モンハン世界に成り行きで転生した中身おっさん   作:びびんば

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04撃退しましょう。

見晴らしの良い草原。ところどころ大きな岩や木が生えている。

空は曇天。まったく知らない世界にやってきたというのに、心躍ることなんて一つもない。

 

とにかく生きなければならない。

生存本能が告げるのだ、「頭を使え!何とか切り抜けろ!」と。

 

とにかく目の前にいる大岩モンスター、バサルモスを、何とかしなければ。

 

 

<モンスター情報>の画面で、こいつの弱点や生態は何となくわかった。

もしかしたら、多少ひるませることができるかもしれない。

 

逃げる隙を作れば、こいつはそこまで速くないから、逃げ切れる目算はある。この体なら。

 

 

「グルルルル……。」

「こ、こええ!!……けど!やるしかない!」

 

 

ズシンズシンと、テレビの中でしか聞いたことの無い効果音が、リアルに鳴り響く。

その度に、俺の弱虫が「はよ逃げや」と忠告してくる。

 

うるさい、俺は反撃するんだ。

 

 

考えた行動に移る。

とはいってもやることは単純だ。

 

さっき見たアイテムの中で、こいつを足止めできそうなもの。

そう、シビレ罠を使う。

シビレ罠は、基本的に「弱った敵を捕獲するのに使用する」他に「相手の自由を奪うことができる」らしい。

なので、動けなくなったバサルモスにある程度ダメージを与える。

 

そこでもう一つ。恐ろしいものを見つけている。

アイテムポーチに「大タル爆弾G」なるものが、二つ入っていたのだ。

 

この爆弾、持ち運びもできないほど大きい。

だが俺のアイテムポーチなら入る。入ってしまう。

「アイテム」ならば、何でも入りそうだ。

 

シビレ罠を何とか仕掛ける。

罠とか言うぐらいなんだから、多少の足止めにはなる……はずだ。

かかった瞬間大タル爆弾を二つ設置。しびれている間に爆弾に着火。

そしたらひたすらに逃げよう。

 

もしかしたら腹の装甲とやらが剥げて弱点になり、チャンスになるのかもしれないが、あいにくこれ以外に攻撃が思い浮かばない。

第一、武器もないのだ。

 

頭の中でやることの算段が付いた。

あとはやる気だ。気合だ。

 

 

「ふうー……。よし!」

 

 

深呼吸して、気持ちを整える。

バサルモスが、後ずさりする俺に近づいてくる。

さっきのビームを放つ様子はない。成人男子が歩くぐらいの速度で俺を追ってくる。

 

 

「……今だ!!」

 

 

振り返り、とにかく全速力で反対方向に走る!

 

追ってくるバサルモス。

だが遅い。少しずつ距離が開いてくる。

この体、めちゃくちゃ軽い。いくら走っても疲れない気がする。

やはり加齢とは恐ろしいものだ。

このまま逃げ切れるかとも考えたが、バサルモスには翼がある。

モンスター情報では飛ぶことができるらしい。

 

何とかダメージを与えて、逃げる時間を稼ぐ。

 

 

距離が少し開いたところで、急いでアイテムポーチを触り、アイテム一覧からシビレ罠を選択する。

途端に「ドサッ」と、シビレ罠が落ちて、そして地面に「カチッ」と設置された。

 

……全自動?俺は何も仕掛けなくていいのか?楽な罠だな!

おそらくこれでいい。はずだ。やってみなくちゃ分からない。

 

もはや博打だ。

 

 

バサルモスはのっそのっそと俺を追ってきている。

心なしか疲れているようにも見えてきた。

人間、慣れるものだ。初めは怖くて仕方なかったのに、今や落ち着いて相手を見ることができる。

 

怖いけど!めちゃくちゃ怖いけど!

 

 

「おい!こっちだバサルモス!!こっちにこい!!」

「グアアアアアアアア!!!!!」

 

 

俺と罠の延長線上にバサルモスが来るようにして、相手を挑発する。

 

すると、突然。

 

ゆっくりだったバサルモスが、頭を突き出してこっちまで突進してきた。

 

あまりの急な速度の変わりように、何の対処もできない。

 

「あ、死んだわ。」と思った。目の前に迫ってくるバサルモスに思わず目をつむった。

 

 

……。

 

………。

 

 

あれ?生きている?

目を開ける。

 

 

「ク…オアアアア……!」

 

 

目の前には、罠が発動して、びりびりと音を立てながら、動けないでいるバサルモスがいた。

 

シビレ罠、成功だ!

 

バサルモスが、うまいこと罠に引っかかってくれたようだ。

 

しかも俺と衝突寸前のところで。目の前にはバサルモスの苦悶?の表情が見られる。……死ぬかと思った。

 

しかしこいつ、近くで見ると厳ついなあ……。

 

 

……観察している場合ではない。急いで腹部に大タル爆弾Gを二つ設置しよう。

シビレ罠はどういうわけか、バサルモスにしか効いていない。俺には一切痺れが来ないのだ。

原理がよくわからない。

 

もうどうにでもなれ精神で、情報画面の<アイテム一覧>から、大タル爆弾Gを選んだ。2回選べたから2回押す。

 

すると俺の目の前にありえないぐらいでかいタルが現れた。

もうちょっと、ワイン蔵のタルぐらいを想像していたのだが……醤油蔵のタルぐらいあるなこれ。

 

これ全部爆弾!?こわっ!しかも2つ!?こわっ!

 

 

「やばい、巻き込まれたら死ぬな……離れたところから着火しよう!急げ!!」

 

 

アイテム情報には、小さい刀やクナイ、石ころで着火は可能、と書いてあった。

俺は石が当てられそうな15mほどの距離を開けて、ソフトボールぐらいの大きめの石を構える。

爆弾の位置は、想定通り腹部の下。まだバサルモスは、痺れ続けている。

 

 

「爆弾を起爆させるには、爆弾上部に強い衝撃を与えるとよい、か。よし!」

 

 

シビレ罠がだんだんと弱まってきた。もう少しでバサルモスが動き出すだろう。

深呼吸する。

落ち着いて石ころで狙いを定める。

 

 

「いけっ!!」

 

 

石を思いっきり、爆弾めがけて投げる。

念のため、3~4個石を持っていたが、運よく全力投球が、タルの上部に当たってくれた。

やはりこの体、身体能力がハンパ無い。ものすごい剛速球だった。

 

 

「ガッ」とタルに石が当たった。

頭の中で「よしっ!」と思った、その次の瞬間だった。

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオン!!!!!!

 

 

「~!!!!!!」

 

 

ハチャメチャな爆発音とともに、俺は吹き飛ばされた。

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