セイバーアート・オンライン   作:ニントという人

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第6節です!

今回は久しぶりのメギド戦でございます!

それでは、どうぞ!


消えた剣と、消えた街。

ここは、アインクラッド第二層主街区、ウルバスの街。

俺は今、此処に用事で訪れているのだが…

 

「ふざっ…ふざけんなよ!」

 

その目的地で、口論───いや、一方的な暴言が繰り広げられている、という状況だ。

話を聞くに、今怒鳴っている3本ヅノヘルメットを被ったプレイヤーが、そこで項垂れている鍛冶屋プレイヤーに強化を依頼して、最初で失敗して血が登って、そこからズルズルと強化を続けて大失敗、というわけらしい。

ぶっちゃけて言えば、あの鍛冶屋の熟練度は2層ではかなり高い。実際、この街のNPCより上だ。

あの三本ヅノくんも、一回失敗したら、一度強化素材を増やして再挑戦、などすればよかったのだ。

───まあ、今更何を言っても無意味だが。

どうやら、この話は新しいアニールブレードを取りに行くということで解決したようだ。

しかも、鍛冶屋がお詫びとしてその±0エンドしたアニールブレードを8000コルで買い取るというのだ。

普通、ゼロエンド───強化試行回数を使い切って強化値がゼロの武器───のアニールブレードならよくて4000というところなので、お詫びとしても破格の値段だ。

それを聞いた三本ヅノの返事は……言うまでもないだろう。

ふと辺りを見渡すと、キリトとアスナが見えたので、そこに駆け寄る。

「よっ!お二人さん!」

「おお、ラルトか。」

「こんにちは、ラルト君。」

やっぱ二人でいるんだな~

「二人は何しにウルバスに?」

「あ~、俺はあの鍛冶屋に強化を頼みに……」

「あ、私も同じ。」

「おお、実は俺もなんだよ。───でもなぁ~……あれを見た後だとなぁ~」

「ああ、ラルトもかぁ……俺もなんだよなあ……」

「コインの表と裏が出る確率は常に一緒よ。前の人が4連続で失敗したからって私たちには関係ないわ。」

うーんそうなんだけどな~……

「なあ、アスナ。」

キリトが言った。

「成功率80%より90%の方が好きだよな。」

「それは……そうだけど……」

あっ()

「成功率90%より95%の方が好きだよな。」

「そうだけど……」

キリト、どんまい。

「なら、完璧を目指した方がいいんじゃないか。」

「……いいわ。たしかに中途半端は嫌いだし。でも───自分から言っておいて、何もしない人の方がもっと嫌い。」

「え?」

あっ、ご愁傷様です。

「そんなに言うなら、あなたも私の強化素材集め、手伝ってよね。ちなみに、ウインドワスプの針のドロップ率は8%ですから。」

「ああ……」

「キリト、しゃーない。手伝ってやろう。」

「ああ……ラルトォ……やっぱ持つべきものはいい友だ!」

「え、俺らって友達なの?」

「え?」

「……冗談だ。」

やっぱこいつ女顔だよな。

 

◆◆◆◆

 

6:スレ主

ということでキリアスとウインドワスプ狩りに向かってます。

 

7:名無し

おー、まためんどくさいやつ引き受けたね。

 

8:鬼殺隊の柱

え、てか原作だとキリアスの2人だったけど、3人目のスレ主が加わってるからノルマ変わってんじゃない?

 

9:スレ主

はい。原作の匹数×1.5です。

 

10:名無し

ま、がんばれ~

 

11:スレ主

はーい行ってきまーす!

 

◆◆◆◆

 

現在、ウルバスにあるレストランに俺たちはいる。

そして───キリトはうなだれている。

理由は簡単だ。狩りを始める前、アスナが言ったのだ。

「狩った速度が2位の人が今日の晩御飯をおごって、3位の人がデザートをおごることにしない?」

と。

俺はその展開を知っていたので、普段以上の気迫をもって向かったのだが、キリトは違気付かなかったのだろう。

アスナがそんな提案をしたこと理由を。

そうだ、狩りの結果を言っておこう。

1位、おれ。

2位、アスナ。

3位───キリト。

俺が一位な理由はもちろん、ライドブックをフル使用したからである。

そこ!大人げないとか言わない!てか俺まだ学生!

具体的に言えば、大量に集めた鉢に対してヘッジホッグで一掃したらり、あいつ等の近くに湧いたのをピーターファンタジスタで引っ張ったり。(害悪とか言っちゃいけない)

そんなこんなで、俺は今日の飯とデザートを無料で食すという権利を獲得したわけである。

───でも、デザートは1ランクしたのにしとこう。

そんなことを考えたので、デザートは普通のチーズケーキにしておいた。

だが、アスナさんはそんなことを考えることもせず───というかそうするためにこの勝負を持ち掛けた───、容赦なくバカ高いデザート、『トレンブルショートケーキ』をおごってもらった。情報源はアルゴらしい。

注文を済ませると、ほんの数秒でパン、シチュー、サラダのセットが届いた。

システムとは凄いもので、俺たちが食べ終えた瞬間に、デザート二皿が届いた。

片や、チーズケーキ。片や、高級『トレンブルショートケーキ』。

じっさい、俺もトレンブルの方を食べたいという欲求はあったのだが、何とか意志力で抑え込んだ。

ちなみにキリトは、アスナのショートケーキを見ながら、

「こ……こんなの、全然ショートじゃないだろ……」

まあ、言わんとしてることも分からなくはない。

恐らく、外に塗っているクリームだけで1リットルは使っているんじゃないか。

「あら、ショートケーキのショートって、短いってわけじゃないのよ。」

「え、そうなの?じゃあなんで?大リーグの伝説的ショートが発明したから?」

え、つまんな(やめなさい)

「アメリカじゃ、ショートニングを使ってサクサクした(ショートな)食感を出したお菓子って意味みたいね。向こうじゃ記事にビスケットを使ってたかららしいんだけど、こっちじゃスポンジだしね。このケーキはどっちかな……」

そういって、フォーク(かなり大きめ)でケーキを切っていく。

「スポンジだね。やっぱり私はこっちの方が好き。」

いやー、さすが5本の指に入る美貌なだけはあるな。

───アルゴの方が可愛いけど!(なんだおまえ)

「俺は気にせず、どうぞ食べてくれ。」

なけなしの紳士(ジェントル)パラメータを発揮して、がんばってるキリト。

「ありがとう。じゃあ、遠慮なくいただきます。」

おお、アスナさん容赦ないっすな。

「……冗談よ。三分の一までなら、あなたも食べていいわ。」

「あ…ありがとう……」

おお、いちゃつくなあ。

そうして、今日の少し賑やかな晩餐は過ぎていった。

 

◆◆◆◆

 

「おいしかった……」

アスナの口から、そんな言葉がこぼれ出た。

それは、心からの本心だったのだろう。きっと、彼女がこの世界に来てからはじめて食べたデザートなのだから。もっとも、俺も、たぶんキリトも同じだが。

「なんか、ベータの時よりさらにうまくなってる気がしたな。」

「ああ、それは俺の方も思った。」

「それは気のせいなんじゃないの?ベータと正式版で、そんなに細かい調整をするものなの?」

そんな疑問に、キリトが真顔で反論する。

「味覚パラメータを調整するぐらいなら、大した手間じゃないと思うよ。それに、これはβの時には絶対なかった。」

そういって、キリトは左上を指さした。

「……どれ?」

「ああ。ラルトは食べてないから出てないのか。俺とアスナは、ここに四つ葉のクローバーのアイコンが出てるんだ。」

「あ~幸運バフ!」

「ああ。多分スタッフの慈悲でつけたんだろうな。」

「でも、さすがにそんな時間はないだろ。あって20分ぐらいだろ。」

「そうなんだよな~……でもなぁ~……せっかくのバフがもったいないなぁ~……」

うん、そりゃあそうなるよね。

「あっ」

「どしたキリト?」

「思いついた。バフの有効活用法。」

 

◆◆◆◆

 

ここは、ウルバス東広場。俺たちは、キリトのアイデアを実行すべく、この場所に来ている。

「さっきの狩りで、強化用の素材は集まってるよな?」

「ええ。少し余ったから、その分は売ってみんなで分けようと思ってたけど……」

「それはいいよ、それより、バフが切れる前に強化しよ。俺にはバフの効果時間見えないし。」

そう。今から、ホントは今日するはずだったアスナの愛剣、ウインドフルーレ+4の強化である。

キリト曰く、「剣の持ち主だし強化にも関係するんじゃね」との理論でするに至った。

ということで、かなりの駆け足であの鍛冶屋───ネズハの元へいき、強化を頼もうとしている、という状況だ。

ちなみに、ネズハの店の看板には、『Nezha`s simiss shop』と書いてある。

その間に、アスナが一歩ネズハの方へ踏み出した。

「あの、すいません」

すると、鍛冶屋の青年ネズハが上を向き、すぐに答えた。

「あ、いらっしゃいませ。購入ですか?それともメンテですか?」

「強化をお願いします。種類はアキュラシー、素材は持ち込みで。」

すると、ネズハは、なぜか困ったように眉をさげ、一層小さい声で答えた。

「はい……素材の数は、どれぐらい……」

そうして、少しの会話の後、アスナの剣が手渡された。

ネズハは素材を炉へ流し込む。すぐに炉が青く光り、アスナのウインドフルーレが炉の中に入れられる。

十分に光が剣に移ったところで、ネズハは金床へと移し、スミスハンマーでたたき始めた。

そして、十回目になった時、ウインドフルーレが眩く輝き、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無数のポリゴン片へと、その姿を変えた。

 

全員、黙ることしかできなかった。

キリトが、喘ぐようにつぶやいた。

「何で、剣が砕けたんだ……」

次に動いたのは、当事者であるネズハだった。

「す……すいません!すいません!お代は全額お返ししますので、本当にすみません!」

だが、アスナは動かない。かわって、俺が口を動かした。

「いや、その……待ってくれ。」

ネズハが、こちらを見た。

「俺、ベータテスト出身なんだけど、あの時のマニュアルの載ってたペナルティは、強化値不変動、強化種類変化、強化値ダウンの三種類だったよ。武器破壊はなかったはずだ。」

「あの……正式サービスで、4つめのペナルティが追加されたのかもしれません。前にも一回だけ、同じことがあったんです……」

そういわれたら、この場では引き下がるしかない。

「あの、返品したいのはやまやまなんですが、生憎ウインドフルーレは在庫してなくて……ランクは下がっちゃうんですけど、アイアンレイピアをお持ちになりますか……?」

これに関しては、俺やキリトではなくアスナが決めることだが……

横を向くと、アスナが首を横に振るのが見えた。

「いや……いいよ。こっちで何とかできると思う。」

キリトが、代理で答えた。

実際、アイアンレイピアは1層でも売っている武器で、二層で使うには心もとないだろう。

「では……せめて手数料の返金を……」

「いやいいよ。あんたは一生懸命ハンマー振ってくれたんだしさ。プレイヤー鍛冶屋の中には回数振れば同じだろってガンガンするやつもいるしさ。」

そのキリトの言葉を聞いた瞬間、ネズハは申し訳なさそうに下を向いた。

ふと横を向くと、アスナがキリトの手をぎゅっと握っていた。

 

◆◆◆◆

 

今、俺は先ほどのレストランにいる。

理由は簡単、あの時刻まで時間をつぶすまでだ。

今回起きた武器破壊、原作を知っているなら早急にやめさせようとするだろう。

しかし、もしあそこでやめさせてしまうと、今回のボス戦でかなりの不都合が起きるため、できるだけ原作に近い状況で、かつ早急に解決する必要があるという、なかなかに鬼畜な状況という。

そうこうしているうちに、原作で成功した時刻───8:30になったので、キリトとアスナがいるであろう宿屋へと向かう。

カウンターのNPCにアスナというプレイヤーのいる部屋を聞き、───もちろん答えてもらえず───どうしようと思っていたら、ちょうどキリトと鉢合わせ、ついていけるぜやっほぉ!と思いつつ付いていき、部屋の中にいたアスナによっ、と手刀をつけつつ挨拶をしてから、俺はことのいきさつを聞いた。

まあ、原作でも聞いていたが確認のためにもう一度聞く、という訳だ。

大まかなとこを抜粋すると、キリトが鍛冶屋ネズハを尾行したら、酒場にいる謎の5人組と会っていて、その会話で詐欺の存在に気づき、そこからダッシュでアスナの部屋に行って〈全アイテムオブジェクト化〉のコマンドで戻ってきたらしい。

何か全アイテムオブジェクト化の時の状況説明でキリトがアスナに蹴られていたが。

そんなこんなで、詐欺の調査は明日にしようということで、今日は寝ることとなった。

「じゃあ、キリト君、ラルト君、お休み。」

「うい、お休み……」

「お休み。また明日な。」

そうして、この日は終わっていった。

 

◆◆◆◆

 

今日は、朝からよく晴れた。(といっても、この城では外周からしか太陽は見えないが)

本当ならば、今日から詐欺事件の調査に時間を当てたいところだが、今日は攻略組総出で、フィールドボス『ブルバス・バウ』攻略戦が行われるため、そちらの方に時間を割かなければならない。

そう思いながら、宿屋を出たとき───

 

世界が震えた。

 

衝撃にふと上を仰ぐと、巨大な白い本が見えた。

 

「っ!」

 

気が付くと、

俺は走り出していた。

 

ディアベルら攻略組がいるであろう、中央広場に向かって。

 

着くと、そこには複数の人影があった。

ディアベルら攻略組と、本の意匠がある怪物。それも二体。

「ラルト君!この奴らがまさか……」

「ああ!そいつらがメギドだ!」

ディアベルの問いに、大声で答える。

「おや、新たな獲物……しかも我々のことを知っている……貴様、さては剣士だな?」

「ああ、───お前ら、アリメギドとキリギリスメギドだろ。」

「いかにも。」

黄緑のメギド───キリギリスメギドが俺の問いに答える。黒い方───アリメギドは黙ったままだ。

「みんな、一先ずこのゲートで逃げてくれ。」

そういいながら、火炎剣烈火でゲートを開く。

「ああ、……だが、ラルト君は」

「あいつらを倒す。」

即答し、ブレイブドラゴンのブックを取り出す。

「わかった。でも無理はしないように。」

「わかってる。」

集団の中に、キリトとアスナを見つけ、彼らに向かって微笑しておく。

それで少し安心したのか、頷きかえし、ゲートに走っていく。

「じゃ、フィールドも整ったことだし……」

メギド二人を見つめ───

「戦闘開始と行こうぜ!」

そういって、ブレイブドラゴンのぺージを開く。

【ブレイブドラゴン!】

ページを閉じ、ソードライバーにセットする。

そして、待機音が流れて言う間に、烈火を思い切り引き抜いた!

【ブレイブドラゴン~!】

【烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】

「……いくぜ!」

「キェァァァ!」

「……ッ!」

戦いの火蓋が、切って落とされた。

俺の振るう烈火から放たれる炎を、奴らは確実に避けていく。

そして、アリの口から、緑色の液体が迸っているのを見た瞬間、俺は回避行動をとった。

アリの口から、緑の腐食液が発射され、命中した建物の壁を少し溶かした。

「やっぱおかしいだろその液!」

そう叫びながら、アリに向かって烈火で攻撃する。だが、それをキリギリスが身を挺して防ぐ。

「おっと、アリには手出しはさせないぞ!」

「仲がよろしいことで!」

そう軽口の応酬をしながら、腕は止めない。キリギリスの方も、腕についている鎌のようなものを駆使して立ち回ってくる。

それに、アリの方に攻撃を入れようとすると、キリギリスが防衛してくる。

つまり……

「おまえ、アリを守ってるだろ。」

「っ! ……それがどうしたというのだ。どちらにせよ、貴様が我らに敗北するのは決まっていること!」

「それはどうかな!」

とは言ったものの、実際はかなり厳しい。

相手がキリギリス一人なら何とかなるだろうが、アリの腐食液にも気をかけていなければいけず、その液を撃ってくる奴には攻撃できないということで、想像以上にきつい。

……一人きつい!仲間ほしい!

「おらっ!」

精一杯の威勢を込め、烈火を振るうが、キリギリスの鎌で的確に弾かれ───

「キェェァァァ!」

奴が振るう鎌に、胸部が切り刻まれた。

「ぐっ……」

よろめくが、何とか体制を整えようとしたのだが。

「ぺッ!」

アリ野郎が吐いてきた腐食液で、俺の装甲に更なるダメージが加わる。

「うっ……」

やっぱり、1人じゃ厳しいか……

でも仲間はいても変身できる奴いないし……

しゃーない!使うか、2冊目!

