矛盾した世界のつまらない日常   作:ユノ・アスタライズ

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 前回で結構気に入った魔王side。
 ……魔王が主人公の番外編でも書こうかな…。

 苗字がないという設定消しました。すみません、こんな設定あったなってこと忘れてました。


部下と環境が胃の大敵(魔王side)

11話

 

 「ハァハァ、やっと…やっと町か…」

 

 「そ、そう…ですね。」

 

 俺たちは丸三日かけてやっと朽ちた大地の手前の町まで行けた。なかなか…いや、少なくとも引きこもりにはかなりキツイ旅路だった………。まる二日じゃないのかよ!?

 

 「普通で…あればです。」

 

 「おま…お前に…とって…普通って、どのへんだよぉ。」

 

 「わか、わかりませんが、少なくとも…先代ほど身体能力があれば…まる二日です」

 

 あんなバカみたいな身体能力持ち合わせてるわけねぇだろぉ、おい

 

 「ちな、ちなみに。あとどのくらい、掛かりそうだ?」

 

 「こ、このままですと、あと最低でも2日です。」

 

 「そ、そうっ、か。」

 

 「お待ちしていました。ガイr…魔王様」

 

 迎えてくれたのは、魔王軍第一位で、魔王側近かつ魔王代理の魔族……名をアイン・プロクスィ

 

──────────────────────────────────────────

 

 とりあえず町に入って休んだ。

 

 「すまないな、出迎えてもらって。」

 

 「いえいえ、それほどでも」

 

 何故お前が言う。

 

 「魔王様、長旅ご苦労さまです。」

 

 なぜだろう。これが当たり前の対応なのに、急に目頭が熱くなってきた。

 

 「ありがとうっ。」

 

 心のそこからそう思った。むしろ思いすぎて泣きそうだった。俺の隣には、いつもクソみたいな部下しかいないから。……そう考えると無茶苦茶ムカついてきた。

 

 「なんで泣きそうなんですか?(笑)」

 

 笑ってんじゃねぇ?!お前のせいだろ!

 

 「それはともかく、ここは民家だろう?それに小さいとはいえ人間の集落だ、入って大丈夫か?」

 

 「心配なさらず、ここは四天王のハデスが管理していますゆえ、特に魔族が入っても問題はありません。」

 

 「そうか、ならいいんだが。」

 

 相変わらずしっかりしてるな、さすがあの親父という問題児がいる魔王軍をしっかりまとめた男。感心どころか尊敬しそうである。

 

 「それはさておき、もう寝ますよ。私は」

 

 「そうか…おやすみ」

 

 「はい、夜ふかしは肌の天敵なので」

 

 「聞いてねぇ!」

 

 「嘘ですけどね。私人間に近い構造してますけど、かなり頑丈なので、ちょっとやそっとの夜ふかししても肌荒れません。」

 

 「もっと聞いてねぇ!」

 

 クソッ、調子が狂う!

 

 「では、おやすみなさい。」

 

 バタン

 

 「仲がよろしいんですね。」

 

 「なぜだ?」

 

 「少なくとも先代のときはあんなふうに冗談言ったりしませんからね。彼女」

 

 「ならそっちのが断然良かったよ。」

 

 これは本心。

 

 「まあ、そう言わず。…………ところで、事情は聞いていますが、これからの具体的な計画などはあるんですか?」

 

 「あるにはあるが……………」

 

 「なるほど、不測の事態が多いと。」

 

 「うぐっ」

 

 そのとおりだから何も言えねぇ!

 事実、そうなのだ不測の事態が多いいや、むしろ不測の事態しかないと言っても過言では無い。

 なぜかって?簡単だ、俺は経験皆無だし。アルタイルはその直前まで未来見えないし。データを元に予測できるけどそれ親父のデータだし、書き換えはもう少し時間かかるらしい、これに関しては攻める気はない。

 

 「では、このアイン、魔王様の旅を影でサポートいたします。」

 

 「そうしてくれ、ぜひ」

 

 「承知しました。」

 

 「だが、お前人間の集落に入って大丈夫か?」

 

 「安心してください。私がやるのはあくまでもサポートで、それ以上は致しません。過保護は魔王様の成長に繋がりませんしね。」

 

 何故だろう、泣きそうになってきた。

 

 「ところで、真面目な話に戻りましょう。」

 

 「な、何だ?」

 

 突如張り詰めた真面目な空気に俺も少し乗るのが遅れた。

 

 「さまようよろい─────もとい、カニスが殺られました」

 

 「何?」

 

 会ったことはないが、噂だけは聞いたことがある。突如現れ、生まれたばかりでありながら当時の魔王軍第9位を殺害し、四天王まであと一歩というところまで上り詰めたあのカニスが?

 

 「信じられないな………」

 

 「ですが本当です。実際に見てきました。」

 

 「ちなみに何で殺られた?」

 

 「炎で焼かれたあとがありました。あの様子だと、魔法ではないですが……」

 

 「なるほど、一切わからないと。……それで、遺体はどうした?」

 

 「埋めました、ですが、何故か手甲の部分だけ欠損していて………」

 

 「手甲?!な、何故だ?!」

 

 「魔王様、気持ちはわかりますが少し抑えてください。」

 

 「ソ、そうだな、スマン」

 

 あまりにもよくわからん部分が欠損していたので少し驚いた。……おそらくそれをとったやつは相当の馬鹿だろう。乗っ取られる可能性を考慮してないからな。

 

─────────────────────────────────

 その頃違う場所。

 

 「クシュン!」

 

 『どうかしたか?』

 

 「いや、急に鼻が痒くなって……」

 

 『それはいいが、俺にはかけんなよ。』

 

 「ああ、分かってる。錆びても困るしな」

 

 『いや、そんなかんたんに錆びやしないが気持ち悪いから気をつけろ』

 

 「ド正論だな…………。」

 

───────────────────────────────

 

 「ところで、もう遅いです。魔王様。失礼ながら、もう寝たほうがよろしいかと。」

 

 「そうだな………」

 

 そういえば、もうそんな時間か。

 

───────────────────────────────

 

 ああ、よく寝た。最近野宿だったからよく寝れた。

 

 「ベッドと毛布は素晴らしい発明だと思いました。」

 

 「それに関しては同意だ。」

 

 珍しく意見が合った。きっと普段だったら突っ込んでるような気がしなくもないが、今の俺にはそんなことできない。だって、ベッドと毛布の心地よさを久々に味わったから。

 

 「魔王様、朝食の用意ができました。」

 

 「あぁ、すまないな。」

 

 「……………………。」 

 

 「……………………。」

 

 「どうしたのですか?魔王様。」

 

 「いや、うーん」

 

 出されたのは料理?だよな?なぜ疑問系かというと、単純に料理とは言い難い見た目をしていたからだ。

 

 「結構美味しいですよ?」

 

 「ちょっと待っててくれ。」

 

 「?承知しました。」

 

 「おい、どういうことだあれ」注︰違う部屋に移動した。

 

 「どういうって、朝食でしょう。………少なくとも彼にとっては。」

 

 「あれ食べても大丈夫か?」

 

 「味覚的なものですか?それとも体ですか?」

 

 「どっちもだ。」

 

 「体は大丈夫です。なんともありません。」

 

 「本当か!?」

 

 「ええ、上位魔族であれば大丈夫です。」

 

 「ちなみに食べるのが人間なら………」

 

 「死ぬほどひどい食中毒になります。」

 

 「てことは味は…………」

 

 「おそらく口に入れた瞬間気絶するかと。」

 

 「そんなに!?」

 

 「ええ、現に先代魔王様はアインには絶対に料理を作らせるなと言ってました。何なら泣きながら土下座すらしてました。」

 

 「マジか……」

 

 親父の土下座なんてたくさん見たが、泣きながらは初めてだ……

 

 「さっさと出発すれば関係ないですけどね。」

 

 「ダメだ、それだけは」

 

 「……何故です?」

 

