僕のヒーローアカデミア with EX-AID 作:ムジョー555
USJにて行われる救助訓練。
そこに突如として乱入してきたヴィラン連合。
オールマイトの命を奪うと宣言し、生徒たちをワープ個性で分断させた。
水難エリアに飛ばされた出久は蛙吹、峰田と合流。
ヴィラン連合と闘うことを決意した。
「何が戦うだよ、バカかよぉ!?」
決意溢れる出久に対し、峰田が思わずツッコむ。
「オールマイトブッ倒せるかもしれねー奴らなんだろ!?矛盾が生じてんぞ、緑谷!雄英ヒーローが救けに来てくれるまでおとなしくが得策に決まってらい!!」
「いや、それがそうとも限らないんだ」
出久は峰田へ語りかける。
「まず、奴らにオールマイトを倒す算段があることと、僕らが奴らに抗えることは、必ずしも矛盾しない。それは『オールマイト用』の対策が、そのまま僕らに当てられた戦力と一致するとは限らないからだ」
出久はそう言うと、自分たちの下の水面にいるヴィランたちを指し示す。
「下の連中は明らかに水中戦を想定してるよね?」
「……敵はこのUSJの設計を把握した上で人員を集めたってこと?」
蛙吹が出久に訊ねる。
「そう。そして、そこまで情報を仕入れておいて周到に準備してくる連中にしちゃおかしな点がある」
「ここに今、私がいるという点ね」
順番に発言する出久と蛙吹を交互に見やりながら、話を聞く峰田。
「そう、この水難ゾーンに蛙す……っつぅ……梅雨ちゃんが移動させられてるって点から察するに、奴らは個々の生徒の個性はわかってないんじゃないかな?だからこそきっと、バラバラにして数で攻め落とすって作戦にしたんだよ」
「なるほどね、緑谷ちゃん。つまり、下にいるのはオールマイトを倒せるような精鋭部隊なんかじゃなくて、単に数に頼ってるだけの集団……という読みね」
「そういうこと。現に敵は船に上がろうとしてこない。もし、本当にオールマイトに対応できるような実力者集団なら、僕らの個性が未知でも問題なく攻め込んでくるはず。この現状が仮説を裏付けてる」
出久はそう説明する。
「そして、このまま何もしないでプロヒーローの先生方の応援を待つのが得策かというと……そこまで悠長にしてる暇はないと思う。僕のゲームスコープの通信機能が動作してない現状、そんなにすぐに救けが来るとは思えない。いくら下の連中が精鋭部隊ではないとはいえ、数で勝る相手にあまり時間を与えるべきじゃないと思う」
出久の説明を聞く蛙吹と峰田。
「何もここで水面の敵たち相手に死力を尽くそうってわけじゃない。この場をなるべく最小限の被害で切り抜け、可能であれぱ他のみんなの状況を確認しつつ、脱出経路を確保する……それがベストだと思う」
パチパチパチ
出久がそう言うと、船の奥から手を叩く音が聞こえてきた。
そして、ゆっくりと黒い影が近づいてきた。
「誰かいるのか!?」
音のする方向に声を上げる出久。
やがて、船の物陰から、その音の状態が現れた。
「素晴らしい判断だ、緑谷出久。いや……天才ゲーマーM、と呼ぶべきかな?」
機械で処理されたような曇った音声を発するのは、出久にも見覚えのある姿。
「……黒い……エグゼイド……?」
自分の変身した姿、仮面ライダーエグゼイドによく似た、黒い仮面ライダーが現れたのだった。
「緑谷出久、君の読みは正しい。ここで水面の雑魚相手にグズグズしていると、広場で犠牲者が出るかもしれないぞ?『オールマイト用』の戦力相手に、イレイザーヘッドはひとりで切り抜けられるかな?」
黒いエグゼイドは出久にそう語りかける。
「ここは私に任せて、君はお友達と一緒に船から離れたまえ。時間はあまりないぞ」
ドン!
黒いエグゼイドの言葉に続くように、ヴィランたちの攻撃が始まった。
船を破壊し、出久たちを水へと誘う算段だろう。
「貴方が何者か知りませんが……信じていいんですね?」
出久は黒いエグゼイドに問いかける。
「見ず知らずのプレイヤーとの協力もゲームの醍醐味……違うかな、天才ゲーマー?」
黒いエグゼイドは答えになっているのか、いないのか、そんな返答をする。
「行こう、梅雨ちゃん、峰田くん。なんであれ避難できるなら、それに越したことはない」
そう言うと、出久はゲーマドライバーを構え、動き出した。
「ガキどもが動き出したぞ!」
仮面ライダーに変身した出久が打つのは逃げの一手。
蛙吹と峰田を抱え、生成したブロックを足場に跳び跳ね、船から脱出していく。
「逃がすなぁ!!」
それを追いかけようとするヴィランたちだったが……
「……待て」
彼らの視界に映ったのは、船首に立つ黒い仮面ライダーの姿。
「お前たちの相手は私がする」
「あぁ?てめぇひとりで、この軍勢を相手にできるとでも?」
ヴィランのひとりが荒れた口調で挑発する。
「勿論、君たちには新しいガシャットの実験に付き合ってもらおうか」
そう言うと、黒いエグゼイドはガシャットを取り出す。
『シャカリキスポーツ!』
「グレード3……」
黒いエグゼイドは新しいガシャットを空きスロットに装填し、レバーを操作する。
『ガッチャーン!レベルアーップ!』
『マイティジャンプ マイティキック マイティーアクショーンX!』
『アガッチャ!シャカリキ!シャカリキ!バッドバッド!』
『シャカッと リキッと シャカリキスポーツ!』
―スポーツアクションゲーマーレベル3―
頭部に自転車競技用ヘルメットのようなパーツが付き、上半身全体にも黄緑色を主体とした自転車モチーフの装甲を纏い、肩の大きな車輪が特徴的な姿。
「……一気に決めようか」
『キメワザ』
『シャカリキクリティカルストライク!』
黒いエグゼイドは、肩の大きな車輪『トリックフライホイール』を取り外すと、それを投擲する。
キメワザのエネルギーを纏った車輪は、まるでブーメランのように宙を舞い、水面のヴィランたちに次々と襲いかかる。
「なんだよ、これ!?うわあァァァ!?」
奇想天外な動きをする車輪に、ヴィランたちは為す術もなく弾き飛ばされ……数分後には、全てのヴィランはただ水面に浮かぶのみであった。
岸辺へ辿り着いた出久たちは、身を隠しながら移動しつつ、今後のために互いの個性の確認をしていた。
「私は跳躍と壁に貼りつけるのと舌を伸ばせるわ、最長で20m程。あとは胃袋を外に出して洗ったり、毒性の粘液、といっても多少ピリッとする程度のを分泌できる。後半2つはほぼ役に立たないし忘れていいかも」
「薄々思ってたけど強いね」
「分泌……!」
蛙吹の個性を素直に評する出久。
何か言葉にし難いことを考える峰田。
「僕は超パワーだけど、反動もとびっきり大きい諸刃の剣的なアレです。その反動を抑えるため、この姿に変身するけど、まだ100%全開の出力は保たないかな」
出久はエグゼイドレベル2の姿で、そう説明する。
峰田は自身の頭から生えてる球体をもぎ取り、地面に押し付ける。
「超くっつく。体調によっちゃ一日経ってもくっついたまま。モギったそばから生えてくるけど、モギりすぎると血が出る。オイラ自身にはくっつかずブニブニ跳ねる」
峰田はそう説明する。
「なるほど、ヴィランの拘束・無力化に最適だし、今回のような対集団戦闘における奇襲にも使える。行動制限は地味だけど有効なデバフ。面白い個性だね!」
あまり褒められ慣れていないのか、照れた様子の峰田。
「それで、次どうするかじゃないかしら?」
蛙吹はそう問いかける。
「そうだね。とりあえず救けを呼ぶのが最優先。このまま水辺に沿って、広場を避けて出口に向かうのが最善」
「そうね、広間は相澤先生が敵を大勢引きつけてくれてる」
出久の言葉に、蛙吹が答える。
「だから、ふたりはこのまま出口に向かって」
「ふたりは……?」
出久の言葉に峰田が首を傾げる。
「緑谷、まさかお前……」
「やっぱり敵が多すぎる。先生はもちろん制圧するつもりだろうけど、僕らを守る為にムリを通して飛び込んだと思うんだ。それに『オールマイト用』の隠し玉もあると考えると……」
「いやいや、緑谷。バカバカバカ、何考えてんだよ。お前も一緒に逃げるんだよ!」
ビビりながらも出久のことを心配して声をかける峰田。
「逃げないよ」
それに対し、強く言い返す出久。
「人の命を軽々しく奪おうなんて考える奴ら、放って置くわけにはいかないよ。それに、相澤先生の邪魔になるようなことは考えてない。ただ隙を見て、少しでも先生の負担を減らせれば……」
そう言うと、出久は広場の方へ視線を向ける。
「だから、僕は行くよ」
「そう。でもそんな貴方をひとりで行かせると思う、緑谷ちゃん?」
蛙吹はそう言うと、出久のあとに続く。
「えぇい、わかったよ!オイラも行くよ!オイラだってヒーロー志望の端くれだぁ!!」
そして峰田も決心し、ふたりの後に続いた。
〜広場〜
一方、その頃。
ある程度、有象無象のヴィランたちを制圧し終えた相澤は、リーダー格の白髪男に突撃していた。
「……動き回るのでわかり辛いけど、髪が下がる瞬間がある」
白髪の男はそう言うと、相澤の横手に回り込む。
「一アクション終えるごとだ。そして、その間隔は段々短くなってる。無理をするなよ、イレイザーヘッド」
白髪の男が相澤の肘を触れると、その箇所がまるで砂のように崩れていく。
「崩壊する個性かっ!?」
慌てて距離をとる相澤。
そこに詰め寄り、語りかける白髪の男。
「その個性じゃ集団との長期決戦は向いてなくないか?普段の仕事と勝手が違うんじゃないか?君が得意なのはあくまでも奇襲からの短期決戦じゃないか?」
そう言いながら、さらに距離を詰めていく。
「それでも真正面から飛び込んできたのは生徒に安心を与える為か?かっこいいなあ、かっこいいなあ……ところでヒーロー、本命は俺じゃない」
白髪の男がそう言うと、その背後から筋骨隆々の黒い肉体をもち、頭部は脳が剥き出しの異形が姿を現した。
「……改人・脳無。こいつが本命さ」
脳無と呼ばれた異形のヴィランは、相澤を地面に叩きつける。
「個性を消せる。素敵だけどなんてことはないね。だって、圧倒的な力の前ではつまりただの無個性だもの」
脳無はねじ伏せた相澤の腕を小枝でも折るように軽々と粉砕する。
相澤はやられながらも考えていた。
自分の個性なら、相手の身体の一部でも見れば消せる。
つまり、この改人とやらは個性無しの素の力がコレ。
オールマイト並みのパワー。
「クソっ……」
そのバカ力で頭を押さえつけられ、もがき苦しむ相澤。
「じゃあね、さよならヒーロー」
白髪の男の声に合わせ、脳無がさらに力を強めようとした、そのとき。
『マイティクリティカル「スマッシュ」!!』
飛び込んできたのはピンクの閃光。
突き刺さるのは必殺の一撃。
稲妻走る仮面ライダーの飛び蹴りが、無防備な脳無の胴体に炸裂し、その巨体を吹き飛ばす。
「あぁん?なんだ、お前?」
突然現れた存在に、白髪の男は嫌悪感向き出しで問いかける。
「ヴィランめ、よくも先生を……」
出久は軽く痛む頭を押さえながら、白髪の男と向き合う。
「これ以上、好き勝手はさせないぞ!」
「……緑谷」
相澤を守るように、今、仮面ライダーエグゼイドが巨悪と対峙する。
【デクの現在所持ガシャット】
・マイティアクションX
・ゲキトツロボッツ