saoから”ログアウト”できたプレイヤー   作:土ラグーン

28 / 40
こんばんは!アズマオウです!

ALO編最終回です!でわどうぞ!


戦いの終わり

ジリジリッと目覚まし時計がなる。俺ーー石田翔悟は、手探りで、目覚まし時計をたたき、鳴り止ませる。俺は、2度寝を諦め、起き上がる。欠伸をして、パジャマから着替え、顔を洗う。そして時刻をみる。現在7時だ。

「やべっ・・朝飯抜くか・・」

俺は、ポーチバッグに、財布やら携帯やら教科書やらゲーセン用ICカードやら詰め込み、そして自転車の鍵を掴み取って、1階に降りる。そして玄関をぶち破るように開け、自宅にある駐輪所へと走り、自分の自転車の鍵を開け、飛び乗る。近所の人が、おはようというが、俺は徹底的に無視した。そんな暇はねえんだよババア!

 間に合わないと俺は殺される。ーーそう、今日は、俺がSAOで出会い、愛し合った少女、青島優子と登校するのである。集合場所は、大宮駅、集合時間は7時15分。ちなみにうちから駅まで自転車で20分はかかってしまうが。

 俺は全速力でチャリをこぐ。信号もすべて無視し、歩道をうろついている爺や婆をベルで押しのけ、最速で着いた!そしてーーーーーー

 

 

「遅い!もう何回目よ!?」

 全力でこいで喘いでいる俺のねぎらいの言葉がこれだった。いや、もうねぎらいではなく罵倒だ。俺はマゾではないのでこれでもグサッときてしまうのである。待っていた少女、優子は、紺のブレザーとスカートをはいている。いわゆる学生服って奴やつだ。俺も紺のブレザーに紺の長ズボンと、学生服を身にまとっている。ブレザーの左胸ポケットには校章が付いていて、女子はリボン、男子はネクタイをつけなくてはいけない規則となっている。

「すいません・・寝坊しました。朝飯抜きです。」

「んもう!遅刻したらどうするの!?」

「・・まあ俺はしょっちゅうしてたけどな。中学の時」

「悪い子がいるーー!」

「・・遅刻したくないんだろ?ほら、電車きてるぞ!」

 俺は、ぐいっと彼女の腕をつかみ、埼京線ホームまで引っ張る。そして2人で駆け込み乗車をし、周囲の目をやり過ごして、どうにか隅っこにたって落ち着く。

 さて、俺たちは今登校しているわけだが、なぜ俺はそこら辺にある高校に行かずに、わざわざ電車通学をしなくてはいけないような学校に行っているのか?それには理由がある。それを説明するには、まず2022年に発生した《SAO事件》について話さなくてはならない。

 2024年11月6日、つまり、事件発生からちょうど2年後にSAOがクリアされ、生き残った6147名のプレイヤーは全員帰還できた。しかし、その中の300人が未だSAOから帰還できていないという事態が発生した。行方が解らないまま、約2ヶ月後に突然全員が帰還した。その2ヶ月間の間、旧SAOプレイヤー300人は、《ALO》に幽閉されていたらしい。そしてそこでレクトのフルダイブ技術研究部の須郷伸之の意識改ざんの研究が行われていたことが発覚し、さらに、とある男子高校生をナイフで切りつけたとして傷害事件で逮捕された。俺の記憶の中の少年である、ツバメ、本名は雨宮翼の殺害も罪に問われ、死刑が成り立つかもしれないが、元々からだが弱く、衰弱死の可能性があると報道されている。ただ、どちらにせよ、重い罪が課せられるのは明確だ。

 また、このSAO事件の元凶である茅場晶彦がどうなったか触れておく。茅場晶彦の死が確認されたのは、2025年3月、つまり2ヶ月前だ。いつ死んだかというと、2024年11月で、SAOが崩壊した時と同じである。つまり、彼ははじめから死ぬつもりでこんな事をしたのである。

 そして、政府はSAO事件の終結をするべく、様々な政策をとった。まずはリハビリの資金援助、今補の再発防止のためのナーブギアの回収、そしてSAO被害者の学校である。

 俺と優子は、1年半でSAOから脱出できたが、学校には一度も行ってない。優子が元から通っていた中学校に入れてもらおうとしたが、優子すらもう入れなくなってしまっていたのだ。つまり、あの殺伐とした世界を体験した生徒を入れることが悪影響を及ぼすと考えているのだろう。だから、とりあえず俺たちは、自主的に勉強し、高校入試を考えていた。が、その半年後SAOがクリアされると、急遽俺たちに朗報がきた。なんと、入れてくれる学校が見つかったそうだ。それも、SAO事件の被害者のみの学校が。

「しかしすごいよね~。たった2ヶ月でしょ?建てたの。」

「ああ・・はえーよな・・」

 俺は口を大きく開き、あくびをした。

 

 俺の学校についてもう少し説明する。この学校は3月に建設が始まり、5月に入学式を行った。この学校の建設は、廃校になった校舎を利用しているとはいえ、2ヶ月とはなかなか早い。しかもクオリティがすばらしく、緑豊かな庭園があり、ゆっくり休めるベンチなどもあり、とても廃校舎から造ったとは思えない。

 また、この学校にはいくつかのルールがある。その主なものとしては、ほかの生徒をキャラネームでは呼んではいけないことである。なぜかというと、SAOでは殺し合いやら、トラブルとかも結構あった。それらのしがらみから何か問題を起こしたくもないし、政府の意向としては、あの事件の完全忘却であるので、早く忘れて新しい現実に馴染んで欲しいというのもある。だが、実際無理な話である。まず、SAO時代のアバターと現実の顔が同じであるので顔バレしてしまう。俺も攻略組に即バレしたし、優子も始まりの町に引きこもっていたやつにバレてしまっていた。ちなみに俺は突然SAOから消えたことになっていて、死んだことになっていたらしい。俺にとってはむしろ都合がよく、俺は、たぶんナーブギアのシステム異常でも起こったんだろと言えた。そしたら納得してくれた。

 俺と優子ではすでに本名で言い合っているため、問題はないが、他の人はかなり困っているようだった。例えば、うちで有名なカップルは、攻略組で《黒の剣士》という2つ名を持っていた《キリト》こと、桐ヶ谷和人という少年と、《閃光》の異名を持つ、《血盟騎士団》副団長、《アスナ》こと結城明日菜という少女だが、未だにアバター名で呼び合っている癖がなおっていない。まあ、すべてをなかったことにしようというのは無理な話なのだ。だって、このSAOという剣の世界が俺たちにとって現実となってしまったから。

 

 俺がそんなことを考えていると、肩に何か重い物が乗ってきた。俺はみると、優子が立ちながら寝てしまっている。手は手すりに捕まっているが、俺が離れたら危ないだろう。俺は彼女をあいた左手で支える。しかし、この状況は非常にまずい。俺が彼女を抱いているように見えてしまうのだ。もちろん恋人同士だからその行為自体は問題ないが、ほかの乗客からの視線が痛い。リア充死ねとか、うわぁ・・などという声が聞こえてきそうで怖い。俺は必死に彼女を揺すり起こすが、起きてくれない。やむなく空いた席に彼女だけ無理矢理座らせて、修羅場を乗り越えた。そして、俺は電車の放送を聞く。

「まもなく~池袋~池袋~お出口は・・」

「おい、優子!起きろ!」

 俺は優子を揺するが起きない。

「むにゅ・・翔悟・・そんなとこ・・あんっ」

「こ・・こいつ・・」

ーーまずい・・こいつ、ひどい妄想してやがる!!

 きっとおれと夜に営みを行っている夢を見ているのだろう。そんなあえぎ声だしてみろ。俺たちの社会生命は終わる。急いでその夢を終わらせるべく、俺は頬をつねる。

「な、中に出すって・・そんな・・いきなり・・」

「だまれ・・!頼む!」

 禁句がでている。もうだめだ・・おしまいだ・・。俺はうっすら涙を浮かべた。

「池袋~池袋~」

 すると、俺に救いの扉が開く。俺は優子のポニーテールを引っ張り、ドアまで引きずり込み、なんとか窮地を脱することが出来たが、最後まで俺たちは奇怪と憎悪の目で見られていた。

 

「わたし・・そんな夢見てたの!?」

「セリフ聞きゃあ解るだろ!!俺超恥ずかしかった・・。」

「ご、ごめんね・・」

「まじで死を覚悟したけどまあいいよ。」

「ね、ねえ・・」

「ん?」

 彼女が俺をちらちら見ながら指をつんつんしている。まさかこれは・

「・・誘っているのか?」

「わかった?」

「・・ったく。しょうがねえな。けど、ちゃんとゴムなりなんなりするからな?」

「わかった!」

ーーはしゃぐなよ!

 俺はそう叫びたかった。もしこれで彼女が妊娠したらとんでもないことになるからだ。

まず俺たちには子供を養える金もない。責任能力もない。そしてそんなことで彼女と別れたくない。だから結構秘め事は忌避していたのだ。まあ、やるといったらやるという彼女だ。やるしかないのだろう・・

 

 

 俺と優子は、学校の校門に8時28分についた。駆け足で俺達は教室まで行き、席に着く。ホームルーム開始のチャイムとほぼ同タイミングだった。俺と優子は同じクラスで席は、一番左側の列の1番目と2番目に座っている。

「ごほん!ではバカども2人がきたのでホームルームを始める。」

「おい先生!俺たち遅刻してねえよ!?」

「そうだったかな?」

 どっとクラスで笑いが起こる。そして、体育教師みたいな担任(実は数学教師)が出席簿を取り出す。

「では1番青島君!」

「はい!」

 点呼の返事になぜか艶やかさがあるのは気のせいだ!絶対に気のせいだからな!

「2番石田君!」

「はーい・・」

 俺は机に突っ伏しかけた頭を上げて答えた。そして次々に名前が呼ばれ、3分ほどで出席確認が終わる。

「えー連絡事項だが、今日は恒例のカウンセリングだ。6限目に行うからな。じゃあ、授業頑張れよ!」

「「はーいっ」」

 全員が唱和した。

 

 この学校のもう一つのルールとしては、週1にある、カウンセリングを受けなくてはいけないことである。SAO内部で、人格変動したり積極的な殺人歴を持つ生徒を対象にして、検査をし、場合によっては投薬や施設送還という措置が執られることもあるが、自衛のために手をかけたプレイヤーもいるのでなかなか判別が難しい。

 

「今日の授業なんだっけ?優子」

「うーんと、現国、数学、化学、体育、家庭科、カウンセリングだよ。」

「体育だるいな~マラソンだっけ?」

「そうだよ・・私も好きじゃないな…」

 優子がだらっと俺の机に突っ伏す。俺はその頭を持ち上げて無理矢理起こす。

 この学校の時間割は、単位制で時間割は自分で選べる。俺と優子はすべて共通にしてある上に同じクラス、同じ学年であるのでいつでもあえる。

 俺が優子とずっと話していると、チャイムが鳴る。授業が始まるのだ。

「ハイみんな席座ってー!授業始まるよ!」

 先生がパンパンと手を鳴らし、全員を席に座らせた。さっきまでの喧噪が一気に静まった。

 

 俺達は午前中に実験などのタイムスケジュールを済ませて、昼食をとって、家庭科室へと向かった。そしてそこでステーキを作り、フランス料理の技術、フランベを使ってしまい、家庭科の先生を絶句させてしまったのは内緒の話だ。その後カウンセリングを終え、すべての時間割が終了した。

「あ~やっと終わったぁ・・」

「確かにね・・」

 俺たちは校門からでる。

「なあ、今日墓参り行かないか?」

「・・うん。行こうよ」

 俺たちは花を買い、線香を持って、池袋にある墓地へと向かった。ちょうど帰り道なのですぐよれる。多少の寄り道はしなくてはいけないが。

 雑司ヶ谷霊園と書かれた場所に着く。ここは著名人が眠っているとされる場所であり、有名なのでいうと、夏目漱石やジョン万次郎あたりだろう。ただ、俺たちはそんな人たちのお墓目当てで行くわけではない。俺たちは、お墓の門をくぐって少し歩いていくと、「雨宮」と書かれた石の墓があった。花がおいてあり、ひっそりとたたずんでいる。俺たちは、水をかけ、枯れた花を取り替えて、線香に火をつけて、線香置き場におく。そして手を合わせた。

「よう、ツバメ。昨日ぶりだな。」

「昨日ぶりなんて言葉ないよ~こんにちは!ツバメ君」

 俺たちは笑いながら話しかけた。

「しかし、学校めんどくさかったよ。お前はたぶんまじめに勉強するだろうな~」

「まあロックァみたいな人じゃないしね~」

「何だよユウコ!まったく・・」

「ふふっ」

 墓にいる少年は何もいってこない。が、伝わっているはずだ。

「・・ツバメ。お前のおかげだよ。今のこの世の中があるのは。須郷を倒し、実験体にされるはずだった300にんを助けたんだ。お前が運命を変えたんだ。」

「わたし・・絶対忘れない。ツバメ君の活躍、伝えていくから。」

「俺も伝える。必ず・・必ず」

 俺たちは、ツバメの墓に触れる。冷たい石のはずなのに暖かさを感じた。俺は、しばらくその暖かさに触れ続けた。

「・・そろそろ行こうか。ユウコ」

「そうだね・・ロックァ」

 俺たちは手をつないだ。

「じゃあな、ツバメ。またくるよ!」

「バイバーイ!」

 俺たちは墓を背にした。

 

(バイバイ!また来てね!)

 

 俺は後ろを向く。何かが聞こえた気がした。

「?どうしたの?翔悟君?」

 彼女が不思議がっている。俺は、誰だろうと思ったが、すぐに答えが見つかった。

 

「いや、なんでもねえよ。さ、いこうぜ!」

 

 そう俺はいい、墓を後にした。

 

(ああ、またくるよ、ツバメ)

 

 

 

 《運命に逆らった暗殺者(ツバメ)》に俺は手を振る。そして、ツバメは、いつまでも俺たちを見送っていた。彼が変えた運命のなかで、俺たちがどういきるかを、ずっと見守るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                 (運命に逆らった暗殺者  完)




いかがでしたか?以上でALO編を終了させていただきます!これの続編ですが、6月3日の午前6時まで活動報告のアンケートを受け付けております!やるかどうかは結果次第です。後であらすじのせますね!(思いつかなかったりする)

毎度ながら、感想、お気に入り登録、指摘、評価などお待ちしております!

皆様、今まで本当にありがとうございました!!
(しばらくは番外編をやらせていただきます)
では、これからもアズマオウをよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。