「も〜!カッコ悪〜い!」
竪穴への狭い通路をエヴァで這いながら、アスカは愚痴をこぼしていた。アスカはなるべく美しい方法を取りたがるのだ。
カミーユとレイ二人がそれを無視して少し行くと、目の前に大型のハッチが現れた。弍号機で思いっきり蹴飛ばしてやると、そのハッチは一発で吹き飛び、奈落の底へと落ちていった。
通路から這い出し、3機とも壁に張り付く姿勢で作戦位置につく。説明を省いて申し訳ないが、実は零号機は既に改修が終わっていた。
「またしてもカッコ悪〜い!」
「うるさいよ!」
うんざりしたのだろう、カミーユが無線越しに怒鳴って来た。言い返すため口を開こうとするも、真上から何か液体のような物が降って来た。
ソレが下にいる零号機の肩部ウェポンラックに当たると、煙を発しながらみるみる内に溶けていくではないか。
「いけない、避けて!」
「!」
だが今度降って来た量は先ほどよりも多い。レイの警告虚しくあっという間に弍号機の手の装甲が溶かされ、落下してしまう。それに巻き添えになる形で零号機、初号機も底知れぬ闇へと落ちていく。
「クソっ!何やってるんだ!」
一番下の初号機が四肢で踏み留まってやると、火花を散らしながら少しずつスピードを緩め、最後には2機を背中に乗せたたまま停止した。このままではまずいと思い、脇に空いているの通路へと3機共避難する。
「目標は強力な溶解液で本部ごと溶かすつもりね」
「どうやって倒すんだ?ライフルは無いぞ」
さっきの落下の途中でライフルは初号機の手を離れ、落ちてしまっていた。
「作戦ならあるわ。ここに留まる機体がディフェンス。ATフィールドを中和しつつ、溶解液からオフェンスを守り抜く。バックアップは下降して、落ちたライフルをオフェンスに渡す。そしてオフェンスはライフルを受け取った後、使徒に射撃。これでいいわね?」
「ディフェンスは私がやるわ」
「お生憎様、私の役よ」
「いいのか?かなり危険だぞ」
「いいのよ。アンタにさっさと借りを返さなきゃ、気持ち悪いし。カミーユがオフェンス、優等生がバックアップ。それでいいわね?」
「了解」
「分かったわ」
「それじゃ、行くわよ!」
アスカが一声上げると、3機一斉に飛び出し、作戦の通りに動く。弍号機は使徒に背中を向ける形で踏ん張り、溶解液を受けた。背骨が溶ける感覚に顔を歪める。
スラスター全開で降り立った零号機は轟音と土煙を上げながら着地し、ビームライフルを初号機へと投げ渡した。
「レイ!」
パシッと受け取ったビームライフルを使徒に構え、ロックオンする。
「アスカ、避けろ!」
素早く脇へと逸れた弍号機を確認した後、ビームライフルを使徒目掛け乱射する。トリガーを引くたびその黒い体に当たったところからは空が覗く。やがて跡形もなく溶け去った胴体を置いて、脚と思われる器官も静止した。そして落ちる弍号機を初号機は身体で受け止める。
「これで借りは返したわよ」
「ああ」
作戦は成功だ。
その頃ミサトはエレベーターで加持と取っ組み合っていた。
戦いの後、パイロット達は気分転換に街を見下ろせる高台へと来ていた。
「人工の光がなけりゃ星がこんなに綺麗っていうのは、皮肉だな」
「でも、明かりがなけりゃ人が住んでる感じはしないわ」
アスカがそう言うと、タイミングよく第三新東京市に文明の光が灯される。
「ほら、こっちの方が落ち着くもの」
「人は闇を恐れ、火を使い、闇を削って生きてきたわ」
「てっつがくぅ〜」
「その内、あの星の中に人の居場所が浮かぶ時が来るかもしれないな」
「なんかアンタが言うと、説得力あるわね」
空……いや、宇宙を見ていると、カミーユは何だか湧き上がってくるものがある。好奇心でもなく、恐怖でもない。安心に近いものだ。生まれた時から、幻覚かもしれないが宇宙が見えた。人の考えが分かった。そんなカミーユの居場所は地球では無いのかもしれない。
だが彼はそれについていつか深く考える事になるだろう。自分と向き合い、未来を決めるその日が……。
零号機改
第五使徒との戦闘において中破した零号機を弍号機のデータをフィードバックし、改良した機体である。
元の零号機とは外見が大幅に変更されている。主な相違点は、モノアイからバイザーにツインアイを内蔵した形への変更。腹部ミサイル、ブルーのカラーリングである。
ビームライフルとサーベルも併用が可能。
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エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド