灰と四方世界   作:楽しく遊びたい一般不死人

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読んで下さる皆さんのお陰で楽しく書かせて貰っています。作者です。やっぱりコメントを読むと元気が出ますね。コメント書ける方はどんどん書いて下さると嬉しくて作者が跳ねまわります。それではどうぞよろしくお願いします!


第六話 準備と決意

質屋から少し歩くと武器屋が見えてくる。店に入ると数多くの武器や防具が目に入り足の動きが早まる。私は趣味で様々な武具を集めていたため自分では使いこなせない武器や防具、触媒等を大量に所持している。私は昔から収集癖があるらしく旅路の途中、目についた物はほとんど集めていた。そのため手持ちには収まり切らず、篝火にも仕舞い込んでいた。だがその甲斐あって目利きや手入れは自然と身に付いた。店に置いてある品を見ていると質の良い武具であると分かる。値段の低い物であっても手を抜かず丁寧に作られている。こういった物であれば充分実戦で通用するだろう。そんな事を考えていると騎士が声を掛けてきた。

 

「なあ、あんたはもう充分良い武器を持ってると思うんだが新しい武器でも買うのか?」

 

「いや、武器の出来を見ていた。どれも良い出来の物だ。こういった物であれば安心して振るえる。後は趣味だな。」

 

「趣味、ですか?」

 

女神官が不思議そうに聞いてきた。

 

「ああ、私は様々な武具を集める趣味があってな、今までの旅路で数多くの武具を集めた。中には呪われた物もあるが、上手く使えば頼もしく強い武器になる。」

 

「呪われた物を使う度胸は俺には無いなぁ、まあ確かに使い方によっては変わるもんか。」

 

「気になったのですがその呪いは祓えないのでしょうか?」

 

「いや、祓った場合力を失うかもしれんからな。それよりかは呪われた物でも使い方を探す方がいいだろう。」

 

その後騎士は新しい盾や剣を探し、女神官は私のすすめもあり鎖帷子を探し始めた。私は私でこの二人に渡す指輪を考えていた。私は旅路の中で後進によく指輪や武具を渡しており共に進む事が多かった。

そしてなにより、世話になったこの二人に少しでも長く生きてほしかった。話す事で分かったがこの世界には不死人はいないのだろう。であれば彼ら彼女らの命は一度切りのモノだ。小さな失敗から命を失う事は珍しい事では無い。実際私はそういった事で何度も命を落とした。私であれば死んでも次があるが彼らには無い。たった一つの、一度切りの命を簡単に失ってほしくは無いという考えから出たものだったが、存外私は失ったモノを取り戻したいだけなのかもしれない。

 

その後私はフレイルという武器を買った。化け物や怪物より対人戦で活躍するだろうが私では完全には扱い切れない様に思える。騎士は目当ての物が見つからなかった様だが女神官は鎖帷子を買った様で今は動作確認をしているようだ。私は二人に指輪を渡そうと思い近づいた。

 

「貴公ら、余り物で良ければ私の持っている指輪を貰ってくれないか?正直な話私のポーチも限界が近いのでな。」

 

私のポーチは魔法のポーチで大量の物が入るという事にしている。本当に魔法は説明に便利なものだ。

 

「それは俺らには願っても無い話だが、今回ばかりは遠慮したい。俺達はまだ何も恩返し出来てないし、黒曜の俺らじゃ返せるものもない。だから気持ちだけ受け取らせてもらう。」

 

「はい。私もお気持ちだけ受け取らせて頂きます。彼の言う通り私達は何もお返し出来ていませんのでご遠慮させていただきます。」

 

「そうか。であればもし必要になればいつでも言ってくれ。だが私も貴公達に感謝している事を覚えておいてほしい。何か私に出来る事があれば必ず協力する事をここに誓おう。」

 

その後は組み合いに戻りつつ混沌の勢力について話を聞いていた。二人に会った時に殺した怪物はゴブリンと言いデカイのはホブゴブリンと言うらしい。二人の話を聞いている内に私は新たな使命を見つけた。この世界に蔓延る化け物や怪物共を殺し、一人でも多くの者を助けようと心に決めた。だがそれと同時に私は自分を自嘲した。結局の所自分を使命という鎖で繋がなければどうにも安心出来ないらしい。あの頃と何も変わらない事を再認識し、組み合いに向かった。

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