道化の元仲間は天寿に囚われる   作:時雨シグ

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作者は、1期を見た後に原作買いまして、1.2.3巻もってないんですよね。
なんで、おかしいところがあると思います。

擬音が分からない。

そして、お決まりの駄文です。

今回、8000字ほどです。



第7話* 怪物祭(モンスター・フィリア) 神様からの贈り物

side:ベル

 

 

ロキ様とフィンさんの謝罪から翌日。今日は《ガネーシャ・ファミリア》主催のパーティがあるらしい。なので、ダンジョン探索を早めに切り上げ、神様を送りだそうと考えていた。

 

 

 

ギルドへといくと、いつもより騒がしかった。

疑問に思いながらエイナさんに挨拶をする。

 

 

 

「おはようございます。エイナさん。」

 

 

「あ、おはよう、ベル君!今日は行くんだね」

 

 

「はい。それで、どうかしたんですか?何やら騒がしいようですけど」

 

 

「あ〜、それはね。《ロキ・ファミリア》のベート・ローガ氏が、外套を被った何者かと喧嘩して負けたらしいの。それで、Lv.5の彼を容易に倒したやつは一体誰なんだ!?って騒いでるんだよ」

 

 

「そ、そんなんですか...」

 

 

 

この様子を見ると結構広まっているのだろうか。

 

 

 

「でね、その人正体が分からないことから『正体不明(アンノウン)』っていう二つ名までついたらしいよ」

 

 

 

正体不明(アンノウン)』!?何それ!?てか、早くない!?まだ、2日しか経ってないよ!?それに、もう二つ名貰っちゃったよ!非公式だけど!

 

 

 

「へ、へぇ〜。それは興味深いですね。ええ」

 

 

 

少し驚いたが、平然を装う。....え、出来てない?そんなわけないじゃん......って、ホンマや! (何、書いてんだろ)

 

 

 

「まぁ、特に危険な人ではないっていう話だけど、何があるか分からないから気をつけてね」

 

 

「はい、分かりました。それでは、行ってきますね」

 

 

「うん、行ってらっしゃい!」

 

 

 

エイナさんの笑顔に見送られ、ダンジョンへと入った。

 

 

 

ダンジョン探索は今、6階層まで足を進めている。ダンジョンに初めて入ってから2週間ほどたっているのだが、もう飽きてきた。弱モンスターばかりで全然物足りない。いつか、ウラノス様に頼んで中層以降の説明書を貰って、中層以降に行ってみようかな。そう考えながら、早めに切り上げホームへとかえった。

 

 

 

 

「ただいま帰りました。」

 

 

「おかえり!今日は早いね!」

 

 

「ええ。神様がパーティに行くと言っていたので」

 

 

「それで、早く帰ってきたのかい?別によかったのに」

 

 

「まぁ、僕の自己満足ですので気にしないでください」

 

 

「そっか!...それで、ベル君。この服どうだい?似合ってるかな?」

 

 

 

クルッと一回転し感想を聞いてくる。とても可愛い。

感想を待っているので感想を伝える。

 

 

 

「ええ、とてもお似合いです。可愛いですよ、神様」

 

 

「そ、そうかい。照れるね〜、えへへ〜...」

 

 

 

だらしない顔で照れている神様。とても嬉しそうだ。

 

 

 

「....おっと。もうそろそろ時間だ」

 

 

「そうですか。楽しんできてくださいね」

 

 

「うん!....あ、そうだ。ベル君!僕、ちょっといろいろあって数日帰れないと思うんだ」

 

 

「何かあるんですか?」

 

 

「うん!ベル君には数日迷惑をかけるけど...、でも、楽しみにしといてね!」

 

 

 

楽しみにしといてね?何をだろう。気になったので聞いてみよう。

 

 

 

「何をですか?」

 

 

「それは秘密だよ!」

 

 

 

サプライズだろうか。気にはなるが、神様が秘密と言っている以上聞くのは野暮だ。

 

 

 

「そうですか。では、楽しみに待っておきますね」

 

 

「うん!それじゃあ、行ってくるよ!」

 

 

「行ってらっしゃい、神様!」

 

 

 

手を振りながら、タッパーをもってパーティ会場へと向かっていった神様。

....あの、神様?そのタッパーはなんですか?もしかしてですけど、料理をそれに入れるつもりですか?それは辞めてください神様。僕が恥ずかしいです!また今度、何か美味しいものをご馳走しますから!と、僕は心の内で叫んだが、届くわけがなかった。

 

 

_______________

 

 

『怪物祭』当日になった。神様は帰ってこずなかなか寂しい数日だった。初めてみる『怪物祭(モンスター・フィリア)』に心がはやる。1人で寂しいが、ないものねだりをしてもしかたがないので闘技場へと向かった。

 

 

 

メインストリートを歩いていると突然声をかけられた。

 

 

 

「おーい、そこの白髪頭!ちょっと待つにゃ!」

 

 

 

白髪頭と言ったので、僕のことかな?と、声がした方を向く。そこには、確か『豊穣の女主人』で働いていた店員さんがいた。

 

 

 

「えっと、僕のことですが?」

 

 

「そうにゃ!にゃーは、おにゃーを読んだにゃ! はいこれ!」

 

 

 

急にがま口の財布を渡された。

 

 

 

「えっと...何ですかこれ?」

 

 

「おにゃーは、シルのマブダチにゃ。だからこれを、あのおっちょこちょいに渡して欲しいのにゃ!」

 

 

 

頭にクエスションマークが浮かぶ。いや、突然渡されても困る。それに

、シルさんのがいる場所なんて分からない。いや、探そうと思えば分かるんだけどね。

 

 

 

「アーニャ。それでは説明不足です。ベルさんも困ってます」

 

 

 

そう言いながら出てきたのはエルフの店員さんだった。...おー、美人だ。あの時は、ちゃんと見ていなかったから分からなかった。

それにしても、この人もか。

 

 

 

「リューは何言ってるにゃー。店番サボって祭りを見に行ったシルに、忘れていった財布を届けて欲しいにゃんて、そんにゃこと言わにゃくとも分かるにゃー」

 

 

「と、言うわけです。すみません、言葉足らずで」

 

 

「は、はぁ...」

 

 

 

まぁ、別に届けるだけなら構わないけど、多分渡すことは出来ないだろう。でも、この頼みは聞くことにしよう。

しかし、リューか...。リュールゥに名前が似てるし、外見も瓜二つだ。リュールゥは芝居がかった慇懃でおどけた態度だったけど、この人はクールタイプな印象だ。

これもたまたまか、或いは...

まぁ、そんなことはどうでもいいか。今は、目先のことを考えよう。

 

 

 

「えっと、僕が代わりに届けたらいいんですね?」

 

 

「はい、そうです。生憎私たちは店の準備で手が離せません。大変迷惑をお掛けしますが、頼まれて貰えないでしょうか?」

 

 

「...分かりました。届けられるかは分かりませんが探してみます。」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「ありがとうにゃ。それと、シルはさっき出たばかりだから、今なら追いつけるはずにゃ」

 

 

「分かりました」

 

 

 

その場を後にして、また、メインストリートを歩く。

正直、渡せるのはいつになるか分からないし、この祭りに乗じてあの人は何かをする気がする。はぁ。また、巻き込まれるのかなぁ〜、と憂鬱な気分になる。

それと、いい加減鬱陶しい。オラリオについてからずっと見られてる。反応したら更にめんどくなくなりそうなので、気づいていないふりをしているが、そろそろやめて欲しい。と思いながら虚空を見るのだった。

 

 

_______________

 

 

「凄い人数だなぁ〜。50年前じゃあ、見られなかった光景だよ」

 

 

 

独り言を発しながらブラブラとみて回る。その最中、神様の神威を感じた。

 

 

 

「おーい、ベル君〜〜!」

 

 

 

神様の声が響いた。神様の声がしたほうを見るとこっちに走ってきていた。

 

 

 

「ベル君〜!」

 

 

「神様...?」

 

