気付いたら究極の男になってた件について   作:藤崎風花

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遅れてすまねぇ……最近モチベが復活してきたので次回はもう少し早く投稿される筈……。

見てくれる。応援してくれる人がいる限り、俺は止まんねぇからよ。だからよ、見捨てないでくれよ(半泣き)


練習試合。実力と誤りと誤認

 シュウのシュートがゴールへと叩き込まれ、エンシャントダークが先制点をもぎ取る。

 

 アンリミテッドシャイニングの速攻に合わせたカウンター。エンシャントダークが臨機応変に対応できるように調整してきたから、一番警戒していた白竜ではなく帆田がシュートを放ってきたから、〈ブラックアッシュ〉がどんどんと加速していく技だから。それらが複雑に組み合わさったが故の一点。蛇野相手にはもう二度と決まらないであろう戦法。だが、その一点さえ取れれば十分だ。

 

 

(先制点を取れたのは良い。でもあの状況で白竜に渡さない………やっぱり彼は何かが可笑しいと見て良さそうだね……)

 

 

 ふと、観客席に一人座っている牙山を見つめるシュウ。

 足を組んで偉そうにこちらを見下してくる牙山は、文字通りニヤニヤと笑みを浮かべていた。彼が今どういう心境なのかは、その気持ち悪い表情からは読み取れない。ただ、機嫌はそこまで悪くはなさそうなだけ。何を考えてるのか分からないのは、洞察能力に優れたシュウにとっては何とも歯がゆいものだった。

 

 

(まあ、あの人の考えが分からないのはいつもの事だし別に良いけど………白竜の実力も把握しておきたいし、皆に白竜にボールが行くように言ってみようか)

 

 

 最悪の場合、化身で無理やりにでも点を奪う事は可能だ。シュウの〈魔王の斧〉や林音の〈ギャロップバスター〉なら、蛇野からゴールを奪う事は容易いだろう。

 でも、それだと他のメンバーがチーム・ゼロに選ばれる可能性が低くなってしまう。化身が使えない分、他の様々な技量によって選ばれるのは当たり前の事。シュウ自身はそこまで興味はないが、選ばれるために必死に練習しているチームメイトを後押しするのはキャプテンとして至極当然の事。だから勿論白竜の放つシュートはシュウも全力で止めに行くし、そこから情報戦を仕掛ける。それが、現状シュウの考える中で一番この試合を制する事ができ、また今後に有利に働くであろう戦法だった。

 

 そうと決まれば皆にそう伝えにいこう。そう思い、シュウは皆のいる自陣へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先制点を取られたアンリミテッドシャイニングから試合再開。白竜から帆田、青銅へとボールが周り、ドリブルし始める。だが先程のカウンターで慎重になったのか、野谷が向かってくるのを確認すると笹山へとバックパスをした。

 

 

「もーらいっと」

 

 

「しまった……!」

 

 

 鋭いスライディングで笹山からボールを奪取するカイ。体勢を立て直してからシュウの方を見ると、彼の表情は「手筈通りに」と、そう言っているかのようだった。

 

 

(まったく………ウチのキャプテンはどうしてこうなのかね………)

 

 

 内心でそう愚痴を吐きながらも、先程シュウに告げられた言葉通り、白竜の近くにいる枝木へと大きくバックパス。元々の身体能力の高さとFW故のキック力が成せるパスだ。

 

 

「させるか!」

 

 

「………くくっ」

 

 

 これを好機と見た白竜が、枝木からボールを奪取。すれ違いざまに聞こえた押し殺したような笑い声に疑問を覚えるが、考えている暇はないと振り切る白竜。そして帆田へと繋げようと彼の方に視線を向けるが―――。

 

 

「はっ……?」

 

 

 帆田を取り囲むように二人のDFがガッチリとマークしていた。

 帆田に繋げるのは無理だと瞬時に判断し、MF達に打ってもらおうと後ろを見る白竜。でもその瞳に映ったのは、MF全員にマークがついている現状だった。

 

 

(俺一人だけをフリーに?何故だ。エンシャントダークにもバレているのか?)

