7日後に解体される青葉   作:honmaringo

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7日後に解体される青葉

1話[1日目ロリバちゃんとの7日間始まりましゅ]

「コレクションとは手放すその時にこそ、その真なる価値を発揮するのかもしれない」とそんなことを考えながら古鷹は司令室へ向かう。

 

ここ[ホンマですか鎮守府]の作戦はほぼ主要6隻の艦娘のみで構成されている。ほぼ毎日秘書艦を務めている青葉、指揮艦として指示を出す私古鷹、エースと裏エースの鈴谷と熊野、ムードメーカーの皐月、謎の試作武器を作る夕張の6隻である。そんな6隻が司令室に呼び出されたのが今日の朝である。ここ数日で集めていたドロップ艦娘や建造艦娘達が次々といなくなっていたり、ほぼ毎日ログインしていた提督が日に日に未ログインの日が続いたりしていた。このことから古鷹の中では今回の呼び出し要件にある程度の見当が付いていた。

 

そして6隻が勢揃いし、司令室の扉を叩き入室。その机の上にあった壺に一同の目が集まる。次の瞬間その壺の中からほぼ2頭身の小さい青葉のようなそれは飛び出した。「僕の名前はロリバでしゅ!よろしくお願いしましゅ!!」とそう言って周囲を一瞬で困惑させた。ひと呼吸おいて言葉を発したのは皐月だった。「可愛いね!!」と目をキラキラさせて言う。こういうどうしようもない時に空気を切り裂く一手を打てるこの子は本当に頼りになる。そんな中ただ1隻だけ複雑な表情を浮かべていたのは青葉であった。他4隻がロリバという妖精のようなミニキャラに駆け寄る中、「どうかしたの?」と古鷹は青葉に尋ねる。「なんでもないですよ〜」と答える青葉だが、古鷹には青葉のなんでもないはなんでもあるのだということは察しが付き、先程出した自分の見当がほぼ確信に変わった。そして、「今日含め7日後にこの鎮守府を閉鎖しましゅ!」と高らかにロリバちゃんが宣言した。すなわち提督業の引退表明である。要するにこのロリバちゃんの中身は提督で引退までの7日間を過ごす仮の姿だということだった。おそらく後7日間はしっかり艦娘達に楽しんでもらいたいとの配慮であろう。ただ青葉と古鷹以外の4隻は突然のことに驚きに隠せていなかった。そう古鷹の見当とはまさにこれであった。加えて先程の青葉の不可解な表情と突然の発表に驚かない様子から、事前に青葉のみ知らされていたのだろうことも想像が付く。

 

そして6隻に対してロリバちゃんは続け様に3つのことを言い渡した。

 

1.終わりの時までは好きなように行動すること。

2.明日2日目より1人ずつ青葉に合成していくこと。

3.最終日に青葉を解体し、ゲームデータを破棄すること。

 

この説明を聞いた古鷹はもう一点あることに気付いた。先日かすかに加古との記憶が夢に出てきており、その後加古が消息をたった。そして他の消息をたった艦娘達も次々と増えていったことを踏まえて、おそらく加古は自分に合成されており、その他全ての主要6隻以外の艦娘は青葉に合成されたのだということではないかと。そして同時に一つの疑問を持つ。なぜ引退前にそんな面倒なことをするのかと。そして、その理由について青葉は知っているのではないかと、、、

 

そんな中、司令室での発表は終わり各自の時間が始まった。引退表明は一同少し寂しさを感じながらも、実質はもう戦わなくて良い上、最長7日間の休暇をもらえたということだった。なので、またいつもの明るい日常に戻るまでに時間を要することはなかった。提督にもリアルがあり、それが最優先なのは一同の願いである。最近のスマホゲームブームや提督がリアルでの学業や趣味に専念するとなればそれが本望なのである。それにゲームの1キャラにすぎない彼女らはすぐにまた他鎮守府に着任することだろう。そう結論付けて古鷹も残りの日々を楽しく過ごすことにした。ロリバちゃんとなった提督も混ざり一日中遊び尽くし、初日を終えた。

 

そして、2日目の朝、その日の最後に夕張を青葉に合成することが発表され、6隻とロリバちゃんとしては最後の日が始まる。その時ふと見せた寂しげな青葉の表情には誰しも気づかずに、、、2話へ続く

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