 

「...ふぅ。元気にしてたかいベル君!」

 

 

 

息を整え、調子を聞いてきた。

 

 

 

「え、あ、はい。元気でしたけど...。それで、神様はどうしてこに?」

 

 

「どうしてってそりゃあ、ベル君に会いたかったからに決まってるじゃないか!」

 

 

「そ、そうですか....用事は終わったんですか?」

 

 

「うん!バッチリだったよ!」

 

 

「それはよかったですね。...それで、その背中に持っての物はなんですか?」

 

 

 

神様は、布で包まれた細長いものを持っていた。

気になるので何なのか聞いてみた。

 

 

 

「これはね...、ホームに帰ってから教えるよ。それまではお楽しみってやつだね!」

 

 

 

気になるというか、形からして何となく分かるのだが、まぁせっかくなので楽しみにしておこう。

 

 

 

「それより、ベル君!2人で回ろうぜ!」

 

 

「ええ、回りましょう!...あ、でも、人を探しているのでそれと同時進行でいいですか?」

 

 

「別に構わないけど....誰を探してるんだい?」

 

 

「シルさんという『豊穣の女主人』の店員さんです」

 

 

「ふーん...女かい?」

 

 

 

低い声で言う神様。ちょっと空気が冷えた気がするのは気のせいではないですね。ええ。

 

 

 

「そ、そうですけど....」

 

 

「そっかそっかー。ベル君は、ボ・クとのデートで他の女の子に現を抜かすんだね?」

 

 

「...現を抜かすというか、先をしていたの....」

 

 

「ん?」

 

 

「...何でもないです...。でも、安心してください、神様。探すと言っても本当は探すつもりはないです」

 

 

「どうしてだい?」

 

 

「それは〜、なんというか、探しても意味がないと言いますか....」

 

 

「ふーん。何で?」

 

 

「....まぁ、それはいいでしょ。今は祭りを楽しみましょう!」

 

 

「....はぁ。うん、そうだね!....デュフフ....」

 

 

 

歩き出す僕達。最後の、デュフフ、が何を表しているのかは分からなかった。ちょっと、ゾワッとした。別行動します?そう言いたくなったのは秘密だ。

 

 

_______________

 

 

 

いつも以上にくっついて歩く神様。数日ぶりの神様の柔らかい身体に少し興奮してしまっている僕を、誰か殴ってください!お願いします!と、内心誰かに助けを求め叫ぶ。顔に出さないようにしているが、もしバレたら、神様は調子に乗るだろう。チャ〜ンスと言わんばかりに、これまで以上に接触が増えると思うわれる。容易に想像出来る。それでは、さすがに耐えきれない。ヴァレンシュタインさんという想い人が出来た以上、娼婦にいって発散など言語道断だ。だから、必ず顔に出してはいけないのだ。

 

 

長々と赤裸々に変なことを言ってしまったが、気にしないでおこう。き神様とのデートに集中するんだ。

 

 

 

「いやー、本当に賑やかだね〜」

 

 

「そうですね。人が多すぎて歩くのが大変でしたよ」

 

 

 

八割方は神様のおかげですけど。

 

屋台で食べ物を食べたり休憩したりと、オラリオでの初めての祭りを楽しんでいた。

 

 

 

 

そろそろか、そう内心呟く。

 

 

 

「神様。僕に捕まっててください」

 

 

「え...?あ、うん。分かったよ。...どうしたんだい、急に?」

 

 

 

僕の突然の言葉に戸惑う神様。

 

 

 

「もう少しで分かります。」

 

 

 

そして、

 

 

 

「も、モンスターだぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

『ガァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 

男性の叫ぶ声とモンスターの雄叫びがした方を向くと、群衆が円を描くようにつくるその中心に、モンスターがいた。白銀の長い毛を全身に生やし、筋肉隆々で大きな猿のようなモンスターが。

 

 

 

「シルバーバックか」

 

 

 

あのシルバーバックは『怪物祭』に向けて調教されていたはずのモンスターだと思う。どうにかして抜け出したんだろうか。いや、誰かの介入があったのだろうか。

そんな事を考えていると、先程まで辺りを見渡していたシルバーバックが、こちらを見てピタッと動きを止めた。正確に言うなら、神様の方を見て。もしかして、あいつの狙いは神様か?

 

 

 

「ね、ねぇ、ベル君。あのモンスター、僕たちの方をみてないかい?」

 

 

 

僕の後ろで不安そうな声を上げる神様。

 

 

 

「そのようですね」

 

 

 

低い唸り声を出しながらシルバーバックは一歩一歩、神様を見ながら歩を進めてくる。他の人達は、この隙にと逃げ出していく。

 

 

ここではまずいな。Lv.1を演じる以上戦闘とならば、人や民家、店などに被害が出てしまう。幸い、あのシルバーバックは僕たちを狙っているので、人がいない廃墟街へといこう。

 

 

 

「神様。ここで戦ってはまずいので、廃墟街へ行きましょう」

 

 

「う、うん。分かったよ!.....キャッ!」

 

 

 

神様をお姫様抱っこしてその場から離れる。

シルバーバックは『ガァアアアアアアッ』と、雄叫びをあげ僕達を追いかけてくる。

なるべく、人が巻き込まれない所を走る。

すると神様が声を上げた。

 

 

 

「すまない、ベル君!僕はこの状況に嬉しいと思ってしまっている!」

 

 

「そ、そうですか。それは、よかったですね?」

 

 

 

呑気なことを言っている神様。まぁ、怖がっている様子はなかったので良かった。

 

 

 

ここまで来れば大丈夫だろう。廃墟街に入ってからは走るスピードを上げたので、シルバーバックはまだ追いついていない。

神様を降ろし、口を開く。

 

 

 

「僕は、あのシルバーバックを倒すので、神様は巻き込まれないように後ろに隠れていてください」

 

 

「分かったよ。頑張ってね、ベル君!」

 

 

「はい!」

 

 

応援され、倒すことに気合いが入る僕。ナイフを取り出そうとしたとき

神様が声を上げる。

 

 

 

「あ!そうだ、ベル君。君はそのナイフで戦うのかい?」

 

 

「え?は、はい。そうですけど...」

 

 

「それなら、コレを使って欲しいんだ!」

 

 

そう言って後ろに背負っていた細長い布で巻かれたものを渡してきた。

中のものを取り出すため布をとる。布に巻かれていたのは、刀だった。

 

 

 

「刀ですか」

 

 

「うん。前に刀が使えたら、また使ってみたいって言ってたから、僕の神友のヘファイストスに頼んで作って貰ったんだ」

 

 

「へ、ヘファイストスってあのヘファイストス様ですか!?」

 

 

「うん。多分、あのヘファイストスだよ」

 

 

 

ヘファイストス様と言えば、鍛冶の神だ。ヘファイストス様が作るものはどれも超一流な品で、普通に買えば安くても数百万ヴァリスもするものなのだ。安くても数百万だ。これ程のもの、どうやって作ってもらったんだろうか。

 

 

 

「神様。これ、どうやって作ってもらったんですか」

 

 

「え、えーっと、それは〜...土下座して作ってもらいました...」

 

 

 

土下座!?神でも土下座するんだ!?関係ないけど、凄いな極東の人!神が使うほどのものを生み出すなんて!って、今はそれどころでない。

 

 

 

「お金は、どうしたんですか....?」

 

 

「....借金です」

 

 

「....何で借金をしてまでコレを作ってもらったんですか?」

 

 

「....それはね、ベル君にお返しがしたかったんだ。零細ファミリアである僕のファミリアに入ってくれたり、デートしてくれたり、この紐をプレゼントしてくれたり、日々の生活がベル君のおかげでとっても楽しいんだ。だから、何か返したいと思っていてね。そのときに、刀の話を聞いて、コレにしよう!とおもったんだ。....その刀がベル君に馴染むか分からないし、それで、使えなかったとしても、僕との『家族』の証として受け取って欲しいんだ」

 

 

 

.....ああ、ホントになんていい神様なんだ。お金がないのに土下座までして、僕のためにプレゼントしてくれたなんて....

 

 

 

「神様...ありがとうございます。本当に嬉しいです。このお返しはこれからずっとしていきます」

 

 

「ハハ。お返しされたら僕だって返していかないとね。....それに、喜んでくれて僕も嬉しいよ」

 

 

 

そう言った神様の笑顔はとても素敵だった。

 

 

 

「それでね、この刀なんだけど。僕の『神の恩恵(ファルナ)』が刻まれてるんだ。それに、僕の血とベル君の血を垂らすと.....」

 

 

 

神様が血を垂らしたので、僕も、指を切り血を垂らす。そうすると、刻印に光が走った。

 

 

 

「これで、この刀は僕の眷属である君にしか使えない」

 

 

「....そ、そんなことができるんですね....」

 

 

「うん。それに、『神の恩恵』が刻まれているこの刀は君と一緒に成長するんだ。それと、研磨もいらないんだよ」

 

 

 

....凄いものを作りますね、ヘファイストス様。流石です!

 

 

 

「....凄い刀ですね。....改めて本当にありがとうございます!神様!大切にしますね!」

 

 

「うん、どういたしまして!」

 

 

 

このようなことをしているうちにシルバーバックが来た。

 

 

 

「来たね」

 

 

「はい。では、神様は後ろに隠れていてください」

 

 

「分かったよ。頑張ってね!」

 

 

「はい!」

 

 

 

刀を腰に差す。そして鞘から抜く。

とても馴染む感じする。あの人以来だ。それに、性能も桁違い。あの人のも凄かったが、やはり鍛冶の神。次元が違う。でもこれは、僕が使うから真価が発揮するのであって、他の人が使ったらただのなまくらなのだろう。面白い特性だ。

色は漆黒と深紅でとってもかっこいい。鞘も柄、柄巻もその色合いになっている。鍔は金色だった。この色合いは僕にとって合ってるし、あの人のとに近しかった。

 

 

本当にありがとうございます。神様、ヘファイストス様。と、改めて感謝する。

 

 

 

追いつきたシルバーバックは、低い唸り声を出しながら僕を睨む。

 

 

 

「ちょっと遅れてきてくれてちょうど良かったよ。おかげで、少し神様と話ができた。....君でこの刀の試し斬りをしようと思うんだけど、悪く思わないでね。君が神様を狙っているのが悪いんだから」

 

 

 

そう言い構えをとる。シルバーバックも攻撃体勢になっている。そして、僕は言い放つ。

 

 

 

「来い」

 

 

『ルゥガァアアアアアアッ!!』

 

 

 

僕の言葉に雄叫びを上げ、距離を詰め、指を絡ませ両手で押し潰さんと振り下ろしてくる。

ふむ。手錠が邪魔そうだな。切ってあげよう。そう思い、振り下ろしてくる両手に着いている手錠の鎖を、後ろに飛びなから、

 

 

シィン

 

 

ドォーンッ!!

 

 

切る。振り下ろされた両手が地面を打ち砕き、砂煙が舞う。

 

 

 

「凄い切れ味だ」

 

 

 

距離をあけ刀身を鞘に納めた僕は、そう驚嘆する。あの太い鎖が空気を斬ったかのよう抵抗がなかったことに。

そして、シルバーバックは自由になった両手を見て、目がわらう。表情は見えないが、『やっと自由なった。これであいつを仕留めれる』とでも、思っていそうだ。

 

 

 

『ガァアアアアアアアアッ!!!」

 

 

 

先程よりも大きな声で雄叫びを上げ、片方の拳で殴りかかってくる。正直、さっきの攻撃の方が強いよね、と思うが気にしても意味がないので放棄する。

そして僕は、その攻撃を

 

 

 

パリィィィッン!

 

 

 

『グゥガァアアアッ!!?』

 

 

 

弾き返す。ミノタウロスのときもしたが、これは〈反射〉という、《アーツ》のひとつだ。これは、タイミングを合わせ相手の攻撃に当て、受け流したり弾き返したりして、相手のバランスを崩す【技術】だ。強すぎる攻撃は弾き返せないが、これくらいの攻撃なら弾くことが出来る。両腕でやられていたら、弾き返せなかっただろう。なぜなら、これは対武器用であるためで、拳は弾く技術ではないからだ。

 

 

素早く刀身を納め、顕になった胴体に刀を一閃する。

 

 

シィンッ

 

 

 

『グゥボォオォアアァァッ!!』

 

 

 

悲鳴を上げてシュュュと消滅したシルバーバック。大きな魔石を落とす。

 

 

 

ブンッ!

 

シィィ

 

カチッ

 

 

刀身についた血を振り払い鞘に納める。

この音が本当にいい。久しぶりに刀を使えたことに感動する。

 

 

 

「ベル君!」

 

 

「グゥエ!」

 

 

 

突然後ろから抱きついてきた神様。衝撃で変な声が出てしまった。

おっと、邪念が。

 

 

「お疲れ様、ベル君!かっこよかったよ!!」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

「あんな攻撃を跳ね返すなんて、凄いね!僕、びっくりしたよ!」

 

 

「そ、そうですか。それもこれも神様がくれたこの刀のおかげです....。この刀、本当に素晴らしいですよ。さすが鍛冶の神だと思いました」

 

 

「それはよかった。ヘファイストスもきっと嬉しいと思うよ」

 

 

 

しかし、気になってしまうことがある。これほどの代物だ。安いわけがない。神様は、借金したと言っていたが、どれほどのものなのだろうか。

 

 

 

「それで神様。先程借金したといってましたけど、どれくらい借金したんですか?」

 

 

「え...?そ、そんなことに気にしな.....」

 

 

「いくらですか?」

 

 

 

神様にされたように、僕も問い詰める。

 

 

「...い、言わなくちゃいけないかい?」

 

 

「はい」

 

 

「....4億ヴァリスです....」

 

 

 

4億!?これ、4億!?...いや、冷静に考えれば別にびっくりするほどでもないか。むしろ、もっと高くてもいいくらいだ。神友のお願いだから、少し安くにでもしてくれたのかもしれない。

 

 

 

「あの、神様。払えるんですか?」

 

 

「....一生をかけたら、多分」

 

 

 

ま、まぁ、それは返せるでしょうね。でも、プレゼントだとしてもその額は流石に申し訳ない。

 

 

 

「僕が払いましょうか?」

 

 

「それはダメだよ。これは僕が勝手にしたことだし、プレゼントだ。ベル君に払わせるわけにはいかない」

 

 

「...分かりました。でも、払う手伝いはしてもいいですよね?」

 

 

「...ベル君は気にしなくてもいいんだよ」

 

 

「....神様。僕達は『家族』なんですよね....?なら、助け合うべきだと思うんです」

 

 

「そ、それは....」

 

 

「それに、これはこれからしていく''お返し''のひとつです」

 

 

「.....」

 

 

「だから、僕も手伝っていいですか?」

 

 

「....分かったよ。ベル君がそこまで言ってくれんなら手伝って貰おうかな!この''お返し''は、またするね!」

 

 

「はい!」

 

 

 

神様の笑顔が咲いたこの晴天の日。あるところでは、暗い笑みを浮かべるものや、剣が折れ悲しむもの、モンスターが逃げ出したことに焦る人達。様々な情景が浮かぶ『怪物祭(モンスター・フィリア)』が終わり、僕達はホームへと帰った。

 

 

 

 

「おかえりなさい。神様。」

 

 

「ただいま!ベル君も、おかえり!」

 

 

「はい!ただいまです!」

 

  

 

こうしてまた、日が過ぎていく。

 

 

 

 

 

追記

数日ぶりの神様との睡眠。眠れなかった...。

でも、.....ああ、やはりすばら(殴。

あと、財布は帰る途中に会ったので渡しました。まる。

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

1巻が終わりましたね。
7話で1巻。早いのかな?

次回は エイナさんとのデート

では、さようなら。
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