「2分前に突然現れました」
『第六サーチ、衛星軌道上へ。接触まで後2分』
「目標を捕捉、モニターに出ます」
青葉がそう言うと、本部の大型モニターにデカデカと大きな目をした使徒が映される。監視衛星の大きさから推測するに、全長は何百mもあるだろう。
「「「おぉ……」」」
あまりの巨大さにNERV職員も動揺を隠せない。
「こりゃすごい」
「常識を疑うわね」
「目標と接触します」
分析を開始する為使徒を取り囲む様に監視衛星が近づくと、ぐしゃりと視界が歪み、やがて砂嵐へと変わってしまった。監視衛星がスクラップになったのだ。
「ATフィールド?」
「新しい使い道ね」
残ったのは遠方で待機していた一機だけだ。その衛星からの確認では、使徒は自らの体の一部を切り離し、落下させている事が分かった。
数時間後、分析報告室の監視モニターへ落下地点が送られてきた。
「大した破壊力ね、流石ATフィールド」
「落下とATフィールドの相乗効果です。使徒自体が大きな爆弾ですね」
「とにかく、初弾は太平洋に大外れ。でも数時間後の落下地点がここ。確実に誤差修正してるわね」
リツコが指で差した先には、数キロ毎に第三新東京市へと連なるクレーターが点在していた。
「学習してるって事か……」
「N2航空爆雷も、傷ひとつつきません」
日向が提示した写真はついに堕とされた最後の衛星からのものである。そこには画角いっぱいの爆発に身を覆われながらも俄然とこちらを見つめる使徒の姿が写されていた。
「以後使徒の消息は未だ不明」
「次で……来るわね」
「ええ、本体ごとね」
MAGIによる落下地点の予測が始まる、と言っても本部狙いだろうに決まってるが。因みに第三新東京市は箱根にある。
「その時は、第三芦ノ湖の誕生かしら?」
「富士五湖が一つになって太平洋と繋がるわ」
「碇司令の方は?」
「使徒の放つジャミングによって連絡は困難です」
「MAGIの判断は?」
「全会一致で撤退を推奨しています」
「どうするの?今の責任者は貴方よ」
少し考え込んだ後、ミサトは凛とした声で命令を下す。
「日本政府各省に通達、NERV権限による特別宣言D17を発令。半径50圏内の全市民は直ちに避難。松城にMAGIのバックアップを頼んで」
「ここを放棄するんですか?」
「いいえ、立ち向かうのよ。私達で」
そう言うミサトは胸から下げた十字のペンダントを強く握りしめていた。それから数時間の後、市内のビルは全て格納、全市民の避難も確認された。
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NERV職員トイレにて
「やるの?本当に」
洗面台に立つはリツコとミサト。蛇口から流れる水が激しく打ち付ける。二人は鏡を見つめながら、お互い最後になるかもしれない会話を交わしていた。
「ええ、勿論よ」
「エヴァ三機を捨てる気?勝算は0.00178%。万に一つも無いのよ?」
「でもゼロじゃ無いわ。エヴァに賭けるだけよ」
「葛城三佐!」
「現責任者は私です」
リツコの発言を遮りながら言う。
「それに……やってみなくちゃ分からないわ。使徒殲滅が私の仕事ですもの」
すると、リツコは少し呆れた様に笑う。
「仕事?笑わせるわね。自分の為でしょう、貴方の使徒への復讐は」
ミサトは返事を返さなかった、それが彼女の答えなのか。鏡に写っていたのは……
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド