今回はステレオポニーさんの名曲からお名前をいただきました。
尚、曲から借りたのは名前だけとなっておりますのでご注意を。
奏二の秘密
月を見るのが好きである。
「何やってんだお前ら………しかも、全員五月の格好って」
目の前の光景に俺は困惑していた。
それはそうだろう。
目の前にいるのは5人の同じ顔に同じ格好。
さながら影分身の術だが……当然この世界ではできない。
そんな俺に、五月達のうちの1人が。
「町谷君……今私達は、上杉君に対して五つ子ゲームを仕掛けています」
そして今度は別の五月が。
「そして………あなたには以前当てられてしまったので、リベンジマッチです」
「私達の中で、誰が本物の私かを当ててみてください」
最後にさらに別の五月が、なんだか懐かしいことを言い出した。
かつて、ポニーテールにした私たちを見分けられなかった上杉君に対して、全員が私の姿と格好にしての五つ子ゲームを仕掛けたのには、しっかりとしたわけがある。
一つはおじいちゃんを心配させないように、みんなで同じ姿でいるため。
そして。
「当ててみろと言っても……クソッ、格好だけじゃなく、表情も似せてきてやがる」
もう一つは………今目の前にいる町谷君対策だ。
なにせ、彼は家族以外で初めて初見で私たちを見分けることができたレベルの観察眼の持ち主。
そうなると、生半可に似せてもすぐに見破られてしまうので、そこから上杉君に答えをバラされては元も子もない。
だから………徹底的に私の姿をみんなには真似てもらった。
そして……
「ちょっと自己紹介してみてくれないか?」
「いいですよ?私は中野五月です」
「5月6日生まれの牡牛座です」
「あなたと同じクラスです」
「好きな動物はカンガルーです」
「美味しいものを食べるのが大好きです」
「声もか!
……お前ら、風太郎を試すにはちょい難しすぎるぜ?」
声も彼の前では、5人で出来るだけ同じ声で話すように心がけている。
彼なら声の違いでも見破る可能性があるから。
正直、偽五月騒動にほとんど関わりがない彼を巻き込むのは気が引ける。
だが………これまでの過去がそうしてしまったのかもしれないが、彼は愛に対して「役に立たない」と言い切ったことに関しては看過できない。
だから、お母さんやおじいちゃんが教えてくれた、愛がないと見分けることができない程に難しくする。
………少しでも、愛は良いものだって知ってほしいから。
「それでは……健闘を祈ります」
五人の五月が浜辺から、風太郎達のいる堤防の方へ歩いていくのを眺めながら、俺は厄介な事になったと頭を抱えていた。
五月が5人で、俺対策でもしてるのか、マジで見た目だけだとほとんど見分けがつかない。
正直、見た目で見分けてきた俺からすれば、これ以上ないメタと言っていいだろう。
そうなると、見た目以外の要素から判断するしかないなと思っていると、五月からのLINEが。
えーっと……?
