初めまして。ビクビクしながら描き始めました。始めたばかりで分からない事も多いので何卒よろしくお願いします。
その男は最初の火の炉の篝火の前で呆然と立ち尽くしていた。そこには螺旋状の剣が刺さっており火が灯っているが、今にも消えそうな篝火の火がこの世界の終わりが迫っている事を伝えているようだった。
男は今までの記憶を思い出していた。ロードラン ドラングレイグ ロスリック 様々な時と場所を放浪していた男の精神は擦り切れ摩耗し今では最初の男と今の男は別人となっていた。だが、それは当然と言える。
今までの旅路で殺され続け、殺し続けていた。時には怪物を、時には人を、時には神すら殺した男のソウルはもはや人とは呼べない。今思えば協力してくれた者たちの最期も拍車を掛けていただろう。非道な裏切りに遭った者、悲痛な最後を迎える者、殺し合う事になった者、それらを変えようと何度繰り返しても救えた者は少なすぎた。それでも諦めなかった男は世界を続けた。それが誰かの救いになると信じて。だがこの世界の真実を知った時、男は全てに絶望し、慟哭した。世界を続けた意味は無く誰の救いにもならず、むしろ苦しみを増しただけだった。もはや男の救いはこの世界を終わらせる事だけだった。しかし、それすらも叶う事は無かった。何度終わらせようと世界は続いた。それを理解した時男はただ機械の様に火を継ぎ続け、世界の延命を続けた。
その時には既に男は変わっていた。どれだけ効率的に殺せるか、せめて他の者の使命や願いを果たす助けをしたい。例え自分が死ぬとしても。そんな事ばかりを考え、永遠とも思える中続けていた。
せめて自分が殺し、糧にしてしまった者たちの為に自分だけは折れてはいけない。亡者になってしまってはいけない、そう思い放浪の末、男は莫大なソウルをその身に宿し神々にすら並ぶモノとなった。
遠い昔になってしまった事を思い出していたが、ふと目の前の篝火を思い出し何度繰り返したか分からないこの選択とも言えない選択を迷い、いつかの様に消す事にした。篝火の横にあるサインに触れ、火防女を呼び出し、火を消す。その時、男は静かに喋り始めた。
「貴公にはいつも感謝している。ありがとう。」
その時の火防女はそっと微笑んでいた様に見えた。火が消え、世界が闇に包まれる。薄れゆく意識の中、男はもう二度と目覚めなければ良いなと、考えていた。だが篝火は不自然な大きさの火を灯しながら燃え、次の瞬間には消え、世界が闇に包まれる中、男の姿は消えていた。そして静かで優しい女性の声が聞こえた。
「灰の方、貴方に寄る辺がありますように。」