
そのような放送も入る。
「バカな!雄英のセキュリティが突破された!?」
驚く黎斗に出久が問いかける。
「檀社長、セキュリティ3って……?」
「雄英高校セキュリティレベルの上位だ。私が在学中には、こんな警報聞いたこともない……」
人影疎らで食堂などから離れている工房にいても、生徒たちが騒ぐ声が耳に入り、校内がパニックになっていることが予想できた。
「みんなが心配だ……僕、友達のところに行ってきます!」
「緑谷くん、気をつけたまえ。検討を祈る!」
「出久、いってらっしゃい!」
黎斗とポッピーに見送られ、出久はお茶子たちのいる食堂へ向かった。
「いったい何が……」
走りながら様子を窺う出久。
外を確認すると、どうやら侵入したのが報道陣だと気づく。
〜食堂〜
一方、その頃。
食堂にいた飯田も外の様子を確認し、状況を把握していた。
「何かと思えばただのマスコミ。先生方は!?対処に追われてるのか!?。この場で大丈夫なことを知ってる者は!?皆気付かずパニックに陥っている……」
飯田は考える。
こんなとき、尊敬するヒーローたちならどうするか?
委員長に相応しいと思い、自らの一票を投じた緑谷くん……
最も尊敬すべきヒーロー、兄『インゲニウム』……
そして、飯田が叫ぶ。
「俺を浮かせろ、麗日くん!」
そう言って、飯田はお茶子に触れる。
飯田はお茶子の個性で浮遊した状態で自身の個性を発動。
エンジンから噴き出すターボを使い、目立つ位置へ。
食堂出入り口の非常表示に飛び乗る。
「皆さん、だいじょーぶ!ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません、だいじょーぶ!」
飯田は高い位置から、慌てふためく生徒たちに呼びかける。
「ここは雄英、最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!」
飯田は生徒たちに思いのたけを伝えていく。
その頃、やっと食堂に辿り着いた出久は飯田の奮闘を目にし、落ち着きを取り戻す生徒たちを見て安心していた。
その後、警察が到着してマスコミは撤退。
学校には再び平穏が戻った。
〜放課後〜
1-Aの教室で会議が始まろうとしていた。
「ホラ、委員長始めて」
八百万の言葉を受け、出久が発言する。
「では、他の委員決めを執り行って参ります。……けど、その前にいいですか」
出久の言葉に教室の皆が耳を傾ける。
「委員長はやっぱり飯田くんが良いと思います。今回の食堂での一件、あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。僕は飯田くんがやるのが正しいと思うよ」
出久のまっすぐと強い発言に、教室の雰囲気が変わる。
クラスの他の生徒たちもその意見に納得していく。
「委員長直々の指名とあっては……僭越ながら引き受けさせていただこう!」
こうして、晴れて飯田が委員長になったのだった。
〜雄英高校 校門〜
「ただのマスコミがこんなこと出来る?」
集まった教師たちの目の前には無惨にも崩壊した雄英バリアー。
砂のように崩れ去った防衛装置の残骸があった。
「そそのかした者がいるね」
雄英高校校長が呟く。
「邪な者が入り込んだか……もしくは宣戦布告の腹づもりか……」
教師たちは、その惨状を前に静かに今後の対策を考えていた。
【デクの現在所持ガシャット】
・マイティアクションX
・ゲキトツロボッツ