 

 

「白竜!打てえぇぇぇ!」

 

 

 あからさまに自分がフリーにされている事に疑問を覚え、その場に立ち尽くしてしまう白竜。そんな彼を奮い立たせるように、GKである蛇野がそう叫ぶ。

 

 大声に驚いた白竜が蛇野の方へと視線を移す。彼の瞳からは、“全力で決めてやれ”とそう言ってるかのように感じられた。

 

 

「……やるか。ホワイト………ハリケェェェーンッッッ!!!」

 

 

 空中へと飛び、神々しい大風をボールへと集中させていく。

 極限まで溜め込み、上方から蹴り落とす。小さな暴風を纏ったシュートが、エンシャントダークのGKである芦矢へと襲い掛かる。

 

 

(完成………完成だ!)

 

 

 そのシュートはまさしく、白竜の思い描く〈ホワイトハリケーン〉そのものだった。

 だが、まだGKを破っていない段階で喜ぶのは不審に思われると、そう思ったのだろう。白竜は内心でそうガッツポーズをした。

 

 

「キル………ブリッジィィィッッッ!!!」

 

 

 芦矢の両手から放たれた暗黒の衝撃波が、〈ホワイトハリケーン〉を真正面から相手する。

 一歩。また一歩と、芦矢を少しずつゴールへと押し込んでいく。

 

 

「うおぉぉぉぉぉッッ!!!」

 

 

 芦矢がそう叫びながら、全身全霊でシュートを止めにかかる。

 一瞬の膠着の後、またもじりじりと押されていくが、それでも芦矢は諦めなかった。

 

 お互いの技がぶつかった衝撃か、芦矢を囲むように小さな爆発―――否、無数の光が発生した。

 この場にいる誰しもが、〈ホワイトハリケーン〉による得点を予知した事だろう。これ程までの威力は、今までの皆が見慣ていた白竜でも出せなかったのだから。

 だが―――。

 

 

「……は?」

 

 

 芦矢の呟きが、そう驚いたように紡がれる。

 光と煙が過ぎ去り、他の者も芦矢の姿が視界に捉えられるようになった。そして視界に捉えて脳が処理すると共に、皆芦矢と同じような反応をする事となる。

 

 

「……な、なんで―――」

 

 

―――なんで………完成した筈のシュートが止められているんだ……?

 

 シュートを放った白竜が、そう認めたくないものを見るかのようにそう口から言葉を漏らす。

 白竜の視界には、信じられない状況が映っている。否、この場にいる全員がそうであろう。シュートを止めて見せた芦矢すらも、驚愕を表情に浮かべているのだから。

 

 

「芦矢!」

 

 

「っ!あ、ああ!」

 

 

 一番早く状況を理解したシュウが、芦矢からボールを受け取ってそのままダイレクトでシュート。

 でもただのノーマルシュートが。それも自陣からのシュートなのだからゴールまで届く訳が無い。シュウだってそれぐらいは分かっている。だから、一番の理解者であり親友に全てを託した。

 

 

「カイ!頼む!」

 

 

「―――そういう事か。はあぁぁぁぁ!!!番人の塔……ルーク!!!」

 

 

 シュートではなく、シュウからカイへのパス。

 親友に応えるかのように化身を出現させてパスを受け取り、そしてダイレクトで放った。

 

 

「いっけぇぇぇぇぇッッッ!!!」

 

 

 《ルーク》はブロック化身故、シュートには余り期待は出来ない。だが、それは普通の状況なら。

 未だ状況を理解できていない者もまだいる。というか大多数がそうだろう。それならば速度が通常技の比ではない、化身の力を上乗せしたノーマルシュートが刺さる。普段は当たり前のように止められていても、相手に技を使わせなければゴールを奪えるのは必然的な事だった。

 

 

「――ッ!サーペント―――ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 判断が遅れた蛇野を嘲笑うかのように、カイのシュートは無情にもゴールネットに突き刺さる。

 

 前半12分、0-2。

 

 双方が予期していない形ではあったが、またもエンシャントダークによるカウンターによって、結果的に突き放されてしまったのだった。




・白竜

 蛇野との特訓が活きたのか、ホワイトハリケーンの威力を原作白竜よりも引き出せる事に成功。だが何故か止められた。この辺りは後々回収する予定です(適当)


・シュウ

 何か色々考えてる人。まあ原作でも割と頭脳派ポジだし多少はね?


・カイ

 公式からは何も言われてないけど、多分この子も亡霊ですよね?“シュウの良き理解者”ってあるし。ま、ただの独自解釈ですのであしからず。


・芦矢

 ホワイトハリケーンを止めた。すごいねー(棒読み)


・蛇野

 あれ、これゼロのGK芦矢にならない?やばいやばい
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