第5話:お嬢様は傷だらけの艦娘を見つけたようです
ある日の夜
レミリア「ふぅ、仕事も一段落ついたし息抜きに艦これでもするか」
レミリアは自室でパソコンを開き、艦これを起動した
レミリア「(それにしても、このゲームをしているといつも眠くなるんだよな、何故だ?あ、今日も眠く……)」
玲美「…そして何故かこうなるんだ」
レミリア…改め玲美が気づくと、見慣れた執務室の椅子に座っていた
電「司令官さん、失礼するのです」ガチャッ
玲美「おう、電か。どうした?」
玲美はとりあえず頭を切り替え、部屋に入ってきた秘書艦、電の対応をする
電「司令官さん、今日は建造と開発の説明をするのです」
玲美「(魔理沙が言ってた任務ってやつのことか?)わかった、頼む」スクッ
電「了解なのです、ついてきてください」
玲美「(電は…私に対してどう思っているのだろうか…部下の信頼を得られない上司は長続きしないから気を付けねば)」
電「司令官さん?どうされたのです?」
玲美「いや、何でもないよ」
?「はぁ…はぁ…」
その頃、砂浜を一人の女性が歩いていた。だがその様子は少し不自然であった
電「ここが工廠なのです、ここで建造、開発、入渠が行えるのです」
玲美「成る程な、随分と立派な建物だな…」
電「そうですね…電も初めて見たときは驚いたのです…」
赤レンガの建物を見て二人は驚きを隠せずにいた
電「では中に入りましょう」
玲美「わかった」
二人が中に入ると、そこには三つの扉があった
電「左から順に入渠ドック、開発ドック、建造ドックなのです」
玲美「ふむ、中で三つに別れてるのか。これは便利だな」
電「なのです、まずは右端の建造ドックに案内するのです」
ギィィィ…
錆び付いたのか開きが悪い鉄製のドアを電が開け、二人は中に入る
玲美「なんだこれ」
中に入ると、大きな壁とその壁に空いた穴からベルトコンベアが顔を出していた
電「このベルトコンベアに資材を置くと建造が出来るのです。どうするのですか?」
玲美「そうだな、お願いしよう。消費量が一番少なくすむやつで頼む」
電「わかったのです」
ピッポッパッ
そう言うと電はベルトコンベアの横にあったパッドに何かを入力すると、壁に空いていた穴から資材が出てきた
電「これをあのベルトコンベアに置いてください」
玲美「了解」
玲美が言われた通りに資材を置くと、コンベアは動きだし、資材は壁の奥へ消えていった
電「終わりなのです。しばらく待つと艦娘が出るのです」
玲美「…随分と簡単なんだな」
電「なのです」
二人が話していると、壁の上の電光掲示板に数字が出た
[00:22:00]
玲美「なんだありゃ」
電「あれは建造時間なのです、あれが0になったら建造が終わるのです」
玲美「ほう」
電「建造が終わるまでどうしましょう…」
玲美「……散歩でもいくか?」
電「いいのですか?」
玲美「少しくらいなら大丈夫だろ」
電「ではお供するのです!」キラキラ
玲美の許可を貰えたので目を輝かせる電なのだった
この日は電の希望で海辺を散歩することになり、二人は海岸に沿った道路を歩いていた
電「はわ~、綺麗なのです」
玲美「電は海が好きなのか?」
電「なのです。海を見てると落ち着くのです~」
玲美「(艦娘は海が好きなんだろうか?それとも電だけなのか?まぁそれは後々わかるか)」
海を見て興奮している電を見て玲美はふとそんなことを考えたりしながら海を眺めていた
電「…?」ピタッ
玲美「どうした? …あぁ」
電が突然立ち止まり、何かを見つめたので玲美もその視線の先を見ると、そこには小さな建物があった」
玲美「(あれは確か…海の家…だったか?昔本で見たことがある)電…腹が減ったのか?」
電「そ、そんなことないのです!!おなかがすいたなんてそんな…」グゥゥゥ…
考えていることを見透かされて慌てて否定する電だが身体は正直だった
玲美「…仕方ない、何か食べるか。お昼だしな」
電「で、でも…」
玲美「いいのいいの。遠慮するな」
電「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
結局海の家でやきそばを購入し、砂浜を歩きながら食べていた
電「おいしいのです!」
玲美「そうか?それは良かったな」
電「ありがとうございます…なのです」
玲美「いいって、こういう時くらい上司らしいことさせてく…れ?」
何度もお礼を言う電に玲美は笑いながら答えていたが、彼女の目に何かが飛び込んできた
?「はぁ…はぁ…………」
玲美「おい…、あれって人じゃないか?」
電「え…? あ…確かにそう見えるのです…」
玲美「行くぞ!もし人だったらヤバイ!」ダッ
電「は、はにゃっ!?司令官さん!待ってなのです~!!」
玲美は今にも倒れてそうな女性に駆け寄り、身体を支える
玲美「大丈夫か!?」
?「た…助け…て…」
玲美「わかった!」
電「はぁ…はぁ…、司令官さん…速いのです…」
玲美「おい電!救急車を呼んでくれ!!」
電「はにゃっ!?」
玲美「見てわからないか!ひどい怪我をしてる!」
電「え…?(玲美に支えられている女性を見る)…!!」
玲美「おい、電…?」
電「司令官さん…そ、その人…」
玲美「あ?」
電「か、艦娘なのです…。何で…?」
玲美の肩で支えられている女性を見た電は女性を自分と同じ艦娘だと言った
玲美「おいおい…艦娘だか天むすだか知らないが…、ど、どうすれば…病院か…?それとも、えーとあのサイレンがなる…消防車だったか!?」オオアワテ
電「し、司令官さん落ち着いてください!消防車なんか呼んでも意味無いのです!」
艦娘「…はぁ…あぅっ…」
苦しそうに呻く重傷の艦娘
玲美「このままじゃ不味いぞ…えーっと、確か…パトカー…じゃなかった救急車か!?」
電「それよりももっと最善の方法があるのです!」
玲美「何!?それは何だ!!」
電「入渠ドックなのです!そこに運べば生きているうちならまだ間に合うのです!」
玲美「入渠ドック…建造ドックの隣だったか!よし掴まれ電!戻るぞ!」グイッ
電「ふえっ!?」
そう言うと玲美は艦娘と電を持ち上げると猛ダッシュで鎮守府まで戻った
10分後
玲美「はぁ…はぁ…」
入渠ドックの入り口前で横になっている玲美の姿があった
玲美「疲れた…」
ガチャッ
電「お疲れ様なのです。もう大丈夫なのです」
玲美「そ、そうか…」
電「司令官さん凄いのです…、全力で走っても普通なら20分はかかる道を8分で戻るなんて…人間離れしてるのです」
玲美「は、はは…昔からそう言われるよ(実は人間じゃないですなんて言えないしな…)」
電「でも少し気になるのです」
玲美「あの艦娘の事だろ…?私もだ…」
電「何で倒れてたのでしょう…」
玲美「…さぁな、あいつの意識が戻ったら聞こう」
電「なのです…」
玲美「…疲れた、少し寝る…」
かなりの疲労が蓄積したのか、そこで玲美の意識は途絶えた
レミリア「…はっ」
そして、玲美…改めレミリアが再び目を覚ますと、やはり見慣れた自分の部屋の椅子に座っており、目の前には電源のついたパソコンが置かれていた
レミリア「…また寝てしまったか、随分とリアルな夢だったな。それにしても…」
目覚めたレミリアは自分の身体に違和感を覚えていた
レミリア「なんでこんなに疲れてるんだ…?寝てたはずなのに…」