こうなったら、そうなれたら   作:月島柊

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第7話 病院

 病院に辿り着くと、俺は息を切らしながら病室に入った。鈴は起き上がっていて、俺が入ると、名前を呼んだ。

 

「柊くん!」

「鈴!」

 

俺は鈴の手を握った。

 

「よかった……生きてたな」

「もう、死んでると思ったの?」

 

俺は首を横に振った。

 

「すごい心配してた」

 

鈴は「そっか」と言って、俺の頭を撫でた。

 

こうされるの、かなり久しぶりだった。撫でられたのなんて、多分小さい頃以来。

 

「柊くん、犯人、捕まえた?」

「あぁ。捕まえたよ」

「よかった。解決したんだね」

 

鈴は少し笑顔になって言った。どこか痛みでもあるんだろうか。

 

「鈴、どこか痛いところあるか」

「ううん。ただ、パートナーってこういう感じなんだって」

 

言われてみれば、確かにそう思う。前のパートナーはこういうこと無かったし。

 

「私、前に一回コンビを組んでたことがあるの」

 

鈴はそう言うと、昔話のように話した。

 

「その相手は、組んでから5ヶ月くらいして交通事故に遭っちゃって」

「待て、それ聞いたことがある。商店街の交差点で……」

 

俺がそこまで言うと、鈴は頷いた。

 

「そう。そこで亡くなった」

 

結構有名な話だった。信号無視した車に轢かれて亡くなった。それが鈴の元パートナーだったなんて……

 

「鈴のパートナーは、もうずっと俺だから」

「え?」

「鈴のパートナーは、俺だから。解散なんてしない。ずっと鈴のパートナーとして居る」

 

鈴の目が潤ってきたと思うと、鈴は涙を流した。俺の言葉、響いてくれたかな。

 

「柊くん……っ」

 

鈴は俺の身体に顔を押しつけた。その中で、鈴は俺の名前を呼びながら泣き出す。

 

「柊くん……っ!」

 

ますます泣き出す。過呼吸になるほど泣いていて、俺は鈴の背中をさすった。

 

「いっぱい泣いていいよ。好きなだけ泣け」

 

俺がそう言うと、鈴は声をあげて泣き出した。

 

 

 それから数十分、泣き声に気付いた看護師が慌てて俺たちのところに来たが、状況を察して静かにドアを閉め、入るのをやめた。

 

「柊くん、来て」

 

俺は鈴の横に座った。

 

「どうした」

「近くがよかったから」

 

鈴はそう言っただけで、ずっと黙っていた。

 

「柊くん、退院したら、どこか遊びに行こ?」

「いいよ。どこ行きたい?」

「遊園地!」

 

鈴はわくわくしながら言った。鈴と一緒にいると面白いな。

 

俺がそう思っていると、電話が鳴った。

 

「もしもし」

《如月柊君、きみのBクラス昇格が決まったから電話した》

「あの、もう一度いいですか」

 

俺はスピーカーをONにして、鈴にも聞こえるようにした。

 

《君たちの、Bクラス昇格が決まったから電話した》

 

鈴は小声で驚いていた。俺は話を続けた。

 

「そうなんですか。鈴、喜んでますよ」

《そうかい。君たち6人一斉に昇格となったからね。本当によくやってくれた。次の登校日、Cクラスの前で待っていてくれ》

「はい、分かりました」

 

電話は切れた。

 

『Bクラス!』

 

俺が言うタイミングと、鈴が言うタイミングが合った。

 

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