100秒で分かるアナザーガンダムの黒歴史   作:カブキガンダム

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このSSの半分以上は根も葉もないデタラメです。
アンサイクロペディアを読むときのような広い心で御覧ください。

特に完全平和主義や実在する政治・宗教団体への言及は本当にナシでお願いします。
やめてよね本気でレスバしたら僕がインテリ達に勝てるわけないだろ(震え声)。



1995年 新機動戦記ガンダムW……自爆了解!

 

 

 

 

 

 

時は1994年。

『機動武闘伝Gガンダム』が良くも悪くも話題になっている最中。

次回作の監督へと選ばれてしまった哀れな囚人の名は、池野マサシだった。

 

 

だがこの池野マサシという男、戦争というモノをあまり考えたことが無かった。

ガンダムといえば戦争、という図式はGガンダムによって崩されつつあったが、アレは今山だから出来たのだ。

今山本人は自覚がないようだが、奴も富田に直接見込まれるだけのことはあり、立派な狂人奇人の類だ。

 

どうすれば良いか、池野マサシは必死に考えた。

そうしているうちに、ふと学生時代に読んだ1冊の本を思い出した。

イマヌ〇ル・カントの『永遠平和のために』だ。

とんと政治に縁がない池野マサシという男が知る、数少ない政治本である。

 

池野は実家の押し入れを漁って『永遠平和のために』を発見し、読み直した。

これはイケる、と池野は思った。

『永遠平和のために』は、戦争のない社会の作り方を書いた本である。

物語の根本に戦争を配置してきたガンダムシリーズにおいて、戦争という根本問題の解決は新たな切り口と成り得るハズだ……と池野は思った。

これが悲劇の始まりだとも知らずに。

 

 

 

 

翌1995年。

『新機動戦記ガンダムW』は、予想外の好調の中で第1クールを終えた。

池野マサシは、多忙の中でようやく手ごたえを感じ始めていた。

突如ふられた貧乏クジ……もとい身に余る大役を任された時には、どうなるかと思ったものだが。

しかし……死神は身構えている時には来ないものだ。

 

 

 

――インテリは夢みたいな目標ばっかり持っているから、過激なことしか言わない。

――『完全平和主義』とは、他国から武力侵攻を受けた際に国家が国民の安全を一切保証しない、ということだ。

――そんな国家が本当にマトモか?

 

 

今山の腕の中で息を引き取ったはずの富田ヨシユキが、池野の夢枕に立って囁いたのである。

滝のように汗を流しながら、池野はサンライズの仮眠室でベッドから転げ落ちた。

 

そこからは、ひたすら転落の一途だった。

一度気付いてしまえば、気付かなかった頃へなど戻れない。

幾度となく富田の墓前へと足を運ぶも、冷たい墓石は何も言ってくれない。あと何度ここに来ればいい。

 

日に日に、池野は憔悴していった。

周囲から見ても異様と思えるほどに頬がこけ、瞳をギラギラさせるようになった。

口数も減り、「任務了解」「任務完了」だけを口にして一日を終えることすら珍しくなくなった。

 

番組は既に軌道修正不可能だった。

作中で、軍の完全撤廃を訴えるノベンタ元帥を誤射した件に関して、ヒイロ・ユイは遺族への謝罪参りをしてしまった後だ。

ここから「やっぱり完全平和主義ってダメだわ」とは言えない。

眠るたびに魘されて飛び起きる生活のなかで池野が生み出してしまったのがゼロシステムであることは、あまり知られていない。五飛が教えてくれた。

 

 

追い詰められた池野を見かねて、サンライズ上層部は池野を降板させるべく説得を試みた。

しかし池野の精神的摩耗具合は、サンライズ上層部の想定を遥かに超えていた。

 

 

 

「降板はする。しかしガンダムは渡せん!」

 

 

などと意味不明の供述をしながら、池野はサンライズのスタジオを自爆させて蒸発したのである。

この事件を目の当たりにして、サンライズ上層部に激震が走った。

だが、サンライズ上層部は世紀のファインプレーに成功する。

ちょうど同時期に日本でテロ活動をしていたインコ真理教に全ての罪をなすりつけることで、事件の揉み消しに成功したのだ。1995年の出来事である。

 

同時に池野の遺書も、サンライズ上層部によって闇へと葬られた。

後に、解放されればサンライズが転覆すると言われるようになる『ラプラスの箱』の中身こそが、この池野の遺書である。

 

 

遺体の無い池野の葬儀を手配しつつ、サンライズ上層部は次なる人身御供を探した。

すると、同社で勇者ロボットシリーズの監督を3年も連続で務めている人物に目がとまった。

ジェイデッカー、マイトガイン、ゴルドラン。それら3連作を作り上げた伝説の監督の名を、サンライズ上層部は声をそろえて呼んだ!

 

 

 

「「「「たかが降板騒動ひとつ、高梅シンジの力で押し出してやる!!」」」」

「!!!!?」(高梅の言葉にならない悲鳴)

(今山の安堵の溜息)

 

 

9月末、ガンダムWの第26話の放映直前に、現場を見た高梅シンジは絶句した。

31話目までは辛うじてコンテの発注が終わっていたものの、32話以降はシナリオすら存在しない状態だったのだ。

まさに、死に体としか言えない状況である。

 

とりあえず27話&28話に連続で総集編を挟んで、時間を稼ぎつつ。

高梅監督は必死に番組を延命した。

もちろん、1年モノである『黄金勇者ゴルドラン』の監督業も続けながらである。ぶっちゃけこの人も割と人間やめてると思う。

ただでさえ唐突なタカラ側からの新商品の「キャプテンシャーク」が生えてきたせいで、高梅は黄金のゲロを吐いたばかりだというのに。

 

ガンダムWは打ち切らせてくれ、という本音を飲み込みながら、それでも高梅は働き続けた。

悪ふざけ全開でゴルドランの第37話に嘘最終回ネタをぶち込んだのが、遠い思い出のように思えた。

 

池野と同様に、高梅も追い詰められていった。

1週1話を作成するという無茶過ぎる日程の中、「ゴルドランのラスボスを、憎きタカラの主商品である『リ〇ちゃん人形』にしろ!!」などと訳の分からない事を時折叫びつつ。

それでも、一応脚本家たちが続投してくれたこともあり、『新機動戦記ガンダムW』は大きな路線変更も無く4クール目までを制作完了したのであった。

この時、高梅シンジを更なる不幸が襲うこととなるのだが……それは『機動新世紀ガンダムX』のエピソードにて語ることとしましょう。

 

 

 

 

 

 

そして、番組が(表面上は)無事終了して間もなく、転んでもタダでは起きないサンライズ上層部は『新機動戦記ガンダムW』の続編OVA制作を決定した。

今回の犠牲者となるのは……青林ヤスヒコであった。

ガンダムWのTV版にも演出やコンテ担当として関わってきた青林ヤスヒコが、ついに監督の椅子に縛り付けられたのだ。

 

とはいえ、TV版と違って、OVAは完パケが先延ばしになってもそれほど大きな問題にはならない。

そのため、血と汗とゲロを吐きながら走った池野&高梅監督と比べれば天国と地獄のような環境差であった。

戦闘作画もTV版以上のクオリティを叩き出し、全てが順調だった。

ところが青林ヤスヒコ監督は……。

 

 

「高梅監督は何も言わなかったけど、なんで池野監督は完全平和主義なんて言い出したんだろうなぁ……。そんなの維持するのが無理だって分かるでしょうに」

 

 

なんと青林ヤスヒコ、『永遠平和のために』の存在自体を知らなかった!

簡単に補足しておくと、『永遠平和のために』によって軍事力の保持を否定されているのは国家だけである。

個人が勝手に軍事力を持って国家を防衛することに関しては、個人の自由として認めているのだ。

 

 

「完全平和主義っていうぐらいだからガンダムも残さずに自爆しといた方が良いよな多分。池野さんも自爆大好きだったし」

 

 

元ネタの『永遠平和のために』から考えれば、ガンダムは存在していても全く問題ないのだが。

残念ながら、それを知らない青林ヤスヒコは、『Endless Waltz』のラストで残っていたガンダムをすべて自爆させてしまうのであった……。

 

OVAおよび劇場編集版の『Endless Waltz』を見た多くの視聴者が「ガンダムとの決別を結論にするなら、リリーナはガンダムに頼らずに暴動を治める手段を提示するべきだったのでは……?」と首を捻ったものだが、その真相がコレである。

池野マサシとまったく思考の歯車が嚙み合わなかった青林ヤスヒコという男が、善意で池野の遺志を汲もうとした結果が、あの奇妙な『Endless Waltz』のラストシーン正体だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前書きにも書いた通り、このSSは一人の男の妄想の産物であり、本当のところは池野マサシ本人に聞いてみないと分かりません。

 

でも、ひとつだけ今わかりました。

 

宇宙の心は彼だったんですね。

 

 

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