次の話が長くなりそうなので分けました。
近々投稿する予定です。
4000字程です。
第23話 枕の在処は『
都市はざわめいていた。
「おいおい...またかよ」
「一ヶ月....?」
とある者は掲示板を見上げ呆然とする。
「チッ...!」
とある者は舌打ちをし情報紙を握り潰す。
所要期間、一ヶ月。
【リトル・ルーキー】ベル、Lv.3到達。
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ベル
Lv.3
力 : I 0
耐久: I 0
器用: I 0
俊敏: I 0
魔力: I 0
幸運: H
魔道:I
《魔法》
【ヘル・フレイム】
【フレイムボルト】
・速攻魔法
《スキル》
【
・仲間を想うほどステータス大補正。
・仲間と冒険すれば耐久大補正。
・仲間と冒険すれば獲得経験値大。
【
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈により効果向上。
【
・能動的行動に対するチャージ実行権。
・精神疲弊をしない。
・魔力が枯渇した場合、寿命を魔力へと変換する。
【???】
・???
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side:ベル
「《アポロン・ファミリア》って、それなりに大きなファミリアだったんだなぁ」
引っ越しの作業をしながら、館を仰ぐ僕はそう感嘆した。
ちゃんと手入れされた庭に、いくつもある部屋。あと意味のわからない銅像。かなりの金がかけられるているのが分かる。
『――!』
「――!!』
ん?何か揉めてる?
館の外壁に沿って、裏庭へ回ろうとしていた時だった。
ホームの敷地の外で、何なら言い合いをしている二人の少女を見つける。
「あれって...カサンドラさんと、ダフネさん?」
近づいてみると、見覚えのある人達だった。
「あっ...【リトル・ルーキー】」
近づいてきた僕に気がついたダフネさんがそう言葉をもらした。
「え、えっと...どうかしたんですか?」
此方としては、勝った条件だったとしても追い出した側なので、気後れしてしまい少しどもってしまう。
そんな僕の内心を見抜いてか、ダフネさんは肩を竦める素振りをした。
「気にすることはないよ。戦争を先にふっかけたのはこっちなんだし」
対して気にした様子もなくそう告げる。本心から言っていた。
「そ、そうですか...」
それに私たちにとってはこうなって良かったし、と思っているらしい。
後々聞いた話だが、《アポロン・ファミリア》の半数以上が強制的に入団させられたと聞いた。僕ももし負けていたら、強制的に入団させられることになっていたので、勝ててよかったと思った。
そしてダフネさんは、何故か鉄柵に縋り付くカサンドラさんを引っ張りながら、近況を教えてくれた。
これからどうしようかと。上級冒険者なので勧誘はよく来るのだが、どこも胡散臭くて断っているらしい。
そこで僕は《ミアハ・ファミリア》はどうかと提案した。
ミアハ様は善神であるし、優しくて子ども想いだ。それに以前、団員を増やしたいと言っていた。
「《ミアハ・ファミリア》ねぇ...考えておくわ」
多分二人は入団するだろう。そして、ミアハ様に惚れるまで想像がつく。あの天然タラシ力には脱帽だ。
と、それよりも。
「それで...カサンドラさんは何をしてるんですか?」
未だ「う〜、」とうなりながら鉄柵に抱きついているカサンドラさん。何か変なものでも食ったのだろうか心配になった。
「この子がね、今まで使っていた枕をなくしたらしいのよ」
「枕、ですか...」
ダフネさんは新しいのを買えばいいと言っているのだが、カサンドラさん曰く、あの枕じゃないと寝付けないらしい。
「その、覚えてはいないんですけど....
「...ユメ?」
「だからぁ!そんな馬鹿げた話を言うの、やめなさいってば!!」
「お願いだから''信じてよぉ''〜〜っ」
『ユメ』をみたと言って憚ららないカサンドラさんを、ダフネさんは叱りつける。そのことにちょっと言いたいことがあるけど、まずは枕だ。
「分かりました。では、探してきますね」
『え?』
僕がそう言うと、二人は動きを止めた。僕、何かおかしなことを言ったかな?
