インフィニット・ストラトス ~原子力艦隊の父~   作:Bradford

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第2話

IS学園理事長室

 

デリック・レイ・メイナード。またの名を原子力艦隊の父。

 

彼の入学に際して、アメリカ合衆国、並びにアメリカ海軍からの理不尽と言っても過言ではない条件を突きつけられる。

 

・IS学園内での軍服の着用

 

・IS学園内での殺傷兵器の使用の許可

 

・アメリカ合衆国男性IS適正保持者特別保護法のみの通用

 

・IS学園、IS委員会からの指示に対する拒否権の付与

 

・第9艦隊、並びにアメリカ合衆国に関する有事の際の独立行動の許可。

 

・ISの任意使用権限の付与

 

・第9艦隊旗艦、空母デリック・R・メイナード率いる空母打撃群のIS学園への駐留の許可。

 

以上七点、並びにアメリカ合衆国男性IS適正保持者特別保護法が厳守されない場合、アメリカ太平洋艦隊並びにアメリカ艦隊総軍司令官の指示により、第9艦隊司令官デリック・レイ・メイナードのIS学園からの退学を行う。

 

どれだけ特記事項に守られた学園とは言え、ここまで無理矢理な条件があっただろうか。

 

轡木「ハァ…」

 

学園長の轡木十蔵はため息をつく。

 

IS委員会での会議の際、アメリカ海軍は日本付近に、オハイオ級原子力潜水艦の配備を行う事が予測されていた。アメリカ合衆国からの不信感が高まっているが故の行為だろう。と甘く見積もっていた。しかし、先日行われた空母デリック・R・メイナード率いる空母打撃群に対する攻撃により、それは現実となった。実際、アメリカは改良型オハイオ級原潜4隻をIS学園が射程に入る太平洋に配備した。

 

今もなお、オハイオ級は我々とIS学園に照準を定めているのだろう。

 

アメリカ合衆国との衝突。それだけは絶対に阻止しなければならない。

 

しかしそれらは問題ではない。

 

本当の問題はデリック・レイ・メイナード自身である。

 

よりにもよって、アメリカ合衆国ですら、彼の経歴、素顔をろくに知らないのである。送られてきた資料は約9割が黒く塗りつぶされており、アメリカ合衆国の政府機関、アメリカ海軍本部、CIA、FBI、NSA、DIA、NCISに尋ねても帰ってくるのは『何も知らない』の一言だけだった。

 

轡木「…まさか、アメリカですら素性を知らないとは」

 

織斑一夏と、デリック・レイ・メイナード。

 

出身、職業、年齢、経歴。そのすべてがまるで違う。

 

メイナード家の新たな当主でもあり、アメリカ海軍の原子力艦船の配備、開発を推進した男でもある。アメリカでは知らない者はいない人気者。尊敬され、慕われる存在であるがゆえに、日本の女権団や女尊主義者にとっては邪魔なのだろう。

 

しかし、なぜ軍服を着用させ、第9艦隊をIS学園に置くのかはまだ理解できない。何かしらの意味があるのかどうかも判らない。

 

今、私に唯一出来ることは、()()()の男性操縦者を受け入れることだけだ。

 

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