モンハン世界に成り行きで転生した中身おっさん   作:びびんば

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15新たな技を習得しましょう。

宿に戻ってきた。

 

やることはたくさんある。

まずはポーチの確認をしておこう。

 

そういえば中身をちゃんと見ていない。

 

イシザキ亭のお姉さんにうつつを抜かす前に、まずは所持品を確認しなければ……。

 

ポーチを触る。

見慣れた情報画面が出てくる。

その中から<アイテムポーチ>を確認すると、ズラッと一覧でアイテムが見えるようになる。

 

とは言っても、前見たときと変わりはない。

携帯食料、応急薬、回復薬、毒消し、ウチケシの実、砥石、ピッケル、シビレ罠、……

 

 

「……ん?」

 

 

ふと気になったところ。<リストから調合>という欄。

調合とは……つまり何かと何かを組み合わせるという意味だよな……

 

 

調合できる一覧から選べるものは何もなかった。

つまり今は調合できるものは無い、と考えていいんだよな。

 

しかし、これはかなり有用かもしれない。

 

調合したいアイテムが、何と何を組み合わせてできるか。

これを見れば丸わかり。

 

本来は色々文献を調べたり、人に教わったりして知っていくのだろうが、この画面を調べれば何とかなりそうだ。

 

問題は調合できるかどうか。

この辺はアイテムが揃ってないとわからないことも多いので、後回しにすることにした。

 

 

* * * * * *

 

 

情報画面をいじり続けていく。

 

<ギルドカード>という項目を見つけた。

前は選択できなかったはずだ。

登録をしたからか、今は選ぶことができる。

 

 

「……討伐モンスター、使用武器頻度、達成クエスト数、二つ名………個人情報満載だ。」

 

 

カードからは様々な情報が分かるようだ。

仕組みはわからないが、個人が行ったハンター業に関する実績が、記録されていくのだろう。

 

ホントもう、完全にゲームだよこのシステム。

 

大事なのは、この情報は俺にしか分からないのか、ハンターズギルドも分かるのか。

後者だとすると、何かちょっと怖い気もする。

 

……まぁ明日の講習会で聞いてみよう。

 

 

「ギルドに管理された傀儡のハンター達!とか週刊誌の面白い見出しになりそうだな………ん?」

 

 

ふと見つけた討伐モンスターの履歴……何か書いてある。

 

 

 

「バサルモス 撃退 1423.86 ザキミーユ平原」

 

 

へ?

バサルモス……撃退したことになっている!?

 

特にギルドに報告したわけではない。

なぜ記録されているのか。

 

それに、逃げまくっただけなのに撃退扱い……?

 

もうわからない事だらけだ。

 

ただ、「撃退」と言う2文字は、倒したわけではないということだ。

今リベンジに来られたら、ひとたまりもない。

 

 

「平原に行く時は気をつけていこう……。」

 

 

さて、気を取り直して、本題に移る。

 

昼に習得できた<片手剣>の<操作方法>についてだ。

 

なぜ習得できたのか、未だによくわかっていない。

このままでは気持ちが悪いので、そのやり方を明らかにしたい。

 

というか、他の武器も試してみたい。

 

早めの夕食を部屋で取り終えた俺は、薄暗くなってきた庭に向かうことにした。

 

 

* * * * * *

 

 

「次に試す武器はどうするかな……?」

 

 

少しワクワクしながら、<武器装備>の一覧を開く。

 

周囲は薄暗く、武器の出し入れをしても周りからはよく見えないだろう。

そう考えて、様々な武器を手に持つことにしてみた。

 

 

「ランス……来い!」

 

 

装備すると、一瞬で手に<ランス>を持つことができた。

まだ慣れないので何とも無様だが、とりあえず構えてみる。

しっくりくるものを試してみよう。

 

 

「重っ!!……でも防御には向いていそうな感じがするな。」

 

 

ワクワクが止まらない。

次々に武器を持ち替えてみる。

 

 

「大剣装備!……うおぉ、でかいし重い……。ロマンあるなぁ。ベル○ルクみたいだ。」

 

「ハンマー装備!……やっぱり重い!一撃にロマンを感じますなぁ……。」

 

 

ニタニタしながらブツブツ言う薄暗がりの男。

 

ドールとかに見つかったら大変なことだ。暗くてよかった。

宿から漏れる薄い明かりを頼りに、すべての武器を手にとってみた。

 

 

「重いわぁ……こりゃ体鍛えなきゃいかんな。」

 

 

すべてを手に持って構えてみた結果、分かったことが2つ。

 

まずい1つ目。

大体が重い!

 

今の肉体はかなり素早く動ける。

片手剣のときも実証済みで、激しい動きにもすぐ対応できる自信がある。

 

だが、<ハンマー>や<大剣>、<ヘビーボウガン>といった、名前からして重そうな武器。

これは持つのにも苦労した。

 

パワー系統の体ではないのだろう。

片手剣とは比較にならないほどのキツさを体感した。

 

このことから、この体に今の所合っている武器がだいたい絞られてくる。

 

 

そして2つ目。

それぞれの武器の<操作方法>を確認してみたところ、やはりさっきの<片手剣>と同じように、技は1つしか表示されなかった。

 

これはまだ仮定だが、ドールと練習していたあの時間。あの時の何らかのきっかけで、技を習得した、ということだろう。

 

ここから候補を考え、試してみる武器を決定しよう。

 

 

<大剣>は、とても男の子心をくすぐられたのだが、いかんせん重すぎた。

同様の理由で<スラッシュアックス><チャージアックス><狩猟笛><ハンマー><ランス><ガンランス>、そして<ヘビィボウガン>も断念。

 

 

「笛、めっちゃ楽しそうなんだけどなぁ。」

 

 

前世で音楽を趣味としていた俺としては、心残りだ。

 

 

更に<弓>や<ライトボウガン><操虫棍>も断念。これは単純に、矢や弾といったアイテムが無かった。

 

それに、弓とかボウガンとか、こんな庭でぶっ放したら、流石に迷惑すぎる。そして虫についてはよく分からない。

 

武器として持つことにはさほど苦労しなかったので、アイテムや猟虫が手に入ったら試してみたい。

 

 

となると残りは<双剣><太刀>か。

 

パワーが必要な武器が多すぎる……そう考えると、片手剣を始めにチョイスしたのは間違ってなかった。

まぁ、一覧の一番上にあったから選んだだけなんだが。

 

 

残り2つになった候補たちを、改めて持ってみる。

 

 

一番しっくり来たのは、まさかのーーー

 

 

「双剣か……。」

 

 

なぜかはわからないが、一番しっくり来た。

 

 

片手剣で、両手を使って武器と盾で攻撃していたからなのか。

片手剣なら太刀が一番相性が良さそうなものだが。

 

ちなみに、太刀を振るってみたのだが、如何せんヒョロヒョロとした剣筋で「あ、だめだこれ。」とわかるほどだった。

 

 

……と、とりあえず、消去法で決めたところはあるが、<双剣>を試してみよう!

 

どの武器も、また後で試してみればいいし!

 

 

「操作方法には……二段斬りだけ……?2つ同時に攻撃するのか?」

 

 

武器の名前は「ツインダガー」。

2つの刀って、そのまんまの意味だろう。

 

構えてみる。

イメージは、前世で知らない人はいなかった、あの二刀流の剣豪の肖像画だ。

 

ダランとした構えで、二刀を下に構える。

そのままゆっくりと上げて……

 

 

「二段斬り!」

 

 

振り下ろす。

太刀ほどヒョロヒョロしてはいないが、まぁひどい。

 

モンスターなど相手にできないだろう。

 

 

「もういっちょ、二段斬り!」

 

 

今度は上段の構えから、タイミングを一刀ずつずらして振り下ろす。

技の名前を発するのは、ドールとの練習で行っていたからだ。

 

少し恥ずかしいが、何がきっかけがわからない以上、何でもやってみよう。

 

 

「しっくりこない……集中して……。」

 

 

何度も剣を振るう。技名を唱えながら。

そして息を整えて、また構える。

その繰り返し。

 

時刻はもう夜。

時間的に言って、そろそろラストにしなければいけない。

 

こんな練習で、<操作方法>を開放できるとは思ってないが、何か掴みかけている気もする。

 

 

「双剣を……モノにしたい!……ハァっ!」

 

 

疲れてきて重心が下がってきたからか。

二段斬り?を深い踏み込みで放ったら、明らかにスピードに乗った気がした。

 

 

「!」

 

 

一瞬で、この一撃が今日一番の出来だと悟る。

余計な力は入れず、イメージしていたモンスターの部分に当たる瞬間だけ、スッと力を込める。

そして振り抜いた。

 

 

「おわっと!ととと……いてっ!」

 

 

威力が全く違った。

振り抜いた瞬間、思わず剣に振り回されて、くるくる回ってコケる。

 

ダサい……。

 

だが、今のはいい感じだった気がする。

 

 

「<操作方法>は……!」

 

 

すぐに確認する。

もし成功していたなら、<操作方法>で二段斬り以外の技も確認できるはずだ。

 

 

「おっ!やったぞ!」

 

 

二段斬りは成功したのだろう、片手剣のときと同じように、様々な技名が一覧に現れてくる。

 

嬉しい感覚とともに、片手剣のように連続技技できるのか試してみようと。

 

 

そう思った瞬間だった。

 

 

「うっ……ぃい!!ぁぁあああ!!」

 

 

頭が激しく痛みだした。思わず変な声が出てしまう。

 

 

「な、何で………!?」

 

 

目がチカチカする。周囲がグワングワンと回っている。

 

いや違う、自分が回っているのだ。

 

そう気づいた時には、俺は地面に倒れてしまって。

 

 

「ぐぇあ。」

 

 

まるで時代劇の三下の様に、意識を失った。

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