「ちょ、ちょっと何言ってるの...?夢よ、夢っ、この子の妄想なのよ?」
唖然とした表情で狼狽えながらそう言ってきたダフネさん。
「えっと...ここにあるっていう『ユメ』を見たんですよね?」
カサンドラさんへと視線を移し、確認とる。カサンドラさんは固まっていたが、はっとなって何度も頷く。
とまぁ探しに行くことになったので、具体的な場所聞いた。どうやら柱の隙間にあるらしい。
「し、信じてくれるんですか....?」
恐る恐る聞いてきた彼女の目には、期待と不安が強く現れていた。信じてもらえるかもという期待と、この人にも信じてもらえないかもという不安だろうか。
僕はそんな彼女の頭を撫でながら、苦笑して
「ええ、信じますよ」
自分の事を信じて欲しければ、自分が信じることをしないと信じてもらえない。
僕が小さいとき、友人が言ってきた事を信じなくて、あるとき僕が言った事を相手は信じてくれなかったということがあった。信じなかったというより聞き流したのほうが正しい。カサンドラさんのように、ありえないことを言っていたからだ。
その事があってから、僕は信じることをするようになった。当然全てをなんの疑いもせずに、と言う訳では無いけど。
「なので、ちょっと待っていてください」
そう言い残し、ホームに入る。
探すとは言ったものの沢山ある柱から探すのは大変だ。なかなかに骨が折れるだろうなと思った。
そう思っていたのだが、なにかに誘われるように僕は足を進めた。その際、背中が熱を帯びたのは勘違いではないだろう。
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カサンドラさんの『
見つけた枕を持ってカサンドラさんの元へと戻り、確認すると「これですっ!!」と歓声を上げ枕を抱きしめた。
「あのっ、本当にありがとうございました!本当に、本当に...!!」
体を震わせ、ペコペコと頭を下げるカサンドラさん。少し嬉し涙を浮かべていた。
やがて落ち着いたのか、カサンドラさんさんは顔の半分を枕に埋め、そして頬をほんのりと染めて上目遣いで見つめてきた。
え、何その仕草....可愛い...
突然の可愛らしい仕草に狼狽してしまう。
すると、カサンドラさんはダフネさんに身を寄せ、耳打ちをした。
「え...本気?」
というダフネさんに、コクコクと頷くカサンドラさん。そして、ダフネさんは嘆息して僕に向き直る。
「【リトル・ルーキー】、今回はありがとう。一度出直すわ....またね」
と言って背を向けた。
「あ、ちょっと待ってください」
進もうとしていた二人を呼び止める。
「...なに?」
「あの、お節介だと思うんですけど....カサンドラさんのこと、信じてあげてください」
この少しのやり取りで分かったが、ダフネさんは『
「どういうこと?」
「カサンドラさんは、ダフネさんに
何を偉そうに言っているのだと思われるかもしれない。そう思われようとも、何か少しでもカサンドラさんへの接し方を考えてくれたらと、カサンドラさんが『お願いだから信じてよう』と言ったときそう思った。
「...そうね。今考えてみたら、結構酷いことをしていたよ。...これからは頭ごなし否定するのをやめて、貴方の言うように信じることにするわ。だって...大切な友達だからね」
可愛く微笑んだ顔をカサンドラさんへと向け、そう言ったダフネさん。その目は先程の疑わしい目とは違い、優しい目だった。
「ダフネちゃんっ!!」
眩しいくらいに表情を綻ばせ、ダフネさんへと抱きつくカサンドラさん。目には涙を溢れさせていた。
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「団員の募集ですか」
大体のファミリアは団員募集をしている。人数が多いければいいということではないが、いた方が何かといいし、掘り出し者がいることがあるからだ。
しかし、《ヘスティア・ファミリア》はいろいろと事情があるので、無闇に募集をかけたくないのだ。
現在どうやってそれを回避するか話し合っている。なかなか思いつかないなか、僕は確実に避けられるであろうことを言った。
「借金があるって言えばいいんじゃないですか?」
三人は当たり前になんの事か分かっていなかった。神様は理解したようで、その反応にリリがどういうことですか?と問いかけた。
「ちょっとまってて」と言って部屋を出ていった神様。数分待つと、手には僕が言っていた物を持って帰ってきた。
そして、テーブルに置かれたそれを三人は見る。
「は....?」
「....さ、三億?」
「.....ぁ」
「命さん!?」
あまりの額に唖然としてしまうリリとヴェルフ。命さんに至っては、衝撃のあまり気絶してしまった。
結果を言うと、成功した。
だけど、入団希望だった人達の足早でさっていく姿を見たら、悲しくなった。
ありがとうございました。
次回、『夜の街』の狐人。
「夜の街』関連なので、そう言う話も書いてます。
では、さようなら。