ミヨシ村を出て、ポポ車に揺られ、数時間。
下り道ということもあってか、行きよりもだいぶ早くタオカカ村に到着した。
村の中は、結構混雑していた。
ハンターに商人っぽい人……周辺の村々からやってきた人々で、ごった返していたのだ。
これは俺も予想外。
「うわぁ……混んでいますねぇ……。」
ハイビスさんの声が、ため息とともに吐き出される。
ずっと山奥の辺鄙な村にいたからか、人酔いしそうだ。
「あー……この季節、増えるんだったー。忘れてたなー。」
「それにしても、多くないですか?」
「タオカカはこの辺一体の中心地だからねー。村の規模はそれほどでもないけどー、季節によっちゃー人が増えるんだよねー。」
なるほど。
タオカカは、街と言うには少し小さいが、村にしては大きい。
ワサドラよりは規模も小さいが、その建物の数も結構なもの。
そしてここら一帯の中心地であり、今が人が集まるその季節、というわけか。
「す、すぐに宿をとりましょう。」
「……ソウジとハイビスちゃん、お願いしてもいいかなー?」
「え?セツヒトさんは行かないんですか?」
宿取りを俺たちに任せて、セツヒトさんはどこかに行こうとする。
「ちょいと野暮用があってねー。宿、もし取れなかったらギルドに集合でー。」
「は、はい。」
そう言って、どこかに消えてしまった。
「…………自由な人だ。」
「そうですね……あ、ほら、ソウジさん!行きましょう!まだ宿、取れるかもしれませんよ!」
「は、はい!そうですね!」
慌てて村の大通りを進む。
しかし人が多いな。
歩けない……なんてことは無いが、気をつけて進まないとぶつかってしまう。
実際、色んな人を避けながら、時には避けてもらいながら歩いた。
ドンッ。
「あっ……す、すいません。」
「いいえ、こちらこそ。」
頭までローブをかぶった人にぶつかってしまった。
こういう時すぐさま謝るのは、日本人の悲しい習性。
……いや、俺が小心者なだけだな。
「お怪我はありませんか?」
「あ……い、いえ。大丈夫です。」
「そうですか……それでは、失礼します。」
スッとあるき出すローブの人。
声色からして女性だったけど……所作に隙がないな。
多分ハンター……それもかなりの腕前だろう。
「ソウジさーん!!どこですかぁー!?」
「あー、ハイビスさん!ここです。すみません!」
態勢を立て直し、立ち尽くすハイビスさんのもとに向かう。
「すみません……人とぶつかってしまって……。」
「これだけ多いと迷いそうですね……ソ、ソウジさん、はい、どうぞ。」
「…………へ?」
「で、ですから。はぐれると、い、いけませんからね!」
ギュッ。
手を握られる。
こういうのって男性側からエスコートするものなのだろうが、しっかり握られた手に慌ててしまう。
「す、すみません。俺、手が汚いかも……。」
「だ、大丈夫ですから!気になさらず!」
ギュッ。
しっかり握り直してくるハイビスさん。
冷えたのか、少し冷たい感触。
でも、女性の柔らかさを感じる。
…………。
いかんいかん。これはあくまで俺の迷子対策。
俺は紳士。
「…………い、行きましょうか。」
「は、はい。」
ハイビスさんの返事とともに、宿まで歩き出す俺たちであった。
…………。
宿は軒並み満室であった。
手をつなぎながら宿を探すなど、あんまりにも恥ずかしかったが、四の五の言ってられない状況。
そんな中、運良く空いている宿屋を発見。
……結構お高めの宿だが、この際いいだろう。
「それでは、一部屋ご用意いたします。」
「ひ、一部屋!?」
「えっ?」
宿の受付の男性は、おそらく俺たちをどこぞのカップルと思ったのだろう。
手繋いでるし。
間違われることに対して、俺はむしろ光栄であるが、ハイビスさんには失礼だろう。こんな男。
悪い印象を与えないよう、ゆっくり手を離す。
事情を伝えて、二部屋空いてないか尋ねてみた。
「あいにくですが……現在ご用意できるのは一部屋まででございまして……。」
「……そうですか……実は連れがもう一人おりまして……。」
「左様でございますか……。申し訳ありませんが、今日ご案内できるのはこの部屋のみでして。」
「うーん……どうします?ハイビスさん?」
ハイビスさんを見る。
…………何か顔を真っ赤にしてうつむいていらっしゃる。
…………カップルと間違えられたことが恥ずかしかったのだろうか。
「…………ハイビスさん?」
「あっ!は、はい!一部屋!お願いしましょう!」
「えっ!?」
「あっ!違います違います!一部屋ではマズイのです。その、いろいろと!!」
「そ、そうですよね。参ったなぁ……。」
ほとほと困り果てる。
残りの宿は満室だし、打つ手が無い。
宿の受付の人も、困った顔をしている。
そんな時だった。
「…………あれ!?ソウジさんと受付嬢の……ハイビスさんか!?」
「あっ……。」
大きな声をかけられて驚く。
振り向くと、そこには懐かしい顔があった。
「いやー!久しぶりだなぁ!ソウジさん!元気にやっていたようで何よりだよ!ティガレックスやゴシャハギの狩猟の話は、こっちにも届いていてなぁ!」
「いやぁ……お久しぶりです、おじさん。」
「…………どうしたんだ?なんか元気がねぇが……。」
「いや、実は……。」
懐かしい顔。
それは、ワサドラから、ここタオカカまでガーグァ車を引いてくれた御者のおじさんであった。
心配をかけてしまったため、事情を説明。
…………。
「なんだ!なら、ソウジさん。俺の部屋に泊まればいい!俺もこの宿なんだよ!」
「えっ!?いいんですか!?」
「おうよ!命の恩人なんだからよ!遠慮すんなって!そしたら嬢ちゃんとセツヒトさんがもう一部屋で……万事解決じゃねえか?」
「…………お、おぉ。」
正直藁にも縋る思いである。
お言葉に甘えることにした。
ナイスタイミング、おじさん。
* * * * * *
「いやー!こんなに楽しい酒は久しぶりだ!ささ!セツヒトさんも飲んでくれ!」
「わー、すみませんおじさーん。どもどもー。」
セツヒトさんとも合流し、タオカカで一番賑わっていた食事処に入った。
部屋のお礼も兼ねて、おじさんも一緒に。
四人で食事を取るのも、野宿以来久しぶりである。
ちなみにセツヒトさんに何の用だったのか聞いてみたところ、
「野暮用の中身を聞くのはー、野暮ー?」
「それはそうですけど。なぜ疑問形なんですか。」
「まーせっちゃんにも色々あるのさー。」
と、はぐらかされてしまった。
そんなことはもう忘れて、四人で酒を飲み交わすことにした。
「おじさーん、良かったらまたー、ワサドラまで送ってくれるー?」
「おぉ!そいつは俺も願ったり叶ったりだ!こっちが頼みたいぐらいだよ!いいのかい!?」
「いいも何もー、私たちも安心っていうかー?ねー、ソウジー?」
「はい。おじさんが乗せて行ってくれるなら、とてもありがたいです。」
「よし!ちょうどそろそろ、ワサドラ辺りに戻ろうかと思っていたところよ!出立は明日でいいのか!?」
「いやーおじさん。話が早いねー。ぜひぜひー。」
トントン拍子に話が進んでいく。
おじさんがいたら、元から頼むつもりであったが、運がいい。
宿もゲットできたし、ワサドラまでの足も手に入れた。
ありがたい限りである。
「あ、ガーちゃんとグーちゃんは元気ですか?」
ハイビスさんが両手に持ったビールジョッキを机に置き、尋ねる。
片手でグイグイ飲むセツヒトさんとは違って、女性らしい飲み方である。
しかし、そこを聞くか。
大丈夫か。
「あぁ……あいつらはなぁ……。」
「えっ。」
言葉を詰まらせるおじさん。
……まさか。
少し物憂げな顔をしたおじさんは、食卓に並んだ特大の鳥の唐揚げをフォークで刺す。
持ち上げると、口でむしりとるように齧った。
「モグモグ……あいつらは……もう、な。」
「そ、そんな……。」
言葉を失うハイビスさん。
そうか、食肉になったか……。
いい奴らだったな。
「じゃ、じゃあ、ガーちゃんグーちゃん達はもう……。」
「あぁ、すまねぇな。冬の間、どうしても行き場もなくてなぁ……。」
仕方のない話だろう。
おじさんだって、商売でやっているのだ。
責めることなんて、とてもできることではない。
ハイビスさんはそれはもう哀しげな顔。
今にも泣き出しそうなのを堪えているように見える。
再会、楽しみにしていたからなぁ。
「あれー?」
ふと、セツヒトさんが声を上げる。
「でもさーおじさーん。さっきあの子達は元気にやっているって言ってなかったー?」
「えっ!?」
「……だははははは!!ばれちゃあしょうがねえなあ!!ははははははは!!!」
「えっ?えっ!?」
どういうこと?
「いやぁ、すまねぇ!ハイビスの嬢ちゃんを試してみたくてな!やっぱりアンタの愛は本物だよ!」
「え!?ということは、つまり……。」
「あぁ、ちゃんといるよ!言ったじゃねえか!これからが稼ぎ時の奴らだってな!」
「よ……良かったぁぁぁぁ………!」
おじさんがハイビスさんを試したってことか。
中々にいやらしいことをするではないか。
「すまねぇな!いや、実はな、少しそれも考えたんだけどよ……。」
「…………。」
おじさんが話し始める。
「ソウジさんとセツヒトさんが、ゴシャハギを倒したって聞いてよ。嬢ちゃんだって、臨時ギルドで頑張ってたんだろ?……あんたらが頑張って、俺たちを守ろうとしているってわかったら……こう、なんかよ……?こいつらを殺すのは、違うよなぁってなってな。」
「俺たちが……。」
「おう、噂は大したもんだったぜ。しかも後から聞いた話じゃ、セツヒトさんは有名な凄腕のハンターで、ソウジさんはそんなセツヒトさん差し置いて、ソロで強敵を撃破していったっていうじゃねぇか。……もう感動しちまってなぁ!!」
「そ、それはどうも。」
おじさんの話は続いた。
早い話が、俺たちの狩猟の話はこちらタオカカまで聞こえてきていたらしく、それを聞いてガーグー達を殺すのをやめたらしい。
なんでも、俺たちとの絆であるガーグァ達を、蔑ろにしたく無かったとか。
「ハイビスの嬢ちゃん、また明日にでも、あいつら撫でてやってくれ!喜ぶと思うぜ!」
「は、はいっ!ぜひ、やらせて下さい!」
今にも飛び出しそうなハイビスさんを抑えつつ、宴は続いた。
嬉しそうなハイビスさん。マイペースに酒を飲みつつ、俺に絡むセツヒトさん。
そして豪快に笑うおじさん。
帰りの道中も、楽しいものになりそうだ。
「そういやぁあんたら!男女関係に進展はあったのか!?」
「「「ブーーーーー!!!」」」
おじさんの爆弾投下に、全員が吹き出す一幕もありつつ。
その場はお開きになった。
* * * * * *
ガラガラガラガラ……。
荷台の中で、車に揺られる。
「あっ……ヤバいです。」
「えっ!?」
「何ぃ!?じょ、嬢ちゃん!車の中ではやめてくれよ!?大事な荷台なんだ!」
「だ、大丈夫です……。」
「おじさーん。前に嫌な感じするから休憩しよー?」
「お、そうか……じゃあ近くにきれいな川があるからよ。そこ、行くわ。」
「わかりました。」
ハイビスさんは、大変にお辛そうである。
寝たらどうかと進言すると「寝ると戻しそうで……。」と、どうしようもない返事を頂いた。
なのでずっと座って荷台に揺られているが、それでも辛そう。
原因は簡単。
昨夜の痛飲である。
おじさんの爆弾発言のあと、何故かハイビスさんとセツヒトさんのペースがアップ。
人間ってこれだけ飲めるのかと思わされた。
しかも2日続けての宴会である。
「もうお酒は飲みません……。」
弱々しくか細い声で休む姿も、これまた絵になるハイビスさん。
おいたわしや。
「あー……私も休むー……。」
そう言うと、セツヒトさんもハイビスさんの隣に行って、ゴロンと寝た。
「ソウジー……周辺確認……交代でー……。」
「は、はい。お任せください。」
一応マップを開いておく。
周りには……反応なし。よかった。
セツヒトさんもタオカカを出るときは平気な顔をしていたが……やはり乗り物に揺られるとキツイんだな。
二日酔いを何とかしようと毒消しを渡したが、あまり効かなかったらしい。
俺達は、今朝タオカカを出発し、もうすぐ昼を迎えようというところ。
全5日ほどの行程を進み始めたばかりだ。
「まさか旅の初日からこうなるとはなぁ……。」
「すみません……警戒は俺が引き継ぐので。」
「ソウジさんが見てくれるなら大丈夫だな!何とか今日中に中継の村まで行きたかったが……今日はやっぱり辞めといたほうが良かったんじゃねえか?」
「そうですね……。」
一応俺たち男性陣は、辛そうな女性二人に出発を遅らせることを勧めたのだが。
「迷惑はかけられないので。」と、一点張り。
……この状況が迷惑じゃないかと言われれば、まぁ迷惑なんだけど。
しょうがないよな。
ハイビスさんだって、毎日毎日過酷な業務をこなしてきたのだ。
セツヒトさんも、帰郷の最中とんぼ返りしてきたわけで。
はっちゃけて飲むのも、仕方がない。
「…………ソウジさん……あんた、自覚はないのかい?」
「え?じ、自覚?」
「いや……無さそうだな……。俺はソウジさんが一番すげえと思うぞ。」
「…………?」
「いやいや!気にしないでくれ!こう言うのは、他人がどうこう言うもんじゃねえやな!すまんすまん!」
そう言うと二人に水を渡しに行くおじさん。
よく分からんが……まぁ長い旅路だ。
ゆっくり行こう。
* * * * * *
旅の四日目。
下り道ということもあり、初日こそ色々あってまごついたが、その後は順調に行程が進んだ。
周囲の景色も山道からすっかり草原に変わり、まばらな木々や林が目立つようになってくる。
こうなると、ワザドラも近くなってきたと感じる。
このまま行けば、明日の早くにも着くらしい。
行きよりもだいぶ早い。
「凄腕二人がいるからよ!モンスターも全然出ねぇわ!はっはっはっ!」
大きな声で笑うおじさん。
ガーグァも力強く、その足を踏みしめている。
「ほんとよかったー……初日はどうなることかと思ったよー……。」
「すみません……私、ご迷惑を……。」
「いやいやーハイビスちゃーん……私も結構やばかったんだー……。ごめんねー、おじさーん、ソウジー。」
女性二人は、事あるごとに謝ってくる。
「いやいやいや。二人とも、気にしないでください。そもそもこの旅、俺の特訓の為に行くようなものでしたし。」
「うーん、申し訳なーい。……あー、ソウジー。見張り番代わるよー。」
「えっ。いいんですか。」
「うん。罪滅ぼしってやつー。」
いいのか。
こんな殊勝なセツヒトさんも珍しい。
荷台の上、幌から降りてセツヒトさんは逆に登る。
ヒョヒョイッという身のこなしは流石である。
今日のセツヒトさんの出で立ちは、いつものナルガ装備。
「流石に寒冷地仕様も暑くなってきたねー。」と胸元をパタパタさせていた。
色々と見えるその装備、ありがとうございます。
……変態思考のアホな俺は置いといて。
俺も流石に寒冷地装備は暑く感じるようになってきた。
低地に降りてきたからか、気候はガラリと変わる。
ついこの前まで、雪に囲まれた世界にいたのになぁ。
「雪……また見たいですね。」
ハイビスさんが、荷台の後ろを見てつぶやく。
視線の先には、俺たちがいた山々が見える。
あの山の一つ向こうが、確かミヨシだったはず。
遠くに行っていたもんだなと感じた。
後ろを見つめるハイビスさんに話しかける。
「……また行きましょうよ。ミヨシ村。」
「えっ。」
「今度は……観光目的で。ゆっくり温泉でも楽しみましょう。」
「あっ……それは、いいですね。」
ニッコリ笑うハイビスさん。
よかった、この所笑顔が少なかったから、心配だったのだ。
「今度は、ショウコやドールも連れて……みんなで行けるといいですね。」
「あー……そ、そうですね。」
「…………俺なんか変なこと言いました?」
「い、いえいえ!いいと思います。……みんなで行ったらきっと、楽しいですよね!」
「は、はい。」
様子がおかしい様な……気のせいか?
ゴトン!
荷台が大きく揺れる。
「わわっ。」
「おっと。」
態勢を崩すハイビスさん。
思わず手で抱きとめる。
「大丈夫ですか?」
「は、はい……すみません。」
「いえ。」
顔が赤いような……。
「あ、あの!ソウジさん!」
「は、はい?」
「わ、私……みんなでミヨシに行くのもいいですけど……。」
「は、はい……。」
どこか真剣な物言いに、こっちも姿勢を正してしまう。
「私は……ソウジさんと二人で、ゆっくり行きたいです。」
「……へ?」
「も、もしよかったら……こ、今度、私と―――」
「―――ソウジー!」
ハイビスさんの声を遮るように、荷台の上からセツヒトさんの声がかかった。
「す、すみません、ハイビスさん。」
「あっ……い、いえ。」
「何ですか!?セツヒトさん。」
ハイビスさんの発言に、少しドギマギしている。
えっ?今なんて言った?俺と?二人?
……いやいやいや、とりあえずセツヒトさんの方が先だ。
省エネ生活がモットーのあの方が大声を上げる。
緊急事態だ。
「セツヒトさん!どうしました!?」
「ソウジー!ごめーん!例のやつで、あの辺り、どう!?」
「は、はい!今すぐ!」
言うやいなや、情報画面を起動。
「な、何だ!?セツヒトさん!モンスターか!?」
「信号弾が見えたような気がしてねー……赤かったんだよー。」
「赤ってことは……救援信号か!」
おじさんが手綱を握りながら、心配する。
無理もない。
赤い信号弾は、基本緊急事態を示す。
俺の視力なら判別できたかもしれないが、マップを見た方が早い。
縮尺を合わせて……ん?
「……セツヒトさん、当たりです……結構遠いですけど、よく分かりましたね。」
「標的はー?」
「大型……だと思います。詳細は分かりませんが……。」
「そ、ソウジさん!?あんた、分かるのか!?」
「……俺、目が良くてですね。……それより、あっちです!」
危ない危ない。
ギフトとバレるわけには行かない。
それに、本当に救援信号なら、行ったほうがいいだろう。
俺も幾度となく、先輩ハンターに助けられてきた。
恩返しの連鎖だ。
「セツヒトさん!行きましょう!」
「私はオッケー。……おじさんとハイビスちゃんはー?」
「おぅよ!嬢ちゃんさえ良ければ、すぐに向かうぜ!」
「わ、私も賛成です!ギルド職員としても、助かります!」
全員一致。
息がぴったりだ。
「じゃあ向かうぜ!」
「はい!よろしくおねがいします!」
おじさんが手綱を操る。
すぐに方向を転換したガーグァ達は、今までと変わらぬ速さで草原を突っ切っていく。
「がんばってー!ガーちゃん!グーちゃん!」
「ガァー。」
「グァー。」
気合いの入った……とは言い難いが、しっかりハイビスさんに返事をする2頭。
頭がいいなぁ。よく懐いているし。
向かうは南西、モンスターの反応がある場所。
俺とセツヒトさんは、急いで装備の点検を始めた。