今回は5000字です。
駄文です。
編集しました。
side:ベル
ヴァレンシュタインさんの膝枕の一件から翌日。マインドダウンは治り、今日もダンジョン探索をするため、いつものようにリリを待っていた。
と言っても先程から、あの茂みにリリの気配があるのだが、誰かと話してるようでなかなか出てこない。''そういう''関連かもしれないので、会話の邪魔をしてやろうとリリの名前を呼ぼうとしたが、その前に
「おい」
「...何でしょう?」
この人は確か、リリを襲っていた人だ。僕に話しかけてきたってことは、お誘いかな?まぁまずは、どんな話か聞いてみるとしよう。
「お前、あのガキとつるんでんのか?となると、何も知らねぇってわけじゃあるまいな?」
「何の話ですか」
「とぼけんな。お前、俺に協力しろ。一緒にあいつを嵌めるぞ」
やはりそういう話か。くだらないな。そう思っていると、相手は僕の表情を勘違いしたらしく、いい加減なことを言ってきた。
「そんな顔すんなって。お前も、あいつが溜め込んであるカネを狙ってんだろ?冒険者どうし、協力して役立たずの荷物持ちからたんまり巻き上げようぜ。な?」
首を斬り飛ばしてやろうかな。そう怒りが湧いてくる。だが、僕はこの人達だけを制裁することなど出来ない。なぜなら、リリが先に手を出しているので、こういったように冒険者が怒るのも仕方がないことだからだ。また、辞めるように言ったところで意味はない。
「嫌です。絶対に嫌で〜す」
「チッ!この糞ガキ...ッ!....チッ」
僕に煽られ手を出しそうになるが、リリがこっちに近づいてきていたため、去っていった。
「ベル様?」
「おはよう、リリ」
「おはようございます。それで、あの冒険者様と何を話してらしたんですか....?」
「別に大したことじゃないよ。世間話をしてたんだ」
「そうですか...」
「リリも何か話してたようだけど」
「いえ、別に大したことじゃないです。さっさと行きましょう」
そういい、ダンジョンに向かう僕達。リリの方は、僕を嵌める話だろう。今回、リリが僕を嵌めたあと、リリがあの冒険者らに嵌められるという展開になると思う。
そろそろか、リリの人生の選択が訪れるときは。
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夜。
終始暗い顔をしていたリリ。いつ、計画が始まるか分からない。だが、今日のことから考えると、実行日は明日だろう。
はぁ。まだオラリオに来て数週間。展開が早すぎることに憂鬱な気分になる。これからも、こんな風なことになるのかなぁ。と考えるが、さらに憂鬱になるのですぐに放棄し寝た。
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翌日。今日も変わらずリリとダンジョン探索をする。
ある程度潜ってから、リリに10階層に行きませんか?と言われた。別に拒否をする必要も無いし、そこで計画が行われるのなら行かないという選択肢はない。
10階層に向かう前に、リリから、バセラードを使ってみては?と言われた。僕が今使っているナイフでは、リーチが短くて攻撃が通りにくい。という最もらしい口上とともに。リリの計画には、とことんのるつもりなので貸してもらうことにした。
10階層。ここからはダンジョンギミックが仕掛けられ始める。視界を妨げる霧が発生し、方向感覚が鈍り敵の察知が遅れることがある。また、10階層から
そして、10階層を選んだのは、この霧を利用するためだろう。
ドゴン....ドゴン...
モンスターの足音が響く。霧でよく見えないなか、視界に現れたのはオークだった。ダンジョンに入ってから初めて見たけど、《外》のより、やはり大きい。
ウオオォォォ
「ベル様!来ます!」
生えていた木を根こそぎ抜き、僕に距離を詰め、その木を振り下ろす。その攻撃を、サイドステップでよけ素早く背後に回る。その時に、膝裏を切り行動不能にする。そして、悲鳴を上げるそいつの喉に、ナイフを突き刺す。
シュゥゥ、と消滅し魔石が落ちる。
「よし」
「ベル様、また来ます!」
押し寄せるオーク。さっきと同じ要領で、一対一に持ち込み屠っていく。また、オークが固まっているところには、【ヘル・フレイムボルト】を放ち殲滅する。
やがて、僕が戦っているうちに離れていくリリ。なるほど、そういうシナリオか。
はぁ。
じゃあ始めようか、喜劇を。
「リリ、やったよ!...リリ?どこ?」
...ボト
目の前に落ちてきたのは、モンスターをおびき寄せるためのアイテム。この匂いを嗅ぎ、興奮した数多のオークが集まってくる。
ヒュンッ!
「あ!」
飛んできた矢が、ホルスターを取り上げる。おおー、コントールが凄いな。と高い技術力に感嘆する。
おっと、演じなきゃ。そう切り替え、ナイフを奪ったリリに追求する。
「リリ!?何してるの!?」
「ごめんなさい、ベル様。もうここまでです」
「ど、とういうこと?」
「あいつに全部聞いたんでしょ?」
「何を!?」
「とぼけなくても大丈夫ですよ。では、折を見て逃げ出してくださいね。さよなら....、ベル様」
「リリ!?リリーーーー!!」
ダンジョンの暗闇へと姿を消すリリ。
今回の僕の演技も、なかなかよかったと思う。と自賛する。さて、コイツらを殲滅して、リリを追いかけよう。
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side:リリ
「人が良すぎですよ、ベル様は....」
奪ったナイフを胸に抱き、そう呟く。
「響く十二時のお告げ。【シンダー・エラ】」
そして、変身魔法を解く
「ベル様が悪いんです...。アイツにさえ会わなければ...」
少し寂しそうな顔で
「ううん、これでいいんです。ベル様も、冒険者なのですから...リリの嫌いな、冒険者なのですから!」
誰かに言い訳するように、そう叫ぶリリ。
さすがに今回は、心が痛むのだった。
「なんてことない、ただの武器。これじゃあ、高く売れませんね。やはり、あの武器ではなかったですか...」
最後の盗みは、いい結果ではなかった。ただただ、心を傷めただけだ。
リリが、何故、お金を集めているのか。それは、自由のためであった。《ソーマ・ファミリア》の主神は、酒のことしか興味がなく、ファミリアをまとめているのは団長なのだ。リリは自由のため、ファミリアを脱退したいが、それには多額のヴァリスが必要であった。不幸にも、リリはサポーター。自分では稼ぐことはできない。また、雇ってもらっても、不当な扱いを受けることなどしばしば。だから、いい武器を持っている冒険者を狙い、盗みを働いているのだ。
「っ!」
突然現れた人にこかされる。
「嬉しいじゃねぇか。大当たりだ」
その人の嬉しそうな声を聞く。
「うぉりぁ!」
「はぅ...!」
「散々舐めやがって。この....糞
「ぐふぅっ...!」
「はっ、いいざまだな、コソ泥。そろそろあのガキを捨てることだと思ってたぜ。ここらで網はってりゃ必ず会えると思ってなぁ」
「あ、あぁ....あぅ...」
髪を引っ張り上げながら、その人はさらに続ける。
「お前が使えるルートなんざ、この数個しかねぇ。手分けしてやってみりゃ、あっはは!俺のとこに来るなんてなぁ!」
「うぅ....」
「いいもん持ってんじゃねか。それも、魔剣なんてもってやがる!」
持っているものを剥がされ、物色するその人。ボコボコにされ、動くことさえもままならない。
そして、ここにさらに足音が近づいてくる。
「よう、早かったな。こいつは俺のとこに来たぜ。それで、お前らの言う通り、かなり貯め込んでるようだ」
他の人達が合流したのだろう。だがしかし、その人はこう言い放つ。
「そうですかい。ねぇ旦那、ひとつお願いがあるんですが.....、その荷物、全部置いてってくれねぇでしょうか?」
そう言いながら、あるものを投げる。
「..あ?...うおっ!..なっ!キラーアント!?」
その人が投げたのは、布で包まれたキラーアントの死骸であった。キラーアントの死骸によって、大量のキラーアントが押し寄せてくるのは有名な話だ。その特性をここで使うつもりなのだろう。
この状況に混乱する冒険者A。
「てめぇ!どういう事だ!?」
「あなただって、モンスターの餌になりたくないしでしょう」
「く、クソがっ!」
明確には言わないその脅しに、舌打ちをして逃げていく冒険者A。だが直ぐに、悲鳴が響き渡った。それは、もうそこまでキラーアントが押し寄せてきているということ。
「よう、アーデ。気分はどうだ?」
「.....」
「黙りか。で、聞くが。お前が貯めこんである場所はどこだ?」
やはり、それが知りたかったんですね。はぁ、もう終わりですね。と諦め、場所を教える。
もう生きて帰れないのなら、どうだっていい。
「ありがとよ。それで、お前に最後の仕事だ。このモンスターどもの餌食となって俺たちを支援してくれやっ、サポーターっ!」
冒険者から遠く離れた場所に、放り込まれる。そんなリリの周りに群がってくるキラーアント。
そして、その隙に逃げていく冒険者達。
今にも喰われそうになるリリ。
はぁ、もう終わりですか...。短い人生でしたね。ホント最高っの人生でしたよ!ハハ...!ハァ...いつも独りで、誰かに必要とされたかった...。だけど...もう終わる。地獄のような人生から開放されると喜ぶ。だが、
.......終わりたくない、死にたくない....まだ、自由にもなれてないのに、死にたくない。まだ、たくさんしたいことがあるのに、死にたくなんてない。このままで終われるか!という感情が湧き出てくる。
神様、これからはもっとまともに生きます。だから。だから、誰か...
「助けて...」
「その言葉を待ってたよ」
ボダァァァンッ!
神様に見捨てられても、騙して見捨てたはずの冒険者には、リリは見捨てられていなかった。
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side:ベル
フレイムボルト。と唱え、リリの周りに群がるキラーアントを屠る。刀を袋から出し、押し寄せてくるキラーアントらを、瞬く間に切ってゆく。マインドダウンする一回手前まで、魔法を放ち、遠くのキラーアントを殲滅していく。
そして、リリの元へと辿り着く。腫れている箇所がいくつもある。リリを嵌めた冒険者達にやられたのだろう。持っていたものも、無くなっていた。
「大丈夫、リリ?」
「ベル様.....どうやって、ここまで.....」
「あの後、別の冒険者が来てね。周りのオークがいなくなってたんだ」
その冒険者とは、ヴァレンシュタインさんだった。あの時、近づいてきているヴァレンシュタインさんには驚いた。話をしたかったが、リリのことがあるので、勝手にヴァレンシュタインさんに任せ、やってきたのだ。
「どうして......」
困惑するリリ。
「どうしてですか、何でリリを助けるんですか!?何故、リリを見捨てないんですか!?」
そう叫ぶ。先程、陥れたばかりなのに、何故助けに来たのか疑問でいっぱいになる。それは仕方がないことだろう。その叫びの問に対して、僕は
「そんなの、リリだからに決まってるじゃないか」
「っ!」
「そりゃあ、今までされてきたことが分からなかったわけじゃよ。でも、そんなこと関係ないくらいに、リリにいなくなってほしなかったんだ」
「......」
「それに、リリを助けることに、理由なんて必要ないよ」
「.....うえっ、うぇっ......!ううっ、うぅぅう......!」
泣き始めるリリ。そんな彼女を抱きしめる。
「ごめんっ、ごめんっ......ごめん、なさぁぁぁい!」
「うん....」
泣きじゃくるリリ。頭を撫で、背中をさすり、落ち着かせるのだった。
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リリを落ち着かせたあと、ダンジョンを出た。ずっと下を向いたままで、まだ心の整理がついていないのだろう。リリとは別れ、エイナさんに報告することがあったので、会いにいった。
「すみません。いろいろ心配をかけたみたいで。あと...、プロテクター無くしちゃいました...」
そう。落としてしまったのだ。リリのことを考えていたら、いつの間にか無くなっていたことに、気が付かなかったのだ。
エイナさんは、そんな僕を優しい目で見る。
「いいよ。ベル君が無事なら」
「ありがとうございます」
「それで、どうするの?」
「ええ、そうですね......」
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翌日。
「サポーターさん、サポーターさん。冒険者を探していませんか?」
「!」
「混乱しているんですか?今の状況は簡単です。まだ、駆け出しの冒険者が、仲間が欲しくて売り込みに来てるんです」
「ベル、様.....」
「また僕と一緒に、ダンジョンに潜ってくれないかな?リリ」
「.....はい!よろしくお願いします!ベル様!!」
差し出した手に、リリは万遍の笑みで手を乗せ、承諾する。
初めてリリが、心の底から笑顔になった顔を見れた。やはり可愛い子だと、再認識したのだった。
こうして僕は、新たな仲間とともに、新たな物語を綴っていく。
追記
リリがあの時、『助けて』と言わなかったら、助ける事はなかっただろう。ホントに、生きたいと思っていたことに嬉しくおもった。まる。
ありがとうございました。
次回は、番外編になると思います。
では、さようなら。