今回は食事中はあまり見ることをオススメしません。
15話
「勇者たちよ、よく集まってくれた。」
そりゃ集まるでしょうよ。あなたから呼び出されていかないやつってよっぽど肝据ってますよ。
「んで、親父。なんかあんのか?」
もう恒例になりつつあるな、このやり取り。
「ウム、実はお主らに良い話がある。」
「良い話ってなんですか?」
オールってナゼかこういうときにほとんどの確率で聞き返してるよなぁ…………………。
「ウム、それはな……」
給料引き上げだったら嬉しい。
「お主らをバカンスに連れていこうとな……。」
え?今なんて?
「バカンス?どこに?」
「南の島じゃよ、当然。」
聞き間違えじゃないらしい。
「バカンスって、何乗っていくんですか?」
「それは当然船じゃよ。ああ、そうだ。ついでにパトロールもしてくれんか、パトロールといっても、お主らが通るルートでたまに双眼鏡で見る程度でよいからな。」
絶対それが本題でバカンスがついでだろ。だって南の島いくのに魔の海域避けなきゃいけないから1個しか道がないし。ちゃっかりしてんなぁ。
「ああ、それくらいならやつても良いぜ。親父。」
「感謝する。勇者たちよ。」
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ヤバい。かなりヤバい。何とかしてこれを辞退しなければ………
「楽しみだなぁ、海。初めてだし。」
「そうなのか?以外だな。」
「なんか親父がお前は長男だから危ないことはダメだって、許してくれなかったんだよ。
「そういえばお前は王族のお坊っちゃんだったな………意外だが…」
「そうか?そんなことないよな?オール。」
「いや、その、アハハ…」(苦笑い)
「本人が聞くなよ。言いづらいだろ。」
「なあ、廃世はどう思う?」
「だからそれを本人が聞いちゃ答えづらいだろ。」
ヤバい。何とかしなければ……
「おい?オーイ?」
『おい、聞かれてるぞ。答えなくて良いのか?』
「うお!」ビクッ!
「ウワッ!チョ!なんだよ、びっくりするなぁ。」
「ああ、ごめん。それで、何?」
「いや、もう良いよ。その様子だと疲れ貯まってんだろ。先に部屋行って休んどけよ。」
「わかったよ、じゃあね。」
ラッキー、これで対策考えられるな。
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『で、対策とは何の話だ?』
何で知ってんの……って、確か僕のこの声聞こえてんだよね。
『そう前にも言ったはずだぞ?そんなことよりも、さっきから言ってる対策とは何だ?』
いや、その…………
『何だ、もったいぶらずにさっさと言え。』
………君もずいぶん性格変わったね。
『そうかもしれんな。だが、そんなことはどうでも良いからさっさと教えろ。』
言っても笑わないって約束できるか?
『ああ、約束してやるからさっさと言え。』
僕って、乗り物超弱いんだよね。
『は?』
いや、だから。僕は乗り物に弱いんだよ。昔から。
『なに言ってるんだ?乗り物に強い弱いなんてないだろ。戦わせるわけではあるまいし………レースでもやるのか?乗り物と、ならやめとけ。負けるから。』
あ、そういう意味!?単純に乗り物に弱いって言葉の意味がわからないにパターンね!?あと誰も乗り物とレースなんかするなんて言ってねぇよ!
『ならどういう意味だ?』
単純に言うと……
『いや、説明しなくて良い。お前の記憶を見る。』
怖!?そんなこと出来んの!?
『ああ、出来る。といっても、本人が許可した記憶しか見えないがな。』
だとしても十分恐ろしいよ。
『………なるほど、乗り物と相性が悪いということか。確かに、お前の記憶を見るに、乗り物にあまり言い思い出はないな。だが、自転車?という乗り物だけは乗れてるな、どういうことだ?馬車も乗れていだが……』
ああ、それね。歩きで行ったら遠い会社や高校を電車で行ったら酔っちゃって授業や仕事にしばらくはなんないからよく自転車使ってたな。会社の近くに引っ越すまでは。………思えばあの時期が体力一番あった時期かもしれない。
『なるほど……………で?自転車や馬車だけ乗れるのは何故だ?』
いや、その………うん。僕にもよくわからない。それにね、ルース。物事には例外が少なからずあるんだよ………。
『貴様、今絶対説明するのがめんどくさいからあやふやにしたろ。』
良いだろ!別に!実際説明できないんだから!
『ならもういい、で?どうするんだ?醜態晒したくないんだろ?』
もう良いや、仮病使おう………。
『仮病?仮病とはなんだ?』
もう良いよ…………めんどくさいから…………
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「ごめん。ちょっと僕留守番してるよ。」
結局仮病はやめた。具合悪いの演じられる自信ないから。
「え?なんでですか!?」
「いや、ちょっとやりたいことがあって。」
ここはもう多少苦しくてもこれで押しきる!押して押して押しまくる!
「ならしょうがねぇ、中止って親父に言ってくる。」
え?中止!?
「えっ、なんで中止?」
「いや、だってお前がいなかったら誰が金を管理すんだよ。俺たち結構金使い荒いんだよ。知ってんだろ?」
そ、そうだったッ!忘れてた!アベルはお坊っちゃんだから金銭感覚狂ってるし、オールは押しに弱いしお人好しだから直ぐ詐欺引っ掛かるし、翔真も単純でなおかつ金があったら直ぐに使うタイプだったッ!
「「「ハア…………。」」」ズーン
なんだろう……申し訳ない事した気分になる。
『なら行けば良いだろう。』
嫌だよ………借り物の船で嘔吐したくない。
『ならずっと罪悪感抱えるか?多分しばらく残るぞ?』
だよなぁ………。
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はい、結局来ましたよ。船場に。
『嘔吐したら我にかけるなよ。』
わかってるよ。気を付ける。
「楽しみだなぁ、海。」
「そうだね………。」
「どうした?具合でも悪いのか?廃世よ。」
「まだ出航まで先ですし、休んでて良いですよ?」
「ありがと……でも良いよ。」
それに具合悪くなるのこれからだし。
ハア、吐かないといいけど……。
───────魔王side
「おい、これはどういうとこだ?」
「どういうって船員ですよ。さっきすり代わった。」
「いや、わかるからこそ意味がわからないんだが。」
俺たちは前回と同じ方法で、ある船の船員と入れ替わっていた。
「そう言わないで下さいよ。これでもきちんと意味はあります。」
「どういうことだ?」
「実は、この船勇者達が乗る船なんですよ。」
「ハア!?マジで!?」
なんてもんに乗せてやがんだ!!
「それで、この船の通るルートって水の四天王、そして魔王軍第4位のロマノフ・グラエースの縄張りなんですよ。実は。」
「なんでそんなとこを通るんだ?」
「それはあの人が大体昼は酒かっ食らって爆睡してるからですよ。夜は鍛練と酒に集中してますし、それを邪魔するような爆音で海を通るとたちまち海の藻屑です。なので、割と知られてません。魔王軍でも知ってるのはランキング入った事がある人くらいです。」
「なるほど………最初のやつは聞かなかったことにしよう。」
「?そうですか。」
何故だろう。やな予感しかしない。
────────────再び主人公視点
ヤバイ、やっぱ無理……
「だ、大丈夫ですか?」
「………。」コクコク
ぶっちゃけ大丈夫じゃない…ヤバイ、頭揺らしただけでも気持ち悪い。
『我にはかけるなよ。』
わかってるよ……………善処はする。
「無理はしなくて良いから、あそこの休憩スペースで休んでこいよ。」
「わかった………。」
正直一言発するのがやっとだったから少し、いやかなりありがたい。
────────────────三人称視点
廃世は、言われた通り休憩スペースにいると、すでに船員の格好をした先客が一人いた。
「……ここ、良いですか?」
座っている人の隣に席を指しながら、吐きそうなのをやっとの思いで言った。
「どうぞ……。」
普通に席を開けてくれた。だが、その船員らしき男も酔ったらしく、顔が廃世のように青白い。
察している人もいない人がいるだろうが、この船員は魔王である。初めて乗って出航したら割と早めに酔っていた。まあ、乗り物に乗ったのが初めてだから仕方がないといえば仕方がないのだが。
「…………。」
((気まずい、そして居づらい……。))
別に二人が仲良くする必要もないし、話しをしなければならないなどとの決まりもない。だが、それは無言による気まずさ、居づらさなどを消す理由にはならなかった。だが、それらを軽くするには、会話をし、ある程度盛り上がらなければならない。二人に初対面の人にそんな事が出きるほどの会話力は持っていない。それに、二人とも船酔いによる吐き気と戦い、すでに満身創痍である。とても会話などできる状態ではない。だが、二人は決心した。片や、同じ失敗を繰り返したくないと言う思い。片や、王としての尊厳を守るため。二人は、この気まずく、居づらい空気に耐え、吐き気と全力で戦うことを決めた。本人達には大事な決心だが、端から見たらクソくだらない決心である。
((絶対に、絶対に吐かない!!))
ガコンッ!!
そんな二人に、血も涙もない大きな揺れが襲う。それにより、二人の胃の中身が一斉に帰省を始める。
「「ウぷッ………」」
ゴクンッ!
((あ、危ねぇぇぇ。))
何とか飲み込んで九死に一生を得た勇者と魔王。
そんなときにアベルがいきなり休憩室の中に入って来た。
バンッ!!
「「!!!」」ビクッ!
「おい、ヤバイぞ廃世!!こっち来い!!」
「ちょっ、止めて……揺らさないで……」
ちなみに、二人ともアベルが来たときびっくりして少し吐き気が取れた。
───────────再び主人公視点
「ワッハッハ!!貴様らか!勇者達は!!!」
休んでる途中で呼ばれたのでいったら、なんかキレ性っぽいデカイ爺さんだった………。
「そうだが、貴様は誰だ?いきなり海から出てくるなり船の上に飛び乗りたり。まさか、魔族か?」
いや、むしろそれ以外何があるんだよ。海から出てきたんだったらほぼ確定だろ魔族なのは。
『基本はそうだな。よくよく見ると鱗もあるな、恐らく魚人の一族だろう。珍しいな、魚人でここまで人間に近いのは。』
確かに、鱗さえなければ人間と格差ないよな。ちょっと肌の色おかしいだけで。
「その通りよ!儂は海皇!!ロマノフ・グラエースである!!!四天王にして!!魔王軍第4位!!さらに海皇の称号を持つ男!!!勇者達よ!!!儂と勝負せい!!!返事は聞かん!!!」
元気そうだな!!この爺さん!!戦え?無理だよ!!今船酔いで精一杯なのに!!!無理難題言うなよ!!!あと返事くらい聞けぇぇぇぇ!!!!
「返事なんてしなくても、俺たちの答えは決まってるッ!!行くぞ!みんな!」
お前もお前で勝手に僕の答えを決めてんじゃねぇよ!これで後戻りできなくなったじゃねえか!
『終わったな。まぁ、精々頑張れ。』
いや、まだ2人がいる!二人が反論してくれればそれに便乗して逃げられるッ!
「ハイッ!!」
「当然だろ!やるに決まってる!!」
なんだよぉ!!なんで同意してんだよぉ!
『頑張れ。』
クソヤロォォォォォォォォ!!!!
ロマノフ・グラエース
830歳、身長185cm、イメージはフェアリーテイルの本気だしたオーガスト。好きなもの酒、酒に合うもの。
スキル…『魔法適正水・氷S』水・氷の魔法しか覚えられないがその代わり威力が上がり、低レベルでも覚えやすくなる。さらに、使用時の消費MPも大幅に減る。
『格闘術S 』…格闘術を覚えやすく、使用するMPも減る。
概要…スキルが2つしかないが、それをすべて極限まで極めてる技と体をあわせ持った魔族。ただし、重度の酒好きのため、心・技・体の心だけ持ってない。あと先代魔王と仲が良かったらしく、よく一緒に酒飲んでたらしい。
なるべく気分を害さないように頑張りました。苦手な人はすいません。