恐怖の象徴   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

12 / 16
なんか、ハードモード不評だったみたいなんで、書き直しました。


ヴィラン連合、襲来

 翌日。

 

 合宿三日目。今日も強化特訓である。朝昼夜と自分で食事を作らなければいけないため、それも疲労に直結していた。

 

 そして日が暮れ、すっかり暗くなった夜。

 

 今日の夜は、クラス対抗肝試し大会を開催するらしい。

 

 だが。

 

「補習連中は、これから俺と補習授業だ」

「うそだろ!!」

「日中の訓練が思ったより疎かになったので、こっちを削る」

 

 補習組の上鳴、切島、砂藤、瀬呂、芦戸、青山は、相澤に捕縛布で巻かれて連れて行かれた。

 

「やめてくれええええ!」

「肝試させてくれええ!」

 

 補習組の叫びは空しく響いたのだった。

 

 その空気を払拭しようと、ピクシーボブがパンパンと手を叩き、注意を向けた。全員が己に注意を向けたことを確認し、ピクシーボブはルール説明を始めた。

 

「はい! と言うわけで、脅かす側先攻はB組。A組は二人一組で3分置きに出発。ルートの真ん中に名前を書いた御札があるから、それを持って帰ってくること!」

「闇の狂宴・・・」

 

 常闇がそう言う。よほど楽しみにしていたのだろう。

 

「脅かす側は直接接触禁止で、個性を使った脅かしネタを披露してくるよ!」

「創意工夫で、より多くの人数を失禁させたクラスが勝者だッ!!」

「やめてください! 汚い!」

 

 虎の最後の言葉に苦言を申す耳郎。たしかに、女子は嫌な言葉である。

 

 こうして、肝試し大会がスタートした。

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 12分後。

 

 森の中は、A組女子の悲鳴に包まれていた。

 

「じゃ、5組目・・・ケロケロキティとウララカキティ、GO!!」

 

 ピクシーボブが、そう言って少し経つと、次の瞬間、ウゥ──ンというサイレンが鳴り響いた。

 

「え!? 何っ?」

 

 マンダレイがそう言って周りを見渡す。どうやら、ピクシーボブや他の皆も状況を把握できていないようだ。

 

 すると、尾白が何かを発見した。

 

「あれは……?」

「黒煙?」

「何か燃えているのか?」

「まさか山火事!?」

「うわっ!? な、なに!?」

 

 すると、突然ピクシーボブの体がピンク色に光り、茂みに吸い寄せられる。そこに、側頭部に布にまかれた鉄骨で頭を叩かれ、そのまま地面に押し付けられて伏してしまう。

 

「なんで…? 万全を期したはずじゃぁ……なんで敵がいるんだよぉおお!」

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 広場が混乱に陥ってる頃、モニターでも出久が冷や汗を流していた。サイレンを鳴らしたのは出久だった。

 

「やっぱり来たか!」

「嫌な予感が当たりましたねぇ! どうするんです?!」

 

 そこに、ドアを開けて走って来るルーシャス。

 

「ルーシャスさんは、地下シェルターを開けて皆を避難させて! 私は出て戦う」

「分かりました! 気を付けてくださいよ!」

 

 ルーシャスはそう言って、入ってきたドアから出ていく。

 

 それを見送った出久は、モニターの横に置いてあるバットスーツを着始める。

 

 首に変声機を付け、眼にカラコンを入れ、アンダースーツを着込んでその上にアーマーを装着していく。最後に、マスクを被り、うなじにあるボタンを押して取れぬようにきつく固定する。

 

 着替え終わったバットマンは、憤怒の形相で呟いた

 

「ただでは置かないぞ! 敵連合!!」

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 一方、一階では補習組が教室に使われている一室に到着する。

 

「あれ~!? おかしいなぁ!? 優秀な筈のA組から赤点が五人も出るなんて! おかしいなぁ!? あはははははは!!」

「テメェ! どういうメンタルしてやがる!?」」

 

 物間の煽りにそうツッコむ切島。実は、この煽り言葉。昨日言われた時と全く一緒だったりする。

 

 不満そうに物間の後ろの席に着く六人。

 

 相澤は、ブラドキングに今日の補習内容を相談する。

 

「ブラド。今日は、演習入れたいんだが?」

「俺も思っていたぜ。言われるまでもなk」

 

 すると、突然補習教室にいた全員の体に電気が走る。

 

『みんな!』

 

 それに反応する一同。

 

「マンダレイのテレパスだ」

「あたし、これ好き~。なんかビクッてして」

「交信できるわけじゃないから、ちょい困r「静かに」

 

 相澤は上鳴の話を遮り、マンダレイのテレパスに耳を傾ける。

 

『敵が二名襲来! 他にもいる可能性有り! 動ける者は、すぐに屋敷へ! 会敵しても、交戦せずに撤退を!』

 

 そこまで聞くと、相澤は意識を切り替えた。

 

「ブラド。ここ頼んだ! 俺は生徒の保護に出る!」

 

 そう言って、相澤は教室から出て、廊下を駆け外に出る。

 

「ッ!?」

 

 そこには、蒼い炎と黒煙が舞っていた。

 

「マズいな」

「心配が先に立ったか? イレイザー」

 

 相澤が生徒の心配をした隙を狙って、継ぎ接ぎの男が蒼炎を噴出しようとする。

 

 だが、その男の横に黒い影が舞い降りた。

 

「何っ!?」

「ふんっ」

 

 舞い降りてきた男の腕に付いた三枚の刃で、継ぎ接ぎの男の首が刈られる。すると、継ぎ接ぎの男は泥になって消えた。

 

「な!? バットマン!? 殺したのか!?」

「いや、これは人形だ」

 

 バットマンが相澤にそう言うと、木にグラップネル・ローンチャーのフックを発射し、相澤に問いかけた。

 

「貴方はどうする?」

「このまま、生徒の保護に向かう」

「なら、戦闘は任せてもらおう」

 

 バットマンはそう言うとローンチャーの糸を巻き、グライドして空を滑空した。

 

 空を飛んで少しすると、敵とマンダレイたちが接敵しているのが見えた。バットマンは、そこにマントをたたんで急降下した。

 

「この子の頭ぁ。潰しちゃおうかs「そいつを放した方が身のためだぞ」な、グハッ!?」

「マグネ!」

 

 マグネと呼ばれたオネェのような男の後ろに着地したバットマンは、横腹に中腰状態で鋭いミドルフックをいれた。それにより、ピクシーボブが解放され、バットマンが彼女を抱えてマンダレイたちの後ろの木にローンチャーを射出して、そこまで移動する。

 

「バットマン!? 何故ここに!」

「偶々だ。飯田天哉、彼女を頼む」

 

 バットマンは、マンダレイに返答しながら飯田にピクシーボブを預ける。

 

「マンダレイ、他に行方が分からぬ者は?」

「……五歳くらいの男の子がいないの!」

 

 バットマンは、それを聞いて理解した。

 

(あの子だ。洸汰くんだ!)

 

「了解した。すぐに探す!」

 

 バットマンがそう言うと、高い木にグラップリングして空を飛んでいった。

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 急降下してマントを広げることでスピードアップして、昨日会った高台に向かう。そこには、怯える洸汰と洸汰に殴りかかろうと拳を振り上げる黒マントの巨漢が見えた。

 

 バットマンは、巨漢に向けて飛来し、滑空状態で巨漢の横っ面に蹴りを入れ、その反発で洸汰の元に近づく。

 

「大丈夫か?」

「う、うん……」

 

 バットマンは、捜査モードで傷の有無を確認し、無いことが分かると、巨漢に体を向ける。

 

「お前、知ってるぜ。この前、ニュースにでてたろ? バットマンだっけか」

「貴様のような人間に知られても、嬉しくないな。マスキュラ―。いや、今筋 強斗(いますじ ごうと)!」

「人の名前、勝手に言ってんじゃねぇ!!」

 

 マスキュラ―は、そう怒って筋繊維に包まれた腕で殴りかかってきた。それを避けようとバットマンは身をかがめる。だが、マスキュラ―はそれを上回る速度で、横に来てパンチを打ってきた。

 

「クッ!」

 

 それを避け切れず、バットマンは壁に叩きつけられる。

 

「クッ(ヤツの個性は筋肉増強。体に収まりきらない筋繊維でパワー、スピードを出してくる。この力で、洸汰くんの両親は、ウォーターホースは亡くなった!)」

 

 そう、マスキュラ―こそ、洸汰の両親を奪った張本人だった。だからこそ、洸汰は恐怖心から逃げ出すことが出来ず、高台にいた。

 

「なんだぁ? もう終わりかぁ? やっぱりヒーロー気取りの雑魚って訳だ!」

「いいや。今、貴様をどうやって倒そうか考えてる所だ」

「チッ! 減らず口叩いてんじゃねぇ!」

 

 マスキュラ―は、豪速の拳をバットマンに振り下ろした。しかし、それをバットマンは避けた。

 

「同じ手が二度も通用するわけないだろう」

「なにっ!? てッ、手がっ!?」

 

 おまけに、力加減を知らないマスキュラ―は、常に全力で拳を打ってくる。故に、下に向けて打てば、拳が地面に突き刺さって抜けなくなるのは当然だった。

 

 片膝をついて腕を引っこ抜こうとするマスキュラ―。しかし、意外とガッチリ固定されたのかなかなか抜けない。

 

 その隙をバットマンは見逃さなかった。

 

 バットマンは、頭から上半身の上半分目掛けてパンチのラッシュを叩き込む。

 

「こんの鬱陶しい!」

 

 マスキュラ―は、埋まっていないもう片方の腕で横に払うが、バットマンは屈んで回避してラッシュを打ち込む。

 

「いい加減にしろおおおおお!!」

 

 マスキュラ―は、怒りに身を任せて体を捻じる。それにより、埋まっていた腕が抜けた。

 

「さっきはよくもやってくれたなぁ!! 倍にして返してやらああああ!!!」

 

 次の瞬間、マスキュラ―の雰囲気が変わった。さっきまでとは比べ物にならないほどの怒りだ。恐らく、この男にとって、さっきまでのは遊びだったのだ。

 

 マスキュラ―は、もはや筋肉の塊と言えるような状態で、瞬速の拳を打ってきた。それをバットマンは素早い動きで避けていく。

 

「(さっきと同じような地面や壁に固定する方法はもう通用しないだろう。なら、凍らせるか)

 

 考え付いたバットマンは、ベルトからガジェットの一つである敵を凍らす手榴弾〝フリーズブラスト〟を数個マスキュラーに投げつけた。それが当たったマスキュラーは全身が氷漬けになっていく。

 

「あぁ!? 氷!?」

「そこだ!」

 

 バットマンは、フリーズブラストで筋繊維が凍り、収納もできず動きが悪くなったマスキュラーにスマッシュの連撃を打ち込み始めた。

 

 ドンドン筋繊維と共に寒さで体力も削られるマスキュラー。そこに一気に畳みかけるようにラッシュして、最後に打った顔面への拳が決定打となり、マスキュラーは地面に沈んだ。

 

 この時、マスキュラーに勝利したその姿は、洸汰にとって最高のヒーローそのものだった。

AFO戦の後の出久のその後は?

  • 雄英復学、バットマン活動継続
  • 孤独に戦い続ける。サイドキック無
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。