IS<化物は教室の隅っこで>   作:書人

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自己紹介部分だけ切ってはったら凄く短くなった……。


三話 不本意な特例

 

今この教室には分かっているだけで三人の転生者が居る。

 

「吉田 要(よしだ かなめ)です。趣味は読書です」

 

「吉田は代表候補生ではないが、特例として専用機持ちになってもらっている」

 

興味と驚愕の視線が刺さる中、転生者のうちの二人から疑惑の視線が投げかけられた。そう、何故か私は強制的に専用機持ち……。転生者達に疑われたくないから、目立たずに行こうと思ったのに……。

 

「先生!?」

 

「代表候補生でも無い人がどうして専用機持ちなんですか!」

 

批判の声が何所からか上り、それが伝播するように広がっていく。

 

バンッ

 

「黙れ、ばか者どもが」

 

出席簿が教卓を叩く音が響くと、波が引く様に静かになった。

 

「確かに吉田が専用機持ちとして選ばれたのは、コイツらと同じ『イレギュラー』だからと言うのが大きい」

 

そして一夏君の頭を掴んだ。そして男子二人に視線を寄せる。その言葉に皆が首を傾げる。一人がぽつりと呟いた。

 

「……え?まさか吉田さんって男?」

 

断じて違う。確かにズボン履いているけども。確かに髪短いけども。

 

「吉田は正真正銘女だ」

 

またざわめきが元に戻った。

 

「だがな、吉田は実技・筆記共に100点の学年主席で入学を果たしている。実技に至っては専用機を持っていた代表候補生よりよっぽど良い動きをしていた。むしろ与えられないほうが可笑しいだろうが」

 

「「「え?」」」

 

この中には私の声もあった。

 

転生者を狩ると決めた時。相手がISを使ってくるだろうと想像できたし、IS学園に通うためもあって勉強したのだ。先生は心。まぁ、ずっと束さんの警備させてのもあってか、凄くISに詳しかった。仕組みが自分と似ているからでもあるらしいけど……。まさか両方100点だとは思わなかった。と言うか。

 

「先生、私最初にミスしましたよね。実技試験の時」

 

「新入生と言う点から考えて、その減点を補って余る成績だったからな」

 

ニヤリと笑った。……嫌な予感がする!

 

「元とはいえ世界最強に勝ったんだ、堂々としていて貰いたい物だが」

 

「ちぼふっ!!?」

 

一夏君が叫ぼうとして出席簿が火を噴いた。

 

「織斑先生だ」

 

「いってぇ……で、それって織斑先生に勝ったって事か!?」

 

「そうだ」

 

さっきよりもざわめきが大きくなった。

 

やってくれましたね先生……。私は席について頭に手をついていた。内心は頭を抱えて、全力で足をばたばたしているけど。

 

『転生者2名が確信を持ったかも』

 

いつかばれるにしろ、もう少し先延ばしにするか、真偽も分からないあやふやな噂話にしてしまいたかったのに。転生者を見張っていた心の言葉に、心の中で叫ぶ。

 

『……特に男子の視線がきついですね』

 

低い女の人の声がぽつりと呟いた。この声の主は私の専用機(うちがね)の『打鉄参式(仮)』こと参ちゃんで、実際に私と話しているのではなく、心が間に入って中継してくれている。なら声は心のアテレコかと思いきや、彼らには自分の声があるらしいので、本当に中継だけ。

 

心からイメージが送られて来る。金髪にオッドアイの少年と緩くウェーブの掛かった黒髪の少女が、私を睨んでいた。2人目のIS男性操縦者として知られていて、自分の専用機を持っている神城 龍二(かみしろ りゅうじ)と主人公等の幼馴染みでもあり、魔法使いでもある矢部 真奈(やべ まな)だ。

 

まだ専用機持ちだけだったら『バグ』ぐらいですませれたかも知れないのに……。

 

『ねえ要。やっぱり筆記テスト100点狙わなければもう少しマシだったんじゃ?』

 

……だってさ、何点取れたら合格ラインか分かんなかった。と言うか、ケアレスミスとかで落としそうで怖かったし。実技で点数かせぐつもり無かったんだよ。本気で。

 

実技試験の相手が悪かったとしか言い様が無い。……ほら、先生ってさ、手を抜いたらばれる上に落としてきそうだし。

 

そう、私の実技試験の対戦相手は世界最強と名高い織斑千冬先生だった。

 

……そして私はつい(・・)勝ってしまったのだ。

 

 




次回は14日の投稿です。

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