モンハン世界に成り行きで転生した中身おっさん   作:びびんば

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79道中気をつけましょう。

ガーグァ車に揺られながら進む俺たち。

 

村からはすっかり離れ、いつもの狩場にしている草原も通り過ぎた。

 

ガーグァは、スピードではファンゴに劣るし、力はアプトノスやポポといったモンスターに軍配が上がるが、持久力とスピードを併せ持っている。

小走り程度のスピードしか出ないものの、一定のペースを保ちながら進んでいる。

 

ここまでは非常に順調。御者のおじさんも「今日はとっても進みがいいよ。」と言っていた。

 

多分理由は一つ。

 

 

「うーん、やっぱり幌の上は気持ちがいいねー!」

 

 

セツヒトさんが幌の上で見張ってくれているからであろう。

 

出発早々幌の上に登ったセツヒトさん。

何をするつもりなのかと思ったが、周囲の見張りをやってくれているのだ。

 

 

「おじさーん!次の別れ道ー、右側なんか嫌な感じー!」

「は、はいよ!少し迂回するぞ!」

「はーい!」

 

 

大声で連絡を取り合うセツヒトさんとおじさん。

おじさんも戸惑いつつ、指示に従って手綱を操る。

おかげでモンスターに出会うことは全くない。

 

……な、なぜわかるんだ……?

 

俺も周囲をマップで警戒しているのだが……セツヒトさんの指示は、ほとんど的確である。

改めてこの人の凄まじさを味わっている。

 

 

「おそらく、今までの経験則と……凄まじいまでの勘、でしょうね。」

「勘。」

 

 

ハイビスさんが俺の横でつぶやく。

 

 

「私も実際に目にするのは初めてですが……G級にもなると、大型の狩猟に集中するために、常に周囲の小型や別の大型モンスターを避けていくそうです。中には殺気を放ってモンスターを寄せ付けない方もいらっしゃるようですが……。」

「なるほど……さっきから少し離れた所にいるモンスターが逃げていくんですが、それは……。」

「……人間技とは思えませんね……さすが、セツヒトさんです。G級は、伊達じゃないですね。」

「すげぇ……。」

 

 

かっこいいとしか言えない。

こんな芸当もできるとか、やはり上の人は凄まじい。

やろうと思えば、俺も似たようなことはできるかもしれないが、それは俺の力というよりギフトの力。

 

やはりギフトに頼りすぎるのは良くないと思わされる、そんな一幕であった。

 

 

* * * * * *

 

 

 

「いやぁ、こんなに順調に進んだのは初めてだよ。流石、一流のハンターさんは違うねえ!」

「いやいやー、それほどでもー。」

「ほら、こいつはお礼だ。護衛も見張りもいらないなんて、初めは何の冗談かと思ったが、どうやら本当に大丈夫みたいだな!」

「やったー!こんがり肉ー!夜の見張りも、お任せくださいー。」

 

 

そう言って御者のおじさんはホロの中に入っていく。

ニコニコ笑顔のおじさんに食料を譲ってもらい、セツヒトさんも上機嫌。

 

今日は、途中の宿泊できる場所には辿り着けず、野宿になった。

とは言っても、かなりのハイスピードで来ているそうで、もしかしたら日程が短縮できるかもしれないとのこと。

 

おじさんが俺たちのテントを設営してくれる間、そんなことを言っていた。

 

 

「いやー、お肉ももらえるしー、ソウジがホカホカのご飯持っているしー、こんなに快適な野宿は初めてだよー。」

「私も初めてです……まさかお外でこんなに美味しいご飯が食べられるなんて。普通乾燥肉とか野菜の缶詰とかで終わりですよ。まさかイシザキ亭の味をここで楽しめるとは。」

「よかったです、お二人に喜んでもらえて。」

 

 

実はポーチの中に、イシザキ亭の弁当を詰め込んでいたのである。

イシザキさん(兄)の一級品の腕前で作られ、オスズが手渡してくれたこのお弁当を、外でいただく。

 

ホカホカのおかずが食べられるこの状況は、どうやら異常らしい。

二人もニコニコで夕飯を食べている。よかったよかった。

 

念のため十日分ほど詰め込んできたが、この旅のペースなら余りそうな勢いだな。

ギフトと女神様に感謝。

 

 

「ソウジー、じゃあ私と順番で、夜の見張り、やろうねー。」

「はい、もちろんです。」

「多分私がいるからモンスターも寄ってこないと思うけどー、何かあったら呼ぶんだよー?ソウジー。」

「おぉ……了解です。」

 

平然と言ってのけるセツヒトさんが、なんとも頼もしい。

 

見張りの分担を決める。

今日は俺が先に、夜の見張りをやることに。

 

 

「すみませんお二人とも……私、お力になれそうになく……。」

「ハイビスちゃんは気にしないで良いんだよー?こう言うのはー、適材適所?」

「はい!村では、絶対にお力になりますから!」

 

 

ハイビスさんも御者のおじさんも完全に一般人であるため、ここは俺とセツヒトさんが頑張らねば。

さらに言うとセツヒトさんは昼間も見張りをやってくれている。

なのに疲れている様子は微塵も見せない。

 

かっこいいぜ……。

俺もやれることをやろう。

 

 

「じゃーおやすみー。」

「おやすみなさい、ソウジさん。よろしくお願いします。」

「はい、お二人とも。おやすみなさい。」

 

 

二人にお休みの挨拶をし、焚き火を弱める。

一応周囲には、おじさんがモンスターを寄せ付けないお香を炊いてくれているが、「あんまり頼りにはなりゃしねえよ。」と言っていた。

 

気をつけよう。昼間たっぷり寝ているしな。

セツヒトさんの真似事をしたい所だが、俺にはあの勘というものが全く働かない。

 

……嫌な予感、っていうのはなんとなく分かるが、強者を前にした時のあの感覚を、周囲全体に張り巡らすなど、かなり難しい。

多分、超疲れる。

 

なのでここは大事をとって、ギフトパワーを存分に使わせていただく。

<マップ>を見ながら、敵影を探していく。

……一応周囲には何もないようだが、ディノバルドのように、感知もさせずにでてくるモンスターだっている。

 

まぁあんなのがそこかしこに出てきたら、野宿などしていられないわけで。

気を抜かないようにしないとな。

 

 

こうして俺は、明け方近くまで見張りを続けた。

 

 

* * * * * *

 

 

「ふぁぁ……眠い……。」

 

 

少しの睡眠の後、目を覚ます。

水で濡らしたタオルで顔を洗う。

 

水が冷たい……おじさんが近くの川で組んできてくれた水である。

 

 

「そろそろ野宿も、きつい季節になってくるなぁ。」

 

 

そうおじさんが言うぐらいには、本格的な寒さが近づいているのだろう。

 

ちなみに昨晩は、全くモンスターの姿は確認できなかった。

 

 

「うーん、おはよー、ソウジー、ハイビスちゃん。」

「おはようございます。」

「お、おはようございます。」

 

 

二人がテントから出てくる。

男の俺とは別のテントで用意してもらい、そこで寝ていたハイビスさん。

寝起きの姿を見るなど、初めてである。

少し恥ずかしそうにしながら、桶の水を手に持つとテントにすぐに引っ込んでいく。

 

まぁ、寝起きの姿など、普通は男性に見られたいものではないよなぁ。

俺としてはむしろ、普段と違う寝起きの姿に、ドギマギしてしまうのだが。

 

 

「うーん、女の子ですなー。」

「セツヒトさんも女性ですが。」

「私はほら、ナチュラル系だからー。」

「ナチュラル?」

「……化粧とか、めんどくさい系、とも言うー。」

「な、なるほど。」

 

 

セツヒトさんは、まぁ確かにいう通り、そんなに朝の支度には手間取らない様子。

見張りの交代のタイミングでも、いつもの同じようにテントから出てきた。

 

ちなみに、テントの中は覗かない。

俺は紳士であるからして。

楽しみにしている神々の皆様には、我慢いただくことにする。

 

というか覗く機会など与えないがな!!

プライバシーは遵守!!

 

 

「お?どーしたのソウジー?鼻の下伸ばしてー。」

「の、伸ばしてませんよ!?」

「敏感に反応するってことはー……変なこと考えてたー?」

「考えてません!」

「……ハイビスさんの寝姿、可愛かったなー。」

「そそそそうですか。」

「むー、ソウジつまんないー。」

 

 

今日はイジリ対決に勝ったぜ。

 

 

* * * * * *

 

 

 

俺の虚しい勝利などどこ吹く風。

 

順調にガーグァは進む。

こいつらの体力は底無しか。

 

こんなにアホっぽい顔をして、ずっと走りっぱなしなのである。

これはガーグァさんと言わざるを得ない。

 

 

「どうだ!俺の自慢のガーグァは!なかなかのもんだろう!」

「本当に、そうですね。」

「私も……なんだか可愛く見えてきました……。」

 

 

おじさんが休憩中に自慢してきた。

自慢したくもなるだろう、本当に優秀な奴らである。

 

 

「この子達、名前とかあるんですか?」

 

 

ハイビスさんが尋ねる。

 

 

「名前?そんなもん、つけねえよ。」

「え?そうなんですか?」

「おう、なんせ衰えたら食肉に毛皮に羽に、余すとこなく有効活用ってな!まぁこいつらはこれからが働き時、稼いでもらうぜぇ!」

「……。」

 

 

絶句するハイビスさん。

うーん、人間の都合で利用されるガーグァさんたち。

 

 

「……もうしばらく、よろしくね。ガーちゃん、グーちゃん。」

「は、ハイビスさん……。」

 

 

名前をつけ始めていた。

……止めはしない。

うん、旅の間、可愛がるぐらいしょうがないだろう。

情が湧いても知らないけど。

 

 

「グェェ……。」

「グァ!!」

 

 

濁音混じりの返事をしながら、呑気に草を食べるガーグァさん達。

せめて少しでも長く活躍されることを願うばかりである。

 

 

* * * * * *

 

 

三日目。

今日は、中継の村で一休みできるそうだ。

 

見張りで寝不足の俺としては、大変ありがたい限りである。

 

幌の上の見張りも、セツヒトさんと代わって俺も受け持つことにした。

「そっかー、ソウジもあれ使えばできるじゃんねー。」と言うと、セツヒトさんは幌の中に移動。

ハイビスさんのお膝に頭を預け、スヤスヤと眠り始めた。

 

……疲れを見せないが、頑張ってくれていたんだと実感。俺も頑張らねば。

 

 

「こ、ここはテントじゃありませんからね?脱いじゃダメですよ?セツヒトさん?」

「んん……わかってるよーん……はぁ、ハイビスちゃんやーらかーい……。」

 

 

……なんか聞こえたが、スルーしとこう。

 

 

幌の上にスタンバイした俺は、マップを見ながら御者のおじさんと連絡を取り合う。

 

この日もモンスターは現れなかった。

順調順調。

 

 

* * * * * *

 

 

四日目。

 

昨晩は久しぶりのベッドで、ぐっすり眠ることができた。

 

おかげでバッキバキだった体もスッキリ。

この体、やっぱり若いわ。

 

前世だったら今頃、ガチガチの体に四苦八苦していたことだろう。

 

 

「おはよーソウジー。いっぱい眠れてよかったねー。」

「そうですね、いい宿でよかったです。」

「ん〜!さ、今日も張り切って見張りましょー!」

「おー。」

 

 

セツヒト語で返事。

慣れたものである。

 

 

「そういえば、ハイビスさんは?」

「あー何かー、『グーちゃんガーちゃんに朝の挨拶してきますね!』とか言ってー、外に行ったよー?」

「そ、そうですか……。」

 

 

入れ込みすぎではないか。

いや、俺に止める権利はないか……。

 

まるで今時の学校の道徳の授業である。

一生懸命育てた豚さんを、食用にするか否か、話し合い。

非常にセンシティブな内容だが……人がそれらの命を頂くこと以上は、絶対に深く考えるべき命題である。

 

命の上に立つ。

ハンターは、そういう職業だ。

……セツヒトさんの教えを思い出した。

 

 

「ハイビスさん、大丈夫でしょうか。」

「大丈夫じゃないかなー。昨日の夕食でバクバク鶏肉食べてたしー。」

「……た、確かに。」

 

 

全員が全員、俺のようにナイーブでは無いよな。

というか、俺が平和な世界から来たからこそ、この問題に引っかかっているのだ。

 

そうだよなぁ、この世界に生まれて生きてきたら、そりゃ命に対する考え方も深くなるよなぁ。

 

 

「それはそれ、これはこれってねー。」

「……なるほど。」

 

 

最高の答えを貰った気がする。

 

しばらくすると、ホクホク笑顔のハイビスさんが、服に羽毛をつけて戻ってきた。

可愛がってあげたのかな。

確かにあのアホ顔は、今見ると非常に愛着が湧くものである。

 

 

「さーて!お三人さん、準備はいいかー!?」

「「はい!」」

「はーい。」

「ようし、出発するぞー!」

 

 

おじさんの元気のいい掛け声とともに出発。

今日は行程的にいくと、村に着くという。

もうすぐそこだというおじさんの口調は、非常に上機嫌である。

 

すっかり肌寒い気候に変わり、俺もセツヒトさんも寒冷地仕様の装備を身につけている。

 

今日も一日しっかり見張ろう。

命を預かるハンターとしての仕事を、プロとして遂行するのだ。

 

 

「今日も何にもなければいいねー。」

 

 

セツヒトさんが寒い風に両腕を押さえながら、不安になることを話していた。

 

 

* * * * * *

 

 

「ソウジさーん!どうだー!?モンスターはいそうかー!?」

「大丈夫でーす!そのまま行ってくださーい!!」

「あいよー!」

 

 

道のりがうんと険しくなってきた。

 

昨晩マップで確認した限りでは、そんなに距離はないと思っていたが、この勾配では確かに時間がかかる。

馬力でポポに劣るガーグァも、一生懸命である。

 

 

「がんばってー!ガーちゃん!グーちゃん!」

「がんばれー、ガーグー。」

 

 

名前を付け、すっかり愛着の沸いてしまった二人は、幌の中から応援を続けている。

従順に頑張る姿は、確かに応援したくもなる。

俺だって心の中で応援している。

 

<マップ>内に、一応モンスターの姿は無い。

ゆっくりとだが、確実に進んでいる。

 

 

……ォォ……

 

 

「「!!」」

 

 

ゾクっとした。

<マップ>を凝視。

……モンスターの姿は無いが……。

 

確かに、聞こえた。

 

 

「セツヒトさん!!」

「うん!」

「……嫌な感じがします!!」

「よくわかったねー!ソウジー!!やっぱり簡単にはいかないねー、この山道はー!!」

「じゃあ!これは!!」

「うん!くるよー!!……大型がねー!!」

「マジですかー!?」

「大マジー!!!」

 

 

話を聞いたおじさんは、しかし顔色を変えず、ガーグァを進める。

さすがプロ。一度進みを止めてしまったら、ガーグァも怖気付いて逃げ回ってしまう。

恐らくガーグァも強者の気配を感じていることだろう。

それがモンスターの勘というものである。

 

おじさんとガーグァ、両者の信頼関係がしっかりあるからこそ、進むことができている。

 

 

……ォォォォン……。

 

 

山にこだまして、近づいている声。

 

急いで幌の中に戻る。

 

青ざめているハイビスさん。

コートの襟を強く握りしめている。

 

 

「ダイジョーブだよーハイビスちゃん。私達がついてるー。」

「は、はい。」

 

 

セツヒトさんがハイビスさんを励ましている。

本当に頼りになる人である。

 

 

「とりあえず……おじさん、ハイビスさん!大型が現れたら、先に行ってください!」

「お、おうわかった。道はわかるか!?大丈夫か!?」

 

 

おじさんが心配してくれる。

ガーグァの手綱を握り、しっかり2匹に指示を伝えながらも、尚。

実にかっこいい。

 

 

「おじさーん、大丈夫だよー。……私達、結構強いからさー。」

「道も、事情は言えませんが、俺が知っています。安心してください!」

「……わかった!二人を信じる!……嬢ちゃん!」

「は、はい!!」

 

 

おじさんがハイビスさんを呼ぶ。

 

 

「二人になったら、こいつらを励ましてやってくれ!!あんたが声をかけると、安心するみたいだ!」

「は……はい!わかりました!お任せください!」

「あぁ、頼んだぞ!」

 

 

おじさんマジかっこいいわ。

ハイビスさんにやることを与えて、ある意味安心させることに成功している。

 

 

 

「グォォォォォォン!!!!」

 

 

とんでもなくでかい遠吠えと、後方に光る雷鳴。

天気は雲こそあれど、晴天。

もう驚くしかない。

久々に聞いた雷鳴。前世の嵐を思い出す。

 

 

 

ジャカ!!

 

 

「ソウジー!!敵は後方!!」

「はい!!」

 

 

ジャキン!!

 

 

セツヒトさんがヘビィボウガンを、俺が双剣を取り出す。

幌の後方に移動。

後ろから近づくモンスター。

<マップ>で見えるが、とんでもない移動速度で近づいて来る。

 

狙いは俺たち……で間違いなさそうだ。

 

 

後方に目を向けながら、セツヒトさんが言う。

 

 

「ソウジー!この感覚、覚えときなー!」

「は、はい!」

「……間違いないねー。アイツ、ガーグァ大好きなんだよー。」

「……ガーグァ好きなモンスター、ですか!?」

「そー!いるんだよ、そんな厄介な奴が、さ……ッ!!」

 

 

ジャキ!

ダダダダダン!!

 

 

セツヒトさんが仕掛ける。

その瞬間、後方の道向こうから姿を表すモンスター。

 

 

ビシビシビシ!!!

 

 

「アォォォォォォン!!」

 

 

遠すぎてよく見えないが、恐らく弾が命中したのだろう、苦しそうなモンスターの声がした。

 

……というか平然と当てるとは!この不安定な車の上から!!

セツヒトさんすごいな!やっぱり!

 

 

「ハイビスちゃん!村のギルドに報告よろしくー!」

「は、はい!」

「ソウジー!行くよー!!」

「はい!!」

「お二人とも!!ご武運を!」

 

 

ハイビスさんの言葉を背に、車の上から飛び降りる。

 

離れていくガーグァ車。

だが、振り向くことはできない。

 

着地の間も、気は抜けない。

 

 

「……ソウジ!上!」

「はい!!」

 

 

それぞれの方向に転げて避ける。

 

 

ズドン!!

 

 

「グゥゥゥ……。」

 

 

不機嫌そうな唸り声。

全身トゲトゲ。薄暗い山に映える、青緑と黄色の体色。

力強い尻尾と前脚は、強者の雰囲気を存分に纏っている。

 

 

「こいつは……?」

「雷狼竜……無双の狩人……いろんな言い方があるけどー。」

「……。」

「ジンオウガ。この辺では、最強の一角。そして、最終目標。ソウジに倒してもらう予定の、モンスターだよー。」

「ま、マジっすか……。」

 

 

こんな強そうなのを……。

 

 

「……傷が疼くねー……あの時の獄狼じゃなくて、ちょっと安心ー……。」

 

 

あの時って、どの時だろうか……。

ごくろう……?

 

 

「ソウジー!私が援護するからー!まずは(けん)!!慣れてきたら、一気に叩くよー!」

「は、はい!」

「だいじょーぶ!こいつのパターンは読みやすいしー!……フッ!!」

 

 

ダダダダダダ!!!

 

 

「グァ!!ガァァ!!」

 

 

怯むジンオウガ。

 

 

「私が付いてるからさー!」

「はい!!」

「目標は撤退!高望みはしなーい!」

「はい!!」

「いくよー!!」

 

 

 

セツヒトさんの気合の入った声と共に。

 

俺は双剣を力強く握り直した。

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