モンハン世界に成り行きで転生した中身おっさん   作:びびんば

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54余計な発言には気をつけましょう。

ハイビスさんに解放され、ようやく泥のように眠りについた時間は、予定よりだいぶ遅れていた。

 

若い身空の女性をサウナでのぼせ上がらせ、さらにもう一人の女を侍らすダメ野郎としてのレッテルを貼られた俺。

 

 

「俺が悪かったのかなぁ……。」

 

 

朝、日も昇り切っていない時間。

寝起きの一言目がそれである。

あのハイビスさんを前に何も言い訳はできなかったため、昨晩は大人しく帰って寝た。

 

ようやくボルテージが下がったハイビスさんに、「送りましょうか」と、せめてもの紳士らしい態度を示したものの、

 

 

「結構です!」

 

 

と一刀両断された。

 

 

うぅ……。俺何もしてないって……。

 

 

でもまぁ分かったことは、「銭湯に女とは行くな。」ということである。

 

 

…………倫理観がわかんねぇ…………。

 

 

だって、前にドールだって、背中を流そうかと言われたことあるし!

ショウコも平然と俺の背中を洗ってきたし!

 

……ショウコはカウントされないか。

ショウコの場合、よく分かっていない可能性が高いしなぁ……。

 

 

ドールは……あれ?分かっているんじゃないか?

 

…………ドールは、そのへん分かっていて、俺の背中を流そうとした……?

 

 

何故か……。

 

 

つまりドールは―――。

 

 

コンコン。

 

 

「ソウジさん?」

「は、はい!起きてます!」

「あ、起きてるね。朝のランニング、行くんでしょ。」

「わ、わかった!すぐ降りるよ!」

「……何か慌ててる?」

「あ、慌ててない慌ててない!すぐ行くから!」

「うん。それじゃ。」

 

 

スタスタスタ……。

 

 

お。

 

おおぉぉぉお、ビビった!

なんちゅうタイミングで来るんですかドールさん!

 

い、いかん!背中を流すかどうかなんて事で、ドールの気持ちを推し量るとか、アホか!

 

 

自重しろ……俺のおっさん心……。

 

 

 

気を取り直して両頬を叩くと、普段着に着替えてランニングに行くことにした。

 

 

* * * * * *

 

 

村の周回10周を終え宿に戻る。

水で体を洗ったら、朝食を食べるため食堂へ。

 

 

「おはようございます。」

「あらー、おはよ……って。何だか元気ないわね、ソウジくん。」

「ええ、色々ありまして……。」

 

 

朝一番に会ったミヤコさんに分かるほどか。

ランニングしたら、だいぶスッキリしたんだが。

 

気合を入れないと、ロアルドロスにやられてしまうな。

 

よしっ。切り替え切り替え!

 

 

「……大丈夫です!元気ですよ!」

 

 

言うや否や、いつもの席に座り、朝食を眺める俺。

今日のメニューは純和食。

 

白ごはんに味噌汁、焼いた白身魚と大根おろしのようなもの、極めつけは醤油と俺の大好きな漬物。

この世界になぜ和食があるのか知らないが、これがまた美味い。

ドールのこの朝ごはんは、絶品である。

 

いやー、知らない世界でこれが食べられるって、大変ありがたいことです。

この世界の食の豊かさ、美味さ、幅広さは、現代日本並だ。

口に合わなかったことなど一回もない。

 

ありがたくいただくこととしよう。

 

 

「いただきます!」

 

 

味噌汁をすする。

あぁ……元気が出るぅ……沁みる……。

 

味わいながら食べる。

 

 

「ソウジさん、おはよ……何だかソウジさん、元気ない?」

「おはようドール!そんなことはないぞ!」

「そ、そう?」

 

 

空元気でごまかす。

いや、ドールの朝食で元気をもらったから、空元気ってわけでもない。

 

 

「ドール、いつもうまい飯をありがとう。」

「ど、どうしたの?急に。」

「いや、こんな美味しい朝食を毎朝食べられるなんて、幸せすぎるよ。」

「うん、ありがとう……。」

「いやぁ……俺、毎日この味噌汁を飲みたいなぁ。」

 

 

…………。

 

 

沈黙。

 

 

……な、なんだ?なんか俺気まずいこと言っちゃった?

 

 

 

「……ええぇえぇ!!?」

「えっ!?」

「そ、そそそんな急に言われても……!」

「ど、ドール?」

 

 

急に顔を赤くしたドールが、慌てふためいている。

え!?俺なんか言っちゃった!?

 

 

「あらあらー!ソウジくんも隅に置けないわねー!」

 

 

ミヤコさんがからかい口調で何か言ってる。

……え?本当に意味がわからんのだが。

 

 

「わ、私、食器片付けてくるから!」

「あ、ど、ドール!?」

 

 

スタスタスタスタ!

 

 

……行ってしまった。

 

 

……何かまずいことしちゃった……?

 

 

「ドール、どうしたんでしょうか……?」

 

 

ミヤコさんに聞いてみる。

 

 

「え?ソウジくん知らないの?」

「何がですか?」

「『毎日この味噌汁を飲みたい』って、プロポーズよ、プ・ロ・ポ・オ・ズ。有名な演劇の言葉じゃない。」

「……は?」

「……あれ!?もしかして本当に知らなかったの!?」

「は、はい。」

 

 

何!?

つまり俺はあれか!?

朝起き抜けに元気無いやつが急にプロポーズをしたことになるのか!?

 

 

…………やっぱ分かんねえこの世界の倫理観!

倫理観?て言うより常識!?

そんな「月が綺麗ですね」的な言葉とか知らないよ!チクショウ!

 

 

「ホッホッ、いやーソウジさんは朝から面白いの。」

「ほ、ホエールさん!」

「ミヤコさんや、許してやってほしい。ソウジさんはの、この村に来た時は記憶を喪失していての。」

「あら!?そうなの!?」

「そういった常識的なところも若干抜けておるんじゃ。」

「あら……知らなかったわ……ソウジくん。ごめんね。」

「い、いえいえ!気にしてませんが……むしろこちらこそ……ドールに変なこと言ってしまったなぁ……。」

 

 

参った。

弁解のしょうもない。

 

 

「でもま、いいわよ!うんうん。結果オーライにしちゃいなさい!」

「何を言ってますかミヤコさん……。」

「そりゃつまり、責任取ってドールをお嫁さんにしちゃえば―――」

「お母さん!」

 

 

台所からスポンジが飛んできた。

と思ったら、ミヤコさんの目にダイレクトヒット!

 

 

「い、痛い痛い痛い痛い!!ど、ドールぅ!冗談じゃないの!洗剤が!目に!目に!」

「……お母さん?」

 

 

いつの間にかミヤコさんの隣に来たドールさんが、とてもいい笑顔でいらっしゃる。

ていうかいつの間に。ドール速いな!

 

 

「お母さん?」

「な、なに?ドール!?私今目が非常事態のエマージェンシー―――」

「言っていい冗談と、悪い冗談が、あるよね?」

 

 

怖いよドールさん!目が笑ってないよ!

ミヤコさんが借りてきた猫のように大人しくなる。

 

 

「ど、ドール?お母さん、ほんのちょっとだけ、ね?ほんのちょっとだけ、魔が差したというかね?えっと―――」

「問答無用。お母さん。朝ごはん抜き。」

「えええええええ!!!!???」

 

 

おおっと!娘の飯抜き宣言だあ!

これはミヤコさんも絶望の表情!!

 

 

…………ミヤコさんが燃え尽きて真っ白になったボクシング選手のようになっている……。

 

 

うん、このタイミングで合っているか分からんが、ドールに謝っておこう。

 

 

「ドール、すまん。変なこと言って。」

「い、いいよ!ソウジさんはわからなかっただけでしょ?わ、私、別に気にしてないから。」

「そ、そうか。でも、ごめん。あと、味噌汁が美味いこと。これは嘘じゃない。変な意味じゃなく、俺はドールの作るご飯、好きだぞ。」

「………う、うん。嬉しい。」

「よかった、それは本当にそう思っているからな。」

「…………あ、ありがとう。……わ、私まだ片付け中だから!それじゃ!」

 

 

スタスタスタスタ……。

 

 

行ってしまった。

良かった、変な誤解はとけた。

 

 

……この真っ白になったミヤコさんはひとまず置いといて、朝食を食べよう。

 

 

「若いのはいいのー。」

 

 

ホエールさんがいつものように笑っている。

安心するぜ。

 

 

 

ガチャ。

 

 

 

「おはよーございまーす。ソウジ、居ますかー?」

「おお、おはようさん、セツヒト。何の用じゃ、こんな時間に。」

「いやー、ソウジに用がありまして……あ、いたいたー。ソージー。」

 

 

セツヒトさんがやってきた。

そうだった、装備を受け取らなければならないんだった!

 

 

「おはようございます、セツヒトさん!わざわざすみま――」

「せっちゃんー。」

「せっちゃんさん。わざわざすみません。」

「んー、よろしい。……この真っ白いの、ミヤコさん……?」

「あっ、はい。」

 

 

ミヤコさんと面識はあるのか、セツヒトさんはしゃがんで、ミヤコさんの鼻をツンツンしている。

 

 

「おー。燃え尽きてるねぇ。」

「ええ。真っ白に。」

「んー。よし、放っておこー。」

 

 

いいんか。

まぁいいや、話が進まないし。

 

 

「じゃーん。はい!これが強化した装備でござーいます!」

「おぉ!ありがとうございます……見た目は変わりませんね。」

「むむむ。なんか不満げー?」

「いえいえいえ、そうではなく!どこを強化したのか興味がありまして。」

「まぁ着てみー?分かるから。」

 

 

促され、装備をつけることに。

部屋に戻って、装備をつけたまま食堂に戻る。

 

 

「どう?変な感じしない?」

「いや、多分大丈夫です。重くなったんですか、これ。普通に動けますよ?」

「うんうん、よかったー。あ……ちょっとそのままー。胸の辺りが、何か違和感?」

 

 

そう言うなり、顔を俺の胸に寄せ、調整を始めるセツヒトさん。

この人、距離感近いんだよなぁ……。いや、嫌では無いんですがね?なんと言いますか、おっさんの純情ハートはドギマギしてしまうわけでして。

 

そんなアホな事を考えていたら、炊事場からドールが戻ってきた。

 

 

「せ、セツヒトさん?」

「おおー、ドール、おはよーん。」

「おはよう。……何してるの?」

「ん、よっと。ソウジに装備頼まれてねー。この辺をねー、調整してるのさ。」

「ふ、ふーん。」

 

 

ドールがこちらを見ている。

見ているというか……凝視している!?

 

俺の装備なんて、そんな珍しくも無いだろうに。

 

 

「あ、ドールごめん。後ろー、ちょっと持ってもらっていいー?」

「えっ?あ、ここ?」

 

 

するとドールが俺の後ろから脇を抱える形でギュってしてきた。

 

……何だこの状況。

 

前方、銀髪美しいセツヒトさん。

後方、今日もエプロン姿のドール。

 

女性に囲まれている。

ドギマギが止まらない。

 

 

「よーし、しゅーりょう。ソウジ、おまたせー。」

「…………。」

「ソウジー?」

「……あっ!!すみません!調整ありがとうございました!」

 

 

もうこれ以上意識しないように、思念を彼方に飛ばして素数を数えていた。

俺から離れていく女性たち。

あー、何かドギマギした。心臓に悪い。

 

 

「……ソウジ、顔真っ赤ー。」

「えぇっ!?」

「なになにー?美少女に後ろから抱きつかれて、私に前から触られてー?嬉しかったのー?んー?」

 

 

何時ものように、ニヤニヤとからかいを受けてしまう。

しかしここでセツヒト対処法。

 

なるべく普通に、である。

 

 

「いーえ、何ともないです。」

「えー、そこは『とっても嬉しかったので、もう一回!』とか言うとこじゃーん。」

「リクエストしてどうするんですか!?」

「そしたら、私も前からギューって、やってあげようかー?んー?」

「い、い、いいえ!大丈夫ですから!ほら、とっととお店にお帰りください!」

「んもー、最近のソウジは冷たいなー。まぁいっかー。」

 

 

対処成功!……したのか?

