それに尽きる。エロゲを終えつくづくそう思う。
終了五分前最後にログインだけでもしてみるか。
異変まず最初に起きた
「ぐ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
」
すごい腹なりがした。
もう一度辺りを見渡す。
動植物系のモンスターなら幾らでも湧いて出そうだが。此処がもし高レベルプレイヤー向けのフィールドであったなら、モンスター一体とエンカウントするだけでフミなど二秒で死ねる。
今は最も平凡な性能の代わりにデメリットも無い衣服形態だが、最も物理・魔法防御能力に優れた重装鎧形態でもレベルの暴力の前には紙ぺら同然である。そうだから腹減り倍増レベリング装備で間違っていない。 たとえ伝説級の装備でさえデコピン一発にすら耐えられずに弾け飛ぶ事になるだろう。
「こういう時はGMに連絡すればいいんだっけ? どうやるんだったかな」
何せ久しぶりのユグドラシルだ。戦闘に関しては勘が戻ってきたが、細かい操作は未だ記憶の霧の向こう側である。フミは暫し頭を捻り、結局思い出せず、先ずはコンソールを出そうとして──
「あれ……」
コンソールが浮かび上がらない。
本格的におかしい。そう思ったフミは更に頭を捻り、コンソールを使わないシステムの強制アクセス、チャット機能、強制終了を試す。どれも不発だった。
「──どういう事?」
漸く事態がただ事では無くなっていると気付き、フミは焦る。ゲームでのトラブルであれは頼りになる友人がいる。サービス最終日である事を教えてくれた友人だ。彼は今日間違いなくユグドラシルにログインしている筈だが──連絡が着かない。フレンドリストの一番上に乗っているが、コンソールも出せないチャット機能も使えないでは連絡の取りようがない。〈メッセージ/伝言〉という魔法ならば或いはとも思ったが、フミその魔法が使えない。いやたとえレベル1でも可能なはずだ。なのになぜできない。そんななか歩きつかれて、いきどうしようない不安に襲われたそのときだった。物音がした。
「誰か------」
祈りがつうじた。
そこには少女が薬草摘みをしていた。
エンリ.エモット
「だ、大丈夫ですか?」
助かったのか
そして気が付く、ユグドラシルのアバーターではなくエロゲの主人公ギルベルトのそれであると。
本作の主人公。カオスドミナスより
背は高く、やや痩せ形だが筋肉質の体格。
黒衣の上に黒外套を纏い、赤い刀身の剣を扱う。
この世界で「魔討士」と呼ばれる、悪魔退治を専門に請け負う戦士。
十数年前、妹のアリーセと母親を、悪魔ゼノヘミアに惨殺されており
以後、ゼノヘミアへの復讐を糧に旅を続けている。
島へ来る以前、大陸では「悪魔喰い」「七つの悪魔使い」といった
異名で呼ばれ、腕利きの悪魔狩りとして名を知られている。
基本的に不愛想であり、感情を表に出す事は殆どない。
口数も少なく、誤解される事も多い。
が、悪魔に対する憎悪は極めて大きく、悪魔を相手にした際には
憎悪をむき出しにする。
そんな主人公になっていた。