伝説の魔物使いも箱庭に来るそうですよ?   作:60067

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皆の者!待たせてあい済まなかった!


この話単品で見ると2ヶ月の遅延、私が今のとこ新しく更新したものだとしても1ヶ月の遅延だ!許されざるな私!


夏休みって……何もしたくなくなるよね!


邂逅、ルイオス

リュカは一人コミュニティの本拠内にある森の中を歩いていた。

その行為に特別な意味はなく、強いて言うならただそうしたかったから歩いていたのだ。

今頃は十六夜がジン・ラッセルが率いる“ノーネーム”の名を広めるために何らかの行動を起こしているだろう。そこにヨウにアスカもいるはずだ。

 

 

「ドラ吉」

 

 

リュカがポツリと呟くと虚空に魔方陣が浮かびそこから黒い何かが飛び出す。それはドラキーと呼ばれるコウモリによく似た魔物だった。

 

 

「少しここいらを偵察しておいてくれ。何もなければそれでいいが、何かがいる気がする。何かが此方に害を与えてくるような輩なら全力でもって排除しろ。そうでないのなら戻ってきて」

 

「任せるキー!」

 

 

ドラ吉は快諾しパタパタと小さな翼をはためかせ森の暗がりに姿を消す。ドラ吉の戦闘力はそれほど高くはない。が、高くはないといってもあくまでリュカが仲間にした魔物の中では弱い方というだけであり普通のドラキーどころかかなり格上の魔物とも十分に渡り合える。更にこの場は夜の森。ドラキーが持ち前の戦闘力を発揮するには相応しすぎる場だ。惜しむらくはドラ吉が覚えているドラゴラムが発動できない場であるということであろうか。

 

 

(さて…………鬼が出るか蛇が出るか。出来ることならその何方でもないのがベストだが)

 

 

願わくば悪い予感が外れてほしい。そう思うリュカだった。暫くしてドラ吉が翼をはためかせ戻ってくる。戻ってきたということは少なくとも害意を与えてくるような輩ではないということだ。

 

 

「どうだった?」

 

「金髪の小さな女の子がいたキー。遠目から観察している分だととても優しい眼をしてたキー。だから害は与えないと判断して戻ってきたキー」

 

「そうか、とても優しい眼を…………」

 

 

魔物は総じて人間よりもそういうのには敏感というか読み取るのがうまい。ドラ吉が優しい眼をしていたというのならその金髪少女は心根が優しい人物なのだろう。

 

 

「あと、同族の匂いがほんのちょっとだけしたキー」

 

「ふむ、同族…………。となると文献に載っていた“箱庭の騎士”ってやつかな。確か、吸血鬼っていう種族みたいだけど」

 

 

吸血鬼は箱庭においては“箱庭の騎士”と呼ばれている。なんでも平穏と誇りを胸に生活できる箱庭を守る姿からその呼称が与えられたとか。他にも吸血鬼についての情報はある程度入手した。

太陽に晒されると灰になるとか、十字架が弱点とかそんな感じのをだ。

太陽の光に関しては箱庭内部のみ平気らしい。どうも天幕が関係しているらしい。他の情報に関しては眉唾とまではいかないまでも信憑性に少しばかり欠けるところがある。

 

 

「まあ、何もないならそれでよかった。鬼が出るか蛇が出るかとか考えていたけどどうやら心優しい鬼だったみたいだし」

 

 

そう安心して踵を返そうとした時、轟き渡る雷鳴と稲光が箱庭の天井を照らし出す。これは一体何事だとリュカが考えていたら、

 

 

「なんか光の槍みたいなのが飛んでいったキー!それに出てきたところ丁度さっきの女の子がいた方向だったキー!」

 

「何?とすると何か厄介事が起きているみたいだね。ドラ吉は戻ってて。僕はあの場まで走って行く!」

 

「了解だキー!」

 

 

ドラ吉の返事を聞くやいなやリュカは光の槍が投げられた方向に向かって走る。木々の間を駆け抜け、開けた場所に出たと思ったらそこには十六夜と黒ウサギがいた。

 

 

「何があった?ここから光の槍が飛んでいくのが見えたんだが」

 

「ああ、それは黒ウサギが投げたやつだ。何があったと聞かれたらこの“ノーネーム”の元仲間が石にされた挙句連れ去られた」

 

「それは金髪の小さな女の子のことかい?」

 

「ど、どうしてレティシア様の事を…………」

 

「嫌な予感がしてドラ吉…………ドラキーという魔物に偵察に行かせたんだ。てっきりその女の子が嫌な予感の正体だと思っていたが、成る程、そういうことか」

 

「なら話は早いな。他の連中も呼んで来い。お嬢様だけでもいい。どうもキナ臭い。最悪その場でゲームをなることだってあり得る。なら頭数はいた方がいいだろ」

 

「イザヨイ一人で済みそうな気はするけどね」

 

「ヤハハハ、当たり前だ」

 

 

結局、ジンと耀は留守を預かると言って十六夜、飛鳥、リュカ、黒ウサギの四人は“サウザンドアイズ”の支店を目指すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなにいい星空なのに、出歩いている奴はほとんどいないな。俺の地元なら金とれるぜ」

 

「空にある星を眺めるのに金を徴収するのか?見るのは自由なのに」

 

「そこらは文化の違いってやつだ」

 

 

今からカチコミ…………ではないが諸々の原因なり何なりを知りに行くのにいまいち緊張感が感じられない。実際十六夜は緊張感など一切感じてはいないのだろう。

そうこうしているうちに“サウザンドアイズ”の門前に着いた四人を迎え入れたのは例の無愛想な女性店員だった。

 

 

「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオス様がお待ちです」

 

「黒ウサギ達が来る事は承知の上、ということですか?あれだけの無礼を働いておきながらよくも『お待ちしておりました』なんて言えたものデス」

 

「…………事の詳細は聞き及んでおりません。中でルイオス様からお聞きください」

 

 

定例文にも似た言葉にまた憤慨しそうになる黒ウサギだが、店員の彼女に文句を言っても仕方が無い。店内に入り、中庭を抜けて離れの家屋に黒ウサギ達が向かう。

中で迎えたルイオスは黒ウサギを見て盛大に歓声を上げた。

 

 

「うわぉ、ウサギじゃん!うわー実物初めて見た!噂には聞いていたけど、本当に東側にウサギがいるなんて思わなかった!つーかミニスカにガーターソックスって随分エロいな!ねー君、うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付きで毎晩可愛がるぜ?」

 

 

…………中々盛大な口説き文句があったものだ。あのガルドですら一応は取り繕っていたのにルイオスは取り繕う素振りすらない。

 

 

「これはまた…………分かりやすい外道ね。先に断っておくけど、この美脚は私達のものよ」

 

「そうですそうです!黒ウサギの脚は、って違いますよ飛鳥さん‼︎」

 

「そうだぜお嬢様。この美脚は既に俺のものだ」

 

「そうですそうですこの脚はもう黙らっしゃい!!!」

 

「よかろう、ならば黒ウサギの脚を言い値で」

 

「売・り・ま・せ・ん!あーもう、真面目なお話をしに来たのですからいい加減にしてください!黒ウサギも本気で怒りますよ‼︎」

 

「だったら黒ウサギの脚を30000Gで売ろう」

 

「リュカさんまでボケないでください!というかここでの通貨はGじゃありません!」

 

「え?そうなの?」

 

「問題ない!私ならばGでも揃えられるぞ!よし、待っておれ今すぐ持って来」

 

「来なくていいですよこのお馬鹿様!」

 

 

スパァーン!ハリセン一閃、今日の黒ウサギは短気だった。

 

 

「あっはははははははは!え、何?“ノーネーム”っていう芸人コミュニティなの君ら。もしそうならまとめて“ペルセウス”に来いってマジで。道楽には好きなだけ金をかけるのが性分だからね。生涯面倒見るよ?勿論、その美脚は僕のベッドで毎夜毎晩好きなだけ開かせてもらうけど」

 

「お断りでございます。黒ウサギは礼節も知らぬ殿方に肌を見せるつもりはございません」

 

「へえ?俺はてっきり見せる為に着てるのかと思ったが?」

 

「ち、違いますよ!これは白夜叉様が開催するゲームの審判をさせてもらう時、この格好を常備すれば賃金を三割増しすると言われて嫌々…………」

 

「ふぅん?嫌々そんな服を着せられてたのかよ。…………おい白夜叉」

 

「なんだ小僧」

 

 

キッと白夜叉を睨む十六夜。両者は凄んで睨み合うと、同時に右手を掲げ、

 

 

「超グッジョブ」

 

「うむ。…………そこなリュカよ。おんしも同好の同胞であろう?私にはわかるぞ。おんしが素晴らしい衣装を持っているということをーーーー!」

 