そう決意し、俺はもう二冊目───ニードルヘッジホッグを取り出し、ページを開いた。

【ニードルヘッジホッグ!】

【この弱肉強食の大自然で幾戦もの針を纏い生き抜く獣がいる】

ページを閉じ、ソードライバーの中央のスロット、動物枠にセットする。

「ギギッ!貴様、まだ本を持っているのか!?」

それには答えず、烈火を引き抜く。

「ハアッ!」

【烈火抜刀!】

「フッ、ハアッ!」

烈火を振るい、変身時と同じように十字を描く。

【二冊の本が重なる時、聖なる剣に力が宿る!】

【ワンダーライダー!】

【ドラゴン!】【ヘッジホッグ!】

神獣、『ブレイブドラゴン』と生物『ニードルヘッジホッグ』の力を宿したセイバーの亜種形態、ドラゴンヘッジホッグ。本来の相性が良い二冊とは別だが、1冊よりも強大な力を発揮できる。

「まずはこれだ!」

そういって、俺はニードルヘッジホッグのページを押し込む。

【ニードルヘッジホッグ!】

そうした後、俺は烈火を振るう。

するとそこから数多もの針が発射され、キリギリスの身体に命中する。

「ギギッ!?」

そして、キリギリスが止まっている隙に、アリメギドにダッシュで詰める。

そして、烈火を一閃。

「ッ!」

アリが悶えるが、容赦なく連撃を叩き込んでいき、続いてブレイブドラゴンを押し込んだ。

【ブレイブドラゴン!】

「ドラゴン・ワンダー!」

叫び、右腕から赤いドラゴンを射出する。

「ッ!?」

ドラゴンの体当たりを諸に食らったアリメギドが、地に膝をつく。

「いまだ!」

そう叫び、烈火をソードライバーではなく、横の必冊ホルダーに納刀し、トリガーを引く。

【烈火居合!】

原作なら、セイバーが必冊ホルダーで必殺を放ったことはない。

だが、設定上はセイバーも使うことは可能だ。

居合斬りの構えを取りつつ、俺は叫んだ。

「火炎・火龍一閃!」

【読後一閃!】

ホルダーから烈火を思い切り引き抜きながら、俺は地を蹴った。

そして、たった一瞬の合間に俺の身体は10メートル余りを駆け、その進行方向にあったアリメギドの身体を斬り、さらに10メートルを通り抜けた。

「……!」

奴は悲鳴も上げることなく、爆散し、体をポリゴンへと変えた。

「な、アリを倒しただと!?」

奴は驚いたが、すぐに余裕を取り戻し、

「だが、我を倒さなければ異変は終わらぬ!」

そう。こいつらが共同で戦っているため、両方を倒さなければ異変は終わらない。

「それに……アリは一人ではないぞ?」

その声とともに、さらに多数のアリメギドが表れ、俺は激しく動揺した。

そうだ、原作でもアリは大量に出現していたんだった。

その後悔を表す間もなく、俺は剣を構えた。

はっきり言って、状況は最悪だ。1対10は居るんじゃないか。

 

 

───でも。

俺が闘わないと、町が消える。

その決意を胸に、剣を構えた──────のだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その戦い、手伝わせてもらってもいいですか。」

 

 

 

不意に、声が響いた。

メギドの声ではない、若い青年の……

声のした方を向くと、声の印象通りの青年が立っていた。

カーソルの色は……緑!?

「おい、何言ってんだ!早く逃げろ!」

そういったものの、

「大丈夫です。なぜなら僕も──────」

そういってウインドウを操作した彼の腰には……

 

 

「仮面ライダーですから。」

青い鍔の剣(水勢剣流水)が巻かれていた。




今回はここまでです!

とうとう出てきた水の聖剣……

次回は彼について明かされます。

そして、ご報告がございます。
私は、今投稿を持って年度内の活動を休止することとなりました。
理由としては、受験などの私生活が忙しくなるためです。
読んでくださる皆様には申し訳ございませんが、どうか4月まで待っていただけると嬉しいです。

では、四月投稿予定の話の予告をどうぞ。

次回、セイバーアート・オンライン。
「君も剣士なのか!?」
「頼りにしてますよ、先輩。」
「水勢剣流水に誓う。僕が必ず、世界を守る。」

第七節、「新たな剣士、水とともに。」
四月、公開予定。

オリジナルのブック組み合わせを出そうと思ってます。基本は赤いブックとの組み合わせです。

  • ヘンゼルナッツとグレーテル
  • 猿飛忍者伝
  • 昆虫大百科
  • 天空のペガサス
  • トライケルベロス
  • 玄武神話
  • 昆虫大百科
  • オーシャンヒストリー

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