カルネ村。
100年ほど前にトーマス・カルネという開拓者が切り開いた、王国に所属する村。
帝国と王国の中央を走る境界線たる山脈――アゼルリシア山脈。その南端の麓に広がる森林――トブの大森林。その外れに位置する小さな村だ。そこにいまいるのはなんとなくわかった。しかし、ユグドラシルといゆコトバは意味どなくエロゲの世界のことなどなおさらわかるわけなどない。
体感として感じることはユグドラシルに近いとだけだ。ためしてみたがアイテムボックスが二つも使えるこれは大きな利点だ。不意の異世界転移だとしてもユグドラシルのレベル100まで行き、下手くそなりにも伝説級の装備をつくり何度もプレイして集めたアイテムの数には自信がある。そうフミことギルベルトは……祭りか?」
朝早くから人が家に入ったり出たり、走ったり。なんだかあわただしい。
俯瞰図を拡大し、は眉を顰めた。
村人と思しきみすぼらしい人々に騎士風の格好をした者が手に持った剣を振るっていた。
一方的な光景。騎士達が剣を振るうたびに1人づつ村人が倒れていく。村人達は対抗手段がないのだろう。必死に逃げ惑うだけだ。それを追いかけ殺していく騎士達。麦畑では騎士が乗っていたであろう馬が麦を食べている。
これは虐殺だ。
ギルはその光景に胸がむかつく気分を覚えた。
そこからの対応は早かった。ギルは刀で騎士を切り捨ててた。
ギル「インフェルノ」
一言そう呟いて、ギルはカルネ村の空を焼き尽くした・
騎士「あ、ありえない」「第三位階魔法いやそんなはずはない」
「全軍撤退せよ」
騎士たち脱兎のごとく逃走を開始した。
それからより真剣に村の救世主として努めた。村長宅に案内されたギルベルトは、ただのきまぐれで助けただけだと謝礼を受け取らず情報の収集に努めていた。当たり障りのない話に徹してボロを出さないように必死である。何せユグドラシルのアバターでなく、エロゲの主人公のアバターだから
周辺の勢力やこの世界のあれこれについてNPCを中心にかき集めているだろうからむしろこの村とその周辺の情報の方が有用だろうと考えた結果でもある。
トブの大森林という危険地帯のそばだが森の賢王の縄張りだから森からのモンスターが出てくる事はないらしいという事、外貨獲得に森で採れる薬草を使っている等の情報を得る事が出来た。まさか最初に助けた姉妹の両親が初期に必死の抵抗で亡くなった数人の村人の一人であったとは!
泣きじゃくる妹さん(ネムだったか?)を見ていると申し訳なさで胸が痛む。
娘を守ろうと必死の抵抗をする両親を見て気が変わったのもまた事実。気分が悪いだけで殺される村人達には特に思うところがなさそうだったが、俺も村人が殺される様子に何も思うところは無かった。ただ必死に娘達を逃がそうとする両親の姿と、おそらく無事を祈る心に動かされてしまったのだ。考えさせられることだがSPの消費がえぐい。
また魔法威力はユグドラシルの通常魔法時よりも強くなっている。こういってはあれだがポケモン、ドラクエ例に出すがターン制であるため一発の攻撃に重きを置いている。そのため物量に押されるのはまずいと考えられる。ターン制バトルシステムが悪くでてしまえば危険だ。実際は騎士たちの攻撃はとろすぎて倒れるまでに三往復は余裕で切れたのだが。ポケモンの大文字を忘れ火のこを覚えようかと思ってしまう。戦闘中頭に浮かんだのは4つの魔法ないし必殺技だけ。面白いとは思ったのが、バフ系の技だ。慎重に技の設定を吟味しないといけない。ちなみだがインフェルノを全力でぶっぱしたらだが5.6万はざっと虐殺できる。こわいのは伏兵などだ。
よし、騎士団の書や傭兵の書などでNPCを数多く召喚するか残り続けるやつを
違和感に気づく。
そこには空気の変化、張り詰めたような空気が流れていたのだ。
「……どうかされましたか、村長殿」
「こっちに馬に乗った戦士風の者が近づいているそうで……」
「なるほど……」
村長がおびえたようにギルベルトに視線をよこした。その場にいた他の村人達も同じだ。
ギルベルトはそれを受け、安心させるように手を軽く上げた。