「えぇ〜⁉︎て、手で受け止める……?」
作戦を伝えるべく、パイロット三人は部屋に集められていた。だだっ広く何も置かれていない空間にアスカの声がよく響く。
「そう、落下予測地点付近にエヴァを配置。ATフィールドによって使徒を食い止めるのよ」
「いくらなんでも無茶苦茶が過ぎますよ」
流石にカミーユもこの作戦には難色を示していた。
「ふふん、そんなこともあろうかとコレを拝借して来たわ」
ミサトが得意げに鼻を鳴らすと、ガラス張りの床に映像が映し出された。
「フライング……アーマー?」
「これって、カミーユがよくイジってたやつじゃない」
そこに映っていたのは、先日完成したばっかりのフライングアーマーだった。
「そしてこのフライングアーマーを……こうよ」
ミサトが手元のタブレットを操作すると、フライングアーマーに続々と装甲が追加されミサイルポッドも増設された。原型はほぼ真ん中部分にしか残っておらず、追加された装甲によって全長も二回り以上大きくなっている。
「カミーユ君、戦自研とJAの開発グループは覚えてるかしら?」
「ええ、覚えてますよ。片方には苦労させられましたからね」
「そこ二つの部署が徹夜で作り上げたフライングアーマーの強化、発展案がこの兵器よ。名前はGディフェンサー」
「G……ディフェンサー」
「でも、これをどう使うって訳?」
すると、初号機によるシミュレーション映像が流れ始めた。
「まず初号機が単独でGディフェンサーに接続と変形、残り2機が落下予測地点付近に待機。初号機はカタパルトにて発進の後大気圏へ突入。宇宙へ到達後速やかに変形解除し使徒への攻撃を始めるわ」
映像内の初号機は迫り来る使徒に対してロングライフルによる射撃とミサイルの弾幕により、じっくりと使徒の落下速度を落としているのが分かる。
「あわよくば撃墜と行きたいところだけど、残念ながらジェネレーター出力とATフィールドの関係上落下速度を落として、誤差を減らすしか出来ないわ」
もし攻撃し続けた場合、要求されるエネルギー量に残量電池とジェネレーターが耐えきれず初号機は、自壊。宇宙の塵となるだろう。
「そして落下速度が落ちた使徒を二機のエヴァで受け止め、どちらかがトドメをさす作戦よ」
腰に手を当て、胸を張るミサト。
「勝算はいくつあるんです?」
「神のみぞ知るってところね」
「こんな作戦が上手く行ったら、それこそ奇跡ね」
「奇跡は人の手で起こして価値があるのよ」
「つまり、なんとかしろってこと?」
「すまないけど、作戦はこれしか無いわ」
ミサトは申し訳なさそうに俯く。彼女だって、本当はもっといい方法があると信じたいのだ。
「こんなの作戦と言えるの⁉︎」
「言えないわ。だから今回の作戦は辞退できるわ」
だがパイロット達は揃って誰も手を上げようともしない。彼らだって遊びでやっている訳では無いのだ。その目には覚悟が見受けられる。
「そう……良いのね。一応規則だと遺書を書くことになってるんだけど」
ミサトがポケットから茶封筒を取り出した。
「別に良いわ、そんなつもりないもの」
「要りませんよ。死んだら父さんを殴れないでしょう?」
「私も、良いです」
「分かったわ」
ミサトは手に持っていた茶封筒をビリビリに引き裂いた。
「終わったら、皆にステーキをご馳走するわ」
「本当⁉︎」
「たまりませんね、素敵だ」
「期待しててね♪」
背を向けミサトは部屋から去っていった。カミーユが口を開く。
「ご馳走はステーキで決まりか……」
「今時の子供がステーキで喜ぶと思ってんのかしら?これだからセカンドインパクト世代って貧乏臭いのよね」
「仕方ないだろ、あんな事があったんだ」
「なによ素敵だ、なんて言っちゃって。ステーキに掛けてるの?」
アスカが脇を突きながらにししと笑う。
「そんなつもりじゃ無い。別に良いだろ、ステーキでも」
カミーユが口を尖らせる。
「さてと、折角のご馳走なんだもの。ど、こ、に、し、よ、う、か、な♪」
何故入れているのか、カバンからルルブを取り出して早速アスカは店を探し出した。
「レイも来るでしょ?」
「私、行かない」
「どうして?」
「肉、苦手だもの」
レイは少しはにかみながらそう告げた。
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド