6000字程です
先日、評価がつきました。ありがとうございました。
編集しました。
第14話* 二つ名 ヴェルフ
side:ベル
今日は、エイナさんにLv.2になったことを報告するためギルドに向かった。正直、Lvが上がったことは隠しておきたかった。なぜなら、ランクアップ所要期間一ヶ月半。アイズの約一年を大幅に更新し、世界最速ランクアップ保持者となってしまったからだ。これほどにも珍しく面白い子供がいるとなると、神は黙っていない。絶対に面倒なことになるはずだ。だから、隠しておきたいのだ。
そうこう考えているうちに、ギルドに着いてしまった。憂鬱な気分になりながら、エイナさんがいる受け付けへと行き声をかける。
「こんにちは、エイナさん」
「あ、ベル君、こんにちは。どうしたの?そんな暗い顔して?」
「まぁ、色々ありまして...」
いや、本当に色々あったよね。昨日は、リリに心配されたり怒られたりで、宥めるのに大変だった。その後は、リリに抱きつかれて、それによって神様も対抗心で抱きついてきてと、たいへん天国でした。いや、天国だったんかい。
「何か分からないけど、大変そうだね。それで、今日はどうしたの?」
言わないとダメだよね...はぁ
「えっとですね、ランクアップの報告に来ました」
「....今、なんて言ったの?」
「...Lv.2になったので報告に来ました」
またそう言うと、エイナさんは鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情をした。
そして、
「れ、Lv.2になったぁあああああああっ!!」
「ちょっ!?」
やめて!大声で言わないで!バレちゃうから!いやもう、手遅れだけど!と内心嘆き叫んだ。
応接室に行きしばらくて、ようやく落ち着いたのかエイナさんが謝ってきた。
「ベル君、ごめんっ!あんなにも人がいたところで叫んじゃって...」
「い、いいですよ、エイナさん。レベルはいずれ公開されますから」
「うん、ごめんね。ありがとう。...気お取り直してと。それじゃあ、今日までの冒険者の活動記録を教えてほしいんだ」
「分かりました。...」
教えて欲しいとの事で、今まで報告してなかったことを掻い摘んで報告する。最後にランクアップしたきっかけを話して、報告をし終えた。
「み、ミノタウロスを...」
そう呟いて呆然とするエイナさん。そりゃあ、Lv.1でミノタウロスを討伐したら驚くよね。
やがて整理が出来たのか、今度は真剣な表情で言ってきた。
「あのねベル君。私には何も言う資格はないかもしれないけど...これだけは、どんなに時でも忘れないで。...''死んじゃったら、何も意味が無いんだよ''」
「....」
エイナさんが言っている言葉は、本当にその通りだと思う。これから何かを成し遂げようとしてるのに、死んでしまっては何も残らない。
でも、僕は違う。僕は''死ぬからこそ、意味があるんだ''と、そう思っている。自分でも、この考えは間違っていると思っている。いや、間違っているというよりも、僕やもう何もかもやり遂げた人しか当てはまらないと言うべきか。そう考えてると、エイナさんはまた念押ししてくる。
「とにかくいい?無茶は絶対にダメ。分かった?」
「はい...」
「...うん、じゃあ改めて、ランクアップおめでとう!ベル君!」
先程の真剣な顔とは違い、笑顔で祝福をするエイナさん。
「ありがとうございます!」
僕も自然に笑顔になりお礼を言う。
「それで、どうするの?これからダンジョンに潜る?」
「いえ、今日は報告しに来ただけなので帰ります」
「そう。じゃあまたね!」
「はい、また!」
そう言ってギルドを出る。今日、神様は
今回の
お願いしますよ!神様!と内心懇願するのだった。
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日が傾き、暖かい色が広がり始めた夕方前。神様の気配が近づいてくる。どうやら
「ただいまぁ〜...」
疲れ気味のただいま、という一言が
「おかえりなさい、神様。なかなかお疲れのようですね。
「いや〜、本当に大変だったよ。もう、懲り懲りだね。特にロキが」
まだ一度はしか参加していないのに懲り懲りと言わせるとは、さすが
それと、本当に仲が悪いですね、お二人方は...。逆に仲がよく見えます。
「そ、そうですが、お疲れ様です。...早速で悪いんですけど、僕の二つ名、どうなりました?」
「あー、二つ名ね。ベル君の要望通り、なるべく無難なやつをもぎ取ったよ!」
そう言ってサムズアップする神様。
「流石です!神様!」
僕もサムズアップして讃える。
流石は神様だ。略してさすかみ?そう変なことを考える。
「二つ名はギルドで掲示されてるから見に行ってみるといいよ」
「え?あ、はい。分かりました。それじゃあ早速、行ってきます」
「うん、行ってらっしゃ〜い」
神様から言ってくれても良かったのだが、初めてのランクアップということもあって、場を実感して欲しいのだろう。
本日二度目のギルドへ歩を進める。
ギルドに着いてみると、いつもより喧騒が凄かった。自分の二つ名を見に来た人や、どういった人がランクアップしたのか確認しに来た人たちで溢れかえっていた。
なるべく近くにより、Lv.2になった者の欄を見る。10人もいなかったので、直ぐに見つけられた。そして、そこには
《ヘスティア・ファミリア》所属
Lv.2冒険者 ベル
所要期間 一ヶ月半
二つ名
『リトル・ルーキー』
と書かれていた。うん、少し可愛い二つ名だなぁ。と内心呟く。でも、全然良かった。シンプルかつ変じゃない思う。安直すぎる気もしなくはないが、これでいい。
確認したので、ギルドから出る。あ、そういえば『豊穣の女主人』で、祝賀会があったんだった。今になって思い出し、すぐさまホームへと帰った。
ホームに着き、神様に祝賀会に行くことを伝え、身だしなみを整え、お金を持ち、『豊穣の女主人』へと向かった。神様も誘ったのだが、疲れていたので来なかった。
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「ランクアップおめでとうございます、ベルさん」
席につき、リリに二つ名はどうかを聞いているとき、シルさんが祝福してきた。ちなみにだが、リリの感想は''普通''らしい。よかったよかった。と内心安堵する。身近な人に変だと思われてたら、少し辛いからね。
「今日は沢山お飲みになってくださいね!ベルさんの祝賀会ですから」
「はい、ありがとうございます!」
祝賀会という言葉に反応したのか、近くの冒険者にヒソヒソと陰口を言われる。ランクアップすれば注目を浴びるのは普通のことなので別にどうでもいいのだが、ウザ絡みしてくるのはやめて欲しい。そう考えているうちも会話は続いており、
「それでは、始めましょうか!」
何故か席につこうとしている二人。店番はいいのだろうか?と疑問に思っていると、リリが代わりに聞いた。リューさん曰く、私たちを貸してやるから存分に笑って飲め、というミアさんからの伝言らしい。ミアさんらしいなと、内心苦笑する。
ミアさんの伝言通り、笑って食って飲んでをしながら、ダンジョン探索の話をしていた。
「では、お二人は今後、中層へ向かうおつもりなのですね」
「ええ、そうですね。もちろん調子をみながらですけど」
「そうですか。差し出がましいことを言うようですが、13階層より先へ潜ることは、まだやめておいた方がいい」
「まだ潜るつもりはありません。中層からは、大きく異なりますからね。それに、中層にいくには仲間が必要ですし」
そう、仲間が居ないのだ。誰でもいいと言うわけではないので、新人冒険者としてはおこがましいが、選別をしないといけない。選別をすると言っても、選別するほどいないのだが。
とここで、近くの冒険者が話しかけてきた。
「パーティのことでお困りか?リトル・ルーキー」
「ん...?」
「仲間が欲しいなら、俺たちのパーティに入れてやろうか?俺たちはLv.2だ。中層にも行けるぜ?けどその代わり...このえれぇ別嬪の嬢ちゃん達を、貸してくれよ!」
いきなり何を言い出すんだこの冒険者は。あまりにも変な事を突然いい出すので呆気にとられてしまった。まぁ、とにかく前半も後半もお断りなので、断ろうと声をあげようとした直前、リューさんが
「失せなさい」
と低い声で言い放った。前、リリと最初に会った時を彷彿とさせるものだった。
「あなた達は彼にふさわしくない」
おぉ、なかなか厳しい言葉を放ちますね。そんなこと言ったら、更に面倒なことになりますよ?
だがその冒険者は、リューさんの威圧を感じ取れないのか、下心満載で更に続けた。
「まぁまぁ妖精さんよ。俺らならこんなカスみたいなクソガキよりいい思いされてやるぜ」
そう言いながらリューさんの肩を触ろうとする。あー、終わったわ。この冒険者。
そして、その手が触れる直前
「触れるな」
といい、ジョッキの指を入れるところに指を入れ捻った。この一連の動作に職人技を感じた。痛がる冒険者。その冒険者の自業自得なのだが、なかなか痛そうだ。てかこれ、絶対逆ギレするパターンだよね。そう面倒な気分になっていると、リューさんがまた言い放つ。
「私の友人を蔑むことは許さない」
いや、かっこいいな。それと、友人と思っててくれてたんですね。嬉しいです、はい。そう呑気なことを思っていたが、案の定その冒険者は逆ギレした。
「このアマ、女でも容赦しねぇぞ!」
声を荒らげる冒険者。
すると、その瞬間。
ドンッ!
大きな音が鳴り響いた。音のした方を見ると、ミアさんがカウンターを叩き割っていた。
「騒ぎを起こしたいなら外でやりな。ここは飯を食べて、酒を飲む場所さ!」
ものすごい威圧を放つミアさん。
「お、おい。行くぞ!」
威圧にうたれ、にげようとする冒険者らなのだが
「アホタレ!ツケはきかないよ!」
「は、はい!」
そう言って、持っていた全部の金をだし逃げていった。おぉ、なかなか凄い場面だったな。僕も少し震えたよ。
それと、シルさん。何事も無かったかのように再開しないでください。ちょっといろいろありすぎて、疲れたので休憩したいんですけど。と内心嘆くのだった。
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祝賀会の翌日。今日はミノタウロス戦によって壊れてしまった防具を新調するために、《ヘファイストス・ファミリア》のLv.1が制作した物が羅列している層に来ている。前の防具がかなり気に入ったので、前の防具と同じ製作者の防具を買いたいと思っていたのだが、なかなか見つからない。なので、店員さんに聞こうと思い、店員さんがいるであろう会計所に行った。
「こちとら命懸けでやってんだぞ!もう少しマシな扱いをだな!」
何やら赤毛の男が文句を言っている。その言葉聞くからに、鍛冶師だろうか。不遇されていると見れる。だが、僕には関係のないことなので早く終わって欲しい。その願いが通じたのか、文句を言われていた男の店員さんが声をかけてきた。
「いらっしゃいませ。お探しのものでも?」
「あ、はい。胸当てにぴょん吉って名付けた鍛冶師の防具は、もう売られてないんですか?」
「...ははははは!」
突然横にいた男が笑い出した。特におかしい部分などなかったはずだけど。どうしたんだろう?そう考えていると
「あるぞ、冒険者!ヴェルフ・クロッゾの防具ならな!」
と言ってきた。クロッゾ?ん?どういうことだ?今のクロッゾはラキア王国にいるはずだけど?...まぁ、今考えなところで意味無いか。それにしても、あの人に似てるなぁ〔刀の製作者〕。製作物の特徴も顔の特徴もどことなく似ている。クロッゾとも瓜二つだ。まぁ、これは血筋だから不思議ではない。
それにしても、またしてもオラリオにいたのか。
場所をかえ、ヴェルフ・クロッゾと話をする。
「まさか噂のリトル・ルーキーが、俺の防具を買いに来てくれるなんてな!」
「僕も、クロッゾさん本人に会えるとは思いませんでした」
そう言うと少し暗い顔をするクロッゾさん。疑問に思っていると、口を開いた。
「...すまん。そのクロッゾさん呼びはやめてくれないか?その呼びれるのは嫌いなんだ」
突然だが、ここでクロッゾについて説明しようと思う。クロッゾとは、僕と同じく境遇にあったやつだ。精霊の血により、魔剣が造れるようになったらしい。クロッゾの初代は、数千年の人物であり、また僕と同じくアルの仲間の一人だった。
クロッゾは凄いやつだったが、なかなか自分の作品が売れないとよく嘆いていたのを覚えている。
僕と同じく寿命は伸びたのだが、そう長くは生きられていなかった。僕と何が違うのか、分からないまま今を生きている。
長くなってしまったが、話を戻そう。
「あ、はい。分かりました。じゃあ、ヴェルフさん?」
「さん付けか。まぁ今はいいか...。なぁベル,。お前は俺の作品を二度も買いに来てくれた。それはもう俺の顧客だ。違うか?」
先程は暗い顔をしていたのに、今は獲物を見るかのような顔をしている。僕が、曖昧だが返事をしたら、近くの鍛冶師が去っていった。あ、僕、狙われてたのね。
「なぁベル。俺と直接契約を結ばないか?」
「直接契約?」
なんだろうか?専属の鍛冶師と専属の冒険者になるということなのかな?そう考えているうちも、ヴェルフさんは話を続ける。
「お前の専属になって、武器でも防具でもなんでも作ってやる。ただ、俺のわがままを聞いてくれるとありがたい。もちろん礼はする」
そして真剣な表情でこう言ってきた。
「俺をお前のパーティに入れてくれ」
なるほど。僕としては全然構わない。なので、承諾する。
「ええ、 いいですよ。僕も仲間がほしいと思っていたところなので」
「本当か!ありがとな。じゃあ、よろしくな、ベル!」
「はい、よろしくお願いします、ヴェルフさん!」
握手を交す。 その後は、ヴェルフさんから防具を買い、明日からダンジョンに行くので日時を伝えて、ホームへと帰った。
今日は、なかなか有意義な時間が過ごせたので良かったと思った。明日からまた、楽しくなりそうで楽しみだ。
追記
今回の買った防具もよかった。
リリとヴェルフさんが仲良くなるか不安だなぁ。
ありがとうございました。
イレギュラーで18階層に行く場面がありますが、無理やり同じような展開にしたいと思います。
次は、中層です。
では、さようなら