クモ行き怪しく!?   作:風のヒト

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 我慢出来ねェ、投稿だー


再会前線停滞中。丸焼きのちお寿司、ところにより危険人物が来るでしょう

 

 正午となりゆっくりと開く扉に皆目が釘付けとなる。

 それだけでなく多くの者は何時でも対処できるようにと得物を手にし、臨戦態勢に入っている者すらいる。

 そうさせるほどに扉の奥からなり続けている音が受験者にとって脅威と感じるほどに荒々しかったのだ。

 

 それだけに、その音の正体がラフでメッシュな服装で丁髷だらけの髪形な女性の後ろの大男の腹の音だと分かった時には皆一様にポカンとした顔をした。

 ポカンとしているうちに話はどんどん進み、気が付けば第二試験は女と大男、メンチとブハラの二人の美食ハンターに指定された美味い物を喰わせることだと説明され、頭が働くころには一回目の課題料理として『豚の丸焼き』を作って来いと試験が始まった。

 受験生たちは口々に「さっきの終わりの見えないマラソンよりマシだな」といった内容をぼやきつつ森の中へと走って行く。

 それはゴン達一行も例外ではなく、先程のマラソンで失った体力などとっくに回復し森の奥へと走る。

「いやー、料理って言われたときは自分の家事能力の無さに絶望したけどよ、丸焼きってんなら楽勝だぜ!」

「そうだな、今回は豚をいかに早く見つけるかが勝負の分かれ目になりそうだ」

 恐らくは半分ほどが二次試験前半で脱落するだろうとクラピカが推測し、それぞれが五感を限界まで研ぎ澄まして豚またはそれに近しい生物を探す。

「あ! 今『ブーブー』って鳴き声が聞こえた! あっちだよ!」

 そして野生児ゴンが森の中にあふれている無数の音の中から見事に豚らしき生物の鳴き声を聞き分ける。

 そして、声のする方向へまさに猪突猛進といった勢いで駆けて行く。

 が、その勢いも声の主を視界に捉えたところで減速する。

 

 想像していた豚より明らかにデカい、ゴンどころかレオリオの背丈をも超えている。

 そして凶暴だと一瞬で判断できるほどに目つきが鋭く、サイの角の様に発達した鼻はまともに喰らえば自分が肉塊まっしぐらだと容易に想像できる。

 そう、試験官ブハラの言う豚とは世界で最も凶暴な豚、グレイトスタンプのことだったのだ。

 だが驚いたのもほんの数秒、グレイトスタンプがこちらに向かって突進を仕掛ける頃にはゴン達は各々の方法で回避する。

 確かにグレイトスタンプの凶暴さは恐ろしい存在である、しかし、それ以上の凶暴性と恐ろしさを併せ持つヒソカという人物に会ったゴン達にはグレイトスタンプに後れを取ることはなかった。

 いの一番に攻撃し、グレイトスタンプを仕留めたゴンにより頭部が弱点と判明すれば残るクラピカとレオリオも楽にしとめることが出来た。

 むしろ仕留めたグレイスタンプを担ぎながら他のグレイトスタンプによる攻撃を回避する方が難しかったと感じるほどである。

 

 …… だが、そんな彼ら以上に――

「あれ? トールの奴は何処行った?」

「そんな、森に行くまで私とレオリオの間にいたはずなのに!?」

「なんか森に入った途端にすっごい勢いで横に曲がって行ったよ?」

 

 トールは森の中を縦横無尽に駆け回っていた。

 そして現在は既に豚を仕留めて焼いていた。

 

 ホテルの風景で故郷の日本を懐かしがっていたくせに、大自然に対しても懐かしいと思う気持ちが彼にあった。

 人間部分と蜘蛛部分の歪さを証明する反応だが、やはり今回も一切気にすることなくマイペースにそして得意の狩りをハイペースでこなしたのだった。

 豚はとっくに狩ったそれも三匹、ただし純然たる実力で無く運が八割実力二割で仕留めた。

 木から木へと高揚する自信の気分に身を任せ移動をし、偶々川を見つけたためならば近くに豚がいる可能性が高いと地面に着地。

 その下に一匹のグレイトスタンプの頭部が……

 そして目の前にいたグレイトスタンプが自身を潰すために襲い掛かるも、咄嗟に繰り出した糸ナイフによって足をひっかけ、それによって勢いのまま自分を飛び越えて行き……

 後ろにいたもう一匹に頭突きをお見舞いする形でダイブし、残ったのは死にたてほやほやの豚三匹である。

 思わぬ収穫に吃驚したトールはゆっくりと予想外だったもう一匹がいた場所を思わずじっと見る。

 

 これだけならば、運が良いの一言で済んだ。

 しかし、彼が良いのは悪運である。

 

 悪運とはつまり……

 

「あれれ? バレてた♦」

「カタカタカタ……」

 

 

 不運の事でもある。

 

 

―――――――――

 

「悪いね♥ 豚をもらった上に火まで起こしてくれるなんて♣」

 トールが何気なく見た方向には何故かヒソカと謎の顔面針男がいた。

 かなり怖かったのでトールは見逃してもらおうと二匹の豚を献上することを早々に決断し、こうして傍から見れば三人仲良くキャンプファイアな絵図に至る。

 とりあえず針男は分からないにしろヒソカの方はゴキゲンになったと、トールは心の内でほっと胸を撫で下ろす。

 ヒソカがゴキゲンな理由は豚をくれたからではなく、偶々トールを見つけ針男に「あの子がボクの注目してる一人だよ♥」と紹介しながら後をつければ流れる様に豚を仕留め、おまけに自分達の存在に気付いていたという予想以上の人物であったと思ったからなのだが。

「カタカタカタ……」

 トールは近くまで来たこの針男に嫌悪感に近いものを感じていた。

 その顔が何故か非常によく出来た作りモノの様に思えてならないのだ。

 別に肌の質感が違うとか、針だらけという点以外でパーツが変であるとかそういうことは無い、ただ何となく偽物の気がしてならないのである。

「そんなに見るんならボクを見てほしいな♥」

「理由なく見ねーよ!」

 言ってハッとした、フレーズがあまりに酷似していた為にアルゴとのやり取りの様に返してしまった自分の迂闊さに死を連想した。

「…… トールは気付いてるんだよヒソカ」

 突然針男はカタカタ言うのをやめ、顔の割に高い声で…… トールが聞き慣れたくもない声で普通に喋り出した。

「もしかして知り合い?」

「オレん家の服全部仕立ててるのコイツ」

 

―― うぁわあああわ、もし、もももこいつもしやぁあああ!!?

 

「オレ、キル見つけたら連絡してって言ったよね?」

 

―― イルミだコイツぅうう!?

 

 変な男かと思ったら変な長男だと分かり、常人なら泡吹いて気絶しかねない状況の最中それでも思考のフリーズで済むのはある意味凄い…… のだろうか?

「ま、でも端から会話聞いてたけど会ったのも偶然らしいし本人から口止めされてたし、しょうがないか」

 言い訳を言うために思考がようやっと整った時には気付いたら嵐は去っていた。

「キルが喋るなって言うのに此処にいるだなんて喋ったらお礼に強力なヤツ刺してるところだったよ」

 あのときの判断は正しかったらしい。

「キミのそれ、バレたの初めて?」

「んー、バレて生きてるのはトールだけじゃない?」

 またも物騒極まりないものに名を刻んでしまった事に落ち込む。

「へぇ♣ ボクの目も狂って無かったということかな?」

 

―― 物凄い興味持たれた上に変な箔まで付いちゃったーー!!

 

 目の前の豚よりもおいしそうだと思われていることを視線でビンビンに感じながらも、トールは慣れた手つきで丸焼きの準備と火起こしを終え、興奮状態だったとはいえちゃんとゴン達と一緒に行動していればなぁ、と後悔した。切に。

「ん~、焼きあがるまで暇だねぇトール♦」

 

―― うわ~、ばっちり名前憶えられてる……

 

 ショックで泣きたくなる。

「ところでトールはトランプのダウトって知ってるかな?」

「ん? 知ってるけど……」

 友達とトランプで遊んだ記憶が懐かしい。

 思い出のあるゲームを知っているかを問われ、トールはなんの考えも無しに答えた。

「そっか♣ じゃあやろっか、三人で♦」

 

―― 知らねぇって言っとけばよかったよ畜生!!

 

 ニコニコと慣れた手つきでシャッフルするヒソカと手招きして車座をしようとしている針イルミを見てまたもトールは後悔した。

 

 こうして暇つぶしという名目で森林公園のど真ん中で始まったダウト。

 何時の間にやら豚が焼きあがるまでに最も負けた人物が豚を運ぶことになった。

 勝敗は三回行って意外や意外、全員一敗の横並びである。

 そして豚の焼き加減から最終ラウンドであろう四回戦目……

「はい、上がり」

 こうしてヒソカとトールの一騎打ちとなる。

 トールはゲームに全神経を集中し、負けるもんかと奮闘している。

 こうなったトールは方向修正も出来なきゃヒトの話も聞きゃしない。

 もはや目の前の二人が危険人物であるなど、そんな認識は無かった。

 一枚、また一枚と次々にカードが減り、ときに増える。

 そして……

「ハイ♥ ボクの勝ち♣」

 

 勝敗は決した、かのように思えた。

 

「…… 嘘吐き」

 トールはそう言うとヒソカの出したトランプを引っ手繰る。

 その絵柄はコールと同じ数字、この時点でトールの敗北……

 しかし、トールは当然のように端を掴むとその上に張り付いていた嘘を引き剥がしたのだ。

「嘘がバレたら負けだよね?」

 彼は見抜いてしまったのだ…… 奇術師の薄っぺらな嘘を。

「フフ♠ そうだねボクの負けだよ!」

 それは彼をこれ以上ないほどに興奮させる事実でしかないが。

 

―――――――――

 

「あ! おい、トール急にいなくなりやがって! どこ行ってたん…… だってうおお!?」

 森を抜け、二次試験会場に到着したトールを見つけたレオリオは急にいなくなって心配した反動で怒り気味に話しかけながら近づき、そこで豚3匹によって身体が隠れていたヒソカと目が合った。

「ヒソカ!?」

 続いて気付いたゴンは驚き、クラピカは豚を置いて臨戦態勢をとっている。キルアは少し距離を置き音もなく死角側に移動する。

 ヒソカは何をするでもなく不気味なほど爽やかな笑顔で「やぁ♥」と挨拶をし、トールに豚を一匹渡すと「早く試験官に豚を渡さないとね♠」と丸焼きを持って走ってくる他の受験生の大群を指差す。

 色々聞きたいが今はそんな時間は無いと判断し、各々急いで豚をブハラのもとへ持って行った。

 

「で、どうしてトールはヒソカと行動していたのだ? しかも豚まで持ってもらうとは……」

 ブハラが驚異的スピードで豚を喰っている間、クラピカは気になっていたそのことを聞く。

「え? …… ぐ、偶然会って勝負して俺が勝ってヒソカが罰ゲームで豚を運ぶことに……」

 何をしていたかと思い返してみれば自分でも訳が分からない状況だと感じた。

 そして、まさか森のど真ん中でトランプして遊んでましたと心配されていた手前言うに言えず、半端に説明してしまった。

「ヒソカに勝っただぁ!? ったくホラも大概にしとけよトール?」

「全くだ、服屋がどうすりゃ殺人鬼に勝てんだよ?」

「それがホラじゃないんだよね♣」

 呆れたようにポンポンとトールの頭に手をやるレオリオと内容の荒唐無稽さで呆れて頭の後ろで手を組むキルアの後ろからそんな粘着質な声が聞こえた。

 振り返ったレオリオとバネの様に跳ねて距離をとるキルア、それ以外も全員視線がヒソカに釘付けである。

「全く持って完敗さ♦ とっておきのタネも見破られちゃったし♥」

 内容に反比例するように嬉しそうに話すヒソカだが、これ以上は興奮が抑えられなくなっちゃうと小声で呟くと何処かへ行ってしまった。

 

――あ、完全に目ぇ付けられましたわこれ……

 

 タイプは違うが似た様な変態的友達と過ごしていた故の感覚がトールにそう悟らせる。

 波乱が余計に起こりそうな事態に思わず目を覆った。

 しかし、注目したのは何も変態だけではない。 純粋に凄い人を見る目で見てくれている子供だってすぐ近くにいるのだ。

 一方は疑いの目で見ている。

 残念ながらその両方に気付いていないが。

 そして、彼の平穏な人生終了の合図の様にドラの音が響き渡る。 二次試験前半は豚を持って来た者75名は全員合格とのこと。

 

「おかしいぞ!? 明らかに奴の体積より食べた量の方が多い!」

 真面目に何事かを考えているクラピカの隣で暢気にしているコイツも規模こそ負けるが同じ芸当が出来ることをクラピカはまだ知らない。

 

―――――――――

 

「予想以上に残っちゃったし、厳しめに行くよ!」

 勘弁してくれと青ざめるトールに反しメンチが出した課題は何と寿司であった。

 

―― おお、寿司! 知ってる寿司!!

 

「スシぃ? あー、何か兄貴が喰って旨いって自慢してたけど…… だー! 聞いときゃよかったー!!」

 他のメンツはヒソカでさえも頭に?状態だった。

 

―― よしこのままなら一抜け出来るやも?

 

 明るい未来が待っていると、周りを見回し魚を得る為に外に出るタイミングを伺うトールに光り輝く男が一人。

 半蔵である。

 誰がどうみても「あ、コイツ知ってますわ」と思わせる、必死に笑いを堪える姿勢は物凄く目立っていた。

「……」

 それに対してトールは眼を見開くというリアクションだ。

 

 しかし、それは呆れたとか何で忍者名乗ってんだあの馬鹿と思ったとかそういうのではない。

 

―― 流石、流石忍者だ……

 

 賞賛と恐怖故のリアクションである。

 

 半蔵はジャポン出身、まず間違いなく寿司は知っているし食べている可能性もある。

 だが、あの態度は疑似餌! きっと情報かく乱のために握り寿司しか認めていないのに巻き寿司など微妙に違うものを作り、自分はこっそり作った握り寿司を持ってゆくに違いない!

 

―― 侮りがたし、忍者侮りがたし……

 

 トールがそんな深読みをするが、当の本人は全くの素であった。

 どちらかが引っ込めばどちらかが出っ張る、真面目と暢気はそうして世界レベルで比率を合わせているのだろう。

 

「魚だぁ!? こんな森のど真ん中に魚がいんだよ!!」

 驚き振り返れば何故かレオリオが寿司の要たる食材を大声で言いふらしていた。

 

 その瞬間、会場の三分の二は魚を求め森の中に消えていった。

 予想外の展開に慌てて追いかけながらもトールはちらりと半蔵を見る。

「しまった! オレ以外に寿司を知ってる奴が居やがったのか!?」

 盛大に自爆したセリフと共に、風の様に森へ駆けてゆく半蔵がいた。

 

―― 瞬時にこのイレギュラーな事態に対応した!?

 

 そう思ったのは半蔵のセリフが決め手となり慎重にその場に残っていた三分の一を一人残らず森へ移動させた…… 様に見えたからだ。

 流石忍者と言う名の超人と感心しながら魚を糸で釣るトールの頭には【念】使いが超人と世間一般で言われている知識など存在していなかった。

 

―――――――――

 

「うーん、ネタの方はまぁうまいこと切ってるんだけど握りが強いし握ってる時間も少し長いかな…… 不合格!」

 そんな評価を受け取り、がっくりしてトールは余った自分の寿司を食べていた。

 彼の修行は何故か花嫁であって板前の修行ではないし、嫁になる条件が板前…… 旦那が帰ってくると「へいらっしゃい! なんにしやしょう? 風呂、寿司、今日は新鮮な私も入荷したよ!」とか言ってくる嫁なんて嫌だ。

 そもそも彼は花嫁になる気などさらさらないし。(同時にアルゴはなる気があるということ)

 ズレたネガティブ思考かつ合格を諦めたオーラをトールは纏っていた。

 『飯炊き三年握り八年』…… 握りを極めるには最低十数年の修行が必要と言う厳しい言葉をトールは知っているからだ。

 同時に試験官が求める寿司がそういったレベルのものであると気付いたからでもある。

 それでも早々に諦めの感情があるのはアルゴやキューティーが試験官によっては「そんなん出来るか!!」とツッコミを入れざるを得ない試験が行われる場合があるという先人達の教えを聞いているのが一番大きい。

 

―― まさか審査の目をここまで厳しくさせるとは…… 忍術は妖術の類で無く情報を操る術であるとかテレビで観たような気がするけど本当なんだなぁ

 

 もうトールの中で半蔵の一連の大ポカは忍術にまで昇華されていた。

 その半蔵はどうしていいか分からずに不細工な寿司を作り続ける機械状態である。

 

―― でも半蔵はどうやって合格するんだろう? …… 俺如きが考えても無駄か

 

 これから永遠に始まらないであろう半蔵のとんでも忍法を楽しみに自分は敗北の身であると受け入れ、川魚なのに臭みが少ないなどと寿司を満喫していた。

「トール、随分余裕の様だが何か策でもあるのか?」

 握り方をあーでもないこーでもないと模索し合うゴン達から一歩引き、一回審査員に寿司を出しただけであとは自分で寿司を作っては食べ続けているトールの態度を余裕と受け取りクラピカは尋ねる。

「策? どっかの誰かさんが何とかしてくれるさ…… 食べる?」

 丁度半蔵が何度目かの挑戦の為に近くを通ったので、皮肉っぽく言う。

「その自信はどこから…… スシは頂こう、他人と比較することで何か攻略の糸口になるやもしれないからな」

 出所不明の自信に困惑するも、トール作の寿司を小皿で受け取る。

 クラピカは当たり前だがまったく諦める気は無いらしく、それどころかメンチの見よう見まねで多少ぎこちないながらも備えてあった箸で寿司を食べようとする。

 同じ方法で食べることで新たな発見があるか試みているのだ。

 自分はもう諦めているので、トールは持っている寿司の知識をクラピカに教えることに力を注いだ。

 当初の予定では自分が合格してそこから教えるつもりだったので順番と展開が変わっただけだ。

 

 しかし、アドバイスを受け何度かトライしたクラピカ達だが結果は惨敗…… 遂にメンチの腹は微妙な寿司の数々によって満たされてしまった。

 

「今回の合格者はゼロ人よ!!」

 

 恐らく審査委員会に電話で高らかに言うメンチに数人の例外を残し動揺が広がる。

 例外の一人はブハラとメンチを挑発してもノッてこないことに興ざめ。

 もう一人はめんどくさい事になっちゃったな~、と速攻で弟を連れて帰る事を考え。

 

―― さぁ、最高のどんでん返しを見せてくれ忍者!!

 

 最後の阿呆はわくわくして一人を見。

 

―― 煙玉と閃光弾で撒けるか……?

 

 その戦犯はこうなった腹いせに自分が槍玉に挙げられる前にどう逃げるか、そんなことを考えていた。

 




 全く今回の話と関係ありませんがトールの次元移動のモチーフはセレビィの「ときわたり」なもんでハンター世界と彼のいる世界は数年のズレがあるという設定(ハンター世界の方が彼からして過去)

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