準備は整えられて行く、あと少しだ。
「この野戦向きじゃない兵器・・・役に立つんですか?」
カミーユは魔改造されたポジトロンライフルを疑問に思った。
「仕方無いわよ、間に合わせなんだから。でも貴方が欲しかったデータには丁度いいんじゃない?」
「前向きに考えればですけどね・・・安全性はどうなんです?」
「理論上は大丈夫だけど、銃身や加速器が持つかどうかは撃ってみないと分からないわ」
「随分大きな博打に出ましたね」
「本作戦における各担当を伝達します」
ミサトが伝える。
「カミーユ君は初号機で砲手を担当、レイは零号機で防御を担当して」
「「はい」」
二人揃って答える。
「これはカミーユ君の方がシンクロ率が高いからよ、今回はより精度が高い方のオペレーションが必要なの。陽電子は地球の磁場等を受け、真っ直ぐには飛ばないわ。それを計算して撃つ必要があるの」
「計算も何も、一回も撃った事ないんですよ?」
「大丈夫、テキスト通りにやって真ん中のマークが重なった時に撃つだけで良い、後は機械がやってくれるわ。でも外した場合次に撃つまでに時間がかかるの」
「じゃあこっちが外して、撃ち返されたらどうするんです?」
「余計な事は考えないで、正確に撃つ事だけを考えなさい」
(かなりマズイ状況だな・・・)
「時間が無いわ、早く二人とも着替えて」
更衣室
手首のスイッチを押すと、ブカブカだったスーツが体に密着する。
「もし失敗したら死ぬかも知れないぞ、自信はあるのか?」
カミーユは綾波に質問する。
「貴方は死なないわ、私が守るもの」
「・・・俺だって君を死なせはしないさ」
世界から光が消え、闇に包まれる。
その闇から星が瞬き普段見せない、いや、見ることを捨てた景色が再び世界を彩っている。
その光景はひどく美しく、魅了される様だった。
そんな光景を眺めながら二人は言葉を交わす。
「レイは何故エヴァに乗るんだ?」
「絆、だから」
「絆?」
「そう、絆」
「父さんとの?」
「みんなとの」
「そうか・・・君は優しいんだな」
「時間よ、行きましょう。さよなら」
月を背に立つその姿は、この光景にピッタリと合い何か神秘的な美しさを放っていた・・・
時は来た
「作戦スタートです!」
「カミーユ君?日本中のエネルギー、貴方に託すわ。がんばってね!」
「はい!」
接続が開始され、指示が飛び、それに合わせる。現場には緊張感が走り、人々がそれを見守っている。
「撃鉄起こせ!」
初号機がレバーを引くと、発射体制が起こされカミーユの目の前に狙撃用のデバイスが被さる。
誤差修正が行われ、二つのマークが居場所を求めて彷徨う。
機械はスパークし、タービンは轟音をかき鳴らし、銅線が煙を発する。
最終接続が終了した。
「全エネルギー、ポジトロンライフルへ!」
今ここに、日本中のエネルギーを託され、一大決戦が幕を開けた。
カウントダウンが始まる。
8
7
6
5
「目標に高エネルギー反応!」
4
「何ですって⁉︎」
3
2
1
「発射!」
二つのエネルギーがぶつかり合い、ねじ曲がったのち。
二つの光の柱が立ち上った。
プラグ内にも衝撃が伝わって来た。後方に加粒子砲が着弾したのだ。
「敵シールド、ジオフロント内部へ侵入!」
「第二射急いで!」
レバーを、引く。
「ヒューズ交換!銃身冷却開始」
「目標に高エネルギー反応!」
「マズイ!」
敵の加粒子砲がこちらへ直進し・・・拡散した!
「カミーユ君!」
カミーユが目を開けると、目の前には零号機が。
「レイ!」
盾が飴細工の様相を示す。
「盾が持たない!」
「まだなの⁉︎」
「第二射まで後10秒!」
それは誤差修正までの時間。
「こんなものッ!」
デバイスを叩き落とし、感覚の赴くままに。
感覚をシャープにし、敵を見据えて。
守りたいものがあると強く願い、信じて。
使徒への怒りを最大限込めて。
その指は動いた。
希望の光は直進し、着弾。火を吹く
「よっしゃ!」
敵機撃墜 任務完了
零号機本体には当たらなかったものの、ダメージは深刻だ。黄色の巨体が倒れる。
「レイッ!」
エントリープラグを取り出し、初号機から降りた後にその扉を開ける。
凄まじい温度、スーツを着ていなければ火傷していたであろう。
奇しくもそれはあの父親と同じ事だった。
「レイッ!大丈夫か⁉︎」
レイが瞼を開ける。
「さよならなんて冗談でも言わないでくれよ・・・」
涙は流さない、だが声は少し震えている。
「ごめんなさい、こういう時どんな顔すれば良いか分からないの」
「顔なんて良いさ、今はただ無事だった事が嬉しいよ・・・」
やはり親子は似た物同士なのだろう、レイの瞳には二人が重なって見えた。
肩を撫で下ろし、自然と笑みが溢れる。
そんな光景を月は淡く、優しさを込めて照らしていた・・・
てな訳で、無事ラミエルはお亡くなりになりました。
少しカミーユっぽく無いセリフがあると思いますが、次回はてんこ盛りなので、許してください、お願いします。
次回は出来れば来週に投稿します。
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド