saoから”ログアウト”できたプレイヤー   作:土ラグーン

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こんにちは!アズマオウデス!

ついに最終回です。エピローグですよ!エピローグ!(アイマスネタ)

みなさま、永らく(結構短いが)ご愛読いただきまして、本当にありがとうございました!!感謝の気持ちを込めて、書かせていただきましたので!!
では、どうぞ!


《エピローグ》
プロポーズ、そして小さな日常へ


 2028年1月15日、俺たちはセンター試験を受けに行った。ようやく俺たちは、高校の学習課程を終え、大学を受けることが出来る。志望校は、そこそこ上の大学だが、優子と同じにした。一緒にいたいのもそうだし、元々学力が同じくらいだからでもある。今回受ける大学も、楽勝で受かるような大学だ。しかし、胸の鼓動は激しかった。小学受験とかしたときとは別の緊張が俺をかすかにふるえさせていた。

「緊張するね・・」

 隣にいる優子が手を握ってきた。少しだけ緊張が解けた気がしたが、やはりとけなかった。

「正直俺も結構緊張してる」

 すると優子はふふっと笑った。俺たちは今は制服姿だが、中には私服で大学の校門に入っている生徒がいる。珍しいなと俺は思ったが、私服の公立高校もあるとは聞いていたので、すぐに納得する。

 俺たちもそろって校門に入り、あらかじめ準備しておいた受験票を提示する。その後、指定された教室に入った。

「うわ・・俺4階だ・・優子何番?」

「私は・・1025番・・あ、2階だ」

「げ・・俺2012番だ・・離ればなれだな・・」

 俺はひどく落ち込む。しかしそれはそれでいい。気になって受験に集中できなくなるかもしれないからだ。優子も同様に考えたらしく、あまり悲しそうな顔をしなかった。

「まあ、お互いがんばろうぜ?・・受かったら、俺、大事な話あるからさ」

 仮に受からなくてもしなくてはいけない話だが、受かってほしいという思いでそう言った。

「うん・・わかった。一緒に受かろうね!」

 俺たちは握手を交わした。思えば、優子もかなり大きくなった。体の成長もそうだが、心も成長してきている。以前のような泣き虫じゃなくなった。昔の優子なら、こんな受験という場面だったら発狂しているだろう。だが、こうして落ち着きを払っているのだ。俺はどこか寂しさを覚えた。が、人というのはそういうものだろう。俺たちはとりあえず、2階まであがっていく。そして分岐点へと来た。

「がんばってね、翔悟」

 君付けから呼び捨てに変わったのは、もう1年も前であるので俺はもうなれている。俺は親指をぐっとつきだした。

「ああ、優子も頑張れよ!」

 そして俺たちは近寄って抱きしめあった。絶対に受かると信じて。

「・・ちっ。リア充が」

「あれはないわよ・・」

 しかしどうやらほかの受験生に見られていたようだった。公の場で2人が抱きしめあっていたのだ。そりゃあひそひそ声が聞こえてもおかしくない。俺たちはあわてて体を離して、俺は照れながら、早口でいった。

「じゃあな」

 俺は、2段とばしで階段を上っていった。優子ははにかみながら、そんな俺に手を降り続けていた。

 

 そして、受験終了のチャイムが鳴って、俺たちはすぐに集合した。

「どうだったよ?」

「わかんないよ・・受かってるかな~・・?」

「正直俺もわからん」

 そして小さく吹き出す。

「まあ、結果を待つしかないよ」

「・・そうだな。発表はいつだっけ?」

「2月の下旬あたり?聞いてなかった」

「まあ、郵便で届くらしいからな。俺は気長に待つぜ」

 まったく・・と小さく言う優子。俺はそんな優子の手を握って、帰ろうと優しくつぶやいた。

 

 

 試験から何週間からたったある日だった。郵便のバイクが俺の家に一時停車して、ポストにぽいっとものを入れるのが見えた。俺は2階の窓からそれを見ていた。おれはだだだと階段を下りて、玄関を開けて、それを確かめる。手紙だ。差出人は、数週間前に受けた大学の名前だ。俺は急いで家に帰って封を切り、内容を閲覧する。すると・・

「合格・・!?まじか・・よっしゃあああああ!!」

 俺は、両手を突き上げて大いに喜んだ。だが、俺ははっとした。こうしちゃいられない。急いで携帯端末をつかみ取り、電話をかける。相手はもちろん、青島優子だ。

「もしもし?」

 幼さがまだ残っている声で応答した。

「おう、優子。試験の結果来た?」

「・・まだだよ。翔悟はどうだった?」

「受かったぜ!優子はまだ来てないのか・・?」

「うん・・あ、今来たっ!!」

「なにっ!!」

 俺は、大声を上げて目をむいた。そして、目をきつく瞑り、ひたすら祈った。

ーー受かってますように・・受かってますように・・!

 電話越しに伝わったのは、一瞬の静寂だった。俺は心が暴走していた。どうなったのか・・?しかし、そんな杞憂が吹き飛ばされるような歓声が、3秒後に聞こえた。

「どうだったか!?」

 俺は電話機に叫ぶ。すると少し涙が混じった声で、かすかに言った。

「うかったよ・・!また一緒に、なれるんだね・・」

「まじか・・よっしゃあああああ!!やったあああああああああ!!!!」

 今すぐにでも抱きしめにいきたいがそれはこらえる。それは、優子のお母さんやお父さんの役割だ。俺は一息はいて落ち着かせた。

「わたしもうれしい・・!すっごくうれしい・・!!」

 ついに彼女の涙腺が崩壊したようだ。声にならない声で何かを言い始めた。俺は優しくなだめ、無理に話さなくていいからなと囁いた。思う存分泣いてくれ。俺はそう念じた。

 やがて、彼女の号泣がやみ、再び静寂が訪れると、俺は小さく言う。

「今日、いや、明日にしよう。明日さ、夜6時に、俺が作ったプライベートVRワールドにダイブしてくれ。そこで話がしたい。ソフトは郵送で送る。待ってるからな」

「うん・・わかった。じゃあね!いろいろありがとう!」

 その後、ぷつんと切れた。俺は静かに受話器を置いて、一息をつくと、早速、俺は自室へと駆け出して、アミュスフィアを起動させる。そして、自分で作ったVR環境へとダイブした。謎のフリーソフト《ザ・シード》では、回線とそこそこ太いサーバーがあれば誰でも自由にVR環境が作れる。俺もネットで調べて、どうにかプライベート環境を作り上げることに成功した。

 今回はそれがちゃんと出来ているかテストするためにダイブする。俺は起動コマンドを口にした。

「リンク・スタート!」

 

 

 合格発表の日から翌日、私は大学に課せられていた宿題を片づけるべく勉強していた。合格発表当日は、翔悟といっしょの大学に行けるという事実が余りにもうれしくて、大泣きしてしまった。その後どうにか涙を止めて、お父さんとお母さんに高級フランス料理を食べにいった。舌鼓をうっていたのだが、そこの高級料理店に翔悟の姿があったのは驚いた。向こうも気づいたようで、その日は、翔悟が夕食を担当することになった(料理長命令だそうだ)。しかし、この店で3年修行している翔悟の腕は恐ろしいもので、普通に高級店を出せるレベルであった。ただ、翔悟は笑いながらこう言った。

「俺、盛りつけ下手なんですよね・・創作料理は苦手で・・」

 しかし、素人には全くわからない。パイ包みの魚料理がでたが、ソースの盛りつけ方も高級店らしい感じがするし、付け合わせの野菜などもきれいに盛られている。これのどこが下手なのだろう。私は素直にそういった。だが翔悟は、いつも料理長にだめ出しされまくっているんだと苦笑いしていた。それで、後で料理長とあって話をしてみたら、だめ出しするところはないし、料理長を遙かに超えている腕だが、慢心してほしくないという意図があってわざと悪く言っていたのである。このことは翔悟にはまだ言っていない。私は密かにうれしく思った。

 その後、私たちは翔悟にお金を払おうとしたが、翔悟がこっそりとその料理と同じ値段のお金を自分の財布からとりだして、私たちに渡した。それで払えとひそひそとつぶやいて。私たちは最初は悪いと思ったが、いいですいいですとしつこく言うので、不本意ながらおごらせてもらった。結局は翔悟の元に返っていくので、変わりはないが。

 まあ、とにかく私はすてきな合格発表当日を過ごせたのである。そして翌日、夜に翔悟からプライベート環境へとダイブするよう言われたので、それまで勉強したり、いろいろして時間をつぶした。

 そして約束の午後6時、翔悟から送られたソフトパッケージをとりだし、自室のベッドに横たわり、アミュスフィアにセットする。

ーー何のようだろう・・?

 私はよくわからないまま、起動コマンドを口にした。

「リンク・スタート!」

 

 

 私は、仮想世界の姿である、《ユウコ》となって、意識を覚醒させた。しかし、翔悟が用意した場所は、なんというか、殺風景と言うか、あまり女の子を呼び出すような場所ではない。そう、ここはまるでSAOのダンジョンみたいーー

ーーん?ダンジョン?

 私は頭を巡らせていた。まるで闘技場みたいな場所だ。よく見ると、私のいる場所は、ドームのような形をしている。天井はゆうに10メートルは超えているだろう。そしてどこか、見覚えがあった。だけど何故か思い出せなかった。

 私がうーんと唸っていると、後ろから声をかけられた。

「よう。はやいな」

 翔悟の声だ。彼も、仮想世界の姿の《ロックァ》でここにいる。しかし、彼だけは、なぜかSAO時代の装備と同じだった。背中には、彼の愛剣である《フェニックス・カリバー》が吊ってある。紅く燃え盛る不死鳥のような猛猛しい剣が、異様な存在感を放っている。しかし、彼の顔は、戦闘時の時のきつい顔ではなく、どこか繊のある、優しい顔だった。

「おそいよ?自分で呼び出しておいて。それで、ここはどこなの?」

 私は、未だに解決できない疑問を投げかける。するとロックァは意外そうな顔をした。

「気づかなかったのか?意外だぜ」

 そしてかすかに笑う。

「え・・じゃあここはどこなのよ?」

「ならいうよ。ここさ、・SAOのどこかににてないか?」

 その時、私の何かがつながった。そう、確信できたのだ。ここは、SAOのあるフィールドを再現した場所だと言うことを。だが、SAOのどこを再現しているかはわからない。

「それはわかるけど・・どこだっけ・・?」

「マジで忘れたのか・・?まあ、もう4年半も前の話だしな」

 今は2028年で、4年半前と言えば、2023年のあたりだろう。そのあたりに何かあった気がする。優子の人生を、180度変えてしまった出来事が。だが、うまく出てこなかった。

「え・・と、すいません・・何かあったような気はするんですが・・」

 翔悟は深く息を吐く。やがて笑顔になった。

「ならこの日は覚えているか?5月6日」

 5月6日。それは私たちが、SAOで結婚した日だ。それは覚えているーー

ーーん?結婚?

 ダンジョンと、結婚という、言葉がようやくくっついた。私はにやっと少し笑ってしまった。翔悟も、己が言いたいことが伝わってよかったというような顔をしている。そして私は叫んだ。

 

 

「ここって・・私たちが結婚した場所!?」

 

 

「正解だ」

 教師でもなったような口調でロックァは私をほめる。

「なるほどね・・ぜんぜん気づかなかったな・・」

「結構作るのに苦労したんだ。3ヶ月はかかったぜ」

「そんなに!?・・でも、どうしてここをつくったの?」

 私が素直にそう聞くと、翔悟はいたずらな笑みを浮かべる。

「・・優子が鈍感でよかったわ」

「な・・どういうことーーえ?」

 私は、鈍感と言われて叫ぼうとしたが、突然、私の目の前に、指輪を突き出された。しかも、その指輪は、私にロックァがプロポーズしたときに貰った指輪だ。名前は確か・・

「それは・・《トップクリスタル・リング》・・」

「そうだ。よく覚えていたな」

 そして翔悟は、左手をとって、見事に再現された指輪を、薬指に通した。あのときに見せた指輪の輝きと全く同じだ。そして付け方も。

 私はもう、彼が何の目的でここにつれてきた理由がわかった。だが、それはあえて言うつもりはない。私は、何とか気丈にする。

「そういえばさ・・俺、20歳になって、一人前の料理人になれたら結婚するって言ったよな?」

 はっと顔を上げると、真剣な顔で翔悟は言う。私はすぐにうんとうなずいた。

「SAOの事件のせいで、大学にはいるのが2年遅れたけど、もう大人だ。だから結婚してもいいと思う」

「・・・・」

 私は口を開くことすらしなかった。次にくる言葉を待っているからだ。

「だからさ、・・俺とさ・・」

 私は翔悟がごもっているのには気づいているが、何も言わない。そしてやがて、翔悟が言葉を放った。重い意味を持つ言葉を。

 

 

 

 

 

 

「結婚・・してくれませんか?」

 

 

 

 

 

 翔悟は、あのときとは少し違うが、片膝をついて、私の左手を握る。私は目に熱い何かが流れたのを感じた。泣いているのだ。あのときと同じように。

「うっ・・うぇ・・は・・はい・・」

 私はどうにか嗚咽をこらえ、しっかり言えるまで待った。そして、何とか音になりそうなくらいまで収まると、私は静かに息を吸い込む。そして、自分が作り出せる最大の笑顔を、彼に向けて、はっきりと伝えた。

 

 

 

 

「はい・・お受けします!」

 

 

 

 

 その後は二人は何も言わなかった。言葉などいらない。ただ、互いを愛する気持ちがあれば、それだけでいいのだ。そう思った2人は互いの仮装の体を寄せ合って、キスをした。浅く、時には深く、そして優しくキスを続けた。たまに互いで舌をいれあったりさえもした。愛を確かめ合うこの動作は、俺は好きだ。ただ確かめ合うだけじゃなく、互いのことをより愛せる気がするからだ。俺は今、最高にいい気分だ。やっと、二人が一つになれる。このときが永遠に続いてほしい。俺は、そう願いながら、再び唇をあわせた。

 

 

 

 

 長い長いキスの後、私たちは一度落ちることにした。その後の長電話で、とりあえず、結婚したからには親に頼るわけにはいかない。だが、俺たちはまだ学生である。そこで、正式に結婚するのは、大学を卒業してからすぐということにした。精神的に結婚しているとすることにして、学校生活を送るのだ。そして大学に入学して、カップルとして注目を浴びながら、無事に卒業できた。

 その後私たちは、正式に結婚するために、両親の説得へと出かけた。翔悟の両親も、私の両親もあっさりと了承してくれた。そして、結婚式も開いた。私は、純白の美しいウェディングドレスを身にまとい、漆黒のタキシードをまとった翔悟と手をつなぐ。神父が誓いの言葉を述べ、俺たちが了承する。サインを記して、キスを交わした。その後は大皿料理が大量に出現して、カオスになった。ロックァのゲーム友達もたくさん来てくれて、その中には、一度は私やロックァと本気の戦いをしたが、友のちぎりを再び交わして友達へとなったトーガこと富田大河の姿もあった。トーガは開口一番、私に謝罪の言葉を述べ、お祝いの言葉を言って去っていった。そんなトーガをロックァは快く受け止めて、昔話に花を咲かせていた。私の級友たちも何人か来たりしたのでたくさんお話をしたりした。そして楽しかった結婚式の後、2人であらかじめ借りていたアパートへと入居した。

 そしていろいろセッティングをして、暮らせるように尽力した。もちろん、夜の営みも、きちんと行った。私の初めてを奪われたときにはかなり痛く、何度も絶頂してしまったが、翔悟が優しくしてくれたので、何とか成功した。

 そんなこんなで、結婚した直後に翔悟がある自営業の店を開店し始めたが、結構繁盛して、何とか安定した生活を送れているのである。

 

 

 

 

「優子!あそこのオーダー頼むぜ!」

「了解!」

 俺は優子に指示をとばす。今はかなり忙しい時間だ。俺は優子に指示を出してすぐにフライパンを持って、ハンバーグを焼いている。その間に優子が新たな注文を持ってくる。ノルマは現在10件である。俺は急いですべてを片づけようとすべてに集中する。まあ、この程度の忙しさは、学生時代に料理の修行してたときに比べれば、余裕だが。

 いま、俺の店には、たくさんの客がいて、席は常に満杯である。しかも、店の外には恐ろしいくらいの行列が並んでいる。まあ、現在時刻が昼の12時といういかにも昼飯時なので、こむのは当たり前だが、さすがに7つのカウンター席に10テーブルしかない店にその3倍以上の人間が詰めかけてくるのはどうかと思う。

 俺が自営のレストランを始めようと思った理由は、優子とゆっくり過ごせる時間を確保したいからである。そうして、高校時代に培った料理の腕を使って、誰でも気楽に食べられるレストランを創設した。しかも閉店時間を昼の4時にして、その目的を果たそうとしたのだが・・

「はあ・・はあ・・忙しいね・・すごい混んでる・・」

「全くだ・・閉店4時にしてよかったな」

 お互いに苦笑いして、それぞれの仕事に取りかかる。こんなに繁盛したのは、俺たちが結婚してから半年後だ。最初はもう、昼でもテーブルが常に5つは余っていたのだ。俺たちは気軽にしゃべりながら、仕事が出来たのに。

 こんな日常を丸ごとひっくり返してしまったのが、今からもう3年前の話だ。なんと、おやじの知り合いの辛口評論家がここにきたのだ。別に俺は、評論家に対しては、前の店で耐性はつけてあるので、ふつうに料理できたが、かなり口にあったそうで、翌日、「隠れ名店」として、有名なグルメ雑誌に載せられてしまった。しかも俺の店の料理はどれも廉価なので、どっと人が押し寄せてきてしまったのだ。おかげさまで繁盛しているが、そのせいで、2人の時間を俺は割かれたくない。子供が出来たら、子供ともふれあいたい。

 そう悩んでいたある日に、昔からの常連が、もう一人増やせばいいだろと提案してきた。確かにもっともだ。現在店を経営しているのは、俺と優子だけだ。正直疲れるので、もう一人雇ってもいいのではと思うが、そこは優子がかたくなに反対している。理由はやはり俺と同じで、旦那と一緒にやることこそ意味があるからだそうだ。

 そんな思考をしている暇もないようだったが、つい浸ってしまう。悪い癖だと自嘲し、料理を高速で作り上げた。そんな作業をたくさんして、ようやく峠を越えたのである。

 

 客も徐々に減る2時以降がが一番の楽しみの時間でもある。皿洗いなどを簡単にすませながら、2人でたくさん話が出来るからだ。客の話、昔話、後に出来るであろう子供の話などだ。

「ねえ、今日の川藤さんすごくよく食べたと思わない?」

「ご飯5杯おかわりはビビったぜ・・いくら無料だといってもな・・今日来ていた野球部の連中より食べるとはな・・」

「そうだよね・・すごいな・・今の大人って」

「いや、川藤さんだけだろ」

 そんなこんなで時間を過ごしていると、常連が何人か来た。常連の場合、この時間が一番いい時間だということを理解してくれるため、相手もしやすい。その中には、この忙しい状況を招いた張本人である、辛口評論家の合田さんもいる。

「やあ、青島さん」

 40代半ばのジェントルマンらしい人である神代さんがシルクハットをとって挨拶をした。ちなみに俺たちの姓は青島である。石田という名前は俺が捨てたのだ。

「ああ、神代さんか。今日も疲れましたよ」

 俺が愚痴をこぼすと、カウンター席にすわった神代さんがふふっと笑った。

「注文どうしますか?いつものでいいですか?」

 優子がカウンター席まで歩み寄ると、神代さんはコクンとうなずいた。

「了解です。翔悟、いつものね」

「はーい」

 そう返事して俺は厨房へと戻る。その間にも優子はいろいろ注文を受けて、俺にオーダーを重ねていくが、この程度なら余裕だ。俺は手早く料理を作ると、ぱぱっと優子に渡す。そして、愛想良く優子が運んで、それを客たちは口にした。

「やっぱうまいですね・・」

「ええ・・しかもこの二人の夫婦仲はいいもんですよ。私の妻なんかいつもがみがみ怒っているんですよ・・優子さんを見習ってほしいな全く」

「そ、そんなあ・・わたしはまだまだですよぉ・・」

「今度家族でいきたいですね。息子も連れていきますよ」

 そんなにぎやかな会話が厨房にも流れてくる。大抵は閉店時間まで入り浸っているのだ。常連さんたちは、決まってこの時間にみんなそろってくる。この店で知り合った人たちの習慣らしい。俺はそんな和ましい空間を作れたことが、何よりの自慢だった。そして、優子という最高の伴侶もだ。

 その後は、一人も客は入らず、2時間当たりも居座って、閉店時間になる。またねという常連たちの声が、ドアから聞こえてきた。俺たちは、彼らの姿が見えなくなるまで、手を降り続けた。そして手を振り終えて、まず俺は優子を休ませた。そして俺は、ドアを開けて、外にあるopenと書かれているプレートを裏返しにして、closeと書かれた面にした。

 そして内側から鍵を閉めて、2人きりとなった。

「お疲れさま」

「お疲れ」

 俺たちは互いにそういい、労いあった。その後、俺は彼女を抱いた。

「一番優子が疲れているはずだ。ゆっくり休んでから帰ろう」

「うん・・ありがと・・」

 俺は、彼女の腹をさすった。まだ赤ちゃんは出来ていないようだ。

「赤ちゃん・・ほしいか?」

「うーん・・迷うなあ・・翔悟を独り占めにしたいけどね。けど子供もほしいし・・」

「結局はヤッちまったけどな」

 俺がふてぶてしくそういうと、羞恥で顔が赤くなる。

「まあ・・赤ちゃんが産まれたら産まれたできちんと育てるさ。それが当たり前だからな。それに・・優子の赤ちゃんを、俺は抱きたい」

「ありがとう・・あ、もう大丈夫だよ。じゃあ、帰ろっ?」

 彼女が右手を伸ばしてくる。俺はがしっと手を握った。

「ああ、帰ろう」

 夕焼けに染まった空がまぶしく感じた俺は、反射的に左手をかざす。そして、この店から歩いて5分の道を行き、家についた。小さな一軒家だ。店で稼いだお金でようやく1年前に購入することが出来た。煉瓦造りの一般的なマイホームで、小さな庭もある。家の鍵を差し込んで、ドアを開ける。誰もいない家だが、ただいまと叫んだ。優子もそれに続く。

「飯は俺が作るよ。休んでいてくれ」

 優子をソファーに座らせる。これから産まれてくるであろう赤ちゃんのためにもだ。まだいるかどうか不明だが。優子は、俺に優しい笑みを浮かべながら、ごめんねとつぶやいた。

「なにいってんだよ。俺は大丈夫。だからそのかわり、今日は風呂洗いはなしな」

 するとえっという顔をされる。俺は風呂洗いが一番嫌いなのだ。まあ、もちろん当番制だが。

「って・・きょうわたしじゃん。わかったよ」

「・・悪いな」

 俺は優子の頭をなでて、キッチンへと行く。店のそれに比べたら簡素だが、簡単なものなら十分である。コンロに火をかけてパスタをゆで始め、ミートソースを作る。ここでも手は抜かないが、結構簡単に作れるので俺は好んでいる。そして調理時間20分、2人分のミートソースパスタができあがったので、4人テーブルへと持ってくる。将来、子供ができたときのために4人にしている。

 優子は、ふうとため息をついて、食卓に座った。いただきますと唱和して、行儀悪く2人で食べた。俺の家ではめちゃくちゃ怒られたが、優子と2人だけなら大丈夫だ。

「あしたはさ、ツバメの墓行こうぜ?結婚したこと伝えてないもんな」

「ああ・・ツバメ君か・・懐かしいね~うん、いくよ!」

 2人でいるといつも話題がつきない。結婚生活がこれで3年半で、いまだに喧嘩などしていない。というか、したくない。

「しかし、楽しいよな。こうやって話すって」

「うん。私も」

 パスタをじゅるじゅるとすすりながら答える。しかし、そんな行儀悪い食べ方のせいか、互いの口の周りにミートソースがべったりくっついてしまっている。俺は、自分の口を拭こうと、ティッシュをとろうとするが、優子に阻まれる。そしていきなり俺の顔を引き寄せて、キスをした。舌が動いていき、俺の口に付いているミートソースをなめているようだった。だが、一ついいたいことがあった。

 優子の気が済むのを待っていたが、どうやら俺のいいたいことどおりの結果になっているらしく、なかなか離れない。俺は無理矢理引き離し、言ってやった。

「なあ、優子の口も汚れているんだから、いつまでたっても汚れが取れないのは当たり前だよ」

 俺は苦笑しながらそういうと、恥で燃え尽きそうな顔をした。まあ、落ち込んでほしくもないし、実際俺のためを思ってやってくれたのだ。俺は頭に手を乗せて撫でた。

「ありがとうな」

 とつぶやきながら優子は顔を赤めたが、いつもの元気を取り戻して、賑やかな食卓を取り戻した。そして5分後、ミートソースはすべて平らげられていた。

 

 

「もう11時か・・風呂入ったしもうねるか?」

「そうだね。もう眠いや」

 パジャマに着替えた優子はふわあと大きなあくびをしながら寝室へと向かった。寝室は二人で使っている。一応部屋に2つベッドはあるが、たいていは一緒のベッドに寝ることになってしまう。今日も例外なく、一緒のベッドに寝ることになった。

 俺と優子はそれぞれベッドに入っていき、体を寄せ合う。互いの温もりが、今日の疲れをいやしてくれる。そのまま、まどろむ気分でキスをした。このまま営みに移りたいが、あまりしすぎると優子の体に尋常ならざる負担が生じるのでやめておく。俺は、性欲を押さえながら必死に眠りにつく。しかし、豊かな優子の胸が密着するたびに、俺の性器は自己主張を始める。その自己主張が優子の体に触れてしまわぬように努力するもかなわなかった。

「わたしは・・いいよ。ちょうだい」

 気がつけば俺は衣服を脱いでいた。優子も下半身を脱ぎ始める。そして俺は、以前一度破った彼女の聖域にもう一度侵入した。腰を振って、優子が淫らなあまいこえで喘いでいるのを聞きながら、命の源を放出した。それを2,3回繰り返して、眠りについた。

 

 

 決してきれいとは言えない夜が明け、朝日が射した。俺は伸びをして、横にぐっすり寝ている優子を起こす。ううん・・と唸って起きる彼女はなかなか起きないのでほっぺたをつまんで起こさせた。

 その後、洗顔をすませて、朝ご飯を簡単にすませる。開店時間は10時だ。だが、準備をしなくてはいけないので、8時につくようにしなくてはいけない。まあそれでもらくちんなのだが。

 そしてスープや、サラダの準備などをすぐすませて、開店時間へとなった。

「今日も忙しいんだな。がんばろうぜ!」

「がんばろっ!私もがんばる!」

 手を思い切り握り、士気を高めた。そしてそれぞれの持ち場についていった。

 

 

 

 

 アインクラッドという、電子の檻によって導かれた世界で2人の少年と少女が出会い、恋に落ちる。そして、妖精の国で、最悪な運命を変える運命を持つ妖精の暗殺者とともに旅をして力を合わせて戦った。また、拳によってすべてが決まる世界で、過去の因縁と、2人で戦って勝利した。そして今は、大宮の町で小さなレストランを開いて静かに仲良く暮らしている。それで俺はいいと思う。最高の伴侶と、そして子供と、ただ幸せに暮らせればもう何も望まない。

 

 

 

 

 カランコロンと、ドアに取り付けられている鈴が鳴る。いつもと変わらない日常が始まった。

「いらっしゃいませ!」

 そう、この地球でちっぽけな存在である2人の、小さくても幸せな人生の、今日の一ページ目が、新たに記された瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                (saoから”ログアウト”できたプレイヤー  完)




ようやく終わりました。初めて書いたので、かなりミスが多かったです。小説を書く身として、もっと向上させるために、いろんな作品を書いていきたいと思います。また、後にこの作品を、転載したり、改稿したリいたします。そのときはまた読んでいただければ幸いです。

また、お気に入り登録をしてくださった皆様も、その他のみなさまも、この作品を読んでくださりまして、ありがとうございました!!これからもアズマオウをよろしくお願いします!

私のもう一つの作品も読んでくださると幸いです。そちらもどんどん書いていきますので、よろしくお願いします!

では、最後になりますが、感想、評価、指摘、お気に入り登録(まあ、もう終わるけどね)などお待ちしております!また、常時メッセージなど受け付けております!活動報告のアンケートもコメント待ってます!


では後にどこかでお会いしましょう!では!!
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