「今回の五つ子ゲームについてのルールです
お題 本当の私はどの私でしょう
ルールです
1、あなたからの上杉君への相談禁止
2、お父さんやおじいちゃんへの助けを借りない
3、回答期限は明日まで
4、ふしだらな手を使わない
答えがわかったら、私に教えてください
あなたが正解する事を私は祈っています」
「要は、俺一人でやる事と盗撮や覗きはダメって事だな」
俺が気になってるのは、なんで全員同じ格好なのかと言う事であり、誰が誰だなんて正直どうでもいい。
だが……多分これに正解しない限り、その答えは教えてもらえないだろう。
どうしたもんかと考えていた俺は、あることに気がついた。
「砂の沈み方が足跡ごとに違う……」
砂浜にある幾つもの足跡が、足跡一つによって沈み方が微妙に違っていたのだ。
沈み方が違うと言うことは………ああ、そりゃそうか。
そうして俺はそこから考えて……当たり前の結論に達した。
だが……それで十分。
俺は一つの収穫を脳に刻みつけながら、姉妹達の跡を追った。
「姿形を変えようとも、身体の数値は変えられない」と言う真実をな。
バスの後を原付で追いかけながら旅館に戻ると、風太郎が何故か濡れており、タオルにくるまっていた。
「お前、結局話はできたのか?てか、なんで濡れてるんだ」
「アイツらの誰かに突き落とされたんだ。クッソ、腿の傷も確認できたのに」
どうしたのかを聞いてみると、何やら耳寄りな情報が入ったが………それを深掘りするのはルール違反になってしまうのでダメだ。
かと言って、俺がそれを見ようとするのなら、風呂の覗きか盗撮をするしかなくなるが……それだとルールどころか法律に抵触するので勿論アウト。
と言うかそもそも、風太郎が探しているのは家庭教師の解消を持ちかけてきた偽五月であって。
その偽五月の特徴が腿の傷だとするのなら……本物の五月を探している俺がみても意味はない。
残念だがこの案はボツだな。……ついでに、姉妹達から圧のこもった視線が飛んでくるし。
そうなると、やはり体重が一番重いやつを探し出すしかない。
しかし………体重計を判別に使おう物なら、怒られるどころか殺されてしまうし、こっそり測ったとしても結末は変わらない。
そうして、またも振り出しかと思われたが………「体重が一番重い」と言う予測から、俺はある言葉を思い出した。
「肉まんお化け」………かつて二乃が五月に対して使っていた言葉だ。
そこから俺は、さらに考える。
アイツらの体型は大体同じ………に見えるが、その形容詞があると言うことは他の姉妹よりも若干太いのだろう。
そりゃそうだ。日頃から何かしら食べているし、所々で五月は腹ペコ大食いキャラとしての片鱗を見せつけてきた。
そしてそうなると………当然顔の輪郭あたりにも違いが現れるはず。
そうして考えついた手がかりをメモしていきながら、俺は勝負の時が来るまでに色々と準備を進めるのであった。
「あれからまだ数時間しか経っておりませんが……本当に本物がわかったのですか?」
夕飯が終わった後、私は町谷君に呼び出されていた。
なんと、あれから数時間しか経っていないのに、もう分かったと言い出したのだ。
「おう………お前に送ってもらった写真ではっきりした」
そう言う彼に、私は送った写真に怪しまれるようなところはなかったと思い返す。
そう。私が彼に頼まれて送ったのは……1から5までの番号札を持った状態の立ち姿を写真に撮った物だ。
なんだか囚人みたいだと思いはしたが……おかしなところはなかったと自負している。
適当に当てずっぽうをするつもりではと考え始めた私に、町谷君は………とんでもない推理をしていた事を明かしてきた。
数分後。
町谷君は正しい答えを導き出した。
導き出したが………その方法はあまりに失礼な物で。
「いや、その……一番太って………いや、ふくよかなのが本物って捉え方をしたのは悪かったと思ってるぜ?」
「言い直しになってません!本当に……あなたはなんて推理をしてくれてるんですか⁉︎女の子の体重から答えを導き出したなんて………!」
私は、デリカシーのかけらもない判別方法をして来た町谷君に説教をしていた。
なんと、姉妹の中での体重から私が一番重いとして。
そうなると、お腹周りや顔に影響があるだろうと、さっきの写真を撮らせてきたのだ。
確かに、見た目がそっくりとは言っても身体の状態は一人ひとり違うけど………失礼な話である。
「見た目を寄せても、身体の数値は変わらないからな。
………それに、体重の暴露大会をやらなかっただけまだ優しい方だぜ?」
「そんなことをした日には、5つ子魔女裁判ですからね」
「せめて普通の裁判にしてくれよ」
得意げな顔をしながら、恐ろしい事を言い出した町谷君に絶対やるなよと念を押す。
でも…その得意げな顔は久しぶりに見た。
まあ、そうなったのはテストやら偽五月騒動が原因だろうけど。
ちょっとした満足感に浸っていると、彼は思い出したかのように。
「ヘイヘイ………ああ、そうだ。お前に聞きたいことがあったんだ。正解した報酬ってことで聞かせてもらうぜ」
「………仕方ありませんね。どうぞ」
すっとぼけた事を言い出したが、正解したのは事実。
仕方ないのでその内容を促すと。
「そんな大した事じゃない。なんで全員がお前の格好をしてたのかだ。流石に5つ子ゲームの為だけじゃねえだろ?」
町谷君は、意外とまともな質問をしてきたので……考えるきっかけになればと、私は出来る限り丁寧に説明をした。
5つ子が全員五月の真似をした理由を聞いた俺は、五月と別れて一人で夜空を見上げて考えていた。
要は……あの爺さんへの忖度だ。
5人が同じ姿じゃないのを見て、仲が悪くなったのでは?と心配のあまり倒れた事から、爺さんの前ではそっくりな姿でいることになり。
んで、話し合いの結果五月の格好に………と、いう事らしい。
しかし……人は時の流れの中で変わっていく。
心も…………見た目も。
十人十色という言葉があるように………いつまでもそっくり仲良しだなんてあるわけがない。
それを受け入れようとしないのか、受け入れられないのかは知らないが……そんなのただ弱いだけだ。
あとついでに「愛があれば」というトンデモ理論についても教えてもらった。
曰く、「長い年月をかけて、仕草や声などの相手のふとした癖を知ること。 それはもはや愛と言える」というものであり、中野家に代々語り継がれる教えらしい。
まあ……家の教えは家それぞれだな。
少なくとも、俺とあの爺さんが仲良くなることはないなと考えていると。
「おや………町谷君じゃないか」
五つ子の親父さんが、俺に声をかけてきた。
「夜になったら、ここを抜け出して彼に会いに行くわ。
手助けしてちょうだい」
二乃から頼まれ事を受けた私は、通路で一人座り込んでいた。
引き受けたは良いものの……本当はやりたく無かったのに。
私が頼まれたのは、お父さんを足止めして、二乃とフータロー君の密会を成功させること。
だが、もし成功したら………二乃はフータロー君とキスをするのだろう。
おじいちゃんの旅館があるこの島には、「誓いの鐘」と言うものがある。
そこの鐘を鳴らした男女は、永遠に結ばれる……と言う、まあパワースポットみたいなものだ。
そこで二乃は、言い伝えにあやかろうとしている。
でも……いや、だから私は温泉で持ちかけられた相談で、できる限りそれを阻止しようと言葉を尽くした。
ソージ君は迷うなって言ってたけど………もし、二乃の想いが成就したら。
………私たちは今の私たちではいられなくなるから。
お姉ちゃんとして、それだけは阻止しないといけない。
だけど二乃は………止まらない。
「私の恋だもの。私が幸せにならなくちゃ意味ないわ」
「同じ人を好きな子がいて、その子の方がずっと思っていても……悪いけど、蹴落としてでも叶えたい。
そう思っちゃうわ。
町谷の言葉を借りるなら…「突撃あるのみ」ってやつね」
愛の暴走機関車は、どんな言葉も葛藤も響かないのだ。
そして………私みたいにずるくない。
他人の告白の機会を奪っておいて、告白に踏み出せない私みたいに。
誰の目も気にせず、全力で………本気で恋してるんだ。
そんな二乃を前にしていると、いやでもこう思わざるを得ない。
「私には、入る余地も資格もない…………」
でも、私だって、本当は…………
そこまで考えていると、いつの間にそこにいたのか。
「どうしたの?
