saoから”ログアウト”できたプレイヤー   作:土ラグーン

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こんにちは!アズマオウです!!

第3章《因縁の拳》が始まりました!今回も14話くらいかと思いますが、どうぞよろしくお願いします!

でわどうぞ!


《因縁の拳》
再会


 2025年12月3日。

 男は、カーテンで暗く閉ざされた部屋で、カップラーメンを食べながら、携帯端末を耳に当てていた。プルルルッという音だけが、狭く汚い部屋に響きわたる。あぐらを掻いた足に指をとんとんさせながら、相手の応答を待つ。やがて、呼び出し音が鳴り止み、声が聞こえた。

「もしもし・・」

「よう・・作戦は順調か?」

「ああ、ちゃんと明日くるぜ」

「了解。じゃあ明日センターソウルシティまで誘導しろ。そこで作戦を決行する。」

「ラジャー。じゃあ俺今メシだから。じゃあな」

「おう、俺もだ。じゃあな」

 プツンと電話が切れた。男は、カップラーメンをすする音が大きくなっていくのを感じた。興奮しているのだろう。そう、あの人の敵を討つんだ。あの男を倒し、殺してやる・・。

 男は、いつもは飲まないカップラーメンのスープをすべて飲み干し、立ち上がる。そして壁に貼ってある、写真にくぎを差す。その写真は、あるレトロな格闘ゲームの全国大会での写真だ。表彰台の3位の位置にいる少年の顔を何度も、何度も、釘で刺し続ける。

「許さんぞ・・ぜったいに・・」

 男は、鬼のような形相で写真の人物をにらみ、寝室へと向かった。

 その人物が抱えているメダルには、「ロックァ」という名前が刻み込まれていた。

 

 

「あ~~授業終わったぜ・・」

「寒いよね・・」

 季節はすっかり冬である。俺は、茶色いジャンパーをまとい、優子はマフラーと、手袋と、コートを着て、下校している。そして電車に乗って、座席で2人でくっつく。恥ずかしいがとっても暖かいのだ。時々視線が怖いが、優子は全く気にしていない。そして、修羅場の電車を乗り越え、大宮駅に着く。そして、バスで帰ろうとしたとき(異常なほど寒いのでチャリじゃ帰れねえ)、突然呼び止められた。

 

「あれ・・ロックァ?」

「え?」

 俺は声のする方向へ振り返る。すると・・

 

「おまえ・・まさか・・トーガかっ!!?」

「そうだよ!お久しぶり!」

 俺より一つ上の痩せている少年は俺と手を取り合っていた。そして、互いの再会を喜んでいた。

「ね、ねえ・・ロックァ。あの人は・・」

「ああ、そっか。優子はしらないよな。こいつは、俺のゲーム友人のトーガだ。リアルもさらしている仲だ。・・んで、トーガ。こいつは俺の・・その、友人だ・・」

「彼女です!!」

「げっ・・」

 優子は心底怒っているような顔をして俺をにらんできた。

「うそだろ・・こんなかわいい子が彼女?おい、悪い冗談はやめろよ、ロックァ。」

「・・悪いな。俺は一足先にDT卒業するぜ。」

 すると、トーガは、優しくだが、胸ぐらをつかんでいた。嫉妬しているのだろう。

「いや・・しかし久しぶりだね・・まさか君に会えるとはね。伝説のゲーム《SAO》から脱出できたんだね!」

「ああ・・助かったよ。こいつとはそこで出会ったんだ。」

「フツーはあり得ないけどね」

 じとっと俺を横目でにらんでいた。が、俺はスルーする。

「まあ、とにかくあえてうれしいよ。・・そうだ!お前にまたおすすめのゲームがあるんだよ!うちにくるかい?」

「あー今日はデートはないからいいぜ。おまえんちに行くよ!」

 俺とトーガが楽しそうに話しているのを、つまんなそうに見ていた優子の頭に俺は手をおく。

「・・悪いな。構ってやれなくて。さて、俺は一回優子をうちにまで送ってから行くよ。」

「OK。じゃあまた後で!」

 俺はいったん、トーガに手をふって、別れを告げた。

 

「・・優子。まだ怒ってんのか?」

 俺はツンとしている優子をみた。ただ、完全にはツンになりきれていないところがかわいい。

「・・だって、かまってくれないじゃん・・。」

「こうしてもか?」

 俺は彼女を急に抱きしめた。すると彼女の体が少しふるえる。

「全く、独占欲の強い奴だな~。まあそれだけ大事にされてるんだけどな。」

「絶対私のものだもん。」

 かわいく拗ねる彼女が愛おしい。俺はさらに力を込めた。

「・・俺も、離さないからな。絶対に。」

「離れないでね?」

「ああ・・離れないよ。」

 俺は彼女を抱きしめていた手をほどき、彼女の左手を握りしめる。

「じゃあ、行こっか。」

「うん・・」

 天使が浮かべる笑顔のようなそれを浮かべて、頷いた。そして、家路へと向かった。

 

 

 

 その様子を、誰かが歯をギリッと鳴らしてみていたことを、俺は全くしらなかった。

「殺すっ・・・・!」

 

 

 

 

