第一章 解消
「また逃げたんですか!!」
耳を劈く声。
「だから、ただ命の危機を感じただけだ」
「貴方だってこの学校の人なんですよ!」
そんなこと分かってるんだよなぁ。命の危機を感じたら誰でも逃げるだろう。恥をかくか死ぬのだったら恥をかく方がいい。
「分かってるさ」
「もう貴方と相棒になってられません!」
「じゃあコンビ解消すればいいじゃないか」
俺たちコンビは、入学時から1番下の立場、Eクラス。それで、上がれないのを俺のせいだと言うことだ。
「じゃあそうします!」
『彼女』は俺を引き連れて理事長室に向かった。おいおい、マジかよ。俺は構わないが、『彼女』の相方が見つからないんじゃないか。
理事長室に着くと、『彼女』はノックをした。
「入りなさい」
理事長はドアの向こうから言った。
「失礼します」
「何の用だい、水野
『陽葵』は理事長の前に立つと、こう言った。
「この人とのコンビを解消したいです」
理事長は一瞬驚いていたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「そうですか、分かりました。それでは、如月柊さん、水野陽葵さんとコンビを解消しても構いませんか」
「構いません。ただ、再度組みたいと申し出ても、私は拒否します」
俺は即答した。最後のことは当然だろう。普通再度組みたい、と思うことはないはずだ。俺の「能力」に気付かなかったことが悪いのだ。
「水野陽葵さん、よろしいですか」
「はい」
俺はコンビが解消されると、ソロとして次の試練に向かった。
第二章 秘密の能力
「次の試練は、殺人鬼の捕獲です。北公園から南に逃げているそうなので、お願いしますよ」
俺は周りより早く向かった。殺人鬼なんて、気に入らない言い方だ。要するに、人を殺した人だろう。
「おい柊」
呼んだのはAクラスの1人。
「今回は黙っておいた方が良いんじゃないか?」
俺はスルーして外に出た。
俺の能力は「
俺は屋根の上に登って標的を探した。みんな地上で見つけようとしているが、見つけづらいだろう。
「そこか」
俺は屋根から飛び移りながら標的に近づいた。
空中から地上。攻撃はもう慣れた。俺は敵に向けて手をのばし、目を瞑った。
地上がざわつき始めた。きっと倒したのだろう。
俺が下を向くと、そこにいたのは
血を流した、一般人だった。