…………泣かないで」
四葉が、私がいつの間にか泣いていたことを教えてくれた。
親父さん曰く、五月と三玖以外の3人がどこかへ行ったらしい。
だが、俺は会ってないので知らないと答えたところ……話したい事があるとのことで。
俺は、親父さんに捜索へ駆り出されていた。
「しかし……参ったものだよ。いつの間に家出癖がついていたとはね」
「子供は巣立つもの、って奴じゃないんですか?」
そうして、二乃を見つけた後に一花と四葉を探すために夜道を歩きながら、心なしか疲れたように言う親父さんに、軽口で返す。
こう言う時は軽口を叩くに限るからな。
すると。
「………やはり、血の繋がりは無くとも、親子は似るということかな。
奏一も、よくその様な軽口を言っていた」
「………そーですか」
どこか懐かしいものを見る目を向けながら、親父さんは。
「そして………君の事をよく心配していたよ。
全てやり切った後………自ら命を絶つと言っていたみたいじゃないか」
「………話してたのか」
心なしか咎めるように言葉を投げかけてきた。
何も守れず、死を招くことしかできなかった俺に、おめおめと生きている価値なんてない。
そんな俺に課した罰の終着点は……あいつらの夢を叶え終えた後、自らこの命を絶つことだ。
「誰に何を言われようとも、俺にはこのやり方しかできない……」
だから、何でも出来るように奏一さんのもとで働く中で様々なものを身につけ………何でも出来るように何でも屋になった。
「だから………あんたの申し出は受けられない」
親父さんの打診を受けることはできないと、キッパリと言い切る。
すると、少しの沈黙の後に親父さんは。
「僕も医者という職業上、人の死に立ち会う機会というのは存在する。
そして………その度に、救えなかったことを後悔していた。
零奈さん……彼女達の母親に、奏一みたいによく知る人の命や、僕達を頼ってきた患者達。
そういう事もある仕事だと割り切るしかないにせよ………楽になることはない」
「…………同情ならお断りだぜ」
なぜか身の上話をし始めたので、先手を打っておくが、首を横に張った。
「その後悔の拭い方は、決して一つだけではないということさ。
僕は助けを求めてきた命には手を尽くす。
その助けられなかった命が、今の糧になっていると示す為に」
そして、俺の正面に立ち。
「前にも言ったが、僕は君の事を奏一から頼まれている。
君の道に一つ物申すなら………彼との最期の約束を、破らせないでくれたまえ」
どこか、懇願めいた口調で告げてきた。
そう言ったかと思えば、スタスタと去っていった親父さんの背中を尻目に、俺は考えていた。
「生きる方が、戦いだ……ってやつか」
俺の罪は決して許されることではない。
だから、今俺はその命を持って償いをしている。
でも………親父さんが言った通り俺が決めた方法以外にも、償う方法はあったのかもしれない。
今まで俺が見向きもしてなかっただけで。
それが何なのかはわからないが……わからないならちょうど良い。
「………悪いなみんな。まだこっちでやる事ができそうだ」
答えを探しに生きますか。
そうして俺は、月明かりの下。
自分の道を見つめ直す旅を始めた。
一花を誘って屋根に登った私は、お父さんと町谷さんが外へ出て行ったのを見ていた。
「お父さん気づいたみたい。町谷さんも連れて探しに来てる………多分、怒られるんだろうな」
どうやら、お父さんは町谷さんの事を結構気に入っているようだ。
「ししし……
でも、まさかこんなところにいるとは思わないだろうね」
沈黙ばかりの一花に、何とか反応してもらおうと話を振るけど、一花はお父さんの方を見て顔を青くしていた。
よくわからないけど……
「ブエックシ‼︎」
何かを話そうとしたが、くしゃみが先に出てしまった。
だが、それが功を奏したらしく、一花は苦笑いして。
「そんな薄着で出てくるからだよ………鼻も出てるし、これでチーンね?」
「ひ、ひとりでできるもん!」
「ふふっ、いつまでもお子様なんだから……」
何だか気恥ずかしいので思いっきり鼻をかんでいると、一花は立ち上がる。
「でも……ありがとね。
元気付けようとしてくれたんでしょ?
だけど、大丈夫だから……ありがと」
そう言いながら、一花はお父さんを追いかけようとしているようだが……私は思わずその手を取った。
だって………。
「無理してない?
心配だよ」
その顔は、とても悲しい顔だったから。
まさか、四葉に悟られるとは思わなかった私は、呆気に取られて変な声しか出せなかった。
「気のせいだったらごめんだけど………私、ここに来てから昔のことを、色々思い出したんだ」
そんな私に、四葉はここで過ごした日々を思い起こさせてくる。
昔はおじいちゃんが怖かったことや、悪戯ばかりして怒られた事。
確かに言われてみれば……
「四葉はやんちゃだったもんね」
と、記憶を頼りに話すと、四葉は何言ってんのと否定してきた。
曰く、昔の私は………
人のおやつを横取りして、集めていたシールを奪い、気になった男の子もいつのまにか取ってしまっていたらしい。
「あはは………いや、どうもすみません」
我ながら、とんでもない子供時代を過ごしたものだと思っていると、四葉が本当に不思議そうにぼやく。
「不思議だったんだー。
何で私は子供のままなのに、一花だけ大人になれたんだろって」
それは……間違いなくあの頃からだ。
「それは、お母さんが死んじゃった後の、あの痛々しい五月ちゃんの姿を見てたらね…
当然だよ。お姉ちゃんらしくしないと」
五月ちゃんのことを、何とか元気付けないといけなかったのは間違いない。
でも………
「あとは、あの三つ編みの男の子……多分だけどソージ君に負けたのが悔しかったのかも」
「あ〜あの時の子って、やっぱり町谷さんなのかな」
あの日、何も知らないはずの男の子が、絶望という泥沼のどん底にいた五月ちゃんを、あっという間に岸へと引っ張り上げた。
それからの五月ちゃんは……立ち直った後は、わたしたちに色々聞いてはきたものの、基本はソージ君の言葉を道標にして人生を歩み始めて。
そこで私は……姉として、初めて人としての負けを感じた気がしたんだ。
まあ、そんな感情を抱いてたことを思い出したのは、今四葉と話している中でだけど。
「……まあ、私たちの場合はお腹から出てきた順だけだよね」
「あはは……私が一番じゃ無くてよかったよ」
我ながら適当な頭をしてるなーと思いながら笑うと、四葉は。
「でも……一花が一番でよかった。
子供の頃の一花はガキ大将で。
すぐ人のものが欲しくなっちゃう嫌な子だけど。
私たち姉妹のリーダーだった。
あの頃からずっと………お姉ちゃんだと思ってたよ」
中々に失礼なことを言いながら。
「だから………
一花だけ我慢しないで、したい事をして欲しい……かな!」
最後の最後で、私が欲しくないのに、今最も欲しい言葉を投げかけてきた。
「私がしたい事……」
その言葉が、私の中の何かを溢れさせる。
ずっと、今が続いて欲しかった。
この、一番心地のいい空間が……変わって欲しくなかった。
でも………本当は。
そして、その溢れる何かは、私がずっと押さえていた何かを再び呼び起こした。
そうだ。わたしは………
「誰にも取られたくなかったんだ」
姉としての立場も………フータロー君への恋路も。
そして……
「えい!」
「あれ、えっ⁉︎」
「あはは………
実は、わたしも寒かったんだ」
この一枚の上着さえも。
だから。
「えーっ⁉︎一度は貸してくれたのに……ってアレ?
一花はお父さんに用事があるんだっけ」
「ううん……やっぱ、もういいや」
まず、二乃のためにしている我慢を止めるところから始めることにした。
その頃、女湯の脱衣所にて。
私はとんでもない事実に直面していた。
それは……
「上杉くんが言っていた偽五月は、三玖………だったのですね」
「そっか、この足の傷残ってたんだ」
上杉君に一番協力的だった筈の三玖が、上杉君に家庭教師の解消を促してきた偽五月という驚愕の事実だった。
いかがでしたか?
今回は、「自分と似た後悔を持つマルオの言葉から、新たな道を探し出す決意をした奏二」と、「義務感と本心での板挟みとなっていたが、四葉の言葉により、自分の道を突き進み始めた一花」をお話の中で書かせていただきました。
月明かりの下で、それぞれの道に新たな道標ができたことからあのサブタイトルなわけですな。
次回は春休み編の終盤まで書ければと思っておりますので、お楽しみに!
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