今回9000字程です。
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第12話* 神様とリリ ヴァレンシュタインさんとの特訓
side:ベル
リリと再契約した。二人の関係をリセットし、裏切りはなかったこととして改めて仲間となった。
そして、リリは死んだことになっている。もし生きていると知られたら、また襲われるからだ。
そして今は、神様にリリのことを知らせるため、ホームへと歩いている。
リリはシアンスロープに変身しており、僕は触りたい衝動にかけられている。そして、耐えきれなくて触るのだが
「ふぁっ....ベルさまぁ」
顔を染めなが悶える
「あ、ご、ごめん!つい!」
これがなかなかエロく、姿形のこともあって背徳感が凄まじいのだ。だけど、勘違いしないで欲しい。愛でたいという純粋な気持ちなだけで、邪なことなんて何ひとつ考えていないことを。
ホームへと着く。正直言うと、ちょっと不安だ。前、リリのことを言った際病みかけていたので、今回バチバチな雰囲気にならないか心配なのだ。
「り、リリルカ・アーデです。初めましてっ」
「君が噂のサポーター君か。ベル君から色々聞いてるよ」
「僕、お茶でも入れてきますね」
神様とリリはこれから真剣な話をするだろう。一度は裏切ったリリ。そこに神様が、真意を聞かないわけがない。よって僕は、邪魔者なので一旦場を外す。
「さて、まずは君の覚悟を聞こうじゃないか。サポーター君、君は二度と同じ過ちを繰り返さないと誓えるかい?」
真剣な表情で聞く神様。わざと僕が騙されたとはいえ、神様にとって、自分の『家族』を騙したことに変わりはない。
「はい、誓います。ベル様に、ヘスティア様に、何よりリリ自身に。だから、絶対に裏切りません」
リリもまた、真剣な表情で答える。当たり前だ。助けてくれた恩があるのに、それを仇で返すことなどしない。そして何より、ベルに惚れてしまったのだから...
「分かった。でも、正直に言うよ。サポーター君、ボクは君のことは嫌いだ。そりゃあそうだろ?ボクの『家族』を騙す行為をしたんだから。でも、ベル君は許した。いや、世界から君を許したんだ」
リリにはよく分からない言葉だった。分からないまま、ヘスティアは続ける。
「それと、なんだいそのしょぼくれた顔は?どうせベル君が責めないから、罪悪感に押しつぶされそうなんだろ?裁いて欲しくても裁いてくれないから。なら、ボクがベル君の代わりに君を裁いてあげるよ。.....ベル君の『
「え?」
「ベル君は、今までたくさんの''仲間''をなくしてきたんだ。そして、仲間を求めているんだ...。だから、よろしく頼むよ」
別れの辛さを知っているから、出会いは求めたくないと言う人もいるだろう。だけど、ベルは求める。仲間の大切さや楽しさなどが、素晴らしいものだと知っているから。仲間がいるからこそ、物語が描けるのだ。当たり前だが、仲間がいなくなるのはとても辛いし悲しいのだ。
「は、はい!」
ヘスティア様の言っている言葉は分からないけど、仲間になれるのならと返事をするリリ。
「でも!くれぐれも出過ぎた真似だけはしないようにっ!」
「え?」
「すみません。遅くなりま....」
ムニュッ
え?
「え?」
素っ頓狂な声をあげる僕。そして、僕に抱きついている神様は悪い顔をして
「さて、改めて....初めまして、サポーター君。ボ、ク、のベル君が世話になったねえ」
と言う。ボクのベル君に手を出すんじゃない、この泥棒猫!、とでも思ってそうだな顔で。あー、一波乱ありそう...
そして、
「いえいえこちらこそ〜っ。ベル様にはいつも、リ、リ、に優しくしてもらってますからぁ〜」
と神様に対抗するように身体をくっつけてくるリリ。バチバチする二人。あー、やっぱりですか....と虚空を見るのだった。
_______________
あの後、リリにここで住まないかと聞いだが、迷惑がかかるとの事で住まなかった。
リリが、ホームを出ていったあと、僕は《ソーマ・ファミリア》のことを聞くためギルドに向かった。
相変わらず喧騒が広がるギルド。中に足を踏み入れ、エイナさんを探す。
「ベル君?」
「エイナさ.....」
ん?...あ、アイズ・ヴァレンシュタインさん!?ど、どうしよう!?心の準備が...っ!よ、よし、一先ず退散と行こうか!
「あ!待ちなさい、ベル君!」
制止の声が響くが聞こえない。とても焦っていて、周りが見えていなかった。なので、筋肉隆々の男性にぶつかり、尻もちをついてしまう。
「す、すみません!」
と謝り、再び逃げようとしたら
「んぐっ!」
何かにぶつかった。顔を引き見てみると、尻だった。
え、尻?....ヴ、ヴ、ヴァレンシュタインさんの尻だ!!え、あ、えっと...ありがとうございます!!...あ、ちがっ...!と、焦りに焦り内心謝らずにお礼を言ってしまった。
「何してるのベル君。いきなり逃げるなんて失礼でしょ!」
脳内ピンクになっているところに、冷水をかけられたかのようにエイナさんが声がかかる
「す、すみません!え、えっと突然の事で焦ってしまって....それで何かようですか?」
「ヴァレンシュタイン氏が、キミに用があるらしいの」
なんだって...?もしかして、デートのお誘い?と馬鹿なことを考えていると、ヴァレンシュタインさんが声をかけてくる。
「ねぇ」
「は、はい!」
「この前、ダンジョンでオークに襲われてたよね?」
「え、ええ、そうでしたけど....」
「これ、君がいなくなったあとに落ちてたから、返そうと思って」
そう言って見せてきたのは、エイナさんから貰ったプロテクターだった。リリのこともあり、すっかり忘れていた。
それを受け取り、お礼を言う。
「拾っていただきありがとうございます!」
「うん。...それとね、ずっと謝りたかった」
「?」
謝られることなんてされた記憶がないので、頭に?が浮かぶ。
「私が逃したミノタウロスのせいで、君のこといっぱい傷つけたから...ごめんなさい」
あー、そういう事か。でも、ヴァレンシュタインさんが気に病む必要はない。だって、あれは僕が自分でやったことだから。頭をさげて謝るヴァレンシュタインさんに罪悪感がでる。ヴァレンシュタインさんは悪くないことは伝えておかないと。
「ちょ!頭をあげてください!ヴァレンシュタインさんは全然わるくないですから!むしろ、僕の方が悪いですよ!助けていただいた恩があるのに、お礼も言わず逃げてしまって...、ごめんなさいっ!」
「え、えっと...でも...」
「ホントに僕は気にしていないので、大丈夫です!」
「....ホントに?」
「ええ」
ちょっと不安げだった顔が、良くなるヴァレンシュタインさん。あぁ、可愛い...と思ったのだった。
__________
「ダンジョン探索、頑張ってるんだね」
「え?」
「こんな短期間に十階層に辿り着いて、すごいね」
あの件は終わり、少し話すことになった。
そして、突然褒められたことに困惑する。
「い、いえ、そんなことないですっ。もっと強くならないといけないのに...」
「なんで?」
「....認められたいです。目標の人に、みんなに...」
ヴァレンシュタインさんの横に並ぶためにはLv.をあげて、みんなに認めて貰わないといけない。ベートのように突っかかってくるものがいるかもしれないから。だから、早くLvを上げたいと思っているのだ。
これから、外套を被らずに実力を出すことがあるか分からない。なら、Lvをあげる方がいいと考えている。幸いにも僕は、ステータスが上がりやすい。
でも、ファミリア間での恋愛禁止が一番の壁。ウラノス様にでも、頼めないかな。
「...戦い方とかどうしてるの?」
「独学ですね。戦い方を教えてくれる人はいないので」
「じゃあ、私が教えてあげようか」
「え?」
突然の提案に、ほうけてしまった。教えてあげる?それは、ヴァレンシュタインさんにいうことですか?...なんだそれは!最高じゃないか!ヴァレンシュタインさんの戦い方を知れるし、一緒にいられる時間も増える!やったー!と内心喜びで叫ぶ。
「い、いいんですか!?」
「うん」
あー、あなたが本当の女神様でしたか。と崇拝するのだった。
その後は、何時どこでするかを決め、それぞれホームへと帰った。