「これは…………流石、白夜叉だ。ではご開帳しよう」

 

 

そう言ってリュカが袋から取り出したのはどんな言葉で表現すればいいのかわからないくらい際どい、余りに際どすぎる下着だった。

 

 

「此方はエッチな下着にございます。我が国の宝物庫に納められていた一品でこんなのでも絶対に破れない一品となっております」

 

「これは素晴らしい…………!黒ウサギ、これを着て審判をしてくれれば賃金を五割増しにしてやろう」

 

「絶対に着ませんよ⁉︎」

 

「何?八割か?八割増しじゃないといかんのか?ん〜、このイヤシンボめ!持ってけ泥棒!」

 

「だから着ないって言ってるじゃないですか!そんな事より話をさせてくださぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

 

 

黒ウサギの悲痛な叫び声が辺りに響き渡り一度仕切り直すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーー“ペルセウス”が私達に対する無礼を振るったのは以上の内容です。ごりかいいただけたでしょうか?」

 

「う、うむ。“ペルセウス”の所有物・ヴァンパイアが身勝手に“ノーネーム”の敷地に踏み込んで荒らした事。それらを捕獲する際における数々の暴挙と暴言。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後日」

 

「結構です。あれだけの暴挙と無礼の数々、我々の怒りはそれだけでは済みません。“ペルセウス”に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと。“サウザンドアイズ”にはその仲介をお願いしたくて参りました。もし“ペルセウス”が拒むようであれば“主催者権限”の名の下に」

 

「嫌だ」

 

 

黒ウサギが言った真実と嘘をにべもなく切り捨てるルイオス。まあ当然であると言える。

そもそも態度からわかるようにルイオスには此方の話を聞く気が一切無い。アレに話を聞かせたいのなら身内だけで用意した状況証拠だけじゃ余りにも弱過ぎる。出来ることなら物証、最低でも第三者による証言が必要なのだ。その何方もあればベストなのだが。

更にとばかりにルイオスは筋が通った正論ばかりかどうしてレティシアがあの場にいてギフトの質が暴落したのかを言う。そこに黒ウサギ自身に隷属する事を条件にレティシアの身柄を引き渡す取引を持ち掛ける。

 

 

(成る程…………本能に訴えかけているのか。中々やるな)

 

 

本能とはバカにできないものである。ガルドと戦った時も火を恐れるという獣の本能を利用して飛鳥のもとまで導いたのだ。

黒ウサギ…………というよりは黒ウサギの種族の本能である献身を計算に入れて取引を持ち掛けている。

黒ウサギからすれば恐らくその程度であるのなら、とか考えている事だろう。それが黒ウサギの美点でもあり欠点でもある。

結局、この“サウザンドアイズ”を介した話し合いは実りらしい実りを見せずに幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イザヨイ」

 

 

“サウザンドアイズ”の支店を去り噴水広場に着いたところで十六夜に声をかける。

 

 

「あん?なんだよ」

 

「イザヨイなら知っていそうだけど、伝説を掲げたコミュニティにはその伝説に則ったゲームを下層コミュニティに常時解放しているらしい。それらのゲームをクリアする事によってそのコミュニティへの挑戦権を得るわけだ」

 

「…………つまり俺をパシろうってか?」

 

「うん。何の衒いもなく言えば。期限は一週間しかないから時間との勝負になる。イザヨイには出来るか?」

 

「ヤハハ、その挑発買ってやるぜ。だけど貸し一だからな」

 

「お手柔らかに頼むよ。僕は僕でイザヨイがちゃんと仕事をこなす事を信じて準備を進めておくからさ」

 

「その準備ってやつが気になるが…………お前の事だ。何か面白い事するんだろう?」

 

「それこそ神のみぞ知るだ。…………さあ、下層コミュニティと侮っている事を後悔させてやる」




今回はわかるかもだが手抜きだ!

だが次話には力を入れるぞ!なんせアルゴールとのバトルだからな!どうせ仲間に……ゲフンゲフン。


そういや幾つかコメントでモンスターズ+でリュカのお弟子さんがいるとかそんな話を聞いて私は調べてみたらなんか知らないけどリュカと思われるとこに『時を失った英雄』と書かれていた!これってバッドエンドじゃね?と思った私がいる!
家族と生きる時を失った英雄なのか世界で生きる時を失った英雄なのか……。謎は深まるばかりぞな!


ま、次回、待て!だ
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