今回もお嬢様はドタバタ茶番劇を繰り広げるようですよ
夜、それは夜行性生物が活動を始める時間であり月明かりが地表を照らし始める時でもある
レミリア「…」カタカタ
レミリアはパソコンに文字を打ち込み資料と家計簿を作っていた
レミリア「やれやれ…食費が上がってやがる、また紅白巫女と白黒魔法使いが忍び込みやがったな」
ここにはいない自機組暴食コンビに握り拳を作るレミリア
レミリア「…まぁいい。あの二人は今度〆るとして、今日の仕事はこれくらいにして艦これをするとしよう。たまには家族と談笑したいものだがパチェも咲夜も美鈴も寝てしまったしフランは今日は白黒魔法使いの所で寝ると言ってたから留守だし」
約一名忘れてる気がするレミリアだが開いていたページを閉じ艦これを起動する
レミリア「最近このゲームをする=私の就寝時間のような気がしてきたな…、不思議な気分だ」ウトウト
レミリア「………」
レミリア「あ、いっけね。食堂の電気消し忘れた」
起動した後野暮用を思いだし部屋を立ち去ったレミリア、それから少し時間がたった頃
キィィ…
彼女の部屋の一つの窓が静かに開いた
『…』キョロキョロ
その開いた窓から一つの可愛い人形が顔を覗かせた
『…』ウロウロ
人形はレミリアの部屋の中で何かを探すかのように部屋の中を動き回る
『…?』
その途中で人形は一つのブローチを拾い上げる
『…♪』
紅く光るブローチを気に入った人形は胸にそれをつけるとまた室内を浮遊し始めた
『?』
棚の陰に隠れたりタンスの裏に潜り込んだりして遊んでいた人形だったが、机の上に置いてあるパソコンに気づき、近づくと興味津々で眺め始めた
『…』ツンツン
画面をつついてみるものの何も起こらず人形はは今度はゆさゆさと揺らしてみるもののそれでも何も起こらず、そのうち疲れたのかその場に座り込むとそのまま寝そべり眠ってしまった
電「ふんふふーん♪海のお散歩は楽しいのです♪」
海面に月が反射する夜の海岸を電は歩いていた
電「いつ来てもここの海は綺麗なのです、落ち着くのです♪」
海岸にいる貝やヒトデを眺め、電は笑みを浮かべる
ポスッ
電「はにゃ?」
その時彼女の後ろで何かが落ちる音がした
人形『…z』
電が振り向くと、頭に青いリボンと金色の髪の毛に赤いワンピースのようなロングスカートと白いカッターシャツで身を包んだ人形が落ちていた
電「お人形さん…なのです?」
電はそれを拾い上げ、砂を落とす
電「可愛いのです~、もしかして…捨てられちゃったのです…?」
人形『…!』パチッ
人形『…!…!』ジタバタ
電「は…はわ!う、動いたのです!」
砂をはらわれた衝撃で人形は目を覚まし、驚いた様子であばれはじめる
電「は…はわわ…!」
レミリア「……電気消えてたな。夜勤の妖精メイドが消してくれたのか?」
人形と電がお互いに困惑しあっていた頃、レミリアは自室に戻ってきていた
レミリア「…ん?」
彼女は自分の机の前にポツンと置いてある人形に気づく
レミリア「あれは…魔法の森の人形使いの人形…?」
人形に近づきそれを拾い上げ、眺めるレミリア
レミリア「何で此処に……まぁいいか」
暫く人形を眺めながら考えていたレミリアだが、気にせず艦これをすることにした
レミリア「…今回はどんな夢をみることになるのか、少し楽しみだな ……夢じゃなかったりして…」
眠気に堕ちていく最中、レミリアはふとそう考えたのであった
[…ん …かんさん …れいかんさん… ]
電「司令官さん!」
玲美「…はっ!(゜ロ゜;」ビクッ
次に彼女が目を覚ましたのはいつもの執務室だった
電「司令官さん、大丈夫なのです?起こしても起こしても起きなかったのです」
玲美「すまない、大丈夫だ…」
頭をかきながら顔をあげる玲美を見て電は呆れた顔で言った
電「身体は大事にして欲しいのです」
玲美「め、面目ない…」
電「まぁいいのです。そんなことより!これ見て欲しいのです!」
玲美「ん?」
人形「!! !!」ジタバタ
そう言って電は玲美の方に暴れる人形を差し向けた
玲美「(人形使いの人形!?何で此処に!?)お前、何処で見つけたんだ…!?」
電「海岸で拾ったのです」
驚きを隠せない玲美に対し、電はあっさりと言った
玲美「海岸って…」
答えになってるのかなってないのかわからない返答に突っ込もうとした玲美の耳に何かが聞こえた
『タス…ケテ…ハキソウ…』ウプッ
玲美「んあ?電、何か言ったか?」
電「はわ?何も言ってないのです」
玲美「そ、そうか…。(なんだ今の声)」
『チョット…!レミリア…!ムシスルナ…!』
玲美「(!?私の名前を知ってる…?やはりあの机にあった上海人形!?)」
上海『ヤットワカッタカ!タスケテクレ!』
玲美「(こいつ、頭の中に直接…!?)」
上海『ボケテルバアイカ!!』ジタバタ
玲美は声の正体に気付き、電に一旦手を離すように言った。すると人形は漸く解放されたといわんばかりにその場に浮遊した
電「は、はわわ!凄いのです!お人形さんが浮いてるのです!!」
上海『ヤレヤレ…、タスカッタ』
玲美「そりゃよかったな」
上海『ヨクネェヨ!キヅイタトキニタスケテクレヨ!ツカソモソモココドコダヨ!』
玲美「無茶言うな、それにここが何処かは私も詳しくは知らん。ただ1つ、ここは鎮守府だ」
上海『ワケワカンネェ!!』
電にさんざん振り回されヘトヘトになっていた上海はその鬱憤を玲美にぶつけるがごとく怒濤の質問攻めをする。それを玲美は冷静にいなした
電「あ…あの…司令官さん」
玲美「ん?どうした?」
電「さっきから一人で何を話しているのです…?少し怖いのです…」ビクビク
玲美「は?」
電の反応に一瞬状況が飲み込めなかった玲美だが即座に悟った
玲美「(そうか、電にはこの人形の言葉が聞こえないのか)すまない、怖がらせてしまった」
電「はにゃ…」
玲美「信じられんかもしれんが実はな…」
玲美は電に上海の事を伝えた。電は最初こそ怪訝な顔をしていたが上海を見て表情を変えた
電「凄いのです~、テレパシーが使えるお人形さんなのです」
玲美「あまり驚かないんだな」
電「妖精さんと似た感じだと思えばそこまでなのです」
玲美「妖精……か……って、あああああああああああ!!!」
突如大声をあげる玲美
電「ど、どうしたのです!?」
上海『ミミモトデデカイコエダスナ!』
玲美「艦娘の建造してたこと…忘れてた…」
電「………あ」ポカーン
上海『ナンダヨ!フタリシテナニシテンダ!!』
二人は変な汗をかきながらその場に佇んでいた
その後、結局二人が動いたのは二時間後であった
玲美「…怒ってるよな」アセダク
電「そりゃ二日も放置されたら誰でも怒るのです…」アセダク
上海『ハヤクハイレヨ』
玲美「無茶言うな!」
電「司令官さん、何言われたかはわかりませんけどお人形さんに怒っても仕方ないのです…」
上海『ソウダゾ、オマエガマイタタネダ。ハヨハイレ』
玲美「(消し炭にしてやろうかこいつ…!!)」
握り拳片手に玲美は覚悟を決め建造ドックの扉を開けた
玲美「し…失礼します…」ガチャッ
?「イッチバーン!!!」ドロップキック!
ゲシッ
玲美「ゲボッ!!」
扉を開けた瞬間玲美の腹に蹴りが入り彼女は吹っ飛んだ
電「司令官さん!」
?「酷いよ!提督!建造しておいて放置なんてさ!」
扉の奥から明るい声と共に一人の艦娘が現れた
玲美「も…申し訳ない…!」ドゲザー
痛みをこらえながら玲美は土下座をする
?「え!?べ、別に土下座までしなくても…」
電「ごめんなさいなのです!」ドゲザー
電も艦娘に向けて土下座をした
?「あ、あなたも!?辞めてよ!」
艦娘は慌てて二人に顔をあげるよう頼んだ
数分後
白露「改めて自己紹介するね、あたしは白露型駆逐艦一番艦の白露だよ。よろしくね」
玲美「白露…か、私はこの幌鎮守府の提督をしている紅 玲美だ。よろしく頼むぞ」
電「暁型駆逐艦四番艦の電なのです」
建造されたのは白露だった、さっきは少し興奮していたが今は落ち着いているようだった
玲美「いや…本当にすまなかった。建造したことを忘れてたなんて…な」
白露「だーかーらー!もう気にしないで!」
電「あ…あはは…」
白露「ところでさ、この鎮守府ってあたしと電ちゃんだけなの?艦娘」
玲美「そうだな、一応保護してる艦娘なら一人いるが」
白露「へぇ、会える?」
玲美「会えると思うぞ。ただ…なぁ」
電「少し…刺激が…」
白露「…?」
上海『オイ!ワタシカンゼンニカヤノソトジャナイカ!』
ここで完全に茅の外だった上海が声を出した
玲美「あぁ、すまん」
上海『スマンデスムカ!!』
白露「え?人形が…動いてる…?」
上海を見て目を丸くする白露
玲美「あぁ、こいつはな。カクカクシカジカというわけだ」
白露「成る程、マルマルウマウマということなんだね」
玲美「そそ、だから気にしなくて良いぞ」
上海『オイ!』
電「うーん…」
玲美「どうした?電」
電「せっかくだから名前をつけたいのです。お人形さんだと呼び辛いし可愛そうなのです」
電は上海のリボンを撫でながら言った
玲美「名前か…お前はどう思う?」
上海『ツケテクレルナラヨロコンデモラウゾ』
玲美「つけて欲しいってよ」
玲美が上海の意思を伝えると電は顔を輝かせて言った
電「よかったのです!実は既に考えていたのです」
白露「そうなの!?」
玲美「早いな…」
電「ふふん、電が考えた名前はこれなのです!」
そう言うと電は少し大きめの紙を玲美達の方へ向けて差し出した
玲美「(ハーヴェイ…?)」
白露「(よ…横文字…)」
玲美「(電…意外な名前だしてきた…)」
二人が変な汗を流しながら紙を見ていると、上海が反応した
上海『オイ』
玲美「な、なんだ?」
上海『…カッコイイナマエダナ!キニイッタゾ!』
玲美「(…こいつ、そういう趣味なのか…)」
電の名前に予想以上に食いついた上海に玲美は少し驚きながらも電に伝えた
電「よかったのです!嬉しいのです!!よろしくお願いするのです!ハーヴェイちゃん!」
ハーヴェイ『コチラコソダ!オマエ!キニイッタゾ!』
さっきまでの態度は何処へやら、上海…改めハーヴェイは電に懐いていた
玲美「…まぁ、こんな鎮守府だけどよろしくな。白露」
白露「…うん、よろしくお願いするね」
はしゃぐ二人を見て玲美と白露は少し戸惑いながらもそう語り合ったのであった
今回は二人の新キャラの登場でした
口が少し悪い上海人形のハーヴェイと白露ちゃんです
ハーヴェイの過去はまたそのうち書きたいです