ダンジョンで正義の味方を目指すの間違っているだろうか 作:ミズキ1627
「よう、待たせたなベル」
「うんん、ぜんぜんだよ。朝も似たようなやりとりをしたよね」
「たしかにそうだな。じゃあ案内頼んだ。」
「任せて」
ギルド前に集合した俺たちはベルの案内で豊饒の女主人に向かった。
「着いたよ、ここが豊饒の女主人だよ」
「おお、活気がいいな。いい店だ」
ベルと話しながら店に入ると銀髪の店員さんに声をかけられた。
「いらっしゃいませベルさんっ。お隣の方は?」
「やってきました、シルさん。隣にいるのは。」
「初めましてシルさん。ベルとは同じパーティのシロウです。」
「こちらこそシロウさん。敬語もなしでいいですよ」
「そうか、よろしくな」
俺たちはシルさんの案内で俺たちはカウンター席に座った。
「アンタらがシルが言ってたお客さんかい?冒険者のくせに可愛い顔してるねえ」
ほっとけ、結構気にしてるんだよ
「何でもアタシらに悲鳴を上げさせるほど大食漢なんだそうじゃないか!じゃんじゃん料理出すから、じゃんじゃん金を使ってくれよぉ!」
「「へ!?」」
この言葉に俺たちは驚いた。ぱっと振り返るベルを見て俺も背後を見るとシルさんを見るとさっと目を逸らしていた。
「ちょっと、僕たちはいつから大食漢になったんですか!?僕も初耳ですよ!?」
「‥‥えへへ」
「えへへ、じゃない」
誤魔化されそうだ。初めて遠坂とあったときみたいだ。
「その、ミアお母さんに知り合った方を読んだから、たっくさん振る舞ってあげて、と伝えたら‥尾鰭がついてあんな話になってしまって」
「絶対に故意だろ」
「私応援してますからっ」
「そんな!?まずは誤解を解いてよ!?」
そんなベルたちのやりとりを見ている。仲良いなあいつら。あ、ベルが折れた。どれだけたくさんの料理が出てもセイバーなら食べ尽くすんだろうなと前世のことを懐かしんでいるとベルが
「ねえ、これ大丈夫かな?」
と聞いてくる。
「多分大丈夫だろ。」
俺はこういう時はどう足掻いても無駄だともう学んでいる。主に団長から。ベルがメニューと睨めっこしている。俺は武器にお金を割かなくていいしここにくる前の店の稼ぎもあるからまだマシだがベルは武器の整備だいもかかるからな。俺たちはパスタを頼んだ。周りの様子を見る限りかなり料理は美味しそうだ。何回か通って研究させてもらおうかな?その後酒がいるか聞かれて断ったがそれを無視されお酒を出されたりしたが料理は本当に美味しかった。アストレア様や団長たちも誘って一緒にまた行こう。
「2人とも楽しんでいますか」
「‥圧倒されています」
「すごく美味しいよ。ぜひうちのお店でも真似させて欲しいくらいだ。」
「シロウさんお店を開いているんですか?」
「ああ、ファミリアのみんなと一緒にな。俺以外のメンバーは冒険者じゃないから店で働いていて俺はダンジョンに行ってない時や帰ってきて余裕がある時は厨房に立っているんだが和食ならともかく他の料理では敵わないな」
素直に思ったことを伝える。桜に洋食の腕を抜かれてからとここに来てから頑張ったんだがまだまだだな。
「嬉しいこといってくれるじゃないか、坊主。また来てくれよ」
「はい、ファミリアのみんなでまた来ます」
女将のミアさんも交えて話しているとどっと十数人の団体が入ってきた。大きめの席が空いてると思っていたがこの団体さんが予約していたのか。すごいオーラを感じるな。只者ではないことが伝わってくる。ん?ベルのやつあの団体を見て固まってるぞ?あ、アイズさんやレフィーヤさんやティオナさんがいる。周りの反応的にロキファミリアらしいがすごいな。これが都市最大のファミリアの一つでで団長たちと共に暗黒期に活躍していたファミリアか。ベルがアイズさんに惚れているのか見惚れているのを横目で見つつパスタを食べ続けていると一際大きな声が聞こえてきた。
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
「あの話‥?」
「あれだって、帰る途中で何匹か逃したミノタウロス!最後の一匹、お前が5階層で始末しただろ!?そんで、ほれ、あんと聞いたトマト野郎たちの!」
‥狼人がいっているのは俺たちのことか。なるほど、そういう経由でミノタウロスがいたのか。ロキファミリアの人たちが色々いってるがそんなことよりベルが心配だ。
「雑魚じゃ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」
その言葉を聞きベルが飛び出した。シルさんが声をかけたが止まらず走り去った。俺は珍しくイラついている。ベルがバカにされたこともそうだがそれと同じくらい団長たちと共に戦いオラリアを救ったファミリアの団員がこんなことを言うとは。我慢しなければいけないとわかっているがそれでも足が動く。
「おい、お前!」
「あん?何だよ?」
「お前の言うトマト野郎ってやつだ」
「おいおい、自分から言いに来たのかよ」
「いや、俺は失望しただけだ。あいつらとともにこの都市を守ったファミリアにな」
「何言ってんだよ、お前」
「俺は暗黒期にこの都市を闇派閥から守ってきた正義のファミリア【アストレアファミリア】の後継者シロウ・エミヤだ。いつかお前らを超えて正義の味方として再びこの都市に正義の名を広める者だ」
「お前、舐めてるのか」
そういって狼人は俺に殴りかかってくる。相手のレベルは知らないが少なくとも今の俺ではこいつの攻撃は止められない。だが少し無茶すればいける。
『トレースオン』
俺はいつものように干将を手に持ち拳を受け止める。
「っな!?」
突然剣が現れたことにかもしくは攻撃を止められたからかもしくはその両方か狼人は硬直した。今回俺が投影したのは干将だけではない。アーチャーの身体能力も投影した。使用できる時間は短く精神力の消費が激しい。そのうえ使用後しばらくすると激しい痛みが全身を襲い、ダンジョンで使えばなぜか大量のモンスターが襲いかかってくるため普段は使わない奥の手を俺は躊躇いなく使った。お互いに次の一手を打とうと動き出す前に狼人が倒れた。後ろには小人族が立っている。どうやらあの小人族が狼人を気絶させたみたいだ。
「すまないね、うちのベートが。少し酔いすぎていたみたいだ。後でしっかり叱っておく」
「いえ、こちらこそ。頭に血が上っていました。生意気なことを言ってしまいすみませんでした」
「いやこれに関してはこっちが先だ。それと君は正義のファミリアの後継者と言っていたね。アストレアファミリアは全滅したと聞いたがどういうことか説明してもらってもいいかな?」
「たしかにアストレアファミリアは全滅しました。未熟でダンジョンに行くこともできなかった俺を除いて。だから俺は正義のファミリアの名を再びオラリオに広めるためにここに帰ってきました」
「そういうことか。アストレアファミリアはオラリアの平和のために力を尽くしてくれた。全滅の話を聞いた時は本当に惜しい人たちを亡くしたと思ったよ。君も頑張ってくれ」
「はい、がんばります」
「すみませんミアさん。騒がせてしまって。これベルの分のお金です。ベルが心配なのでもう帰ります。ご馳走様でした」
「はいよ、また来な坊主」
「はいっ」
そうして俺は店を出た。その時入り口で誰かとぶつかってしまった。
「すみませんでした。‥って‥リュー‥姉か‥?」
「もしかしてシロウですか‥?」
そうして俺はファミリアの先輩で姉的な存在リュー・リオンと再開した。
pixivの方で意見があったのでヒロインがアーディになるならアーディは生きていることにしようかなと思います。怪我が治りきらなくてダンジョンには潜れないけど都市の衛兵としての役割は果たしているという設定にする予定です。今回使ったアーチャーの身体能力ごと投影するのは多分もう出てきません。ダンジョンで使えば異常事態が起こりやすくなるのとアーチャーのことはシロウ自身があまり好きじゃないので怒っている時くらいしか使いません。