おそらく俺はいつまでもセツヒトさんにからかわれてしまう気がする。

ちらりとドールを見る。

 

 

……え!?何か怒ってらっしゃる!?

すみません!背中でセクハラしてすみません!

ん?背中でセクハラ?

……と、とにかく!後ろから触るように言ったのはセツヒトさんです!訴訟はセツヒトさんの方へ!

 

 

「んじゃー、ソウジー。気をつけていってきてねー?」

 

 

待て!原告側!元凶!

……手をヒラヒラさせて、セツヒトさんは帰っていった。

 

食堂に佇む俺とドール。(+燃え尽きたミヤコさん。)

 

……なんか怒っているドールに、弁解をしなければ……。

 

 

「ど、ドールさん?いいですか?元凶はそもそもあのセツヒトさ――」

「私に触れられて、何とも無いんだ?」

「へっ?」

「セツヒトさんのこと、せっちゃんって、呼んでるんだ。」

「……お、おぉ。そう、ですけど。」

「仲良さそうだった。」

「そ、そりゃあね、何回か店に足を運んで、フランクに話す仲ですが……。」

「……。」

 

 

……何!?沈黙!?一番怖いやつ!

 

 

「ソウジさんの……ばか。」

 

 

スタスタスタ。

バタン。

 

 

「…………な、なぜ…………。」

 

 

ワサドラ村めっちゃいい子ランキング堂々1位のドールに。

 

ばかって言われた。

 

こだまでしょうか。

いいえ、俺だけ。

 

 

「はっ!?ど、ドール!?私の朝ごはんは!?私の〜!」

 

 

唐突に復活したミヤコさんなんて気にならないほどには。

俺は打ちひしがれてしまった。

 

 

俺も真っ白になりたい……。

 

 

* * * * * *

 

 

……色々あったけど!

すっごく色々あったけど!

スキル!もう気にしない!を発動した俺は、とりあえず仕事をすることにした。

 

うん。忙しくなって忘れてしまおう……。

昨日から女性絡みで失敗続きだ。

 

ロアルドロスを討伐する前に、ハーレム野郎様から女性の扱い方をご教授願いたいところである。

 

 

「あの、ロアルドロスさん。女心がわからないのですが。」

「なんやてソウジ!?ええか!?よく聞けや!」

 

 

みたいな。

 

 

……。

 

 

アホか。

気を引き締めなければ……。

 

 

「よし!」

 

 

両頬をバチンと叩く。

今日何度目かわからない気の引き締めを行った俺は、ギルドの門を開いた。

 

 

ひとまずショウコを探そう。

 

 

……ちっこいので中々見つけられない?

ご冗談を。俺の手にかかれば、簡単に見つけることができる。

猫好き……とは関係ない。

 

 

周囲の人を見る。

数人がニコニコしながら、とある一方向を見つめている。

 

あとはそこを探せば……あ~ら不思議。

 

 

「ご主人さまー!こっちですー!」

「お、ショウコ。一日ぶり。……オスズさんも、お久しぶりです。」

「お久しぶりですにゃあ。」

 

 

ほら、いた。

しかもアイルーがセットで。

 

 

ショウコはここで既にかなりの人気者。

数あるアイルーの中で、愛想もよく、話し方も独特で、最近人気らしい。

ヒナタさん情報である。

なので、周囲の視線を観察すれば、自ずと見つかるという寸法である。

 

ギルドのムードメーカー的な存在にまでなっていると思う。

最近じゃ、ファンクラブみたいなものもあるとかないとか。

 

……そいつらからしたら、俺って忌み嫌われる対象なんじゃないか……。

 

……うん、気にしない気にしない。

 

とにかく、有名人のショウコ。

だが本人は全く意図していない。素である。

 

末恐ろしいとともに、変なあだ名なんて、もう気にしなくてもいい次元に来ているのでは、と思う。

まぁこれは本人の気持ちの問題でもある。ゆっくりやっていこう。

 

 

「ショウコ、準備はできて…………オスズさんはなぜいるんですか?」

「にゃ〜、実はご報告をしたいことがありまして〜……ね、眠いにゃ〜……。」

「もうっ、オスズさんは朝弱いんやから……私から言うとく言うたやないですか。」

「いやいや、こういうのは長として、あちしが言わなきゃならんのにゃ。」

 

 

目の前で、アイルーの小さい女の子たちがにゃーにゃーにゃーにゃー言っている。

周囲の目を集めるばかりだし、とっととクエストに行きたいので、要件だけ聞いとこう。

 

 

「オスズさん、お話というのは?」

「はいなのにゃ。この度、イシザキ亭で働くアイルーが決まったので、ご報告するにゃ。」

「お!決まったんですね!いやー、よかったよかった。」

「にゃ。ご紹介いただいたソウジさんに、先にご報告にゃ!ありがとうなのにゃ!」

 

 

そういえばそうだった。

以前イシザキ亭で、オスズとショウコとご飯を食べた時、ケイさんに相談されたのだった。

 

俺もケイさんの頼みは断れない。

そして、どうしようかと思った矢先「アイルーを働かせてみては?」という考えに至った。

 

そこからはケイさんとオスズの話し合いになったのだが……うまくまとまったみたいだ。

 

 

「いやぁ、安心しました。」

「アチシも村のお店で働くのは夢だったんだにゃ。頑張るのにゃ!」

「ええ、是非お願い……えっ?」

「どうしたのにゃ?」

「……オスズさんが働くんですか!?」

「そうですにゃ?」

 

 

……マジかよ。

オスズさんは、集落の長みたいな事をしていると聞いていたが……。

 

 

「取りまとめ……のお仕事は平気なんですか?」

「その辺は正直適当でしたからにゃあ。掛け持ちしてみるのもいいかにゃ、と。」

「お、おぉう。」

 

 

……そんなんでいいのか、アイルー集落。

 

 

「んじゃ、あちしはこれで。ソウジ様たちも、クエスト頑張ってくださいにゃ。イシザキ亭にも足を運んでくださると嬉しいにゃ!」

 

 

行ってしまった。

ポカーンとしてしまった。

 

 

「……ご主人さま、気にせんとってください。」

 

 

ショウコが、こうなるまでの経緯を教えてくれた。

 

 

オスズさんは、ケイさんとの打ち合わせで、一人アイルーを寄越すと約束。

ところが集落に戻ると、働き手が軒並みいない。

 

 

「その時オスズさんは気付いたみたいです。」

「何に?」

「……集落でまともに働かんようになってたの、自分ぐらいやということに……。」

「あぁ……なるほど。」

 

 

その後、考えた挙げ句、自分が働けば万事収まると結論。

今日イシザキ亭に行って、話を付けてくるらしい。

 

 

「まぁ取りまとめの役と言っても、仕事無いときは無い、ある時はちょっと忙しい、ぐらいのもんやったんです。なので、時間に融通のきくバイトがちょうどよかったらしいですよ?」

「でも……オスズさんで、大丈夫なのか?」

 

 

主に賄い的な意味で。

オスズはアホみたいに食べる。

それに、社会に出て働くのも初めてなんじゃないか?

 

 

「うーん……店が潰れんとエエですけどねぇ……。ウチは止めたんですよ?これでも。」

「んー、本人やる気だし……まぁ様子を見てみるか。」

 

 

一抹の不安を残しつつ、俺達はクエストボードに向かうのであった。

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