「黒の剣士」と「緑の戦士」と「幼馴染」の協奏曲   作:ルコルン

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こんにちはルコルンです。
バレンタイン書いたならホワイトデーも書かなくちゃね。ってことで今回はホワイトデー編でございます。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


バレンタインのお返しはしっかりと

3月13日午前10時

現在、俺は和人の家に向かっている。理由は簡単、こんなメールが今朝届いたからだ。

 

“もうちょっとでホワイトデーだろ?お返しに何か手作りのお菓子でも作ろうかと思ったんだ。だから、手伝ってくれ”

 

こんなド直球なメール見た事ないぞ!!言われなくても俺からでも誘おうと思ったんだけどよ。

 

サクッと和人の家に行った。引っ越す前に数回行っていたので、家の近くになれば分かるようになって、家に着いてバイクを止めて、インターフォンを鳴らす。

 

『どちら様でしょうか?』

 

「俺だ和人、成宮だ」

 

『おお、来たか。今開ける』

 

和人に招かれ中に入った俺たちは早速キッチンへ向かった。

 

「直葉は明日奈たちといっしょに出て行ってるから遅くまで帰ってこない......はずだ」

 

「はずなのかよ......まぁいいや。どんなお菓子を作る予定なんだ?」

 

「今のところはクッキーかなって思ってるんだけど、明日奈に関しては別のものを作りたいと思ってるんだよな」

 

「別のもの......なら、マドレーヌやマカロンでも作るか?」

 

「マドレーヌか。意味は確か......『もっと仲良くなりたい』だっけ?」

 

「そうそう。そんで、マカロンは『あなたは特別な人です』だな」

 

「両方ともいい意味だな。作り方は......!!」

 

「意外と簡単だろ?」

 

「おう。でも、3種類も作れないぞ?」

 

「なら、マカロンにしよう。」

 

「なんでだ?」

 

「材料を持ってきているからだね。とりあえず作り始めるか」

 

「了解!!」

 

両方とも焼き菓子ということで、まずはクッキーから作ることにした。

 

「和人......意外と手際いいな」

 

「意外は余計だ。意外は!!と言うより、流己は手際がよすぎないか?」

 

「そうか?基本ご飯を俺が作ってるからかもしれんな。」

 

そんな話をしながらクッキー生地が完成したので、冷蔵庫で休ませてる間にマカロンを作り始める。ここで、和人にオーブンを180℃に余熱してもらう。余熱が終わったときとほぼ同時にマカロンの生地が完成した。マカロンの生地を絞り出して乾燥させておこう。

 

「よし、それじゃあクッキーの型抜きをしようか」

 

百均で買った型抜きを使って抜き取る。ちなみに、プレーンクッキーとココアクッキーの生地を作った。クッキーは量を多く作った。まぁ、ほとんどの人にクッキーでお返しすることにしたからね、仕方ないね......と思っていたのだが。

 

「流石に作りすぎたな......」

 

「あぁ、量を見誤ってしまったな......少し1人あたりにあげる量を増やそうかな」

 

「それがいいと思う」

 

まぁいい。もう一度余熱をし直して、今度はマカロン生地を焼く。ここで秘密兵器を作ろうと思う。

和人にホワイトチョコを湯煎してもらっている中、俺はカラメルソースを作る。砂糖と水をフライパンに入れ、焦げ茶色に煮詰る。煮詰めた後、生クリームを加える。その後、フライパンを濡れ布巾の上に乗せ、ヘラでかき混ぜる。

ここで、ちょうどホワイトチョコの湯せんが終わったので、生クリームを投入してもらい、ボウルに移す。その中にフライパンにあるカラメルを投入し、和人にホイッパーで混ぜてもらう。その間に、クッキーやマカロンのラッピング袋を用意する。混ぜ終わったら5分くらい冷蔵庫に投入する。

 

「とりあえず3個づつにするか」

 

プレーンとココアを3個づつ、合計6個のクッキーを袋の中に入れラッピングした。2人で合計16袋......つまり96個のクッキーを袋の中に入れた。

 

そんなことをしてたら5分が経過したので冷蔵庫に入れたボウルと焼きあがったマカロン生地を取りだし、よく見るマカロンの形を作る。

マカロンは12個作ったので、6個づつ2人でラッピングした。

 

「とりあえず作り終わったな。お疲れ様和人!!」

 

「お疲れ〜流己!!」

 

「皆......喜んでくれるかな?」

 

「明日わかるさ」

 

自分の渡す分を持ち帰って、家の冷蔵庫に入れる。その後に、特定の人に手紙を書いておく。さらに、明日奈さんたちにメールを入れておいて寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

登校中に誰かに会わないかなとか考えてたけど誰とも合わなかったぜ。というか、バレンタインの時と同じで、つぐと朝に合わなかった。しかも、投稿時間も最近は違う。俺何かやらかしたか?

 

そんなことを考えてたら学校に着いたので、クラスにササッと入って自分の席に着いたあと、つぐ達にいつ渡そうか考えていた。

 

(あんまりこういうの渡したことないんだよな。貰ったこともないから当たり前なんだけどさ......考えてたら悲しくなってきた。つぐ以外は出会ったら返そう)

 

黒板をぼーっと眺めながら時間が過ぎるのを待った。

 

 

 

 

 

放課後、明日奈たちにメールを送った場所に向かう。場所はもちろん《ダイシー・カフェ》である。(エギルさん、いつもいつもありがとうございます。)

 

「明日奈さん、里香さん、珪子、直葉。バレンタインのお返しで、クッキー持ってきました」

 

そう言って、一人一人順番に手渡す。

 

「ありがとう。流己君」

 

「男子なのに上手に作ってるわね」

 

「ほんとですね」

 

「食べてもいい?」

 

「まぁ構わないけど......家に帰ってからゆっくり食べればいいのに」

 

「それもそうね。流己君もつぐちゃんにはまだ渡してないんでしょ?」

 

「つぐだけじゃなくて、Afterglow全員にまだ渡せてないんですよね」

 

「早く行きな!!」

 

「あっはい。それでは」

 

里香さんに言われてそそくさと退散することにした。ここで学校に戻るのではなく家に戻り、私服に着替えてからとある場所に向かった。

 

「そろそろ見えるはず......ってここが《CiRCLE》。カフェテリアもあるんだな」

 

そう、俺の目的地は《CiRCLE》というライブハウスだったのだ。今日の放課後はここで練習するってつぐが言ってたから帰るタイミングで渡そうと考えてたのだ。

 

「まぁ、財布持ってきてるから、時間は潰せるな。というか、ライブハウスに足湯や盆栽を置く場所があるのか。これほんとにライブハウスなの?」

 

まぁちょくちょく疑問になる箇所があったが、気にしないことにしてカフェテリアでホットカフェラテを頼んだ。

 

それからしばらく経過し、カフェラテを飲み切った時にちょうどみんながでてきた。

 

「お待たせ〜」

 

「お疲れさま。はい、これあげる」

 

ラッピングをした袋をつぐ以外のみんなに渡す。

 

「今日ってホワイトデーだろ?バレンタインの時に貰ってるからお返ししないとなって思って持ってきた」

 

「ありがとな〜成宮!!」

 

「中身なんだろなー」

 

「まぁ見たらわかるな」

 

「おおークッキーだ〜!!」

 

「あと、クッキー以外にも手紙が入ってるよ?」

 

「あぁそれは「今読んじゃう?」っちょ待てよ」

 

「どうしたの〜?」

 

「......もしかして恥ずかしい......とか」

 

当たり前だろぉ。じゃないとこんな時に渡さねぇよ......多分

 

「......ここで読まれると恥ずかしいから家で読んでくれねぇかな?」

 

「......へぇ。流己も恥ずかしいとかあるんだな」

 

「読んじゃ「やめろォォォォオ」」

 

