「貴様ッ、貴様ッ、貴様ッ‼︎」
壁に打ち付けられたゲンドウに跨り、二発三発とその拳を振るう。
「いまさら出てきてなんなんだその態度は!それが親の言う事かよ‼︎」
「ッ・・・カミー・・・ユ・・・」
「うるさい!アンタは許せない奴だ‼︎」
ゲンドウの声など耳には入って来ず、ただただ執拗に顔面を殴りつけまくるカミーユ。
そこには憎しみ等の負の感情のオーラが辺りを支配し、誰も近づく事が出来ない。
数十秒も長い間本気の修正を加えられた顔は原型をとどめておらず、アザのない箇所は無いだろうと思える程に殴られていた。ただでさえカミーユは空手を習っている。そんな者の拳を何発も喰らえば、後遺症も出るだろう。
現に今、ゲンドウはほとんど喋ることも出来なくなっている。
「辞めるんだカミーユ君!」
「離せっ!コイツには、分からせてやらなきゃなんないんです‼︎」
慌てたスタッフが取り押さえるものの抵抗は激しい。
その数分後、十人かかりでようやく抑えられたと言う。
それを見ていたスタッフ達は後にこう思った。
(怒らせちゃ駄目だ、怒らせちゃ駄目だ、怒らせちゃ駄目だ)
その後エヴァの格納庫前に戻り、ゲンドウは医務室へと運ばれていく。それを見るカミーユの顔は少しニヤけていた。
「・・・時間が無いからさっきのことは無しにして言うわよ、カミーユビダン君、貴方が乗るのよ」
「でも、綾波レイでさえエバーとシンクロするのに七ヶ月もかかったんでしょ?今来たばかりのこの子にはとても無理よ・・・」
「座っているだけでいいわ、それ以上は望みません」
「座ってるだけ?随分と簡単なんですね」
「まさか乗るつもりなの・・・?」
その時だった、NERV本部を突如落下してきたビルが襲い、あたりは轟音と振動に包まれる。そして破損した照明がカミーユ目掛けて落下してきた。
「危ないッ!」
咄嗟に自らを手で守るものの、そこには何も落ちて来ない、上を見るとそこには巨大な紫色の手が自分を庇っていた。
「まさか!あり得ないわ!エントリープラグも挿入してないのよ、動く筈ないわ」
「守ったの・・・?彼を・・・」
「事情は分かりました・・・僕が戦いますよ」
エントリープラグがエヴァの首に挿入されると、オレンジ色の液体がせりあがり、あっという間に全身を包み込んだ。
「なんですかこれ」
「大丈夫、肺がLCLで満たされれば、直接血液に酸素を取り込んでくれます」
その言葉を信じて口を開けると、肺が満たされる感覚を感じ取れる。溺れるのに近かったが。
「オエッ・・・あまり良い気分じゃありませんね」
「我慢なさい、男の子でしょ!」
「前時代的ですね・・・」
A10神経接続と共に周りを様々な色が遠ざかっていき、最後には周りの景色が映し出された。
(凄い・・・どうなってるんだ?)
その不思議な構造にカミーユは少し興味が湧いた。
司令室にて
「発進準備完了」
「了解・・・構いませんね?」
司令に振り返り、確認を取る。
「勿論だ、使徒を倒さなければ人類に未来は無い」
「碇・・・本当にこれで良いんだな」
カミーユからの暴行により包帯で覆われた口元は少しニヤけていた。
「発進!」
大きく張り上げられた声と共に、強烈なGが押し潰さんと迫ってくる。
そのGに耐えていると、それは突然止み、既に敵の目の前に出ていた。
目の前の使徒の赤い部分が怪しげな光を発する。
今ここに人類と使徒との闘いの火蓋が、切って落とされた。
(お願いカミーユ君、死なないでよ・・・)
とりま1話はここまでとなりますね。今後も分割して上げていきますので気長に見てください。
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド