トウカイテイオー転生もの   作:ふらんそすきぃ

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お出かけ

「ほらほら、テイオーちゃん! ちゃんと付いてきて」

 

 

「はいはい、付いていくから手を離せ」

 

 

 マヤノに手を引かれながらショッピングモールを進む。

 まるで久しぶりの散歩に喜ぶ犬みたいだ。

 

 

「まずはテイオーちゃんの服買わなきゃね!」

 

 

 と、言って引っ張られたまま、僕は服屋に連れてかれた。

 服屋に入ったもののオシャレなんて知らない僕にどうしろと言うのかね。

 

 

「オシャレが分からないテイオーちゃんのために、マヤがコーディネートしてあげる☆」

 

 

 キラッと効果音のしそうな笑みで、マヤノが僕をお人形にしてやると伝えてくる。

 まぁ、仕方ない。

 どうせ僕が選んでもロクな服装にはならないだろう。

 それならマヤノに決めてもらおう。

 

 

「よろしく頼むよコーディネーター」

 

 

「アイ・コピー!」

 

 

 マヤノは元気よく返事してテイオーちゃんはここらへんで適当に見ててね、と言って僕に似合いそうな服を探しに行った。

 

 

 言われたとおりに適当に見て待つ。

 あまり気にしていなかったが、この世界にはやはりウマ娘用と人間用で違う服が存在するみたいだ。

 ズボンとかスカートとかはウマ娘用には尻尾を通す穴がある。

 ウマ娘用の帽子には、耳を通す穴がズボン同様空いている。

 懐かしくなって人間用の帽子を被ろうとしてみるが、耳が押さえつけられて不快感を感じたのですぐに外す。

 

 

「テイオーちゃん……何してるの……?」

 

 

 どうやらマヤノに見られていたようだ。

 変なものを見るような目で見ないでくれ……

 

 

「それより服は?」

 

 

 話をそらしてどうにか逃げようとする。

 マヤノはそれを聞いてばっちりだよ! と手に持っていた服やズボン、スカートなどなどの中から、白シャツワンピースをこっちに見せてきた。

 

 

「じゃじゃーん! まずはこれっ! 

 試着してみてみて!」

 

 

 そう言ってマヤノはワンピースを渡すと僕の背中を押して試着室の中に入れられた。

 制服を脱いでワンピースに着替える。

 着てみて鏡を見てみるとあることに気が付いた。

 

 

「マヤノこれインナー透けるんだけど……」

 

 

「開けなくて良いから! えっと……じゃあ次はこれ着てみて!」

 

 

 そう言って隙間から渡されたのは黒色のTシャツとジーンズだけど、ジーンズの丈が異様に短い。

 Tシャツには白字で英語のテキストがプリントされてるが、え〜っと『No Pain, No Gain(痛みなくして得るものなし)』……? 

 ……なんでこれを選んだのだろうか。

 取り敢えずさっきのワンピースはハンガーにかけ直して、Tシャツとジーンズを着てみる。

 

 

「ほら着てみたよ」

 

 

「おぉ〜〜流石、テイオーちゃん! 

 スタイルは良いから、すっごく似合ってる!」

 

 

 スタイル"は"って……

 

 

「マヤノ、なんでこのTシャツ選んだの?」

 

 

「う〜ん、特に理由は無いけど〜、なんかカッコイイ〜って思ったからだよ☆」

 

 

 意味が分かってるかは知らないが、なんとなく僕に合っている気もしてきた。

 

 

「じゃあ、これにしようかな」

 

 

「よし決定〜♪ 

 じゃあ、次はこれ!」

 

 

「え、でもこれだけでいいじゃん」

 

 

「そうじゃなくて〜……

 えーと、ほらっ! 一着だけだと不便でしょ? 

 テイオーちゃんのお財布はまだまだ余裕ある?

 あるなら二着は買おうよ〜」

 

 

「でも、今まで苦労しt……」

 

 

「そーゆーことじゃあないもん! 

 取り敢えず、次これ着て!」

 

 

 どうやらまだまだ付き合わされるようだ。

 マヤノに流されるように次のを渡される。

 ちょっとでもこれ良いなぁ、と思ったらこれにすると言って終わらせよう。

 

 

 結局その後色々着させられたが、さっきのと追加で色々合わせやすそうな無地の白シャツとベージュの短パンを買うことにした。

 

 

 つい今さっき買った白シャツと短パンを着て店を後にする。

 思っているより高かった。

 ファッションって金がかかると聞いていたので、ちゃんとお金を持ってきていて正解だったようだ。

 

 

「うんうん! テイオーちゃんもキラキラになったねっ! 

 それじゃあ、時間もちょうど良いからお昼食べよっ!」

 

 

 そう言ってマヤノが僕を連れていったのは、僕一人なら絶対に入らないような某喫茶チェーン店だ。

 

 

 夏休みの日曜ってこともあって店内は混み合っていた。

 列に並んでメニュー表を見て何を頼むか考える。

 やばい……メニューには知らない言葉が多い。

 どれ頼めばいいんだ……。

 え、マヤノ……先にテイオーちゃん注文していいよ〜、そうじゃないってば。

 僕がこういうところ来ないの分かってるよね。助けて。

 え、マヤがお手本見せてあげる? 頼んだよ。

 

 

「抹茶クリームフラペチーノのトールくださいな!」

 

 

 ちょっと待って、知らない言葉あったぞ。

 え、僕の番? 

 

 

「えっと……、じゃあ、キャラメルフラペチーノを一つ」

 

 

 メニューを指差しながら注文する。

 

 

「サイズはどうなさいますか?」

 

メニューを見るがそれっぽい表記は無い。

 

「…サイズって、何があるんですか…?」

 

「サイズは、トール、グランデ、ベンティーからお選び出来ます」

 

 

 あ、このTallとかってサイズのことだったんだ……。

 

 

「じゃあ、トールで」

 

 

 どれくらいなのか全く分からなかったのでマヤノと同じサイズを頼む。

 その後ケーキを頼んで、フラペチーノと一緒に受け取ってマヤノがいる席に向かう。

 ちょうどマヤノは注文した商品の写真を撮りおえていた。

 ウマスタ映えとかいうやつだろうか。

 

 

「いっただっきまーす! ほらテイオーちゃんも食べよっ」

 

 

「う、うんそうだな。いただきます」

 

 

 おいし〜と食べるマヤノだが、この空気感にどうも慣れない。

 僕がご飯を食べるとき、普段は食堂の隅に暮らす孤食の民だ。

 こういったキラキラしてるところは、落ち着かない。

 そう思いつつ食べているが、味は美味しい。

 ケーキは美味しいし、フラペチーノもはちみーには劣るがめちゃめちゃ美味しい。

 普段来ないが、たまに来るのはいいかもしれない。

 ケーキを食べ終え、マヤノのマシンガントークに相槌しながらフラペチーノを最後まで楽しむ。

 マヤノが聞いてる〜テイオーちゃん!? って言っている気がしたが、聞いているぞ。

 入店するときに思っていたよりも満足して店を出た。

 

 

 店を出てマヤノが「歩き回って気になったところに入ろう!」と提案したから、マヤノの後に付いて行っている。

 僕が気になるようなところは、靴も少し前に買い替えたばかりなので特に無いからだ。

 マヤノに連れられ、いろんなオシャレな店に入って陽の光に殺されかけられていると、人だかりを見つけた。

 どっかで何かイベントでもやってるのだろうか? 

 気になったマヤノが人だかりに向かっていった。

 しょうがないので追いかける。

 

 

「あそこで福引やってるみたい。

 えーと、1000円以上のレシートで一回回せるって! 

 マヤたちも引こうよ!」

 

 

 マヤノが人が集まっていた理由を見つけたみたいだ。

 どうやらレシートは何枚持っていても一人一回のようだ。

 賞品は特賞から6賞まであって結構豪華だ。

 

 

「おじさん! これでお願いします!」

 

 

「はいどうぞー、レバーを持って大きく玉が出てくるまで回してください」

 

 

 マヤノがレシートを係の人に見せて今から回すようだ。

 何が出てくるかなとガラガラ鳴る福引特有の音を聞いて待っていると黒色が出た。

 

 

「はい! 5等のお菓子詰め合わせだよ」

 

 

「わーい! ありがと〜♪ 

 テイオーちゃん、帰ったら一緒に食べようね!」

 

 

 頷いて僕もレシートを見せてレバーを回す。

 マヤノが当たったし、まぁ6等でもいいかと思う。

 6等でもティッシュの箱が5個貰える。

 白が出てくると予想していたが、出てきた玉は何故か黄色だった。

 黄色って何等だ? 

 

 

 チリンチリンと高くて響く鐘の音が、至近距離から伝わってきた。

 

 

「おめでとうございます! 2等のNint○ndo Switchです! 賞品用意するからちょっと待っててね〜」

 

 

 2等!?

 こういうのってちゃんと当たりが入ってるんだなぁ…都市伝説のように思っていた。

 近くを通った人からもおお〜、と声が聞こえてくる。

 係の人が賞品を取りに行ったようだ。

 少し待っているとちょっと大きめな紙袋を持ってきた。

 

「はい、おめでとう〜」

 

 

 渡された紙袋を受け取る。

 こういうので当たったのって初めてだ。

 

 

「すごいよテイオーちゃん! 2等だよ、2等!」

 

 

「なんか実感が湧かないな……。

 それより、寮でやっても大丈夫なのか?」

 

 

「多分大丈夫だと思うよ〜。

 先輩とかが、たまに集まってやってるみたいなこと聞いたことあるもん」

 

 

 どうやら寮でやっても大丈夫らしい。

 誰かに渡すのも勿体ないので、マヤノと楽しもう。

 それはそうと、手荷物がだいぶ増えた。

 僕は結構満足したんだが、マヤノはどうだろう。

 

 

「マヤノ、僕は満足したんだけどどうする?」

 

 

「ん〜マヤもそろそろ満足したかな〜。

 あっ、そうだ! 

 最後にゲームソフト買って帰ろうっ!」

 

 

「それもそうだな」

 

 

 最後におもちゃ屋のゲームコーナーに寄る。

 マヤノは提案してたものの、今日はもうお金に余裕は無いようで、僕が買うことになった。

 マヤノにどれが良いと思う? って聞いたら、自分で買うんだから自分で決めなきゃ☆(意訳)と言われたので、適当に目に入ったのを2つ選んで買った。

 

 

「テイオーちゃん! なんでぷよぷ○テトリスとスマ○ラ買ったの?」

 

 

「なんか対戦出来そうだったから」

 

 

「おお〜! じゃあ今夜はマヤと勝負だね! 

 負っけないぞ〜!」

 

 

 マヤノはいつも早く寝るくせに、今日いっぱい遊びまくって、夜まで保つのだろうか? 

 そんな心配もしつつ、おしゃべりしながら朝とは違う格好で、寮へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、僕は一人でテ○リスでオンライン対戦をしていた。

 暗い部屋の中にカチャカチャとコントローラーの音が鳴り響く。

 マヤノと途中まで一緒に対戦していたが、疲れで寝落ちしてしまった。

 マヤノとの対戦は泥沼と化してしまった。

 

 

 初めの方は良かったのだ。

 二人ともまだ何も知らない状況だったから。

 でも好奇心からネットでテンプレートを調べ始めてからが駄目だった。

 マヤノも僕も頭の回転は速いし、ウマ娘特有の反射神経の良さもある。

 上手くなるコツやテンプレを覚えてぐんぐん成長していって、今日(正確には昨日)始めたとは思えなくなっていた。

 その途中で頭も使いまくったマヤノはもう無理〜と遺言を残してベッドに倒れ込んで寝てしまった。

 

 

 それまでマヤノと同様に頭を動かし続けて、脳が興奮状態の僕はなかなか眠れなかった。

 いつもと違って走っていないので、疲れてはいるが普段と比べるとそこまででは無い。

 身体が戦いを求めている。

 まだまだ対戦したいと。

 まぁ、要するに腕試しがしたくなったのだ。

 そうして今オンラインで画面の向こうの人間離れした人間なのか、それとも同類なのかよく分からない相手と戦っている。

 

 

 よし、この勝負も勝ち。

 レートが上がる。

 どんなことでも勝つことは気持ちいい。

 それが例えちっさなゲームの試合だとしても。

 

 

 ゲームは人間とウマ娘が同じルールに縛られて出来るからいいな。

 ゲームといえどもどうしても反射神経みたいな運動に関わる種族の違いはやっぱり出てしまうが、徒競走に競べればほぼ無いと言っても過言ではない。

 身体能力が反映されるようなゲームは……まぁ駄目だろう。

 ウマ娘が有利過ぎて人間とウマ娘で一緒にやることは無いだろう。

 

 

 あ、次のマッチングが始まったな。

 よし、次も勝たせてもらうからな。

 

 

 うわ、こいつ上手すぎでしょ。

 火力高すぎだってば。

 こっちも負けてられない、倍で返してやろう。

 それも耐えるのか、強すぎ。

 おいまじかよ……これでもくらえ!

 

 

 

 

 はぁ……危ない、本当にギリギリで勝てた。

 今の試合で体感10分近くあったぞ…。

 レートが上がるに連れて相手が強くなってきてだんだん勝ちづらくなってきた(負けるとは言ってない)

 これは努力が必要だな。

 もっと対戦して強くなろう。

 レースと同じで、相手が何をするか見ていれば色々と見えてくる。

 何でも大切な事は同じだな。

 

 

 疲れた。なんか腕が痛くなり始めた。

 今日はもう寝るか。時計をみたらもう3時すぎだ。

 こんなに楽しんでいたのか。

 流石にやりすぎだ。

 

 

 ゲームの電源を切って、僕はベッドに入って眠りに付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、僕はマヤノより遅く起きたら煽られたので、パワーアップしたゲーム力で黙らせた。




 筆者はこれを書くために初めてスタバに行ってキャラメルフラペチーノを飲みました。
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