嫌すぎて追っかけちゃったよね。地獄でしかないわ。

 

そのまま、みんなを送って行って家に帰ってきた。

 

「ふぅ。とりあえず何とか家に着いたな。つぐ、先に俺の部屋に行っといてくれないか?」

 

「うん、わかったよ」

 

さて、手紙も持ったしホワイトデーのお返しも持った。あとは渡すために自分の部屋に入るだけだな。

 

「つぐ、いるか?」 「いるよ〜」

 

中に入ると次ぐがベットの上にちょこんと座ってた。俺は、その隣に静かに腰を下ろした。

 

「ほい、バレンタインのお返し。バレンタインの時はつぐが手作りのチョコロールケーキくれたから、俺も手作りで返すな」

 

つぐの目が輝いてるよ。これだけでも手作りした甲斐あったわ。

 

「ありがとう!!わぁー、マカロンだ!!でも、どうしてこれにしたの?」

 

「......聞きたいか?」 「うん」

 

「それなら先に食べてからにしてくれ。味もセットで理由があるからさ」

 

「わかった......?」

 

つぐがマカロンを食べる。

 

「......これって、キャラメル味かな?」

 

「当たりだ。一応、マカロンには『あなたは特別な人です』という意味がある。さらには、キャラメルには『あなたといると安心する』っていう意味が入ってる」

 

「......つまり、そういうことでいいんだよね///」

 

つぐが少しこちらに体重を預ける。

 

「つぐは俺にとって特別な人だし、つぐの隣にいると安心するからこれを作って渡したんだ」

 

「そう言ってもらえて嬉しいな。私の中でも、流己くんは特別なんだよ」

 

少しだけ、心の中が暖かくなった気がした。

 

「さて、実はもう1個渡したいものがあるんだ」

 

「何かな?」

 

俺は、つぐの手に手紙を置いた。

 

「今読んでもいいし、後で読んでもいい。どうする?」

 

「じゃあ......今読むかな」

 

「どうぞ」

 

〜sideつぐみ〜

 

「じゃあ......今読むかな」

 

「どうぞ」

 

何書いてるかな〜?

 

“つぐへ。

初めて会った時にこんな事になるなんて、どこまで想像できてたかな?自分はこんな感じに過ごせるとは全く思ってなかったよね。

出会った時は大人しい子なのかなって思って思ってたけど、やりたいことには積極的にやれるって所は見習わないといけないなって思ってる。それに、つぐがそうやって頑張ってる姿を見てると、こっちも頑張らなきゃって思うんだ。たまに、自分には個性がないって言ってる時あるけど俺はそう思わないかな。周りが個性強いのはわかるけと、自分が気づいてないだけで、周りに影響を与えてることもあるんだよ。

とまぁ、長々と書いたけど最終的に伝えたいのは、『自分が気づかないところで色々な影響を与えてる』ってことだね。例として挙げるなら、いつも隣にいる人かな。

いつも隣にいてくれてありがとう。これからもよろしくね!!

流己より。”

 

読み終えた時、ふと涙がこぼれました。

 

「......」

 

「どうした?なにかまずいことでも書いてたか?」

 

「ううん、まずいことなんてないよ。それより、こんなこと言われると思ってなかったから......」

 

少し流己くんの方に寄って言いました。

 

「ありがとう、流己くん。これからもよろしくね!!」

 

片手を握ってじっとに目を見つめました。

 

〜side流己〜

 

なんかすっごい見つめられてる......

 

「ど、どうした?」

 

「......」

 

「......あのーつぐさん?」

 

「......んあ、なななな何も無いよ」

 

「ん?......そうか。ならいいけどさ」

 

何かある気がしたけど、何も無い......よね?




今回はここまでです。
次回は3/16の予定です。なんのネタかは......オリ主の詳細見たらわかるかもです。
それでは次回をお楽しみに!!

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  • 生存ルートで(、._. )、オナシャス
  • 任せるンゴ
  • 原作通りでGo

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