「黒の剣士」と「緑の戦士」と「幼馴染」の協奏曲 作:ルコルン
......本物ってなんなんでしょうね?
「お前は......本物か?」
「......っ!?」
真後ろに真っ黒な人で目が真っ赤なアバターの人がいた。
「本物ってどういうことなんですか?」
「......意味が、わからない、のか?」
「......いきなりそんなこと言われても、分かんないですよ」
奴は無言になった。おそらく、俺が予想外の反応をしたからだろうな。
「試合、見たぞ。あの躱し方......どこで習得した」
「今までやってきたゲームの中で習得しただけですよ。あとリアルでもかなり動いてるので、それもあるかもしれないですね」
「あの長髪の男は、剣を使っていた......お前は使わないのか......?」
「昔は使ってましたけど、今は使ってないですね......ただ、剣を使わないと行けないルールはないはずなので」
「........................」
奴は黙り込んだ。俺は疑いの眼差しを向けながら、苛立っているであろうやつの顔を見続けた。
「お前もあいつも......もしも本物ならば......必ず殺す」
そう言いながら奴はわざとグローブに隙間を作った。
そこに刻まれていたのは............1番見たくなかったエンブレム
それを見せたあと、奴は音も立てずに消えるように居なくなった。
そこで大きく息を吐いた。
(あいつが死銃で間違いないだろう。だって腕にラフコフのエンブレム付けてるんだぞ!!多分だが、俺は奴と会っているはずだ......だが、奴の名前が思い出せない............)
俺やキリトは会っているという一番嫌な仮説が当たってしまった。奴の名前を思い出そうとするとき......
「ね、ねぇ、ルッコくん......大丈夫?」
「つっ。シ、シノンさん......?」
いきなり声をかけられ振り返ると、シノンさんが不安そうな顔をしてこちらを見ていた。
「だ、大丈夫ですよ。少し考え事をしていただけなので......」
嘘です。めっちゃ真剣に考え事してました。
「ならよかった。あんたは無事そうでよかった」
「どういう、ことですか?」
「それは......あいつよ」
シノンさんが見る方向を見ると、キリトが飛んで来る弾丸など見向きもせずに特攻していくキリトの姿が画面に写し出されていた。
「............何があったの?」
「........................」
シノンさんの質問に返答出来なかった。いや、しなかったという方があっているだろう。
(あいつ......何かあったな。後で話を聞いておかないとな)
その後、俺は予選をしっかりと勝ち上がっていた。ただ、決勝戦の相手が狙撃手という事もあり、見つけるのが困難だった。だが、見つけさえすれば試合の展開は早かった。何故なら......
「スナイプがヘッドショットになるなんてなぁ」
そう、相手を見つけてスナイプしたらたまたま頭だったんですね。こんなところで幸運発揮しなくていいんだよ。
それはまぁ置いといて、今の俺はキリトとシノンさんの試合を見ている。
「おいおいマジかよ......」
場所は高速道路、しかも一直線なのでシノンさんの方が有利だと思ったのだが
キリトはまっすぐ進んでいるだけだった。表情は写ってないので分からないが、戦う意思を感じられなかった。
シノンさんは、キリトに向かって弾丸を打ち込むがキリトの斜め後ろの車に当たったりして、キリトには当たらなかった。
業を煮やしたようで、シノンさんがキリトに詰め寄っていた。
「..................!!」
「..................!!」
モニター越しなので会話の内容までは分からないが、シノンさんが泣いていた。
そこでキリトが目が覚めたようだ。
そして、デュエル方式になったようで、キリトが銃弾を抜き指で空中に弾く。弾丸が宙を舞い、キリトが光剣を腰から抜き、シノンさんはスコープを覗く。
弾丸が地面に着いた瞬間......俺は目を見開いた。
「あいつヤバすぎやん......」
何をやったかと言うと、対物ライフルの弾丸を真っ二つに斬り裂いた。相変わらず、俺の幼馴染の反射神経は化け物級ということを思い知ってしまった。
そんな感想を抱いている中、試合は進んでおりシノンさんが降参する場面が見えた。
取り敢えず、キリトも本戦に来れたのでかなりホッとしていた。
明日本戦が行われるようで、シノンさんとは別れて宿屋でログアウトした。
「お疲れさま」
「ありがとうございました」
「..................」
現実世界に戻ってきた俺たちは、安岐さんのねぎらいの言葉に返答し、明日のことを確認して病院を後にしたのだが......
「........................」
キリトの様子がおかしい。原因は分かっているがどう声をかけるべきだろうか......
「......なぁ、流己。死銃の事だが」
「あぁ俺も会ったな。死銃らしき人にはな。あいつは......《SAO生還者》だろうな」
「だが............」
和人は小刻みに震えていた。このまま家に返すのはまずいと思った俺は......
「場所を変えるか。動けるか?」
「......ああ」
ということで、病院の外へ出てバス停のベンチに座った。
「ほれ」
「......ありがとう」
和人にブラックコーヒーの缶を渡し、俺はミルクティーの缶の蓋を開けた。
「俺、忘れてたんだ」
「..................」
「今日、あいつに、死銃に会った時に......SAOのことを思い出したんだ
俺はあの世界で3人殺した。《笑う棺桶》討伐戦の時に2人。そして......」
「ヒースクリフか」
「ああ。けど、その事をこの1年間すっかり忘れ続けていたんだ。怒りや憎しみで剣を振るった......どこの誰かも知らない人をだ。」
「........................」
冷たい風が吹く中で和人はそう言った。
「なぁルッコ、お前は殺してきた人の事、今でも覚えているか?」
「......忘れられるわけないだろ。俺だって、《笑う棺桶》討伐戦の時に6人くらい殺してる。仲間を守るために無我夢中に剣を振るって、気づけば殺したという感覚だけが残っていた」
ここまで言って、ミルクティーを1口飲む。
「やっぱり、どんな理由があっても人を殺すのは良くないことだと思う......どんな状況であってもだ。」
「なら「ただな!!」......っ!!」
「その事で生き残った人が......救えた人がいるんじゃないのか?」
「............」
「俺たちがあのタイミングで討伐戦をしていなければ、もっと被害が増えていると思うんだ。」
「誰かがやらなきゃいけなかったんだよ。それを俺たちがやった」
「............」
「しかも、アイツらと決定的に違う点がある。俺たちは殺してしまったという事実を受け入れ、殺した奴らの分まで生きるという責任を感じているところだ。だから思い出すんだろ?」
「............責任............」
「今は気づけなくてもいいと思う。あの時、どんな想いを背負って戦っていたのか......アイツらとの決定的な違いはそこだと俺は思う」
「......そう、なのかな」
ふと和人の方を見ると、目に涙を浮かべていた。
だから、俺はこう言葉を紡ぐ。
「殺ってしまったことは元に戻せないけど、その事を思い出してるってことは、それを乗り越えて前に進むチャンスじゃないのか?」
「......そう、だな」
いつものキリトが戻ってきた。と思っていたら、急に隣に寄ってきてこう言った。
「数分、こっちを見ないでくれるか?」
俺は無言で頷き、和人の方を見ないようにした。
五分くらい、和人は泣いていた。
(やっぱり、この内容のことは、言う方も堪えるな)
夜空を見ながらこう思った。
「落ち着いたか?」
「ああ」
「そうか。なら、さっさと帰るぞ」
「そうだな。早く帰らないと明日奈やスグに怒られるから」
2人とも笑いあったあと和人と別れ、バイクで帰った。
今回はここまでです。
アリブレでホワイトデーのイーディス出ましたね。自分が弱いと明確にわかっている地属性なので引かなきゃならないなとは思うのですが、石がないので今回はスルー予定です。(ついでに言うと恒常キャラクターなのでね)
次回は3月11日投稿予定です。
それでは次回もお楽しみに!!
オリ主たちの日常みたいなサイドストーリーみたいですか?
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みたいです!!
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別小説に分けるならみる〜
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要らないかな......