「しっかしいいよなぁ・・恵まれてるな・・」

「ゲームしててもいいことおこるぜ。」

 トーガは俺の言葉にかすかに笑った。

 ここは、トーガの家だ。トーガのリアルネームは、富田大河(とみたたいが)という。もちろんトーガも俺のリアルネームを知っている。俺はよくトーガの家に昔遊びに行っていたため、トーガのお母さんは俺の顔を覚えていた。かつてはよく、泊まりがけでゲームをしまくったものだ。けれど俺が、SAOにとらわれて以来、ほとんど接触がなかった。まあ、俺も結構忙しかったというのが理由だが。

「んで・・何のゲームを勧めるんだ?いっておくが、3年前に勧めたエロゲー、あれおもしろくも何ともなかったがな。」

「え!?あれすっごくいいじゃん!古いけどさ・・《school days》あれおもしろいはずだよ!」

「登場人物全員クズだからやる気しねえよ。エンディング結構鬱になるし。」

「ハッピーエンドもミロや」

 俺たちは笑いながら、昔話に種を咲かせていた。

「そんで、勧めるゲームって何だ?」

「ああ・・すっかりわすれていた。確か、最近公開されたんだけど、ザ・シード連結体でさ、MMOなわけよ」

「要は、VRMMORPGってわけか。」

「そうそう。名前は、《ファイティングソウル・オンライン》、略して《FSO》だよ。まあ名前から分かるだろうけど、要は格闘ゲームだよ。しかもオンラインの。MMOだよ!」

 ゴクリと自分ののどが鳴るのを感じた。

「格ゲー好きなおまえには、いい話だろう?」

「ああ・・はやくやりてえ!けどよ・・俺ALOやってんだよな~」

「コンバートすればいいじゃないか?」

「それがそうもいかねえんだよ。」

 謎のフリーソフト、《ザ・シード》によって構成されたネットワークには、1つの共通システムがある。それは、《コンバート》である。ザ・シード連結体に存在するVRMMORPGゲームを自由に行き来でき、プレイヤーデータを引き継ぎできる、便利なシステムだが、欠点も存在する。

 まず、それまで遊んでいたゲームのアイテムがすべて、消滅してしまうことだ。HPや、お金、ステータスなどはそのまま維持されるが、それ以外はすべて消滅してしまうのだ。つまりコンバートとは、そのゲームを引退して、別のゲームを行うときに使うのが一般的なのだ。

 その旨を伝えると、うんうんとうなずいた。しかし、複雑な顔をして、こういった。

「そういう事情なら仕方がないけど・・。実はね・・お前に挑みたいっていう人がいるんだよ。」

「え・・」

「俺が、インしてた時さ、ロックァの話になった訳よ。ある奴と。まあロックァは格ゲー界では有名だしね。そんでそいつはお前と勝負したいんだってさ。」

「なるほどな・・照れるぜ・・」

「だからさ、彼の挑戦状を受けるだけでいいから来てくれよ。その後はすぐ止めてもいいからさ?」

 トーガが、頼むと手をパチンとあわせた。

(まあ、一回戦うだけでいいからな・・その後またコンバートすればいいし、大丈夫だろ)

 俺はそう考えて、了承することにした。

「わかったよ。けど俺は戦ったら辞めるからな?優子にないしょで行くんだから」

「だいじょうぶだよ!じゃあ、さっそくいこう!」

「あ、いや、ちょっと待ってくれ!アイテムをALOの倉庫に入れてくるから、あと1時間したら電話してコンバートするよ。」

「了解。じゃあ、また後で!」

 俺は、家を出るために、荷物を片づけた。そして、チャリにまたがり、家へと帰っていった。

 

「じゃあね・・ロックァ」

 トーガの口が、三日月型に曲がっていたのを俺は見ていなかった。

 

 その後俺は、コンバートの準備をするために、ALOへとログインし、武器やアイテムなどすべて、俺が密かに買っておいた倉庫に全部つめ込んだ。俺だけの宝箱にするつもりだったのでちょうどいいだろう。

 その後、俺はログアウトし、飯を食って、トーガにメールを送って再びナーヴギアを被る。

ーーそもそもそのゲームやったことねえから分かんねえんだけどな・・

 俺は苦笑いし、コマンドを唱える。

「リンク・スタート!」

 

 

 

 男は、再び携帯端末を手にして電話した。

「うまく誘導できたか?」

「ああ。今たぶん初期地点にいるはずだな。インするってメールが来た。」

「そうか。ならおまえは奴の気を引きつけておけ。俺がその間にいく。」

「了解・・けど本当にあいつがやったのか?俺の親父を?」

「・・殺った・・俺はこの目で見たんだ・・!俺の言うことも信用できないのか?」

「いや・・違うけどさ。」

「なら俺に協力してくれ。俺はあの人を尊敬してたんだ。」

「わかった・・」

「ではな。しくじるなよ」

 男はそういって電話を切った。協力者のかすかな迷いにいらだったが、俺のすることは変わらない。男は、小さい丸テーブルにおいてある、注射器を手にとり、小さなメモ用紙に書いてある住所を一瞥する。男はそのメモ用紙をポケットに入れ、玄関をでた。俺の戦いは終わらない。奴を殺し、絶望の淵に落とすまでは。

 

「イッツ・ショウタイム!」

 

 久々に言った言葉だ。いや、せいぜい2回しか言ってない言葉だろうが、男のやる気を振るわせるには十分なものだった。男は高鳴る胸を押さえて、目的の場へと向かった。




・・まあみなさまはもうお気づきでしょうな~どんな人たちが関わってくるのか、はね。
ちなみに原作キャラはあまり関わってきません。キリトさんはもしかしたら・・イヤでもわかんないなwお楽しみに!


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