 「作ってくれた本人に悪いだろう。」

 

 「魔王なのにそこ気にします?普通……」

 

 「親父に出されたものは血反吐はいても全部食えと習っている。」

 

 「そういえばそんな事言ってましたね………」

 

 「もう流石に行って食ってくる。お前はどうする?」

 

 「私も付き合いますよ。」

 

 「ありがとう。」

 

 コイツ、普段はムカつくけどこういうときは普通にいいやつなんだよな。

 

 「待たせたな、アイン」←戻ってきた

 

 「食欲がないのであれば無理しなくてもいいですよ?」

 

 食欲なんて湧くわけ無いだろう。こんな見た目だし。始めてみたよ?紫色でブクブクいってる料理。3つある内パン以外全部液体だし。残り2つはおんなじ見た目で分かりづらいな。料理名すらわからん。聞けばいいって?本人に失礼だろ。絶対に嫌そうな感じを感じ取りそうだからな!アインは。なんでこいつこんなに有能なの!?親父がアインに料理作らせない気持ちが心底わかる。味覚的にも精神的にもきついからな!

 

 「「いただきます。」」

 

 口に入れた直後、舌の上で味の戦争が起きてると思った。あらゆる味が舌の上で暴れまわり、こんがらがる。しかもどれもきつい味付けでそれがとてつもない不調和音を奏でてる。よくわからん味だがこれだけは言える。これは生物が食っていいものじゃない。

 

 俺は吐きそうになるのをこらえながらかっこみ、全部を拒絶反応と戦いながらようやくの思いで飲み込む。そしてパンに貪りついた。ああ、パンってこんなにうまかったんだな……。

 

 「「ごっ、ごチソ、ウサマデシタ」」

 

 どうやらアルタイルも全部食べたようだ。ああ、限界だ。

 

 バタン!!

 

 ──────────俺たちは起きたばかりというのに、また意識を落とした。

 

 「魔王様?!アルタイル?!」

 

 




 アイン・プロクスィ
 年齢:不明
 スキル:不明
 身長180くらい
 肩書き︰魔王軍第一位、魔王側近、魔王代理
 髪の色は白、目の色は金色。背中にちっちゃい羽がある。見た目20代後半のイケメン。強さで成り上がった先代のサポート役、というか、実質この人が魔王軍の要だった。先代は強さとカリスマ性だけで成り上がったので学がなく、金銭感覚も全くなかった。そのため、ルート整備、資金調達、資金管理、情報収集は全てこの人持ち。ちなみに先代と出会ったのは割と最近(魔族感覚なので人間感覚だとかなり長い)ちなみにガイルの小さいときの教育係。そのため、その時の癖でガイル様と言いそうそうになるときがある。魔王には基本従順。ガイルにもそれは変わらない(てかそれが普通)つまりガイルの周りにいる数少ない心の洗浄剤。実は新婚。奥さんも当然美女(出す予定はまだない)戦闘スタイルは不明。先代と違い部下の名前をほぼ全員覚えてる。料理はクソド下手しかも味音痴だから気づけない。なお奥さんは料理の腕は普通

 元さまようよろい(突然変異体)現リベリオンの元の名前がカニスだった。

 ………なんか最近リベリオンの過去をずっと持ち上げてる気がする。魔王sideってなんかコメディっぽくなるんだよなぁー


 注︰魔王軍ランキングは10位〜6位までは適当、だって状況次第で勝てるから。だから権力にほぼ差はない、なので基本的に10位〜6位までなら移動しようとしない。ただ、5位〜1位になってくると、強さが明確になってきて、上に上がるたびに権力も上がる。なお、ランキングは魔王軍内で正式に決戦し、下位のものが敗北を認めた場合ランキングは変わらず、上位のものが敗北を認めた場合は上位のものと、下位の者のランキングが入れ替わる。(リベリオンの場合は異例。産まれたてでハイになってうっかり近くにいた当時第9位殺ちゃってそれを知った先代魔王が魔王軍第9位としてスカウトした。ちなみに拒否したら鉄くずになってた。)
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