灰と四方世界   作:楽しく遊びたい一般不死人

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確認したらお気に入りが17件もあってビックリした作者です。なんかもうホント、ありがとうございます!としか言えないです。これからも頑張って書いてきいますのでよろしくお願いします!そして長い話を書きたいけど書けない。


第五話 新たな呼び名

街に入った私は驚き、感動した。今までに見てきた街や国は活気などもはや無く、少数の不死人か意識を無くした大量の亡者しかいなかった。だが、今目の前にある街は人が行き交い活気がある。確かに他の者が見ればそれだけでしかない光景だが私や他の不死人が見ればほとんどの者は同じ事を思うだろう。素晴らしいと、あの呪われた世界では遂ぞ叶う事の無かったまともな世界が今ここにある事が私は本当に嬉しかった。そして感動と同時に少しの懐かしさも私は感じていた事に驚いていた。今までに街や国を見ても感じ無かったこの懐かしさは元々の、不死人になる前の私が感じたのだろうか。感動に身を震わせ、動かない私を不思議に思ったのか女神官が声を掛けてきた。

 

「どうしました?立ち止まっていますが、何か不思議な事でも?」

 

その声に我に返った私は急いで言葉を発した。

 

「いや、すまない。久しぶりにこういった人通りのある場所に来たので懐かしさを感じていた。だが、やはり素晴らしいな。」

 

私と女神官の話を聞いていた騎士が不思議そうに聞いてきた。

 

「素晴らしいって何の事だ?いたって普通の街だと思うんだが、」

 

「私が見てきた街はどれも廃れ、亡者や化け物が蔓延っていた。だからこの街の様に大勢の人がいる街はやはり素晴らしいと思ったのだ。」

 

私の発言に二人はまたもや驚いていた。小声で「そんな街を沢山見てきたのなら確かに」「だよな。やっぱ早く酒場とかに連れて行って美味いメシとかの方が良いんじゃないか?」など話していたが、私が登録をしたいと言うと案内を再開してくれた。私は道すがら店など色々な者を見ていたため飽きる事は無かった

 

歩き始めて数分程し、目的の場所にたどり着いた。二人の後に続き中に入ると、いくつもの視線を感じた。興味深げに見る者、好奇の目で見る者、訝しげに見る者、注意深く見る者、正直なところあまり私を見ないでほしいと思っていた。せめて見るなら少しは視線を隠してほしい。私は視線を敏感に感じてしまうため思わず反応しそうになってしまう。先程も投げナイフに手が伸びかけた。やっとの思いで受け付けに着き、こちらに気づいた女性が声を掛けてきた。

 

「冒険者ギルドにようこそ。どういったご用件でしょうか?」

 

「まず依頼が終わったので報告を、」

 

「分かりました。ゴブリン退治ですね。—はい、問題無いですね。では報酬はこちらになります。」

 

「ありがとうございます。」

 

二人の報告が終わった様なので後ろにいた私が話しかける。

 

「すまないが冒険者登録をしたい。」

 

「かしこまりました。ではこちらの用紙に記入をお願いします。文字の読み書きは出来ますか?代筆ですと料金がかかりますが」

 

「あ、私が代わりに書きますね。助けて貰ったのでこのくらいはやらせて下さい。」

 

女神官のお陰で記入はどうにかなりそうだ。さてこれからが問題だ。生まれや年齢はどうにか誤魔化したが職業に関してはどうするか悩んだ。仕方無いので二人に協力してもらう事にし、女神官や騎士に私がどう見えるか聞いてみた。

 

「私はどう見える?」

 

「ええと、私は騎士の様に見えますけど、騎士じゃないんですよね。見た目からはちょっと分かりません。」

 

「俺もサッパリだな。あんた分かりやすい見た目してないからなぁ。無難に戦士でいいと思うが」

 

悩んでいる中、受付嬢が私を見ながら頷き、答えを出した。

 

「でしたら、先程の報告にあった様に様々な武具を使って状況に対応できるとの事から、万器使い(オールラウンダー)というのはいかがですか?」

 

その言葉を聞いて器用貧乏の方が私には合っていると思ったが、二人は私を見ながら頷いていたのでそうする事にした。

 

「ではそれで頼む。」

 

「かしこまりました。今ので記入は終わりましたのでこちらの認識証をどうぞ。」

 

白磁の認識証を受け取り首に下げる。動くと少し音が出るので後で音が出ないようにする必要がある事考え、受付嬢に礼を言い女神官に質屋へ案内をしてもらう事にする。

 

質屋に着き、中に入ると店の奥に店主らしき人物が居た。店の棚には買取ったのであろう品々がある。興味をそそられる物が多くあり、暇があればまた来たいと思える。

 

「ここの店主だろうか?路銀を持っていないので幾つか売りたいのだが良いか?」

 

「勿論だ。珍しいモンなら高値で買い取るよ。」

 

「なら、これを頼む。」

 

私は机の上に炎の貴石と祝福の貴石を置き鑑定を頼んだ。後ろの二人が息を飲んでいるがどうしたのだろうか?店主の顔つきも忙しく変わり見終わった後は鋭い目でこちらを見ながら聞いてきた。

 

「あんたコイツをどこで見つけたんだ。こらぁ相当な値打ちモンだ。鍛冶屋とかに持っていけば金貨三十枚だろうとポンと出すレベルのな。上手くいけば渋るだろうが四十枚はいける。都とかで売れば買いてぇ奴が雪崩れこんでくる。そんな代物だ。俺は二つ合わせて金貨八十枚で買いたいと思っている。どうだい?」

 

正直私はそこまでいくとは思っておらずどうするか迷っていたが、使い道も余り無い事から店主に売ることにした。

 

「それで構わない、交渉成立だな。また何かあったら頼むとしよう。」

 

「ハハハハッ!良い商売が出来た。ありがとよ!あんたならいつでも歓迎だ。だがまぁ、偶には買っていってくれよ?あんたの持ってくるモン買ってたらこっちの金が無くなっちまう!」

 

店を出て二人に金貨四十枚が入った袋を渡した。

 

「貰っておいてくれ今までの恩返しの様な物だ。」

 

すると女神官は固まってしまい、騎士は困った様な顔をしていた。また私は何かやってしまったのだろうか?心当たりが無いのだが。

 

「こんな大金頂けません!そ、それに恩返しというならまだ私達が出来ていません!」

 

「こればっかりは俺もそう簡単には貰えないな。こいつの言う通り俺達はあんたに命を助けて貰った上にこんな大金を貰える様な事はしてないからな。」

 

「ではその恩は将来的に返してくれれば良い。取り敢えずは貰っておいてくれ、私としてもそちらの方が助かる。」

 

そう言って半ば無理矢理に渡しておく。さて次は武器屋に行こう。

 

 

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