「貴方がカミーユビダン君ね?」   作:クソザコぎつね

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宇宙からの使者 壱

 

「すまんなカミーユ、雨宿りさせてもうて」

 

「ミサトさんは?」

 

「まだ寝てるんじゃないか?徹夜が多いって愚痴こぼしてたからな」

 

大雨が窓を叩きつける中、いつもの三人はあまりの湿気に鬱屈としていた。なんでも急に降ってきたもんだから、仕方なく今は雨宿りさせている。

 

「ああ〜、最近大変そうやからな」

 

「ミサトさんを起こさない様に、静かにしてようぜ。静かに」

 

カミーユが二人にタオルを渡すと、わしゃわしゃと髪を拭きながらケンスケとトウジが口に人差し指を立てた。言われなくとも、カミーユは静かに自室で過ごすだろう。最近、ようやく新しい装備が完成した所為で内心少し浮き足立っているのは内緒だ。

 

「あぁー!アンタ達何してんのよ!」

 

静かにしろと言ったのに。アスカが廊下から顔を出してきた。今帰ってきたのだろう。

 

「うるさいな。ただの雨宿りだよ」

 

アスカが鼻で笑う。

 

「私目当てなんじゃないの?着替えてんだから、見たらコロスわよ」

 

そう言ってアスカは自室へと戻っていった。

 

「じゃかしいわアホンダラッ!だれがお前なんかの体なんか見たいっちゅうんや」

 

「自意識過剰な奴」

 

声を抑えて愚痴っていると、ミサトが襖を開けて入ってきた。これから仕事だろう。ピシッと服を着こなしたミサトが二人に挨拶をかけてくる。

 

「あら、二人ともいらっしゃい」

 

「おお、お、お」

 

「お邪魔してます!」

 

「お帰りなさい。今日はハーモニクスのテストがあるから遅れない様にね」

 

「分かりました」

 

「アスカも、分かってるわね?」

 

「は〜い」

 

何を思ったのか、ケンスケがミサトの襟をじっと見つめると、突然姿勢を正した。

 

「こっ、この度はご昇進おめでとうございます」

 

「お、おめでとうございます!」

 

ケンスケに倣ってトウジも礼をした。よく見てみれば、なるほど。襟に付いたバッジが少々装飾が増えているのが見てとれる。

 

「おめでとうございます」

 

「あ、ありがとう……」

 

流石にカミーユに言われると思わなかったのか、ミサトも戸惑っている。

 

「それじゃあ行ってくるわね」

 

「「いってらっしゃーい」」

 

トウジとケンスケが手を振りながら見送る。

 

「いつの間に昇進したんだろうな」

 

「中学生二人を抱え込んどるんやからな。認められたっちゅう事やろ」

 

「あの若さで一尉から三佐ってのは凄い事だぞ」

 

そのことに少し感心しつつ、カミーユは身支度を整えようと自室へ戻るのだった。

 

ーーーーーー

 

二時間程経った後、三人のパイロットはNERV本部にてハーモニクステストを受けていた。テストと言っても、プラグの中で集中するだけだが。

 

「0番2番共に汚染区域に突入。限界です」

 

「1番の方はどうかしら?」

 

「既に汚染区域ギリギリです。やはりムラがありますね」

 

「ええ、前回の時はまだ行けたはずだったけれども。二人に比べると何かが違うわね」

 

「波……というべきでしょうか。平均的にいえばシンクロ率、ハーモニクス共にアスカを越える可能性はありますね」

 

「気難しい子ね」

 

モニターに映るカミーユの表情を見ながら、ミサトは呟く。

 

「あの子は、戦い続けられるかしら」

 

何はともあれ、ハーモニクステストは無事終わった。

 

「カミーユ君、今回はあと少しだったけど次に期待しておくわね」

 

「今んとこ、私が一番ね」

 

「あら、そうやって慢心しているといつか追い越されるわよ」

 

「アスカ、ナマケモノ、ナマケモノ」

 

すっかりハロも馴染んできた。

 

「なによこのガラクタ!」

 

「ハロをいじめちゃ、駄目」

 

何やらレイとアスカが取っ組み合っているが、それは置いてカミーユはリツコに聞きたいことがあった。

 

「フライングアーマーの方はどうです?」

 

「順調も順調。戦自研の協力もあって予定より早く進んでるわ」

 

「それなら良かったです。ところで、シャトル用の外壁なんてよく手に入れましたね」

 

「そこは言えないわね。とにかく、貴方はもっと集中しなさい?」

 

「わかってますよ」

 

そういうと、カミーユはアスカとレイを追いかけに行ってしまった。すると、タイミングを見計らったかの様にミサトが声をかけてくる。

 

「リツコ?ちょっといいかしら」

 

「何かしら」

 

「カミーユ君に褒められた事ってある?」

 

「あら、いくつかあるわよ。最近よく一緒にいるもの」

 

「えぇ……?」

 

正直言って、ミサトはカミーユの事が少し分からなくなってきた。

 

エンディング

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