(おかしいな・・・シナリオ通りならあんな凶暴な筈がない・・・。まぁエヴァの操縦上手かったし、誤差の範囲だろう。意外と痛かった・・・)
あれから日は暮れ、もうすっかり夜になったものの、無事ミサトのマンションへ着いた。
「カミーユ君の荷物はもう届いてると思うわ。実は私も先日この街に越してきたばっかりでね?」
「にしては、結構馴染んでますね」
「まあね♪」
部屋のロックが解除され、ドアが開く。
「さぁ、入って」
「お邪魔します」
そう言ってカミーユはスタスタと家に入って行ってしまった。
「ちょっと、今日から貴方の家なんだから!」
「分かりましたよ・・・ただいま。これで満足ですか?」
「良いわよ♪」
不機嫌ながらも、カミーユは答えてくれた。
「うわっ!なんですかこのゴミ屋敷」
その部屋には足の踏み場も無いほどゴミが散らかっていた、明らかに先日越してきた量ではない。
「うっ、なかなか効いたわよ今の・・・取り敢えず食べ物冷蔵庫に入れといて」
「はいはい、分かりましたよ」
肝心の冷蔵庫の中身はというと・・・
一段目
「氷・・・」
二段目
「つまみ・・・」
三段目
「ビールだけ・・・、ミサトさん!あんたどんな生活してるんです⁉︎」
「ハハハ・・・」
その言葉にミサトは苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「はぁ・・・、ん?あっちの冷蔵庫は何です?」
カミーユが指さす方には、灰色のもう一つの冷蔵庫が鎮座していた。
「あぁーそっちは良いの、まだ寝てると思うから」
「寝てる?ペットかなんかですか?」
「おっ、鋭いわね〜。似たようなものよ」
ミサトが着替え終わると、レンジで食べ物を温めてテーブルに並べる。
「いっただっきまーす!」
「・・・いただきます」
ミサトがビールをゴクゴクと音を立てて飲み干す、随分美味しそうだ。
「ぷっはぁぁ〜、くぅ〜!やっぱ人生この時の為に生きてるもんよね〜」
「分かりますけど、もう少し静かに食べて下さいよ」
「わーってるわよ。ところで・・・楽しい?こうして他の人と食事するの」
「悪くはありませんね・・・行儀が良ければ」
「もうッ!」
食事を終えた後、生活当番を決める為にじゃんけんが行われていた。
「それじゃ行くわよ・・・じゃんけん、ぽん!」
「・・・案外弱いんですね」
「も〜、なんで〜⁉︎ひとっつも勝てないじゃない!」
まるで何を出すのか分かるかの様に、カミーユはじゃんけんで全勝してしまった。よって、当番はミサトオンリーとなったのだ。
「ま、良いわ。やな事はお風呂に入って、パーッと洗い流しちゃいなさい♪風呂は命の洗濯よ♪」
「んじゃ遠慮なく使わせてもらいます」
そういうと、カミーユはさっさと風呂場に行ってしまった。
(ほんとに遠慮無いわね・・・)
「・・・なんだお前」
「クエッ?」
浴槽の扉を開けると、そこにはペンギンが立っていた。
「もしかして、君がペットか?」
「クエッ⁉︎クエッ!」
何か抗議している様だ
「ん?・・・もしかして違うのか?」
「クエッ!」
カミーユには何が言いたいかなんとなくわかったが、念の為ミサトに聞いてみることにした。
「ミサトさん、このペンギンペットじゃないんですか?」
ドア越しに尋ねると、返事が返ってきた。
「あぁ、彼は新種の温泉ペンギンのペンペン。同居人よ♪」
「そうなのか?」
「クエッ!」
(もしかしてだけど・・・ビーちゃんって動物の言葉がわかるのかしら・・・)
風呂の後電気を消し、新しく与えられた部屋で静寂の中、カミーユは考え事をしていた。
(俺がここにいるって事は、使徒はまた来るんだろう・・・)
「だとしたら、あのままのエヴァじゃ不安だな・・・」
運ばれて来た荷物の中からコンピューターを取り出して机に設置する。
(リツコさんにでも頼めば・・・なんとかなるかもしれない」
机に向き合い、プログラムをいじっていると、背後からミサトの声が聞こえてきた。
「カミーユ君?開けるわよ」
襖が静かに開けられる。
「一つ言い忘れていたけど・・・貴方は人に褒められる立派な事をしたのよ・・・胸を張って良いわ」
「はる胸ないですよ」
キーボード片手間に短く答える。
「そういう事じゃないわよ・・・、んじゃおやすみ」
(ちょっち心配だったけど、大丈夫そうね。でもあの画面、映っていたのは何かしら・・・エヴァの様に見えたけど)
襖が閉まり月明かりに照らされた部屋の中、キーボードをせわしなく叩く音が響いていた・・・
補足 NTが動物の頭の中を見る事が出来るかは分かりませんが、カミーユ君だったら言いたい事が少し分かるんじゃないでしょうか。
若干のオリジナル要素ですみません。
エンディング
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バッドエンド
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ビターエンド
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ハッピーエンド