道中もホームに帰った後も、喜びによる興奮で落ち着かなかった。神様に心配されたが、ヴァレンシュタインさんとの訓練を知られたら、面倒事になるので秘密にしておいた。
_______________
翌朝。オラリオを囲む壁の上に来ている。訓練は、早朝の壁の上ですることになったからだ。
「えっと、それで、ヴァレンシュタインさん...」
「アイズ」
「え?」
「アイズでいいよ。みんなもそう読んでるから。嫌?」
「嫌じゃないです!」
電光石火の返答。頭で考えるより先に口が動いていた。
名前呼びの許可がでたので、早速呼んでみようか。
「あ...、アイズ、さん」
やばい。なんか分からないけどやばい。好きな人を名前呼びするのって凄くやばい。と照れるベル。語彙力が死んでしまった。
照れ隠しのため、さっきの続きを言う。
「そ、それで、訓練は何をするんでしょうか?」
「何をしようか...」
「え?」
決めてなかったんですかアイズさん。ポンですか?でも、そこが可愛いです。
「昨日からずっと考えてたんだけど....君は何の武器を使ってるの?蹴りは体術は使うの?」
「えっと、武器は刀とナイフをつかってます。体術は一応」
「貸して」
「あ、はい。」
差し出された手に刀を渡す。
「こう?.....こう?.....こう?」
色々な構えをするアイズさん。可愛い。天然さんなんだね。とにやけてしまいそうになる。
「一旦、整理しましょう...!?」
可愛いアイズさんに、気が抜けてしまっていたんだと思う。アイズさんの顔が、キリッとした直後、頬に回し蹴りを放ってきた。それを、避けられるわけがなく、ぶっ飛ばされる。それで、頭のうちどころが悪かっのか意識が朦朧とする。やっぱり、アイズさん...天然なんだ。と内心呟いたあと、気絶したのだった。
_________
意識がだんだんと戻ってきた。
「う...」
目を開けると目けると、アイズさんの顔があった。一瞬で覚醒する。
「はわわわ!」
驚きで変な声を出していしまう。
「す、すみません!気絶してしまって!」
「ううん。あれは私が悪い。だから、気にしないで,。それで、大丈夫?」
「え、ええ。大丈夫です。」
「そう...。なら闘おう」
「え?」
「いっぱい闘うことで、色々なことを感じて、それで嫌でも身につく。...いくよ」
「...はい」
そこからは、たくさん闘った。Lv.1を演じているので、気絶したり意識が朦朧としたりを繰り返す。痛いが、耐久値をあげるのにもってこいだった。
特訓を終えると、いつも通り昼前からリリとダンジョン探索をした。
_______________
数日経った頃の、いつもの訓練。アイズさんは、眠そうだった。
そして、
「昼寝の練習をしよっか」
「ん?」
昼寝の練習とは?
「ダンジョンでは、いつでもどこでも、寝られるようにしないといけないから」
なるほど。でも、それって...
「もしかして、眠いんですか?」
「訓練だよ」
「は、はい!」
有無を言わさぬ顔で言うアイズさん。気押されてしまった。だけど、ホントは寝たいけど恥ずかしくて訓練と言うところ。アイズさん、可愛すぎます。
そして、寝転ぶアイズさん。
「寝ないの?」
「い、いえ!寝ます!...し、失礼します」
横にならない僕を見て、そう言ってきたので、僕も横になった。そして、アイズさんはと言うと、
「....スー.....スー.....」
寝ていた。
「いや、早いな!」
早すぎて、思わず突っ込んでしまった。
「っ!」
ここで、アイズさんの顔を見てしまったのは失態であった。キメ細やかな白い肌、柔らかそうなほっぺや唇。サラサラそうで綺麗な金髪な髪。あまりにも可愛すぎる。僕の顔が、だんだん近づいてしまっているのが分かる。止めたくても、止まらない。もういっそのことキスをしてしまおうかと。心臓がバクバクとなり、苦しくてうるさい。あともう少し、と言うところで...
「待っ...てて...」
「はっ!」
その言葉に目が覚め、すぐさま飛び下がる。一体僕は何をしようと!?と自分の行動に動揺を隠せない。そして、襲おうとしてしまった自分に嫌悪を抱く。
「はぁ、何やってんだ....」
それにしても、待ってて、か...。ここ数日、ちゃんと接してきてから、アイズさんが何か焦っているのを感じ取っていた。この言葉がどういう意味なのか分からない。もしかしたら、アイズさんも何かに''囚われている''のかもしれないと思ったのだった。
___________
あの後、僕も睡眠をとった。
そして今は、街を歩いている。
「アイズさん、どこに行くんですか?」
「お腹が空いているみたいだっから、何か食べよう」
「確かに、空いてますけど...」
「うん。それに私も空いてるから。....すみません。ジャガ丸くんの小豆クリーム味、二つください」
「は!?」
「いらっしゃいませぇぇぇええ!?」
「クリーム多め、小豆マシマシで」
「「......」」
今の状況を説明しようか。アイズさんが、ジャガ丸くんを頼んだ屋台には、虫の触覚をつけた神様がいて、その神様は、女の子といる僕を見て驚いている。そして、アイズさんは追加注文している。
僕は咄嗟に、あー...虚無ろ。と思い虚無る。そして、
「なーにをやっているんだ君はぁああああああっっ!?」
と神様が飛びかかってきた。
「まったく!次から次へと君はぁ!それに、とうとう!ついに!よりにもよって!この女までぇぇぇっ!」
半泣きになりながら怒る神様。虚無る僕。小首を傾げるアイズさん。可愛い。そして、なんだなんだと見てくる通行人。なかなかカオスな状況であった。
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「じゃあ、あと二日だけだって言うんだね」
すぐ側にあった路地に入り、神様が言ってくる。
「はい。《ロキ・ファミリア》の遠征が始まるまでという約束でして。いいですか?」
「いや、別にいいんだけどね...ちょいちょい」
神様に手招きされたので近づく。そして、小さな声で耳打ちをしてきた。
「特訓って言ってたけど、君はする側じゃないかい?」
「ええまぁ。でも、僕はLv.1ですので」
「いや、そうなんだけど。でもそれって、ただ一緒にいたいだけだよね?」
「そ、そうですね...。正直最高です」
僕の言葉に、神様はムッとなりアイズさんの方へと向く。
「..ふんっ!....ヴァレン何某君!ボクのベル君に変な真似はしないでくれよ!」
「はい」
「誘惑なんてもってのほかだからなぁ!」
「はい?」
何を言ってるんですか神様。誘惑なんて、どんとこいですよ!と意味のわからないことを内心声をあげた。
「僕のベル君なんだからなぁあっ!!」
そう叫んだあと飛び着いてきた神様。神様の胸に挟まれ息苦しくなる。
思ったよりも自分の胸が顔に押し付けていたようで、恥ずかしなった神様に弾き飛ばされ尻もちをつく。最高でした。
そして、弾き飛ばされた僕の近くに来たアイズさんに、いい神様だね。と言われ、距離が近い僕たちにまた声をあげる神様。そんな神様を見て、忙しいですね、神様。と呟くのだった。
その日の夜前。アイズさんと帰宅している最中に、何者かに襲われた。だが、魔法を使ったあと直ぐに立ち去っていった。
僕の方は一人だったけど、アイズさんの方は四人相手だったので、幸い怪我はなかったが少しボロボロになっていた。よし、誰だか分かったらボコボコにしてやろう。と決心するのだった。
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特訓最終日
昨日、何故か特訓後にシルさんに仕事を押し付けられた。少し黒いオーラが出ていたが、気にしたら負けなので気にしなかった。
皿洗いをしていたのだが、その最中『ランクアップ』について考えていた。一緒にいたリューさんに教えられたが、『偉業』を成せばレベルアップ出来るらしい。僕は、どんなことを成せば『偉業』となるのだろうか。強敵を倒す?いや、ダンジョンのモンスターより強いモンスターなど、たくさん倒してきた。なら、気持ち次第でいけるのだろうか。と。まぁ、まだ先の話だ。おいおい考えるとしよう。
あ、そういえば、アイズさんがLv.6になった。おめでとうございます。明日、激励しよう。
_______
「アイズさん、Lv.6おめでとうございます!」
「うん。ありがとう」
《ロキ・ファミリア》の遠征の前日、特訓最終日。レベルアップしたアイズさんを祝う。
「それでは、今日もよろしくお願いします!」
構えをとらず、僕を見てくるアイズさん。そして、口を開いく。
「...ねぇ。聞いていい?」
「何をですか?」
少し口篭るアイズさん。何を言うつもりなんだろうか。
「....君は、何をそんなに''求めている''の?」
「!?」
突然のことで、驚きで声が出なかった。
内心ザワザワしながら問いかける。
「な、なんのことですか....?」
「この数日、君と訓練しているときにずっと思ってた」
「....なんで、そう思ったんですか?」
「分からない。でも、君を見てたら、そう思ってた....」
「そう、ですか...」
アイズさんに言われたとおり、僕は求めている。何を求めているか。それは、仲間。そして、''死''。半永久的な寿命を得てしまったであろう僕は、死''を望んでいた。死にたくても死ねない。死にたくても死ぬのが怖い。という矛盾がかけめぐっていた。
人は、殺しや病気、自殺で死ぬより寿命で死んだ方がいいと思うものだ。僕だって、寿命で死にたい。アイツの言葉もあるしね。
そしてこの瞬間、僕は決心する。
「アイズさん。少し時間とれますか?聞いて欲しいことがあるんです」
アイズさんには知ってもらいたい。好きな人であり、守りたい大切な人だから。
「うん、いいよ...」
「ありがとうございます」
お礼を言い、昔を語っていく。数千年前に生まれたこと。精霊を助けたこと。アルゴノゥト達と冒険していたこと。自分だけが、何故か死なないこと。人との出会いや別れのこと。最近のこと。
語っている間、アイズさんはしっかりと聞いてくれた。
「....ということです。...まぁ、色々長く話しましたけど、信じてもら...」
「信じるよ」
「...え?」
言葉を遮って言ってきたアイズさんの言葉に呆ける。
「信じるよ」
「...嘘だと思わないんですか?」
「うん、思わないよ。君の顔を見てたらわかるから」
「.....」
嬉しかった。信じて貰えないと思ってた部分もあったから。
「あ、ありがとうございます...!」
お礼を口にする。あ、あの時の事謝っておかないと。
「あの、ミノタウロスの時のことと今までのこと、騙しててすみませんでした!」
「ううん、気にしないで。ミノタウロスを逃した私が悪いし、隠すのにも事情があったんだから」
「....分かりました」
「それ」
「はい?」
「あなたの方が歳上なのに、そんな敬った喋り方しなくていいよ?あと、さん付けもいい」
敬語、さん付け無しでいいよ発言。マジですか!ヤッター!と喜ぶ。
だけど、アイズさん呼びもまだ慣れてないのに、もう呼び捨てはちょっと恥ずかしいなぁ...。ふぅ。落ち着けベル。噛まずに言うんだ。
「わ、分かったよ。あ...アイズ...」
ふっ、無理だったわ。
「うん。....それじゃあ、始めよう。それと、今回は本気できて」
「...わかった。じゃあ、いくよ...」
そこからは、けたたましい剣撃が繰り広がっていた。細剣と刀の単純な攻撃。数秒で何合も打ち合う。言葉などいらない、剣で語り合う。
それは、たった数分の出来事。打ち合いを辞め、刀身を納める。
「強いね」
「まぁ、数千年も闘ってたらそりゃあね」
ここで、僕も聞いてみたいことがあったから聞いてみる。
「僕も一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「なに?」
「アイズは、なんでそんなにも''焦っている''の?」
アイズに、聞かれたように僕も聞く。
そして、暗い顔をするアイズ。聞かなかった方が良かったかなと後悔していると、アイズは口を開く。
「....私の両親、黒龍に殺されたの」
「......」
「それで私は、強くなって黒龍を倒さないといけない。復讐したい」
「それが、焦っている理由?」
「うん」
そうだったのか。今まで、黒龍に家族を殺され、恨みをもつの者はたくさん見てきた。
アイズは、倒すために冒険者になったのだろう。だが
「焦っている理由は分かった。けど、アイズ。焦っていては強くなることから遠のいていくだけだよ。今は、たまたま強くなっていっているだけ。これからは、どうなるか分からないよ」
「...うん、知ってる。リヴェリアにも言われた。でも、私はっ....!」
「...ならアイズ、僕とまた特訓しない?」
「え?」
「正直いって、アイズは対人戦に強くない。ダンジョンモンスターは、人より攻撃手段が少ない。それに慣れてしまっているから、対人戦が劣る。そして、黒龍は人より攻撃手段が多いし強い。僕だって勝てない」
「.....」
「いつになるかは分からない。でも、いつか必ず倒せる。僕も倒したいと思ってるし、なにより君の為になりたい。だから、一緒に強くならない?」
そう言って手を差し出す。
アイズは少し考え、そして手を取る。
「うん。よろしく」
という言葉とともに。
そろそろ終わりの時間だ。最後にまた、お礼を言う。
「この一週間ありがとう」
「私も、ありがとう。楽しかったよ」
「そう?ならよかった。明日からの遠征、頑張ってね。絶対生きて戻ってくるんだよ」
「うん。ベルも、頑張って。...それじゃあ、またね」
そう言って、降りていったアイズ。
今日、かなり距離が近づいたんじゃないかと思った。僕のことも話せたし、アイズのことも教えてくれた。特訓することにもなったので、これからも会える。
僕は嬉しさを滲み出しながら、ホームへと帰った。
神様に今日のことを報告した。優しい顔になり、良かったねと言ってくれた。いい神様だ、本当に。だがその後、呼び捨てと敬語がなくなり、距離が近くなっていたことに、感情を爆発させる神様。あ、いつもどおりの神様でしたわ。と内心呟いた。
こうしてまた、日が過ぎていく。
追記
握手をした時、アイズの頬がほんの少しだけだけど、紅くなっていたのはどういうこと?
あと、アイズって色々やわらかi...... まる。
ありがとうございました。
アイズには、少し意識させてみました。
次回は、ミノタウロス
では、さようなら