第三新東京市郊外に位置する一つの山。その山が震えると、パックリと二つに割れ中身を表してきた。
「こんな所にカタパルトが……」
「そこの担当者が趣味で付け加えたのよ」
山の中に隠されていたカタパルトが姿を表す。緑の中で目立つ灰色の道が、日光をギラギラと反射している。
「サポートOS設定完了、ハーモニクス汚染濃度正常」
「A10神経接続確認、ジェネレーター臨界点」
「パワーフロー共に正常。クルーズリンクシステム更新」
「これで全ての準備が整ったわ、後はカミーユ君。任せたわよ」
プラグスーツの上から少々分厚い宇宙服とヘルメットを着たカミーユが答える。あまり着心地は良くなさそうだ。
「分かりました。そっちも頼むぞ」
「はいはい分かってるって」
「気をつけて」
モニター越しにアスカとレイに通信を送った所で、カミーユは覚悟を決めた。
「エヴァ初号機、行きます!」
変形状態のまま初号機は離陸し、大出力のスラスターであっという間に高度を上げていく。その速度はついにマッハへと達し、音を置き去りにする。
「くっ……!」
前方向から掛かる急激なGに身体が押し付けられる。バランサーを配置し、プラグスーツを着込んだ所で結局の所それは14歳の子供にとっては果てしない衝撃だ。
思わず千切れてしまいそうになる意識を気合いで繋ぎ止め、視界がだんだん狭まる中、スロットルを全開にする。
雲を突き抜け、地上の街が蟻ほどに小さくなって来ると、高度を表すメーターは50kmを差していた。
ここまでくると雲などの目印となる物が無いため中々上がっている感覚は感じられないが、それでも着実に近づいている。
何故なら、目の前にはあの使徒が今か今かと待ち構えているのだ。大きな体を広げ、こちらを見つめる使徒。情報通りかなりの大きさだ。
『高度間もなく80kmに到達、作戦区域へ突入します』
無線越しにオペレータの声がが聞こえると、気が軽くなっただろうか。段々とGが弱まっていくように感じる。
先程まで押し付けられていた思考が自由を取り戻していくと、ついにその高度メーターは100kmを指した!
『ロングライフル射程圏内、変形解除せよ』
コクピット右手に急遽増設された赤色のレバーを力一杯引くと、大型の戦闘機の姿をしていたエヴァが羽を開くように装甲を展開させる。機体下部にマウントされたロングライフルがバレルを初号機よりも長く延長し、Gディフェンサー本体のパイプと接続させた。
そして各所に備え付けられた放熱板が開き、冷却ガスを噴射すると同時にその変形は完了する。
「ここが宇宙なのか……、とても懐かしい感じがする」
初めて触れる筈の宇宙。だがその感覚に、カミーユは生まれ故郷の様な安心感を覚えていた。
「何だ?このプレッシャーは……」
だがそのプレッシャーは決して作戦を成功せねばならぬという物ではなかった。まるでこちらを殺そうとするような、それこそ野獣のような殺意が自分を指している。
「あの使徒からなのか?」
いつもは感じていなかったこのプレッシャー、カミーユはその主を目の前の使徒からだと推察する。
「だからって!」
『ジェネレーター出力最大、収束値7.54まで上昇』
ロングライフルを構え、目の前の大型使徒へと狙いを付けた初号機。次第にそのバレルが熱を帯び、発射体制へと移行する。
「そこだ!」
トリガーを押すと、直径30m程もある巨大な光の奔流が使徒へと迫りくる!その輝きに思わずカミーユは目を瞑るが、それでもトリガーを押し続ける。
使徒は咄嗟にATフィールドを出し、そのビームを防ごうとする。ただ一点、使徒の中心目掛けて発射されたそれはホースの様に延々と流れる。
次第にビームは使徒の落下の勢いへと抵抗し始め、徐々に徐々にその速度を緩くしていく。
『冷却剤を絶やすな!ジェネレーター出力最大を維持せよ』
『目標の落下速度後退中!』
一体何分ほど撃ち続けたであろうか、時が遅く感じる。だが一定して抵抗を続けるビームは確実に目標を足止めしていた。
しかし、次第にその時間稼ぎも終わりに近づく。コクピット内にアラート音が響き渡った。
「エネルギーが……!」
遂に初号機は全部のエネルギーを使い果たした。これ以上はもう撃てない。
「クソッ!」
思わずカミーユはレバーを叩く。いくら機体の性能上仕方ないとしても、彼には悔しさが残った。
『初号機、帰還せよ』
「……了解」
もし次があるのなら、必ずや討ってみせる。その決意を胸に抱きながらカミーユは作戦区域を離脱した。
Gディフェンサー
カミーユとNERV武装開発部門により開発されたフライングアーマーを戦自研とJA開発グループが発展させた試作戦闘機である。
単体でも遠隔操縦で攻撃が可能な他、エヴァと合体させる事で大幅なパワーアップを果たす。本機のベースとなったフライングアーマの部分は基部にしか残っておらず、ほぼ魔改造とも言える。
武装はロングライフルとミサイルポッド。バルカンとなっており、今回の作戦ではロングライフルのみが使われた。
尚、地球へと帰還した後本機は損傷が激しかった為、分解されNERVへと引き渡された。
作者の一言
序盤の部分はウルトラシリーズの防衛隊、中盤はガンダムWの最終回をイメージしてます。
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド