トウカイテイオー転生もの   作:ふらんそすきぃ

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閑話:不思議な後輩との出合い

 わたしはメジロ家に生まれ、メジロ家の一員として、大切に、厳しく、そして優雅で強くあれと育てられた。

 

 メジロ家のウマ娘たちはある程度成長し、それぞれの才能が分かってくるとそれに合った目標が与えられる。

 

 ある者にはクラシック三冠を。

 またある者にはティアラ三冠を。

 

 そしてわたしにはメジロ家の悲願である天皇賞の盾を。

 

 

□ □ □ □

 

 

 私はトレセン学園に入学してからというものの、住む場所が変わったこと以外大して変わらない日々を過ごしていました。

 家の名を背負っている者として勉学に励み、そして目標に向かい練習を重ねる。

 これまでと同じような、メジロ家のコーチたちによって組まれたメニューを参考にした練習を淡々とこなし、いつか来る天皇賞を目指して私自身を鍛え上げる日々を繰り返す。

 ただそれだけの日々。

 

 それでも学園生活というものは新しいもので、経験も沢山増えました。

 特に寮生活は大きな変化で慣れないことばかりで初めは大変でしたが、同室のイクノディクタスさんに支えられ、なんとか過ごしていきました。

 

 

 特に何も変化が無いまま学園に入ってから一年が経過しました。

 新入生も入ってきてわたくしも先輩になったと思うと早いものだと感じられました。と言っても、わたくしには後輩との関わりはございませんが。

 唯一後輩の存在を感じ取ったのは、練習のときです。今まで知らなかったヒトたちが練習するようになっていたことで、なんとなく感じ取りました。

 その中でも異質な程練習をする後輩も現れました。

 いつも最後まで残って走るその姿は、何かに取り憑かれたように、わたくしには見えました。

 

 ある程度時間が経つと新入生たちも模擬レースを行うようになり、速い子がいると学園で噂されるようです。

 わたくしのときもそこそこ話題になっていたと同室のイクノさんが教えてくれました。

 しかしながら、わたくしはメジロ家のものとして期待されていたのを裏切ってしまった形となりましたが。

 わたくしは下の学年にはあまり興味はなく、どんな子がいるのかも全く覚えておりません。

 周りはもしかしたら後輩に負けちゃうかもと話しておりましたが、そんなことを気にしている暇が有れば、自分自身のことを磨けば宜しいのでは?と、思ってしまいました──が、言葉にしないように心がけました。

 

 

 夏、二回目の選抜レースがあったときのことでした。

 わたくしのレースは終わり、結果は一着。

 去年までのわたくしとは違い、着実に結果を残している。メジロ家のものとして不甲斐ない結果は残せません。

 

 レースの終わった後、普段は気にしていませんが、後輩のレースを見てみようと思いました。

 そうして丁度観ようとしたとき、後輩たちの中距離レースが始まるところでした。そのレースの内容はとても変なものでした。

 一人のウマ娘が最終直線でヌルっと抜け出してそのままゴールしました。

 熱い展開など何もない、ただ予定調和のように。周りとの差が卓越していて、出る学年を間違えた小学校低学年の徒競走のような、そんな印象を覚えました。

 ふと、近くにいた名前も知らぬトレーナーたちの会話が耳に入ってきました。

 

「また、あいつか……トウカイテイオーだったか?」

「あぁ、あの世代の注目株だよな。

 前回の選抜も授業の一環でやる模擬レースもマイルと中距離で全戦全勝。多分あの感じだと長距離も行けるだろ。

 あ〜、うちのチームに欲しいなぁ……」

「お前のところじゃ無理だって。

 ああいう才能がある奴らは強いチーム──実績のあるトレーナーが独占するんだ」

 

 トウカイテイオー、それが彼女の名前。名前は聞いたことがありませんでしたが、その外見は何処かで見た記憶があります。

 あぁ、確か練習場にいつも最後まで残って走っているヒトですわね。周りとは雰囲気が違う後輩だったはずです。

 

「テイオーってやつ、普段は教室の隅で一人ぼっちで暗いやつってイメージが強いけど、レースではキラキラしてるんだよね〜。

 走る才能ってやつかな?」

「如何にも才能マンって感じだよね〜。

 私にもちょっと分けてほしいなぁ……」

 

 少し聞こえてきた声は、恐らく彼女と同じクラスの後輩たちでしょう。

 どうやら彼女はヒトとの交流には興味が薄いようだということを感じ取り、少し親近感がわきました。一応、同じ寮の筈ですが、寮内の共有スペースで見かけたこともございません。

 しかし周りの方々が言っているのを聞くに一つだけ疑問に挙がる点があります。

 彼女は周りが評価するほど才能だけのヒトなのかと。少なくともわたくしには、彼女は才能だけではなく努力で強いのだとそう感じました。

 毎日毎日一人で限界まで走り、成長し続ける。並大抵の精神なら一週間保たない。

 わたくしはメジロ家を背負いその誇りにかけて毎日走っている。何れ来たるレース、天皇賞に向けて。

 

 では彼女、トウカイテイオーはどうなのだろう?

 夢、誇り、約束、はたまた何でしょうか?

 同世代相手に難なく勝ち、それでも尚足りないことを目指しているからこそのあの練習量なのでしょう。

 ──気になる。私と同じように必死になる彼女が。

 わたくしにはただ純粋な興味が湧きました。

 そこからだったのでしょう。私の中でトウカイテイオーという存在が生まれたのは。

 

 気にするようにしてすぐに分かりました。

 彼女は曜日でルーティン化された練習をしているようです。

 練習開始も終了も殆ど毎日同じ時間。

 わたくしは始まってすぐにメジロ家の方に帰ったので多くは見ておりませんが、夏休みになろうとも、コースに行けば彼女はおり、相変わらず同じ時間に走り続けていました。そして、ほぼ最後まで。

 

 見ているだけじゃ、分からない。そう思ったわたくしは彼女に話しかけようと思いました。が、なんの接点も無いのでどうしたら良いのか分からず、彼女の後ろをちらちらと見ているだけで時間は過ぎていきます。

 練習を同じタイミングで終われば話せるかなと思ってみたり、帰りにいつもはちみつドリンクを飲んでいたのを見て同じタイミングで買いに行ったら話せるかもと実行してみたりしました。

 しかし、避けられているのか、運が悪いのかどうにも上手く行きませんでした。

 

 ところが冬になりかけてからのことです。運が良いのか悪いのか、学園内でたまたま見かけた彼女がキャンディーを落とすのを見ました。

 拾って追いかけます。

 

「そこの貴女、落としましたわよ」

 

 言葉遣いで内面を覆い、わたくしなりのメジロ家として相応しい姿でヒトと接します。

 

「ありがとうございます。あ……」

 

 受け取ろうとしてわたくしの方を向くと彼女は少し引き攣った顔で後ずさった。

 

「え、えっと……わたくし、べ、別に怪しい者ではありませんわよ!」

 

 咄嗟に言い訳が出てしまいましたが仕方のないことだと思います。

 しかし、話の流れはわたくしの想像を超えて行ってしまいました。

 

「え、でも僕のこと、ストーキングしてたのって……?」

 

「わたくしそんなふうに思われてたのですか?

 誤解、誤解ですわ!」

 

 あらぬ疑いをかけられていたので、咄嗟に否定してしまいます。

 どうやら声がかけられず、機会を探っていたことがバレていたようですが、ストーキングまではいっていないはず……ですわ。

 

「し、失礼します……」

 

「ちょっ、ちょっと、待ちなさい!

 貴女、わたくしのこと何か勘違いしてますわよね!」

 

 逃げられてしまったので、胸ポケットにキャンディーを差し、追いかけます。

 ここで誤解を解いておかないと、今後話しかけられなくなると思ったからです。

 流石は新入生トップということもあり、速いですが周りに人もいるので向こうも全力は出せないでしょう。

 ……と、思っていたらこちらを振り返ると速度を上げました。

 

「ちょっと、待ってください!」

 

 声をかけますが彼女は振り返らずそのまま走り去ってしまいます。

 

「は、はや……」

 

 ヒトの隙間を縫って速度を上げていく彼女に距離を空けられてしまう。

 すると彼女はスピードを維持したまま急カーブを曲がって見えなくなってしまいました。

 急いでわたくしも後を追いかけるとかなり先に姿が視えましたが、またすぐに曲がった後、完全に見失ってしまいました。

 

「あぁ、もう!見失いましたわ! 

 勘違いさせたまま変な噂にでもなったら……! 

 それにこのキャンディー、……まぁ良いですわ。次に会ったときにでも返しましょう」

 

 少し感情的になってしまい声を荒げてしまったので、一旦落ち着きましょう……。

 まさか硬い地面であそこまでのスピードを出すとは思っていませんでした。おかげで綺麗に撒かれてしまいました。

 

 気を取り直して、歩きながらこれからどうするべきか考えていきます。今後、一番の問題になるであろうことは、どうやって会うかですわ。

 恐らくトレーニング時では逃げられてしまう。

 できればそれまでに捕まえたいところですが……。また逃げられたらまた同じようなことになるでしょう。

 なので一撃必殺ですわ、気付かれていないうちに捕まえるのが正解な気がします。

 恐らくそこまで遠くには行っていないでしょう。それにトレセンがどれほど広かろうと、皆が通る場所は一握りです。

 そうと決まれば早速作戦行動に入りましょう。

 校舎近くに進路を変え、ヒトの多い通りに出ます。すると幸運なことに少し先に彼女が視えました。

 すぐに学園の地図を脳内に広げ、彼女の進行方向とそこに先回り出来るルートを考え、移動しはじめます。歩いているので駆け足で先回り出来るでしょう。

 ドンピシャですわ。配置につき、暫くすると目の前に右から彼女が現れたので、すかさず左手を掴む。

 

「捕まえましたわ」

 

 達成感のあまり声を出してしまいました。そもそも捕まえることが目的になっていましたが、元といえば何を目的としていましたっけ……。

 そう本来の目的を思い出そうとしていますと、止まっていたトウカイテイオーさんが動き始めました。

 わたくしの手を振り払おうと必死になって動かしています。

 

「ちょっ、ちょっと暴れないで下さい!」

 

 そう言うが彼女は抵抗を止めない。

 

「離して……っ!下さい……!」

 

 必死に抵抗する彼女を見て、ようやく本題を思い出せました。

 

「ほら、キャンディー返すだけですから!

 そんな声出さないでください!」

 

 彼女を掴んでいない方の手でしまっていたキャンディーを取り出し、返そうとします。

 すると周りから「何々、犯罪?」「あれメジロマックイーンとトウカイテイオーじゃない?」と声が聞こえてきました。直感が何かまずい流れになってしまったことを察します。

 

「あのとき貴方がちゃんと受け取っていてくれればこんなことにはならなかったのに……

 変な噂になったらどうしましょう……!」

 

 全く、面倒なことになりましたわね……。

 どう収束させようかと悩んでいると、彼女の方から話しかけてきました。

 

「どうして……ここで待ち伏せ、してたんですか?」

 

「貴方が急に居なくなりましたがそんなに遠くにはいないと思いましたので、近くを探せばすぐ見つかるんじゃないかと思いまして……」

 

 特に隠すことでも無いので正直に話します。

 

「なんで待ち伏せしてたんですか……?」

 

「それは、貴方が私を見つけてもすぐに逃げてしまうと思ったからですわ」

 

 現にこうやって捕まえていないと逃げられてしまいそうでしたので。

 

「ほら、キャンディーをお返し致しますわ」

 

「ありがとう……ございます」

 

 お互いに落ちついて渡せると思ったので彼女に渡します。彼女にも今度は素直に受け取って貰えました。

 

「あとわたくしはストーカーではありませんのでストーキングしたなどと言わないでください」

 

 周りへのアピールと彼女の認識を改めるため、そう伝える。

 

「え?」

 

「な、なんですの!その何言っているのか分からないみたいな顔と声は!」

 

 わたくしから見ても分かりやすいぐらい『このヒト何を言っているのだろう』という顔と声を出してこちらを見てくるものですから、声を出さずにはいられません。

 

「え、トレーニングのとk……」

 

「言わなくて良い!言わなくて良いですわ!

 ほ、ほら!もう用は取り敢えず済んだのでありがとうございました!」

 

 わたくしはこれ以上誤解を生まないよう急いで切り上げてその場から去ります。

 結局、特に何か話すことも出来ず、初めての会話らしい会話は終わりました。

 

 しばらく走って人があまりいないところまで来てベンチに座ります。落ちついてくると、先程の行動は色々と問題が有ったのではないのでしょうかと思ってしまいます。

 はたしてわたくしはメジロ家らしい行動をしていたでしょうか……?

 相手のことを考えず、わたくしのことを押し付けていませんでしたか?

 

 ……次に会ったら謝らないとですわね。

 今までのわたくしはメジロ家としてでは無く、そもそもヒトとしてあまり褒められるべき行動をとっていなかったのは事実。ですのでそのことはしっかりと謝罪をしなくては。

 はぁ……、次話せるでしょうか。彼女はわたくしにあまり好感触を持っていなそうですし、また逃げられてしまうかもしれません。

 

「はぁ……」

 

「よぉ、マックイーン!

 ため息なんてついてどうしたんだい?

 悩みならこのゴルシ様が聞いてやっても構わねぇぜ!」

 

 物思いに耽っていると、いつの間にかわたくしに纏わりつくようになったゴールドシップさんがわたくしの隣に座っていました。

 

「何もありませんよ、ゴールドシップさん」

 

「そうか?

 てっきりゴルシちゃんは最近マックイーンがお熱の子に嫌われちまって落ち込んでるもんだと思ってたんだが。

 ま!気のせいってことにしておいてやるよ。

 じゃあなっ!」

 

 嵐のように落ち葉を巻き上げながら走り去るゴールドシップさんに困惑してしまう。あの方と関わるときはいつもこんな感じです。そして、妙に鋭い。

 

「……結局、ゴールドシップさんは何がしたかったのでしょうか?」

 

 何がしたいのか常に分からない方ですが、そんな彼女に少し元気を貰えました。深く考えすぎてても駄目ですわね。

 次に会ったときのことは会ったときに考えましょう。メジロ家の者としてウジウジばかりしていられませんので。

 

 そうですね……。会ったときのことは会ってから考えるのでどうやって会うか、これが一番の問題ですわね。

 無難なところですが練習前が良いのではないでしょうか。練習後となると彼女はいつもヘロヘロなので、わたくしの都合で拘束してしまうのは申し訳ないですわ。それにわたくしとしても練習後にそんな体力は残っていませんわ。

 

 

 ──────────────

 ──────────

 ──────

 

 

 いました。昼休みも終わり、練習に出てくるヒトも増え始めたころ、わたくしは彼女のことを見つけました。

 彼女もこちらを見つけたようで目が合います。ですが、わたくしが事前にした予想とは異なり、彼女は逃げようとはしませんでしたので、彼女に近づき声をかけます。

 

「あの……本当に申し訳ございませんでした」

 

「えっと……?」

 

 流石にいきなり謝罪は意図が伝わらなかったでしょうか。

 

「貴方がわたくしのことを怖がっていることを知らずに追いかけてしまったことですわ」

 

「いや、それは僕も悪かったというか……」

 

「それにわたくし勝手に貴女のことを意識して、練習で付き纏うように思われてしまうような行動を取ってしまったことも、申し訳ございませんでしたわ」

 

 貴女に悪いことなんて一つもありませんでしたわ、なんてはプライドから言えず、何処かあんなに逃げ回らなくても良かったのではと思ってしまう自分を恥じる。

 

「えっと……じゃあ、なんでストーキングしてたんですか?」

 

「だから、わたくしはストーカーでは無いですわ。

 ……ただ少しだけ貴女が気になっただけですわ。それだけです」

 

 本当はどうしてそんなに頑張るのですかとか、貴女を突き動かす原動力はなんですのとか聞いてみたかったですがグッとこらえます。……が、中々反応を返さないでわたくしの目をじっと見つめてくるので恥ずかしくなりました。

 

「っ! そんなにじっと見てないで、何かちょっとは反応してください!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「別に怒っている訳じゃないんですから謝らないでください。

 はぁ……貴女って練習の時やレースのときはあんなに堂々としているのに、こうやって話すとなんだかちっぽけに見えますわね」

 

 このちょっと気が弱い娘がメンタルも重要になってくるレースの世界で強いのだから不思議なものです。

 

「すみません……」

 

 また謝って……。全く、変なヒトですわね。

 少し話の流れが暗くなりつつあるので明るくしましょう。

 

「まぁ、良いですわ。

 わたくしが一方的に貴女のことを知っているのもあれですし、何かの縁ですのでお互いに自己紹介しましょう。

 わたくしは、メジロ家のメジロマックイーンと申します。

 以後お見知り置きを。

 さぁ、貴女の名前もわたくしに教えてください」

 

 わたくしの在り方。メジロ家のメジロマックイーンとしての在り方の籠った自己紹介。

 さぁ、貴女の在り方はどうなのですか?と暗に伝えることで少しでも貴女のことを見てみたいのです。

 

「僕の名前はトウカイテイオー。

 いつか、ウマ娘たちの頂点に立つ者。

 よろしくおねがいします、メジロマックイーンさん」

 

 頂点。その言葉を簡単にいう者はこの世に沢山いらっしゃいますが、彼女の言葉には覚悟が視えました。それに伴った努力も。

 

「えぇ、よろしくお願い致しますわ。

 それとわたくしのことはマックイーンとでも呼んでくださいまし。

 わたくしも貴女のことをテイオーと呼んでもよろしいですか?」

 

「良いですよ、マックイーン……さん」

 

 呼び捨てしてもらうのは少しテイオーにはハードルが高かったのでしょうか。そもそも先輩を呼び捨てするのは難しいことでしたっけ。まぁ、このことは時間が解決してくれるでしょう。

 

「それではテイオー、わたくしはトレーニングに行くので。

 付いてきますか?」

 

「ずっと付いてきていたのは、マックイーンさんの方です」

 

 なんとも痛快な皮肉を言ってくるテイオーに背を向け、コースへと向かう。

 すると突然テイオーが何かに気が付いたように声を上げました。

 

「あっ!」

 

「どうかしましたか?」

 

「マックイーンさん、はちみーは固め濃いめダブルマシマシしか認めませんよ!」

 

「急に何か言い始めたと思ったらそんなことですか……」

 

 よく学園のヒトたちが買っているはちみつドリンクのことでしょう。わたくしもテイオーがよく飲んでいるのを見て一度だけ買ってみたことがありますわ。

 

「そんなこととは何ですか?

 僕にとってはちみーは生活の一部なんですよ。それをそんなことなんて言うなんて……」

 

「なんですって!? 

 あのカロリーの塊が生活の一部!? 

 テイオー、何か特別な減量とかして無いんですか!?それがあったら早くわたくしに教えてください!さぁ、早く!」

 

 あんなものを毎日取れるなんて有ってはなりません。そんな方法があるなら是非知りたいですわ。

 

「……僕はただ毎日走っているだけだって……」

 

「そんな訳が無いでしょう!? 

 わたくしは毎日のスイーツの量を我慢しながら生きているというのに……。

 余りにも理不尽ですわ……!」

 

 この世の理不尽を噛み締めながらやった練習の後、テイオーと一緒に濃いめダブルマシマシを楽しみましたわ。

 

 もちろん、結果は分かっていましたわ……。

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